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■ “児童向け”
最近話題の絵本「いつでも会える」の朗読CDが出るそうで。 ニュースでちょっとだけ公開録音の様子を流していたんだけど、 やっぱり戸田恵子さんはすごいやー。 アンパンマンやらショムニやらで有名な役者さんだけど、 女性役ではなく、男の子訳や、今回の犬であるシロの声も魅力的。 空気が変化するような演技には、ぞくぞくしてしまう。
絵本は今でも好き。 谷川俊太郎さんがイラストに詩をつけている本があって、 買うには至らなかったけど、 本屋でうっとり立ち読みしてしまった。 このひとは、難しい言葉に劣らず、ひらがなだけで書かれた詩も 深くて心に染みることを教えてくれた詩人。 初期の作品は、まだ若くて背伸びしていたからなのか、 わりと文学青年チックな言葉づかいとかが見られるんだけど。 後年の楽しそうな言葉遊びは、やっぱり音読されてこそ 世界観が出るのかなあって思う。
絵本はいまやオトナも読むものとして定着しつつあるけれど、 それでも圧倒的に対象は「女子供」って括られちゃうような気がする。 「いつでも会える」も、“最近では男性のファンもいるそうですよ”という紹介のされ方をしていて、 (それはつまり、絵本はオンナコドモしか読まないものなのに…ってこと?) と心のなかでちょっと不満をもらしたりして。
私ね、教育番組で育ったんです。 体が弱くて、免疫力がないために、ほとんど外に出られなかった幼稚園時代、 世界と私をつなぐのは、本とNHKの教育番組だけだった。 だからかなあ。 今でも子供向けの教育番組はけっこう好き。 特に、人形劇とか童話の朗読とかは。 このあいだは「鬼太の帽子」(あれ?字がちがうかもしれない) で泣いたくらい。
でも、ガキっぽいって、幼稚だって、言われちゃうことも多い。 けっこう淋しいんだ、そういうの。 このあいだも祖母の家でロードショーのアニメを (「耳をすませば」だったかな…この作品すごく好きなんだ〜) 3人居る孫のなかで一番年上の私だけが熱心に見てたので、祖母にぶつぶつ言われちゃった。祖父は穏やかに笑ってたけど、やっぱり同じく幼稚だとは思ってるもよう。 マンガを好きなこと自体、すごく偏見がかった見方をされてる私なので、 好きなんだもん、ってそのときも言い張ったけどね。 否定されるのは慣れてるけど、それでもすこしだけ落ち込んだ。
あれ…話がすごくずれてきた気がする。 要は、童話や絵本やアニメや、そういうものだって立派に表現のひとつだって認めて欲しいなあってこと。 対象を絞らないでもいいんじゃないかな、ということ。 だって、そこにあるのは、子供向け、女性向、大人向け、というくくりじゃなくて、よい作品か、そうでないか、それだけだと思うから。
(追加のつぶやき)
コドモが完全に納得するものごとの説明をするのって実はけっこう難しい。 それはきっと、相手に嘘をつかせない純度の高いオーラみたいなものを出してるイキモノだからかな。 知ってるつもりのことでも、コドモと一緒にいると実は自分も知ってるふりをしてただけだってわかることがある。 一緒に学んでいけるようなものがあったらいいのになあ。 コドモとオトナを分離しないもの。 教育番組とかで、そういうのがつくれたらいいのに。 最近の教育テレビはちょっとまんねりでつまんない。 コドモをバカにしてる気がする。 それはきっと、作り手が、教育番組がコドモの通過点にすぎないと思ってるからだよね。 でもコドモの側にだって、よいものから感じ取って残るものはあるんだよ? そこを通り過ぎるのが一回だけとは限らないのに、いつまでも10年も前の内容を繰り返していていいのか? (つまりね、ネタの使いまわしが多いのさ) なんて思う最近なのだった。
2001年01月31日(水)
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