short story


2001年04月29日(日)


「命綱」
あれほど不要だと思っていたものが

今では僕の

命綱。


2001年04月27日(金)


「涙の選択」
なにか私のひとつでもって
人に涙を流させることができるとしたら
それがどういった涙なのか
私は選ぶ。

できれば
笑って流すことの出来るものならと
思うのだけれど
そう願ってはいてもやはり
しっかりとそれを選ぶのは
とても難しい。

泣かすことだけなら
割と簡単だから
余計に私は
誰かの側にいることに
気を使うのです。

私が先に
泣けばいい?


2001年04月25日(水)


「砂の影」
底に溜まる砂を見る。
渦を巻いた
動きもしない
全くの影
行き先の影。

どうしようもなく
不安になる。


2001年04月24日(火)


「必要最小限」
それはきっと
素晴らしく気持ちの良いこと。

たとえば一言で
伝えられたら。


2001年04月23日(月)


「戸惑い」
戸惑いを覚えるほど
急速に膨らんだもの。
あまりに不可解で
信用しきれない。

理由さえない
好きという感情。


2001年04月20日(金)


「無力」
萎れ、
激しく傷つき
それでも
すぐに元気になるから、と言い
私に笑い掛ける。

少し疲れてはいるが
諦らめたわけでもない、と。

あなたにかける
言葉がみつからない。
どんな言葉を使っても
癒すどころか
慰めにもならない。

そして
あなたもそんな事を望んではいないと
私は知っている。

私はこうして
あなたの横で
無力を思うだけ。


2001年04月19日(木)


「けむり」
湧きあがるものを
煙草のけむりと一緒に吐き出したけど
少しも薄まらないから
吸いたくもない煙草を
もう一本取り出す。


2001年04月18日(水)


「精一杯に」

装ったのは
偶然じゃなくて
無関心。


2001年04月17日(火)


「訣別」
もう電話はしません。
あなたへ
今なら間に合うからです。

後になって後悔なさい。
あなたへ
もう遅いです。


2001年04月13日(金)


「こんな日は」
いつもはしないような事を
わざとしてみて
ちょっと特別な自分になる。


2001年04月12日(木)


「無口な雨」
白く、くすんだ夕暮れ。
雲の濃淡が
わたしを無口にする。

流れる景色には
いつも
あなたとわたし。


2001年04月11日(水)


「曇り空に傘」
どんよりと空が暗い日は
いっそ雨が降ってくれたら。
あとは傘をさすだけ。


2001年04月10日(火)


「鏡」
風の音
その温度
僕の影
地面で折れて
振り向く事など
できやしない


2001年04月09日(月)


「網」
網の上を歩く。
砂はこぼれて
絡まった。

網を横目に。
檻の様で
木蔭に求めて手を伸ばした。

網、故に羽織っても
冷たい風からは
守ってくれやしない。

どうしても届かないものがある。
捕まえて。
離さぬと囁け。
もって私は自由を得る。


2001年04月05日(木)


「まぁいいか」
いつも触れていると
ありがたみがなくなるような気がして
時々だけど
冷たい素振りをした。
そうしたら
今度は君の方から触れてくるから
なんかどっちでも同じような気になって
結局、僕は
遠慮なく君に触れることにする。

まぁいいか。

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日記才人