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■ 余命告知
腹水を5リットル抜いた身体はシワシワで、お婆ちゃんみたい。でも腹水がなければ、悪い夢を見ていたように、病に現実味がない。 腹水の病理検査がやっと終わって、診断がつき、わずかに残していた淡い期待は弾け飛んだ。素人なりに調べて想定していたどのパターンよりも最悪だった。体の状態が悪すぎて、手術はできない。卵巣がんは一般的によく効くと言われる抗がん剤も、私のタイプには効きづらい。おまけに進行は間違いなく速すぎる。年末年始に具合が悪くなって対応が遅れたことも、初動で行った総合病院に婦人科もなければ血栓すらも調べないところだったことも。ありとあらゆる不運を煮詰めた今の状況に、まだ僅かな幸運を期待できるほど、私はおめでたくない。
私以外、私が近く死ぬことを具体的に想定している。覚悟ができないのは私だけか。戦う勇気はないくせに、何かには抗いたい。 だって、ここにいる人達は、親の年齢を超えて、それでもガンで治療ができる患者さんばかり。少なくとも私にはそう見える。 いきなりステージを降りて、家にも帰れず、ホスピスを探す?
2024年01月14日(日)
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