short story


2001年10月29日(月)


「単一色の午後」

雨が降っていたので
外に出た。

少し風があったので
タバコの煙は
目に染みなかった。

目を瞑っていても
歩けるような夜。

街灯など
ない方が良い。



2001年10月25日(木)


「それが大事だから」

あの人の側にいることに
慣れないようにしたい。

眠れないのは
困るけど。


2001年10月22日(月)


「澄んだ水」
秋に吹く風は
透明に思える。
すごく澄んでいて
無味無臭だ。
それはまるで
純粋な水のように
冷たい感触で
肌を撫でて行く。

秋になると
人肌が恋しくなるのは
きっとその風に
色々なものが
溶け出してしまっているせいじゃないかと
思ったりもする。

水に溶かされるように
溜まったものを流して
僕の中が奇麗になったら

どうか
そこには君だけを。


2001年10月18日(木)


「確認」

座り込んで
大切なものについて考える。

息をするのも忘れて。


2001年10月15日(月)


「頷く人」

くだらない事とは言わないけど
いつまでもそうしてはいられないから
そろそろ
笑ってもいいのでは。


2001年10月12日(金)


「ちょっと未来へ」

伝えようと思って
口から出る言葉ではなく
あなたのそういう
無意識の会話から零れる言葉に
ちょっと先の未来があり
そこにわたしもいると感じた時
この上ないほど
幸せになるのです。


2001年10月10日(水)


「器」

あなたの器にはなれない。
零れてしまっていいから
混ざってしまえば
いいんじゃないかと思う。

元には戻せないのは
都合がよい。


2001年10月08日(月)


「届かぬともがいて」

正義のために
なにかを行う事が
正しいとされるなら
果たしてその正義の正しさは
一体なにが証明するのだろうか。

僕らの手の届かぬところで
確かに存在する
唯一の真理というものが
あるのだろうか。

そうしてまた
死んでゆく。


2001年10月05日(金)


「暗」

暗がりの中で
目を凝らす。
光の中では見られないものに。


2001年10月03日(水)


「友達になろう」

君が
どんな反応をするのかと
少し怖かったけど
勇気を出して声をかけた時
君も
安心したような表情を見せたので
僕らは友達になれると思いました。

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日記才人