気がつくと、今年も半分終わっている。
そのことを再認識したのは、実は昨日なんですが。 どうも筆が遅れ気味のマリリン4のことを、いわなきゃいわなきゃ、と、思っていたら、教育画劇のH氏から電話がかかってきまして。 で、正直に懺悔。
かけない理由は、十重二十重に。 体調が悪いとか、精神状態が良くないとかの上に、今ちょっと、自分のアイデンティティーをみつめなおしてみよう月間を個人的にやってるところだったりするのも、執筆には邪魔になってる。 久しぶりの長編になるのも、グレードが高めなのも、書き進めるのに勇気がいる。 若い頃は怖い者知らずでかけた、設定もキャラクターも、この年になると、あらがみえてきて、書くのに若干の抵抗がある。 今回でてくるゲストキャラのうち、メインの人々は後半に死ぬことがわかっている(設定上、読者にもマリリンにもそれはわかります)ので、書いているこちらは辛い。
ふう…。 でも、書きたくないわけではない、というのが難しいところですね。 「青の洞門」のように、こつこつと、光明めざして掘り進んでみましょう。
で、Hさんと、他社の仕事があと何作あるか、数えてみたんです。 「あそこの書き下ろしと、あそこの書き下ろしと、あそこの…。で、年末になったら、文庫が二作あって…」 と、私が指折り数えると、Hさん、ため息をついて、 「今年は、もう半分終わっちゃいましたものねえ…」
…あうう。 がんばるもん☆ <かわいぶったって、なにがかわるわけでもないんだが。
#ふと気がつくと、昨年の同時期より、10キロくらいやせてるのでした。 いや、去年の夏が太りすぎだったんですけどね。 去年は激動の一年だったのと、ダイエットでやせましたわ。 でも、指輪はまわるし、着る服がない…。むー。不経済。 でもでも、もうちょっとやせたいな、っと。 (ていうか、今現在、ひじょーに体に悪い暮らしをしているので、たくまずともやせるんじゃないかと期待)。
近所のリサイクルショップで、メリーポピンズみたいな短い上着とスカートのスーツを発見。ゲットしました。黒くてフェルト地みたいな布地で、しっかり冬服なので、今年のポプラ社のパーティーはこれにしようかな、と楽しみにしてます。 ほんとはこの上に、ベルベットのマントを着たいんだけど…パーティー会場ではあつすぎるんだよね。
2002年06月27日(木) |
その後のJ-PHONE |
J-PHONE、ステーションがおもしろいなあ、と思ってます。 一時間に一回、定時にニュースが飛び込んでくるので、時報のようで楽しいし、浮世離れした生活を送っている私なので、こういう強制的にニュース(の項目だけだけど)を教えてくれるシステムというのは、いいもののような気がする。 ニュースの中身を読みたいときは、WEB(iモードのようなもの)にいって読めばいいんだし。…ああ、J-PHONEではサイトを利用しないつもりだったのに、まんまと乗せられて、ニュースサイトと天気予報サイト(各月百円の使用料+見ただけのページのパケット代)を契約しちゃったい。
で、今はほとんど、J-PHONEをメインに使ってるんですが、今夜、弟の携帯(ドコモ)とメールをピンポンのようにやりとりしてみたら、やっぱり、その手のやりとりにはドコモの携帯の方がいいみたい。お互いの文字制限の数が違うのと、先方の絵文字が読めないのとで、ちょっとだけいらつく感じ。微妙にドコモ→ドコモのやりとりのときよりも、速度が遅い気がするし。それと、どっちのサーバが悪いのか、読みとれなかったメールがあったんですよねえ。 やっぱり、ドコモとのやりとりは、今まで通りF503iSを使おう。
今夜はちょっと、気分がダウナーです。 とくに理由はない。いや、いろいろ複合的にありすぎて、こんがらがってる感じ。 うむ。良くないなあ。 プルミエ・ジュールでも、しゅっとしようかしら?
携帯電話ですが、このたび、J-PHONEのN04を持つことになりました。 で、今まで持ってたドコモのF503iSですが、これもまだ持ち続けます。 つまり、携帯電話が二台体制になったということで… ああ、なんだかとっても自営業な感じになってきたわ、私(^^;)。
なんでこんなことになったかというと、ドコモの携帯は、メール受信が有料なんですね。一回につき、長いメールだと4円と少しとられてしまう。 それと、これが一番痛いんですが、ドコモはメールの送受信が250文字までしかできない。不便なんですよ。 そして、私は、パソコンに来るメールを、携帯に転送して読んでいるのですが、250字をオーバーするメールの時は、WEBメールのサイトからダウンロードしてきて読んでいました。…でもこれって、パケット代がかかるんですよね。いくらかかるかは、見た目じゃわからない(タグも数にはいっているから)んですが、最低でも1ページにつき4円はかかっているはず。で、それが長いメールになると、その金額×枚数…ということで。
その点、J-PHONEにすると(J-PHONE九州の場合で、なおかつパケット対応機ではない場合の話ですが)、メール受信は192文字以内ならただ、長いメール(3000文字まで)になっても4円。まあ、大体携帯に来るメールは、192文字以内ですから、楽勝です。それに3000文字あれば、たいていのパソコンからのメールは読めます。…極楽です。 そういうわけで、仕事の合間にいろいろ調べて、結果、NECの去年でた端末N04を買うことにしたのでした。今でているN05を買ってもよかったのですが、それはカメラつきでして、カメラはデジカメ持ってるからいらないし、でたばかりの新製品は、いろいろ不便なことが多いので、あえて一つ前のにしたわけです。 もっとも、N04は、ちょうど、元から使っているドコモのF503iSと同じくらいの時期に売られていた端末だということもありまして、さほど古いという感じはしません。 (二つ比べると、N04の方が反応が遅いですね。処理速度が遅いのかどうなのかは知りませんが。アイコンをクリックしたあと、間があるなあ。でも、メールを作成するための機能は、Nの方がはるかに上だし、漢字変換も、次候補が一覧ででてくるので、早くて便利です。Fはこれがないものなあ…)。
どうしてドコモをやめないかというと、やはり、iモード以前のF208から何年も使っているので、愛着があるし、各種割引関係も今ではけっこう引かれているし、電話番号が変わるのは困る。 周りの友人知人、とくに仕事関係の人にドコモユーザーが多いので、いよいよ手放せない。だって、iモードメールは、iモード同士だと、チャットのように早くて快適なのですよ。なんだかんだいって、絵文字も楽しいですしね。 そして、iモードサイトはやはり、充実していて使いやすい。他社の携帯電話も、同じようなサービスをしていますが、iモードサイトの数とレベルには及びません。それにそもそも、私自身がiモードになれていて、他社の携帯だと、何をどうさがせば、どういう情報にいきつくのか把握するのに時間がかかるんですよね。 それと。FOMAへの未練もある。 だって、あれ、夢のテレビ電話ですよ、SFですよ。 どうしても、一度は使ってみたい。<そのときは私の他に、FOMA持ってる人を捜さないとだけど(笑)。
もひとついうと、FOMAには、iモードのためのパケット割引料金プランがあって、金額を見ているとけっこう安くなりそうなのですね。生活も旅も気晴らしも、何かとiモードを使う私にとっては、魅力的なのです。 がしかし、現行の端末は、電池の持ち時間が短すぎる…。 そういうわけで、今の私は、もっといいFOMA端末がでるまで、じっと待っているところなのです。富士通から電池の持ちがいいのがでたら買っちゃうな。 そのために、今のドコモとの契約をやめるわけにはいかないのです。ポイントだってさ、いっぱいたまってるしね。
でも、待つ間にも、何円も何円もメールを有料で受信し続けているのかと思うと、やな感じだし、250字が送受信の限界なのはこっちも限界だ。 よし、サブで他社の携帯を持とう、と考えたとき−−。 実は現時点で一番安くてメール向けなのは、ツーカーかAUなんですね。 だけど、ツーカーは九州にはありません。…あったとしても、友人関係で、ツーカーの人も多いので、かぶるから私はいや♪<おそろいが嫌いな奴 で、AUは、お友達のひとりがやはりユーザーですが、電池の持ち時間が少ない機種が多い上、ドコモとの間だと、ときどき受信にタイムラグがでるんです。だから、今回はあきらめました(でも、かわいいデザインの機種が多いです、AU)。
そういうわけで、J−PHONEにしました。 ちなみに、J−PHONE、関東ではいま料金プランが高い(長いメールの送受信が8円! なんと九州の二倍!)上に、メール遅延がたまにあるようですが(どうも、迷惑メールの関係だとか)九州では快適にやりとりができます。 (そして、私が長崎以外の場所に行ったときも、私の携帯は、J−PHONE九州のjp−qサーバを使うはずなので、相手がjp−tじゃなければ、たぶん送受信に困らない…はず)。 あと私の場合は、パソコンのプロバイダがJ−PHONEと関わりのある日本テレコムなので、これまたたぶんだけど、この携帯で(手持ちのパソコンのアカウントで)ネットに接続できるはず…だと思うけど、これは今度調べて見なきゃなあ。これができるようになると、電話線のないところでも、パソコンをネットにつなげるようになりますね。
さて、そういうわけで、昨日からメインをJ−PHONEに切り替えた私ですが、ついでに、ステーションというサービスを受けてみたところ−−ああ、ニュースと天気予報を頼んでみたんですが(そうです、あの、空からいろんな情報が携帯にふって来るという素敵なコマーシャルがあってた、あれですね)、一日三回天気予報が自動でとどいて、何時間かに一回、朝日コムのニュースの項目がとどきます。で、受信無料。 けっこう、楽しいかもしれません。 …iモードだと、ニュース読むのも天気予報もパケ代かかるんだもん。
先日の日記にも書きましたとおり、ルルー6の再校ゲラの〆切は、二十日必着でした。体調良くなかったし、精神的にも決していい状態じゃなかったんですが、なんとかすませて、で、十九日の翌朝便に乗せてだしたんですが…。
そのあと、どうも、背中が寒い…。 いやな予感がするし、仕事が終わった気がしない。
とうとうたまりかねて、ポプラ社Nさんに相談。 もうほんとに、作家としてはずかしいことだとはわかってるんだけど、もう一度手元にゲラを返してもらえないかどうか、頼んでみました。 もーほんとのほんとに、はずかしかったし、辛かったんだよ、そのお願いするの。 だって、作家なんだもの、期日までにちゃんと仕上げるのが決まりですから。
時間的に、そんなゆとりはないという線は動きませんでした。 が。 Nさんは弾んだ声でいいました。 「ファックスを使いましょう。それみて直してください」 私がとくに気になる、後半部分を送ってもらうことになりました。 その枚数、四十四枚。
多いと思いますか? でも、ルルーの一巻がでた頃、私はポプラさんとファックスで原稿のやりとりをしていたのですよ。百枚を越えるほどの原稿を送受信していた私たちなのです。
で。 ファックス受信開始。 とーこーろーがー。 当時の初代ファックスと違い、今の普通紙ファックスは、高性能な代わりに、融通が利かなかった…。一度本体のメモリにデータを記憶してから、印刷するしくみになってるんですが、四十四枚分のデータをひとかたまりにして記憶してくれるので、印刷途中で紙詰まりでもおこした日には、最初から印刷のし直し…。 途中のあるページを指定して印刷することはできても、その一枚しか指定できないときたものだ(涙)。そのページから続けて残りを印刷、ができない。
途中で、私は疲れ果て、Nさんに、「十五枚くらいずつ、電話をかけ直してファックスし直してほしいの」と頼みました。そうしたら、理論上は、データを小分けにして覚えてくれる…はず。 ところがどっこい。どういう親切なのか、おなじ電話番号から来たから、ということなんでしょうーか、分割してきたデータを一つにまとめてくれるファックスさん。
そーこーするうちに、ファックス用紙は切れる。 街に買いに行く。 気がつくと、新品だったインクリボンも切れてる。 街に買いに行く。 相変わらず、紙詰まりがおこる。 ひびが入っていた給紙トレイが、いいタイミングで割れる。
うおー(怒)。 という感じで、切れるというか、疲れる私。 ほこりまみれ、あせまみれ、いんくまみれですがな。 貴重な時間はすり減っていくし。 あせるあせる。 もうこのへんで、投げたい…と、ふらっと思ったのも事実。
でも、一つためいきついて、結局は、一枚一枚指定して、時間をかけて印刷しましたよ。給紙トレイもちょうど壊れてて、手差しで紙いれるしかなかったしね(涙)。
印刷が終わったのは、夕方の六時過ぎでした。
その夜から、今朝にかけて、ゲラのチェックをしたんですが、ケモノの勘は正しかったようで、思わぬケアレスミスを発見したのにはびっくり! いやほんと、あのまま、本にならなくて良かったわ。 それに、とても大切な一言も、思いついて、たすことができたし…。
ポプラのNさんには、迷惑をかけてしまったけど、見直して良かったと心の底から思いました。ほんと、Nさん、ありがとう☆
#で、午前中、ファックスでポプラさんにチェックした部分を送ったあと、私は街に、パソコン関係のことで外出して、帰ってきて、仕事して…。 夕べからハイテンションになってて、ちょこっとしか寝てないんですけど、いまも眠くないなあ。あとでしわ寄せがきそうで怖いわ。
掲示板にも書きましたが、今日の香りは、チェリーブロッサムでした。 それを、朝、ほんの少し、足首にね。ファミレスで仕事をするつもりで起きたので、食べ物やさんに行くんですもの、香水はおとなしめのを控えめにがマナーということで。
ルルー6の再校ゲラを、今日の三時までに郵便局の翌朝便に乗せなくてはならなかったので、長崎中央郵便局のそばの駅ビルのファミレスで、一気にしあげちゃおうと思ったんですよ。 ちょうどお昼時に重なっちゃったんで、お店の人に遠慮して、軽い食事にドリンクつけて…さて、お仕事、と思ったら…。
となりのテーブルの、五十代女性二人連れが……ちょっと(^^;)。
口にものいっぱいいれた状態で、大声でしゃべる。 携帯電話で、大声でしゃべる。 とくに一人の方。
娘さん息子さんがいる、パートをなさってる方だということは、聞こえてくる言葉の内容で把握できましたが…このごろ全自動洗濯機を買ったばかりだということもね。 でもあのう…。もの食べてるときは、しゃべらないでください(涙)。 携帯電話で長時間話すときは、一時的に、店の外にでてください(涙)。
なんかねー。となりのテーブルにいて、いらいらしちゃって。 とくに、携帯電話で話し始めたときは、真剣にふりかえって、文句いってやろうかと思った。 でもね、私は肩を落としたわけですよ。 私だって、ごはん食べてるところで、仕事してるわけで、これは別に禁じられてることじゃないけど、見ていていやな人はきっといやだろう。 それに、いつもパートで一生懸命働いてて、今日が久しぶりの休日なのかもしれない五十代主婦の方が、あんなに楽しそうにしてるんですもの、ここで私が文句なんかいってさ、いやな思いさせたらかわいそう…。
…私より先にお店に来てたんだもん。 そのうち帰ってくれるよ。だから、いいよ。あと少しのしんぼう…。
が、そのうち、私は寒くなってきました。 お食事セットのドリンクのアイスティーが、冷たい上に、冷房がききすぎてきたのです。今日の長崎は、寒かった…。 凍えそうになりながら、主婦たちの極悪に元気な笑い声をききながらの作業は、ぜんぜん、はかどりませんでした…。
結局私は、違う喫茶店に移動することにしたのですが、そのとき、主婦二人連れは、天に届けというような笑い声で、なおも高笑し続けていました。
…いや、元気なのはいいことだと思うよ。ほんと。
今日の香りは、プルミエ・ジュール。 「はじめての日」という意味の名前を持つ、喜びや幸せの予感をイメージして作られた香水です。お祝いの日に配られる、砂糖がけのアーモンドのお菓子のイメージなのですって。 ネットで検索していたら、「お友達の結婚式だったので、つけていった」なんて話題がでてくるような、そんな香水。
昨日、お友達から、私生活の面でいいことがあったと連絡があったので、ひとりで香水を付けて、お祝い気分しています(笑)。今日買ったばかりの、プルミエ・ジュール。くちなしとマンダリンと、フリージアと、サンダルウッドと…ああ、もうこれってほんとに楽しくて(でも優しく静かな)パーティーみたいなイメージ。あまりにいいにおいすぎて、ちょっとつけすぎてしまった…。
自分自身は、仕事が忙しいのと、思うようにはかどらないのとで、ふらふらしてますが、ふと立ち止まったとき、彼女にいいことがあったと思うと、それだけでいい気持ちになれます。顔が、にこにこします。 神様、ありがとう。いい人にふさわしい幸福を、用意してくださって。
今日の長崎は、夜になると雨だとか。 これを書いているいまは夕方だけれど、ほんとに、一日曇り空でした。 プルミエ・ジュールは、雨上がりの街のような匂い。 これから先、きっと、いいことがありそうな、そんな予感の香り。
今や、自分が年にどれだけ物語を書いているのか、数えてないものなあ。 とにかく、この先年末まで、ずーっと、〆切が続きます。 ずーっと…ずーっと。愉しくはありますがいつやすむんでしょ、私? まあ、あいまあいまに、また、息抜きの小旅行でもしましょうか。
で、毎度のことですが、私信のメール関係、お手紙関係がおろそかになっています。ごめんなさい。すみません。礼儀知らずと呼んでください。
えーっと。 視界に入っているところでは、ルルー6の再校ゲラが今、手元にあります。 マリリン4を執筆中です。 8月に多分、また福岡で講演会をさせていただきます。
今年は夏ばてしてるひまもない…。 コンビニサプリをお茶で飲んでる日々です。 息抜きは、香水とマニキュアかな? 今日の香水は、朝がチェリーブロッサム。 夜がマジックガーデンでした。 マニキュアは、コンビニ化粧品のかわいいのですけど、淡いピンクの小さなラメ入りのの上に、透明で銀のラメ入りのを塗り重ねて、きらきらさせてます。我ながら、カワイイです☆ 爪みるたびに、ちょっと幸せになれますね。
マジックガーデンは、ローラアシュレイの香水です。 こないだ福岡のキャナルシティに「指輪物語」を見に行ったとき、買ってきました。キャナルにお店があったので。 果物とお花と琥珀の香りがします。甘くて不思議なラストです。 これを私の香りにしちゃおうかな、とか、ちょっと思っちゃいました☆
今、マリリン4を制作中なので、既刊本を読み直しているのですが、第1巻って、七年も前の1995年にでた本だったんですね。 「だって、夏休みはまだ終わらない!」とかいってるマリリン・マリルーン。 君は、七年も年をとらず、夏休みを続行中だったのか〜。
この七年の間に、私も年をとり…もとい、キャリアをつみ、ささやかながら本が売れるようになりましたが、一巻を書いていた頃は、まだまだ行く手ははるかな大海原に見えたものですよ。だけど、年月がたち、今やっているマリリン4は、きっと新人だった頃の私の本とは違って、ファンの人たちに待たれ、図書館に入れられ、大きな書店で平積みされる本になるでしょう。
ここまでくるには、ひとつひとつ乗り越える山あり、慎重に降りねばならなかった谷ありの連続だったんですが、ふりかえれば、きれいな景色が見えるばかりのようなきもします。こっちの道で正しかったんだよね。うん。
などと、いろいろ感慨にふけりつつ。 気がつけばつきあい七年目の、担当編集者Hさま、原稿、待っててくださいね。 遅れててすみませんが、きっと、いいお話にしますから。
ところで。 創作関係の質問を受け付ける(というか、参加者同士が語り合う)ための掲示板を作りました。「創作何でも掲示板」です。 これは、私のもつ技術や知識を、いくらかでも後進の人々に伝えるために、用意した場所ですが、同時に、作家志望の人同士が、ささえあい、なごむための場所が用意できればな、と思って作った場所でもあります。 今後、どうなってゆくかはわかりませんが、しばらくは楽しみに推移を見守ろうと思っています。
さて… もうすぐ三時ですか。 寝ようかな? 長崎は今夜、台風の影響で蒸し暑いです。
2002年06月05日(水) |
今の時代の戦争児童文学 |
私は、自分の趣味として、「児童文学作家は、反戦反権力のスタンスを保つべきだ」と思っています。それが、昭和の戦争以降の、日本の児童文学作家の使命だと思っているからですが…ま、あくまで趣味で思ってるだけですから、私個人だけでもそうであればいいんで、他の作家さんは、それぞれの旗の下、お書きになればよいのではないかと思います。
子どもの頃の私は、内外の児童書で、学校の図書室にあるような本は、ほとんど読破したような子どもでした。 で、私が育った、昭和四十年代というのは、戦争児童文学の名作が、多く生まれた時代だったのです(ついでにいうと、テレビドラマの「鳩子の海」あたりも、この時代のテレビ番組だったはず)。 「猫は生きている」「ふたりのイーダ」「火の瞳」「あほうの星」などなど。 忘れちゃいけない、秋桜が庭一面咲き乱れる、「一つの花」。 トマトをもう少しちょうだいの、「まちんと」。<これは出版は少し後かな? 児童書じゃないけど、「戦争童話集」(野坂昭如)なんていうのもあったな、あれも四十年代だったっけ? 時代的にはそれっぽいけど、どうだったかな? ああ、まだ何か、忘れているような気がする…。 私はその悲しすぎる内容に落ち込み、打ちのめされながらも、「これはとても大切なことだから、覚えていなきゃいけない。こういう本を読まなきゃいけない」と、読み続けていたのでした。
で、長じるに従って、鶴見俊輔の評論や対談集、本多勝一のルポあたりを読むようになり、昭和の歴史関係の新書などを読みあさるようになり、今に至るわけです。日本の戦前戦後の昭和史と太平洋戦争は少しだけ得意分野になり、そういうわけで、私の書く物語には、その時代のエピソードが良くでてくるのでした。
岩崎書店の「アカネヒメ物語3〜たそがれの約束」の、見本ができあがりました。 (ありがとう、岩崎書店Yさん。次もがんばりましょうね。装丁のすず猫さんも、かわいくきれいなデザインをありがとうでした〜)。 これは、不思議なものを見る力を持っている女の子と、公園に住み着いている見た目は小さな女の子の神様との友情物語なのですが、今回のテーマは、しっかり、「反戦」です。 …見た目は、娯楽ものSFファンタジーですけど(笑)。 いや、私のねらいとしてはですね、楽しく子どもに読んでもらって、読んだあと、気がつくと、心の中に何か残っている、「あれ、これってなんだろう? でも大事なことみたいだから、覚えておこう」みたいに思ってもらうというのが、目的です。
一言でいうと、「戦争すると、人が死ぬからやったらだめだよ」というメッセージがこめられているお話です。 そんなの、当たり前、良くある話だと思うでしょう? でもね。今の時代の、「身近」で戦争がない子どもたち(戦争といえば、テレビの中の映像でしかない子どもたち)に、実感として、「誰かが死ぬということの重み」を感じてほしかったのです。
戦争をすると、人がたくさん死にますよね? たとえば、東京大空襲では、一晩に十万人もの人が亡くなったといいます。 十万人。凄い数字です。怖ろしい、数字です。 でも、数字で書いたとたんに、死んでいった一人一人の命が、「数」に、ただの「記号」に、「もの」に、「出来事」に、変えられてしまうと思いませんか? 実際には、その十万人の一人一人に、思いがあり、希望があり、愛する人があり、生きていたらしたいことがあったはずなのに…。 死んでいった人の数を、その数だけを数えて被害の大きさを測るな、そういう思考の癖をつけるな、と、私は子どもたちに伝えておきたかったのです。
今の時代、直接に戦争を体験した世代の作家さんたちは、ひとりまたひとりと、鬼籍にはいってしまわれています。 戦争についてかたること、戦争について書くことは、今までのような形の文学では、徐々にできなくなってゆくでしょう。 でも、今回私が語ったような語り口なら、まだまだ「大切なこと」を、語り継いでゆくことができるような気がしているのです。
私は、これからも、命の大切さを訴えてゆきたい。 子どもたちに、自分の命、そして他人の命を大切にすること、守ることの意義を教えていきたい。自分の命の尊厳は自分で守れ、それだけの力と権利は、各自が持っているんだよ、と、ささやいていてあげたい。いつの時代も、これからどう日本が変わっていこうと、状況に流されるな大切なことを忘れるな、と。
それが、戦後の日本の、よき児童文学を読んで育ってきた私の使命だろうと思っています。
2002年06月04日(火) |
このごろの仕事のこととか… |
今年の仕事ということで引き受けていた仕事が、まだまだ全然終わってない。 もう半分すぎちゃったのに、どうしましょうか?
いや、どうするもこうするもなく、みんな書くしかないのです。はい。 私以外に、私の作品を書ける人は、いないんだもん。
とりあえず、昨日くらいから、小峰書店さんの中級向けの作品の主要登場人物の設定が、ぼんやりできてきてはいる。これを上手くふくらませていけば、ダーク系のファンタジーになるでしょう。 タロットカードや、星占い、石がらみの話にしようかな、と考えています。連作短編集ですね。幽霊や予知夢、ドッペルゲンガー、そんなものにまつわる、ちょっと怖い感じの本にしよう。 家に猫が来てから、突如として猫派になった小峰I氏には、 「猫の話がいいです、猫」 と、要求していただいていましたが、てことは… うーむ。猫も絡めようかな? どう絡めようかな?
まあ、これを考えつつ、今は教育画劇の、「マリリン4」が… すっかり遅れてしまっているので、心にいつも冷や汗をかいています。 ごめんなさい。担当編集者H様。 書き出しさえすれば、早いですから。あと少しだけ待っててください〜!
あ、ルルー6の再校ゲラも、そろそろくるなあ。
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