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2007年05月30日(水) お馬鹿三題



 幾度目かのパスポートの期限切れで、京都駅ビルにある旅券事務所に行った。これは本人が行かなければならない。手間である。
しばらく待たされた後、呼び出され窓口に行き係の人と一対一で書類を確かめる。名前から始まり事細かくチェックしていく。担当のお姉さんは、ぶつぶつ何事かいいながら指でいちいち項目をなぞりながら、確かめている(後から思えばふりだけしていた)。
そうだろう、外国で唯一身元を保証するものだから慎重に慎重を期すのは当然の事でこちらはじっと待つ。一週間前後で、出来ました葉書で知らせるから、葉書とともにまた本人が取りにこいと言われて無事終了。

 何日か後の日曜の朝電話がある。
最近電話がかかってくる事はほとんどない。大抵E-mailである。携帯電話は持った事が無いので、コンピュータでのやりとりということになる。これには感謝している。時を選ばずかかってくる電話には本当に往生していた。
一旦仕事や熱中する事(例えば読書)にかかったら電話がかかってきてもいっさい取らない、居留守を使う。一度これでばつの悪い思いをしたことがある。
 制作中に電話がかかってきた。かなりしつこい。仕方なく出たら、「わだずは…、なんじゃらもんじゃら…、」日本語になってない。何だ、いたずら電話かと思って「どこにかけてんでぇ(とはいわなかったが)違うよ、」といって電話を切った。制作を中断されると流れが変わってしまい続けて出来ないので、茶を飲んでいたらまたかかってきた。出ると知り合いからで、さっきかけたという。
久しぶりにニューヨークから来た共通の友人、米国住まいの英国人にこちらをびっくりさせようと電話をさせたという。
ちょっと乱暴に切ったので、しらばっくれて「違う所にかけたんではないか」と言ったら履歴に残っているから間違いは無いと言われて冷や汗が出た事があった。

 電子メールが来ると、コンピュータは声で到着を知らせてくれるが、好きなときにあければよい。こんな嬉しい事は無い。
 時折見かけるが、高級なレストランにまで携帯を持ち込んでなんとテーブルの上において食事をする輩がいる。喫茶店でもみかける。携帯電話が確かに便利な事は実感として知っている。携帯の黎明期、雪舞う奥琵琶湖を友とドライブしていた時に、軽トラックの肩輪を路肩の溝につっこんで吹雪の中、途方に暮れている老夫婦に遭遇した。
この時、友人の持っていた携帯が役にたった。圏外ぎりぎりだったようだが、助けを呼べた。本当に便利だと思ったが、個人で持つという発想は出て来ず、車に標準搭載すればいいと思った。
非常の時などはそうそうあるものではないし、もし、そんな時に遭遇(人の生き死に)しても持っていなかった事への後悔はしない事にしている。

 話を元に戻して、日曜の朝、電話がかかってきた。昼近くまで寝ているので迷惑千万だがその日なぜか出た。旅券事務所からであった。何事かと思ったら、名字が違うという。んな、阿呆な!と言ったら旧漢字がなんとかかんとかと言う。名字はご先祖から伝わっているものだから、新仮名遣いになったとしても、戸籍登録は当然昔のままである。ところが、国は新仮名遣いにあらため、旧(正)字を排した。漢字を制限した。教育でも教えない。
 そうしておいて、旅券申請は旧字でせよといい募るのである。例えば、戸籍で廣田となっていて普段は広田さんで使っていても廣田と書けという。くさがんむりも、真ん中が離れているものがある。うちはこれで文句が来た。。

「ちがうってあんた、膝つきあわせてこの前、確かめたのはあなただよ。こちらは質問された事にちゃんと答えたよね。その時にそれを発見できなかったのなら職務怠慢ぢゃないか。それに今回、肝心な事は本人確認できればいいのであって、免許証の写しも提出したし写真もあるのだから、そんな事でいちいち電話してくるなよ。」といったら、それではこちらが訂正しておきますといって電話を切った。自分で何も考えられない。

馬鹿その二。

 国際免許証取得のために行った免許試験場で。
国際免許証は一年しか有効期限がない。毎年外国にでかけると毎年試験場に足を運ばなければいけない。結構遠い。タクシーで数千円。
 デジタルカメラの発達で高画質でコンビュータからプリント出来るようになったので、試験場で高い金払ってお尋ね者の犯人のように撮ってくれる写真よりはいいと、できるたけ男前に撮ってプリントして持っていった。その写真にクレームがついた。

係のお姉さん「コンビュータでプリントしましたか。」
たん譚「なんで?いけないの?」

係のお姉さん「そういう決まりです。」
そこで、

たん譚「この写真に写っている人誰にみえますか?」

係のお姉さん「あなたです。」

たん譚「この写真何のためのものですか?」

係のお姉さん「本人確認のためです。」

たん譚「じゃこの写真でいいですよね、外国で提出を命じられた時は、日本の免許証も同時に出すことになってます。だとしたら、二重にチェック出来るという事ですよね。もう一度聞きますけど、これは何のためのものですか。」

係のお姉さん「本人確認のためです。」

たん譚「だったらこの写真が何を使い、どこで撮られてようとかまいませんよね。本人とわかればいいんですから。 たとえ国際免許証に張ったこの写真がすり切れても、日本の免許証があるから大丈夫ですよね。」

係のお姉さん「…。」

納得いかなそうなので、コンビュータではありませんと言ったら納得した。
一時間後、国際免許証を受け取った時に、
「プリンターで印刷しました」と言ってやった。

馬鹿その三。

某インターネットバンク申し込みの際のクレーム。

某インターネットB「本人確認出来ません。」

たん譚「何で?」

某インターネットB「住所がネット上からの書き込みでは、

ぽこぺん市ぺこぽん17

としてますが、あなたが送ってきた免許証のコピーでは、住所が、

ぽこぺん市ぺこぽん17

となっていて、本人確認出来ません」ときた。


 即入会を取りやめにした.こういう所は、何か問題が発生したとき面倒が必ず起きると予感したからである。




→2002年の今日のたん譚 本末転倒










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