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台湾の李登輝さんが、ニューヨークを訪れた。ブッシュにお土産を出した。どんぐり400個。
先日、南仏での滞在を終えて、最終日はパリにいた。この日の夕飯は、南西地方料理を売りにして、ミシュランの星**をもらっている「Helene Darroze」を日本で予約していた。めずらしい事に、女料理人で経営者でもある。 京都での予約は最初FAXでし、返事は出来たらE-mailでくれと書いておいたら、Eメ−ルできた。「必ず一日以上前までにコンフェルマシオンせよ」とあり、つまり、予約の再確認をせよと言う事で、ここまではどこでもそうである。ところが、こちらが指定した時間を勝手に三十分早めて、午後7時30分に来いとなっていた。その上、お前の滞在するホテルを知らせよと書いてある。どこのホテルに泊まろうが知ったこっちゃないだろとは思ったが、日本を出る直前に、予約確認を兼ねて、メールを出して置いた。田舎にいる間は連絡がとれないので そうした。通常はそれで十分なのだが、今回はちがった。
南仏で短い夏休み兼、取材を終えてオルリー空港からパリへ。ここ数年常宿(簡単にインターネット 無料接続が出来るのが主たる理由)にしているホテルに着いて、ネットで産經新聞他を読んでいると、電話が鳴った。 フロントからで、電話がかかってきていると言う。家人が出た。目を白黒させている。ちょっと話して何事か了解したらしい。 かけてきたのは、「Helene Darroze」で、ようするに、「ほんまに来るんやろなー?」の念押し電話!!であった。こんな事は初めてで、そこまでする、過去三ツ星二つ星その他料理店、皆無であった。今まで訪れた店とたった一つ違うのは、「女の料理人で経営者」だと言う事だ。なんだか、執念深さを感じてぞっとした。「そこまでするかぁ!」 まだある。レストランに着いて、フロントで、予約した誰それと告げている時に、テーブルに拡げられていた帳面が目に入った。予約とおぼしき走り書きがびっしりと書かれていて、とても、今夜さばききれるとは思えないものだった。飛ばし飛ばし赤線で消してあるのは、もう来ているのか。
午後7時30分といえば、日本と違ってパリの高級レストランは宵の口で、閑散として、食っているのは、日本人観光客位なものである。ここでピンと来た。 ははぁ、予約時間を勝手に早めて指定してきたのは、日本人を早く食べさせて帰して、もう一二回、回転させる腹づもりなのだろう。そうは行かない、ねばってやるゾ。
案内された席は、二階奥の上席だった。やはりと言うべきか、早い時間に関わらず既にほぼ満員で、宴、酣(たけなわ)であった。話す言葉から、イタリア人、アメリカかイギリス人の観光客だとわかった。多分早い時間に逆指定されたに違いなかった。案の定、着席してほどなく隣のカップルは勘定して席を立った。ちょっとして、すぐに違うカップルが席に着いた。満員。
地方料理にしては、盛りつけや、色使いは洗練されていた。フランスも健康ブームで、再び、量が控えめのヌーベル・キュイジーヌなんだが、どこか片手落ちなのだ。チーズデザートの後、お茶の前に、横4・5列が2段になったガラスケースに入った、ヌガーやキャンデーが出てきて、さあ、選べという。
これでは、いくら主菜に気を配っても、こんなのに手を出したら、総じて高カロリーになってしまうのが、分からないのだろうか。これは、先日までいた南仏の星*のレストランもまったく同じサービスの仕方であった。目はパリにいつも向いていて、田舎ですぐまねするのだろう。チーズとデザートを断って、アンヒュージョン(香草茶)だけにしたら、「何て亊するんだ」というような顔をした。それでもお茶が終わる頃、12時近くになっていた。ザマミロ。その間頻繁に席交代があった事は言うまでもない。
勘定を済ませて階下に降りると、テーブルなどありようのないと思っていた場所のカーテンがわずかに開いていた。それとなく見ると、その中にもテーブルがしつらえられて、数人が食べていた。そんなに広いとも思えないこの建物の中で、いったい何十人が夕飯を食べ(させられ)たのだろう。女経営者恐るべし。ホテルまで電話かけてきて確認して、一体この日は何巡したのだろう。料理の味付けは総じて濃く、残したものもあった。外に出ると、来る時は降っていた雨はやんでいた。
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