三女が、原宿に行きたいと言うので行った。
竹下通りを歩くのは20年ぶりだ。
一年中 縁日の町は、とりどりのファッションの お若い方々で いっぱいで クレープの甘ったるい匂いが、辻々に漂っていた。
お線香の匂いに包まれた 巣鴨の「とげ抜き地蔵尊通り」と、だぶって見えるのだが・・
歩く人々が トシとってるか、とってないか、というだけで 二つの町には なにか共通点があると思う。
そういえば巣鴨は「おばあちゃんの原宿」と 呼ばれているんだったね。
帰りの山手線で、 池袋駅でのこと
「駆け込み乗車はおやめください!」と 駅員さんが絶叫していた。
扉がしまっても 電車が発車せず、「電車から離れて下さい!!」
「電車から は・な・れ・て・く・だ・さ・い====っっ!!!」と
青筋たてて何度も絶叫しても、まだ、遠くの人影が 電車から離れなかった。
「あれ、はさまれてんじゃないの??」と娘と話していたら
駅員さんは
「昇降機ーーーーっ!!!」と 叫んだ。
「腕が挟まれています〜〜っ昇降機!!!!!!! しょおこおきーーーっっ。」
昇降機とは、確か いろいろ こじ開ける機械の名前。
駅員さん、絶叫ご苦労様です。
数分後、電車は なにごとも無かったかのように 発車したのだった。
走る車体には、駒沢大学、東海大学、早稲田大学の名前が大きく書かれて いた。 正月の箱根駅伝の出場大学名なのだなあ。 と、しばらくしてから わかった。。
年末のお忙しい中
ここまで 日記を読んでいただき、ありがとうございました。
来年もよろしくお願いいたします。
物見高い性格なので 丸の内の光の回廊「ミレナリオ」を 見てみたかった。
有楽町の近くを歩いていたので、この もうちょっと先だから、と 渋る三女を連れて行ったら、 どうも 逆方向だったらしい。
ぐるなびのチラシを配ってるお兄さんに聞いてみた。 「これ、こっちから見に行けませんかねえ?」
お兄さん、 「ああ、逆方向から来ちゃったんですねえ。」
私「こっちからは 行けないんですか?」
お兄さん 「行けないことはないと思いますが、流れがありますからねえ・・。」
あまのじゃくな性格なもので、 その流れを突っ切って行って見ようかとも思ったが、 よく見ると 向こうの信号の先にたまっていたのは、 明治神宮の参拝客のように、大量の 人間のかたまりで、 信号が変われば、それがゲームのブロック崩しのように こっちに向かってくるのは当然だった。
無謀なことは諦めて、Uターンして ミレナリオの最後の飾りだけを眺めて 家路についた。
その時 若いお姉さんが、ロングブーツの靴底を滑らせ ごがっとすごい音をたてて 転ぶのを見た。 壁に頭を打って、しばらく頭を押さえて かがみ込んでいたが・・ 大丈夫だったんだろうか・・・
池袋のサンシャイン水族館で 魚の餌付けショーを見た。
亜熱帯の魚たちの水槽の上の方から、 黄色の足ひれが見えたと思ったら 真っ赤なウエットスーツのお姉さんが、 ザパーーンと、タッパーウエアに餌を入れて登場。
司会のお姉さんや、会場ともコンタクトができ 水槽の中から 「皆さん、こんにちはあ〜〜」と手を振るのだった。
まず 体長一メートルぐらいのトビエイに イカの切り身を与え、トビエイが コミカルな腹を見せながら ぱくっと食べる姿を ガラス際で見せてくれた。
てなづけられたイヌザメも、シシャモをもらい のどをなでてもらい、ご機嫌のようだった。
そしてお姉さんは、最後に 毒ウツボを高々と 持ち上げてみんなの拍手喝采を受けた。
パンフレットによると お正月には このお姉さん、晴れ着を着て魚の餌付けショーをするらしい。 晴れ着に、酸素ボンベ姿の写真が載っていた。
元旦から ご苦労様です。
こんな画像でどうでしょう。
春の画像ですが、清楚さがたまりません。 モンジャルダン・エ・マ・メゾンと梅花ウツギです。
良いクリスマスをお迎えください。
2004年12月23日(木) |
見てはいけないもの、その5 |
温泉通の友人 Mさんに 「一番のおすすめの温泉は?」と訊ねたら 秋田の「Tの湯」という答えだった。
もう一人 別の温泉通の友人に、同じ質問をしたら やはり即答で 「Tの湯」という答えだった。
二人のお墨付きだから、これは近いうちに是非行ってみなければ・・・ と思っていた。
今回 東京駅に着いて 構内を歩いていたら 大きく目に入ってきたのが 雪に囲まれた風情ある露天風呂の写真、 実に 旅ゴコロをそそられる特大ポスターで
『あったか北東北キャンペーン Tの湯』
ああっ こ、これが うわさのTの湯!!!??
なんでこんなところで デカデカと・・・??
飯田橋の構内にも 池袋の構内にも貼ってあった。
青森のあさむし温泉、岩手の大沢温泉, 松川温泉、等と並んで 北東北の名湯が いくつか ピックアップされていた。
JR東日本の今季の渾身のキャンペーンらしい。
しかし こんなにデカデカと宣伝しちゃったら、 大勢の人が来るでしょうが。
そして、私が行くとき、 またオシラ様で 満杯状態になるではないか。
都会のお人よ 見てはいけない、見てはいけないよ、 Tの湯のポスターなんか・・(涙)
2004年12月22日(水) |
見てはいけないもの、その4 |
地下鉄の階段をあがって 虎ノ門交差点で、友人と待ち合わせた。
友人は、父君が 虎ノ門病院に入院中なのだ。
交差点のま向かいに 12月の青空を背負って 由緒ありげな建物が、しゃんと立っている。
それがわけもなく懐かしく なぜか確かに見覚えがあり、 友人に訊ねてみた。
「ねえ、あれは何の建物?」
「あれ、文部省だったかな。」
なるほど 納得、
昔からNHKテレビのニュースで 文部省が どうしたこうしたと言う時 映し出される黄土色の壁のアレです。
友人は指さして教えてくれた。 「向こうが、新しい文部科学省、 あれが 大蔵省、 あっちが 日本たばこ産業本部ビル、 あっちに虎ノ門病院、 その向こうの方にホテルオークラ、 そして、ほら、あれが 国会議事堂よ。」
あんぐりと大口を開けてしまった、ここが 日本の中枢、内閣総理府。
総理官邸も、霊南坂教会までも、あるのだった。
道路際では、クレーンがいて 何か工事中だった。
「これ、なんの工事だと思う?」と友人が言った。 「?」 「これね、東京に大地震が来たとき、 首相はじめ閣僚達が 真っ先に 日比谷公園まで避難するための側溝なんだって。」
最近とみに、大地震が来た場合の被害予想の数字を聞く。
中野、杉並は古い家屋の住宅密集地なので、被害が大きいと思われる、と
何度も聞かされているのに、
なんら手が打たれているわけではない・・・。
見なければよかったのかも知れない・・・。
2004年12月21日(火) |
見てはいけないもの、その3 |
青年は、よほど眠かったのだろう。
大きく足を開いて、上体を前にーー と ラジオ体操第一のかけごえのように
山手線の座席に座ったまま、
上体を携帯電話さながら 腰からぱっきり二つ折りにして
床に頭頂部をつけて両手をだらり
その横には ギターが置いてあった。
あれで 名のあるミュージシャンなのかも知れない。
徹夜でアルバム作りに参加したのかも知れない。
リードギタリストとして、著名人のアルバムに名前をつらねているのかも・・・
おっと、見てはいけない、見てはいけないのだ。
2004年12月20日(月) |
見てはいけないもの、その2 |
これも夜6時過ぎの有楽町線だった。
身体の大きな若い男性が 何かを抱えて乗ってきた。
どかっと座席に投げ出すように置いたそれは どう見ても 木の切り株だった。 直経50センチはあったろうか。
切ったばかりではなく、ニスで加工された「台」で 北海道の熊の置物や、山形の将棋の駒をその上に 置いて床の間に飾るような台座ね。
そういう関係のお仕事なのだろうか。。 と思って見ていたら 男性は、手に一枚の紙を持ち、 大声で読み上げ始めた。
「5じ46ぷん、5じ48ぷん、5じ○○ぷん・・・・・」 大きな声で 呪文のように。
見てはいけない、見てはいけないのだ。
2004年12月19日(日) |
見てはいけないもの、その1 |
12月の夜の地下鉄 有楽町線で、 いぎたないカップルが 頭をくっつけて寝ていた。
膝の間に某ネズミランドの袋。 遊び疲れたお若いお二人さんねえ、と 吊革につかまって見ていたら
目覚めたアイメイクばっちりのお嬢ちゃんが 「ピアスの穴が なんたらかんたら・・」と話し、 隣のやたら髪の汚いお兄ちゃんが 「どれ」とか言って お嬢ちゃんの左の耳たぶにピアスを、ぷすうっと 挿そうとすると 「あいたたたたっ」と お嬢ちゃん 身をよじるもんだから キャッチが 座席に落ち、それを二人で ごそごそ探す。
私は、忘年会で慣れないカクテルをジュースと間違えて 飲んじゃったもんだから、その時 ホントに気持ち悪かった。
また なにかごちゃごちゃ言いながら、 お兄ちゃんは、お嬢ちゃんの耳たぶを 大事そうにつまんで また、ぷすう・・・ 「あいたたたっ、いや〜ん、」とか なんとかいいながら それを何度も繰り返す。 で、またそのたびに ピアスや、キャッチを、何度もポロっと 落とすのである。
そして 飽きることなく 二人は 右の耳でも同じことを繰り返すのだ。
私は 思い切り顔をしかめていたのだが その二人のやりとりを見ていたらホントに こみ上げてくるものがあった。
「うう〜〜〜っ気持ち悪い、 おおええっ吐きそーーーーーーーっっっっ!!!!。」 と、声に出して叫びたかった。
が、なんとか 我慢した。
後日 東京の友人に その時の話をしたら
「そんなの見ちゃだめよ、目を合わせないの! 文庫本 手に持って、見ないフリ、見ないフリよ!」と 言われた。
東京の地下鉄は、一種の我慢大会であるのだろう。
修学旅行の怖い話その2 は、あまりに怖いので 載せるのはやめました。
2004年12月14日(火) |
修学旅行の怪、その1 |
次女が 関西へ修学旅行に行ってきた。 そのおみやげ話。
次女のクラスには、霊感の強い女の子が二人いるそうだ。
その一人A子さん、
銀閣寺を見学して帰るとき
「やだー どこかのおばあさんが ついてきちゃった・・・」と青ざめた。
当然 まわりのみんなは、何も見えない。
「ホントだ、おばあさんだね。」と もう一人の霊感少女 B美さんも 言った。
二人は、同時に気分が悪くなってしまったそうだ。
そして、旅館に着いてしばらくして A子さんは 泣き始めた。
「もう いやーー。」と、自分の霊感体質にも おおいに嫌気が さしたらしく 大声で泣き始めたのだった。
やおら もう一人のB美さんは、すっくと立ち上がった。
「あたし 塩もらってくる。」
旅館の調理場へ行って、塩をもらい
それをA子さんのまわりに振りかけたのだそうだ。
そして、おばあさんの霊は、どこかへ行ってしまったそうだ・・・・
今も、どこかに浮遊しているのかも知れない、
修学旅行の生徒の後ろに・・
どこでもあるような塩で 簡単にいなくなるんなら、 とりつかれた最初から 塩かけるとか、 あるいはA子さん、最初からポケットに 塩持って行動したらいいのでは???
と突っ込んだ、私でした。
2004年12月13日(月) |
岩手の12月、風景その4 |
今日 車を運転中 信号待ちで見たものは・・
小さな小さな産直屋さん。
屋根のひさしがボロボロの もともとは クリーニング受付店だった。
クリーニング受付のかたわら、自家製の野菜を 売り始めたらしい。 「産直」と書かれた 緑の のぼり旗は、どこかで売ってるのだろうか。
手書きで30センチ四方の色画用紙に「や」「さ」「い」と マジックで書いて、ガラス窓に張り付けてある。
手書きの紙がいっぱいで、「韓国キムチ」なんてのは、 二重の枠線になっている。
そしてやはり手書きで 「真っ黒な土で育った、おいしい長芋あります。」と書いて 貼ってある。
土は、たいてい黒いだろうねえ。
おいしさを強調したかったんだろうね、 ちょっと買ってみたいけど 車、停めるのちょっと難しい場所なんだよね。
で、唐突に思い出しました。
宮沢賢治の詩の一節です。
「われらは黒き土に伏し、まことの草の種まけり。」
花巻のどこかの学校の 校歌の一部になってたと 思います。
とても 好きな一節です。
2004年12月08日(水) |
岩手の12月、風景その3 |
物騒な世の中です。
最近 近所をよくパトカーが回っているな、と思ったら 中学生のジャージ(体育着)が、狙われているのだそうで・・
高校生や、若い人が、中学生のジャージを 着るのが流行っているんだって。
それもU中、M中のが 特に人気だそうで・・ 外に干してあると、盗られるそうです。
アンビリーバボー。
名前入りのジャージ着て悪さされたら、たまりませんわ。
昔、中学生の女子が下校の時、スカートの下にジャージをはいて、大きなザックで帰る姿、 へんてこだったよね。
最近 若手お笑いコンビがネタにしてたので、笑いました。
今でもそういう格好する子、いるんでしょうか?。
2004年12月07日(火) |
アダルトサイトの詐欺 「ワンクリック請求」 |
アニメなんとかからメールが来た。
「ご入会ありがとうございます。 本日より3日以内に 特別公開ページコンテンツ利用料金 29000円を 下記口座にお振込みください。 期日までに支払われない場合 超過料金を徴収すると共に あなたの個人情報を 公開します。」 という表示が出た。
「 ■サイト名 :モロJAPANアニメ ■商品名 :特別公開ページコンテンツ利用料金 ■期間 :180日 ■料金 :¥29000 尚3日以内にお振込みがなき場合通常料金60,000円の請求となります。 -------------- コンビニATMなら24時間振り込みできます。 <振込先> りそな銀行 梅田支店 普通 6831515 タムラヨシヒ×
--------------- 連絡先0908447873×
調べたら、「ワンクリック請求」という犯罪で、今、多発しているそうです。 パソ初心者とか 小・中学生ぐらいの男の子、びっくりして 送金してはいけませんよ。
くれぐれも タムラヨシヒ×に 問い合わせたり返信しないように。
「コンビニなら24時間、振り込める」と いうところが、きまじめな青少年を せかしていて 非常に悪質である。
青少年たち、安心なさい。 これは完全に違法行為です。 クリック一つで、同意の有無もなく、有料サイトに誘導するということ それがまず 違法なのです。
「タムラヨシヒロ」に、お金を振り込む必要はまったくありません。 メールを印刷して、警察か、消費者センターに 持っていきましょう。
2004年12月06日(月) |
岩手の12月、風景その2 |
ピンポーンとチャイムがなって 出てみると ニコニコ顔のおじさんが立っている。
おじさんは 「ハモノトギサキタダナハン」と言った。
岩手の内陸部の方言で、語尾に「ナハ」とか「ナハン」とかつける 根っからの岩手県人の証拠。
「刃物を研ぎに来ましたよ。」と 言っている なじみのおじさんである。
毎年、農家の仕事の終わった12月になると、市内をご用聞きして歩く 刃物研ぎのおじさんは、盛岡の冬の風物詩である。
他にも車でやってきて、刃物を研いでくれる農家の親子の方も知ってるし、 この辺りでは 冬の「刃物研ぎ」は よく見る光景だろう。
今年も植木ばさみ(大)を三本と 剪定ばさみ(小)を 二本お願いした。 午前に集めて、夕方には ピカピカに磨いて 持ってきてくれる。
知り合いの主婦が 私に言った。 「びっくりしたわ 包丁研ぎたいって人が 家に訪ねてきたのよ!!」って。 確かに 初めて来られた時は びっくりしますかねえ。 家々を回って、はさみとか包丁とか集めて歩くのだもの。
去年は、おじさん 住宅地をまわって歩いているところ
「包丁を抱えた危険人物が、町をうろついている。」と 110番に通報されて パトカーに囲まれてしまったのだ。
私も県内版の新聞で読んで びっくりした。
まあ、物騒な世の中ですからねえ。
だけど、人の良さそうな 優しいおじさんですよ。
どうか 今年は 110番通報されませんようにナハン。
2004年12月05日(日) |
岩手の12月、風景その1 |
「千と千尋の神隠し」に出てくる「オシラ様」はご存じだろうか。
油屋のエレベーターで 千尋をかくまってくれた大根のような 白い タレたキャラクターである。
温泉通の友人に 岩手県内陸部の とある温泉に連れていってもらった。 温泉場に一軒しかない 料理が評判の「秘湯の旅館」である。
私たちが着いたとき ちょうど 別のマイクロバスも到着し、ぞろぞろと いい具合に腰の曲がったおばちゃま達が 大勢 降りてきた。
「やっぱり、ここの温泉 人気あるんだねえ」と みんなで感心した。
農閑期に入り、田んぼ、畑で疲れた身体をいやしに 農家の方々は こぞって温泉に来るのである。
お湯は、五つあり、露天は二つ。 中でも一番濃厚で、とろみのお湯の場所に入ってみたら・・・
「こんなに混んでるの初めて!」温泉通の友人も びっくり仰天。
オシラ様の団体で いっぱいだったのである。
脱衣所も、風呂場も とにかく狭かった。
目の前の、オシラ様の軍団は、それはそれは すごい迫力だった。 中にはぺったり座ってらっしゃる方も数人、 熱さで溶け出した お供え餅と、 申し上げましょう。(すんません)
しかし、それは日本の農業を支えるりっぱなお身体なのだ。
細身の若いお嬢ちゃんたちの裸体ばかりチヤホヤする 日本の男性は 見ることはできないだろう、 知らないだろう
縄文の時代から、黙々と物言わずに、米を作り野菜を作ってきた偉大な「腰」 生産する「女の腰」なのだ。
いつかは、自分もああなる。 というより、事実 もうなりつつあるか。
あがって、浴衣を着ようとしたら、椅子に座った 中くらいのオシラ様に 厳しく指さされ 注意されました。 「アンタ、背中のここんとこ、ちゃんと拭かないと!!」
ありがとうございました。
そもそも、オシラ様とは、東北の農家繁栄の守り神である。
久々に会うことになった友人Sが、 私の滞在するホテルの部屋に訪ねてくる段取りになった。。
午前10時半に、直接来るというので 「部屋は610号室(^_^)。」と 携帯にメールを出しておいた。
朝、10時半頃 時間きっちりな友人なので 私はドアを開け 何度も廊下をのぞいていたのだが・・・
メールが来た。 「610号室、ちがうーー!」と。
と同時に携帯がなった。 Sの悲痛な声 「ホテルMだよね〜 駅前の!!?」
私「あーーーーっ ホテルM・○○。 別館の方!!!」 S「全然知らない男の人が出たの〜〜!!」
ごめん、友人。 同じ駅に Mホテルと 別館 ホテルM・○○二つあったのだった。
友人Sは、610号室のチャイムを2度ならし、 返事がないので ドンドン、ドアをたたいたそうだ。
すると中から「誰ですか〜??」と、いぶかる男性の声がしたので、 「す、すみません、間違えました〜〜〜!」と 一目散に走って逃げたという。
見知らぬ男性、ごめんなさい。
私は ヌケているので、 新幹線の座席指定番号を間違えるのは、 しょっちゅうである。エヘン!(いばってどうする)
○号車の×番を、×号車の○番、と間違えるのが得意である。
だから、指定席券は、何度も何度も見直す。
それでも、A席とC席 あるいはE席とA席を 間違えてたりする。
やっぱりアホーであろう。
先日、東京から帰る時、上野から新幹線に乗った。
東京駅発のはやての指定の○号車、4番Eの席に、もう誰かが座っていた。
旅慣れた感じの あか抜けたオバサンだった。
「あのーー4番E席なんですけど・・」と その方に おそるおそる 自分の切符を見せた。
オバサンは、慌てるでもなく あきらかに、むっとして、 「4番のE ?」と 落ち着いて、ゆっくり自分の切符を 手元のバッグから取り出した。
そして 「あらーーわたし『A』だったわ!!!あっちね ごめんなさい、ごめんなさいねえ!!」
オバサンは、大慌てで、立ち上がり 棚の荷物を下ろしたり、上着をとったり まるで コマ送りのように 移動していった。
「ごめんなさい、ごめんなさいねえ」と 何度も言われましたが、 オバサン そんなに謝らないでもいいのです。
私は、私で、似たような人がいてくれたことが とても嬉しく ほのぼのとした気持ちで、盛岡に帰ったのですから。
6月に信州、蓼科の温泉に行ったときのこと。
そこは後で知ったのだが かなり有名な温泉宿で、 駐車場を待つ車が 谷間の山道に長い行列をしていた。
駐車場の誘導係のお兄さんは、旅館のハッピを着て 頭にイヤホンマイクをつけ、てきぱきと指示していた。
イヤホンマイクは細身の黒で、あのジャネット・ジャクソンが つけながら踊るかっこいいヤツね。
さすが、そうしてフロントと連絡を取りながら 客を確認し、駐車場にいれるわけね、と 感心してみていた。
やっと車をいれ、フロントにチェックイン。
フロントのスタッフも、荷物を部屋に運ぶ係りも 全員がイヤホンマイクをつけ、それはそれで かっこよかった。
古い宿も、こうして近代化していかねばならないのだろう、 などと、友人と感心した。
部屋に通され、まもなく 「お部屋係りでございます」と ちょっとふるえた感じの声がした。
見たら、和服の 80代とおぼしきおばあちゃん、 やはり頭にイヤホンマイクをつけ、 うやうやしくお辞儀をし、スリスリ入ってきて 熱いお茶をいれてくれたのだった。
ご苦労様です。思わず合掌。
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