うさぎ日記
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2012年09月19日(水) 限界点は、どこ?




今朝、デイの御迎えが来たので、
母を椅子から立ち上がらせたら、失禁していた。
トイレ誘導してから、一時間もたっていないのにっ!
おむつパンツ(通称リハパン)を履いているはずなのにっ!
椅子からはおシッコが垂れているし、
スリップもワンピースもビショビショだし、
リハパンの中には、ブツまで・・・。
幸い、コロンとしていたので、始末は楽でしたが、
トイレ誘導した時も、それなりに出ていたのに。
なんでやねん??!!

御迎えのスタッフのかたに玄関で待っていていただいて、
上から下まで、総替えして、送りだしました。

その後、椅子から床から、拭き掃除して、
汚れた衣服を始末。
どんなに時間が無くても、濡れたままにしておくと後が大変です。

バタバタと片づけて、事務所へ走って行ったら、鍵がかかったドアの前ではうちのスタッフが「おそい!」という眼付をして立っていた。
10分遅刻。

今日は、御迎えがいつもより早かったので、事務所のスタッフを10分待たせただけですみましたが、これがいつも通りだったら、と、ぞっとする。
また、御迎えが、もう5分早かったら、送迎の車の中でモッコリ、ジャー??
良かった、まだ家で粗相してくれて・・・。



というような、大小便にまつわるバタバタを介護の家族は、どこでも皆さん大なり小なりされています。

こうした大小便の御世話を含めた「汚さ」への生理的嫌悪感も、介護の限界点をもたらす一つの大きな要素なんでしょうね。



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2012年09月12日(水) 微笑



昨年10月脳梗塞で倒れて入院された旦那さんを自宅で介護する知人に道で出会った。
その後胃ろうの手術を受けられた旦那さんは、現在介護度5で、ベッドで寝たきりだと、伺っていました。
私の顔を見て、奥様は
「デイへ週二回行ってくれることになったのよ〜。」
と、ふーっと何とも言えない美しい頬笑みを浮かべられた。
「良かったですね〜。」
と、言った私の顔には家族を介護する者同士には通じるものが現われていたのではないでしょうか。

「最初、すごく嫌がったのですよ。
 でも、行ってみたら楽しかったらしくて・・・。」
「誰でも、そうみたいですね。」

お陰で、自分を取り戻せる時間ができた。
お互い頑張りましょうね。
と、励まし合って別れた。

「デイへ行ってくれることになった。」
と、言いだした時にふーっと花が開くように浮かんだ、ぞっとするくらい美しい頬笑み。
私も、たぶん、母がデイへ行くようになった、とか、
ショートへ行くことになったと、ひとに話す時には、
そのような微笑を浮かべていたのでしょうね。



精神科医の中村稀明先生は、

天明の飢饉、沖縄戦、満州引き揚げ、極限状態で、子殺しをした親が美しい微笑を浮かべたという記録に対して、

極限状態で精神機能が低下し、個体保存の本能が母性愛、父性愛に打ち勝って短絡的な行動をとらせ、「もはや足手まといがなくなって、これからは自分も少しは楽ができる。」と、いう満足の笑みなのだ。

と、考察されています。

そして、
「こうした極限状態におかれた場合の人間の反応は、時代、民族を超えて不変なものであろう。」
と。

個体の耐性は人様々なので、同様な状況でも、全ての親が子殺しをするわけでもない。
が、極限状態が無ければ、子殺しをした親も子殺しをしないでもすんだのではないだろうか。

介護の場合は、何が極限状態を生みだすのだろうか。


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2012年09月08日(土) ショート廃人



ショート廃人、という言葉があるようです。

ショートに滞在すると、急速に身体の機能が衰えて、もちろん、御脳の機能も衰えて、廃人と言う表現がぴったりになってしまう、ということを指していうようです。
で、ショートから帰ってしばらくすると(早い人は翌日には)ショートへ出かける前の状態に回復する。

母を見ていると、そういうことも確かにあるな。と思います。

トイレ誘導やオムツの交換が大変なので、水分を与えない。とか。
自力歩行させると移動に時間がかかるので、移動はもっぱら車椅子、下手すると車椅子に座らせっぱなし。とか。
夜中のトイレ誘導は大変なので、睡眠剤で眠らせる。とか。
口腔ケアは殆どしない。とか。
いろんな話を聞ます。

母のショートの報告書に、
「椅子に座って、職員の見守りのもと、糸むしり(←母が熱中しているタオルほぐしのこと)をしていただきました。」
とか、
「夜、眠れず落ち着かれないようでしたので、スタッフルームに座っていただきました。」
とか、書かれてあるのは、
「うちは、そういうことしてませんよー。チャンとやってますよー。」
というアピールもあるのかもしれませんね。

とはいえ、ショートから帰ってくる母は、よだれを垂らし、眼付不穏、
スタッフにガシッと脇を固められたその姿は、どこか逮捕時の川俣軍司を彷彿させて、ただでさえ普通じゃないのに、もっと変なのだ。

見た眼の異常さは、翌朝には無くなりますが、
2倍に膨らんだ足のむくみは、4,5日は戻りません。
便秘もやはり4,5日続く。
ショート施設からは、毎回「いつお通じがありましたか?」の質問用紙が渡されるますが、毎回「今朝8時」と書くくらい、スムーズな排便がある母です。
施設の報告書には、排便の記録が書いてないので、いつから便秘してたのか?

母が元気なころ施設に入居した友人知人を見舞うたびに
「どんなになっても施設だけには行きたくない。」
と、言っていたのもわかるような気がしてきました、。


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2012年09月07日(金) 吐き出す食事



朝顔の花を見ると、なぜが心がすーっと清々しくなる。
毎朝開く朝顔の開きたての花の内だけは、世間の塵に汚れていないからだろうか。



認知症の母と食事をするのが、苦痛で苦痛でたまらない時期がありました。
毎度、毎度、噛んでぐちゃぐちゃにしたものを「べーっ」と、
まだ食べてない物の上に吐き出すからです。
かといって、全部を吐き出すというわけでもない。

普通の食事が食べられなくなったのかな?
と、「高齢者でも調理に工夫して普通の食事を美味しくたべる」というコンセプトの料理本を取り寄せてみました。
でも、そこに書いてある食材の調理方法は、すでに私がしていることと同じでした。

いよいよ刻み食か、と刻み食にしてみました。
が、やっぱり、べーっと。
御飯をおかゆにしても、おかゆでも吐き出す。
刻み食とおかゆにしても、吐き出す頻度は調理に工夫した普通食と同じくらいです。
そうか、刻み食でも、同じなのか、と、普通食に戻しました。
デイでは普通食だし。

仕方ないので、吐き出し用の食器をテーブルに置く事にしました。
眼の前で嘔吐するひとと一緒に食事する気色悪さを少しでも軽減したかったからです。
まだ口をつけて無い皿に吐き出されるよりはましですからね。
御飯は普通御飯より、おかゆのほうが、少しだけ吐き出す頻度が少ないようなので、おかゆにしました。

一年ほど、そんな風にして、背中の寒気と、自分の吐き気をこらえながら、
食事してましたが、ひょんなことから、解決法が見つかりました!

母の体重が一カ月に3キロも増えてしまって、医者から体重を減らすために食事量を少なくするように言われ、食事量を今までの半分にしたところ、
普通食でも完食。普通に炊いた御飯も完食。
つまり、母はお腹が空いて無かっただけだったのです!
確かに人間、あまりに満腹だと、食事が入って行かない時がありますね。

今でも、テーブルには、吐き出し用の食器を置いてます。
母はお腹いっぱいの時に加えて、気に入らない料理や食材の時にも、吐き出すと解ったからです。

観察を重ねて、嫌いな料理、嫌いな食材が大体わかって来ました。
今風の料理はダメ。例えば、イタリアンとか、ね。
カレーも最近は食べません。
ピーマン、ニンジン、オクラも嫌いみたいです。
まるで子供ですね。
生野菜は、細かく刻んだキャベツ以外はダメです。
トマトは、ポークビーンズのみ。

食材は、母が嫌いでも吐き出されること覚悟で使います。
母は、よっぽどお腹が空いていれば、嫌いな食材でも食べるみたいです。
料理法は母に合わせて、醤油を使った煮物が主体です。
食欲をそそらない料理だと、見ただけで手をつけませんから。
マヨネーズは、好きみたいなので、マヨネーズやゴマを使った和え物も良く作ります。
量は、ほんの少し。
御飯など、お茶事の御飯みたいに、ほーんの少し。梅干し二つくらいです。
それでも、おかずの量が多いと、べーっとしています。

テーブルに料理を並べて、私のほうが盛りが多いと、途端に不満そうな顔をします。
なので、高級レストランのごとく、皿小鉢にちょーっぴりの母のより、
さらに私のほうが少し少ないように盛ります。
おかげで私も少しやせることができました。



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2012年09月06日(木) 頭がスケジュール帳



もうひとつ中国で買ったお菓子。
トマト味のポテトチップス。
トマト味は、日本では見たことがなかったので、買ってみました。
本当にトマトの味がほのかにして、これも美味しかった。
中国では、スーパー、コンビニ、新幹線車内販売、空港、どこにでも置いてあります。
私が、中国人からはじめて習った料理もトマトと卵の炒め物でした。
これは家庭料理としてごくごく一般的で、味付けは家それぞれ、おふくろの味というものがあるそうです。
中国人って、トマトが好きなのね?


今日は、いそがしい日です。

10時半まで、仕事して・・・。
 母の用便と身支度をして、
 医者へ母を連れて行って・・・。
 11時20分ごろには診察。
 12時ごろ医院を出てて、
 12時半には、母を美容院へ送り込んで・・・。
 1時 帰って、デスクワーク。
 3時前には、母が美容院のひとに送られて、帰って来る。
 帰って来た母の相手をしながら(監視しながら)
 家の中の細かいところの掃除。
 作り置きの料理を2種類つくる。
 6時半、夕食。(とろろそば+フルーツカクテル)
 8時に母を寝かしつける。
 ほっとする。

という予定なのですが…。


一日が終わります。
・・・予定は消化、ですね。

書きだしたスケジュールを見ると、忙しいというほど大したことしてませんねー。
仕事や好きなことをしている時のほうが、成している仕事量は大きいと思う。
仕事も、趣味に関することも、掃除、洗濯、料理といった家事も、
好きで楽しいから、どんなに詰め込んでも疲れも、追われるような忙しさも感じないけれど、
母のお世話は、仕事量はたいしたことはないけれど、まったく楽しくないので、疲れるのですね。
どうしたら、母の認知症の御世話が好きで楽しくなれるのでしょう?。
それは無理な相談かも。
認知症介護のブログを見ても介護そのものが楽しいと書いているひとはひとりもいないもの。


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2012年09月04日(火) 愛の電話



少し前に所属しているNPO団体が催した日中親善行事に参加して南京へ行きました。
最近は中国の食品を購入するのを、ためらうようになりましたが、
現地の留学生に「美味しい」とすすめられて買ってみました。
王子のビスケット。
どこか懐かしい味で、美味しかったですよ。お勧めです。



毎週月曜の夜、母のお友達夫婦が母へ電話をくださいます。
たいそう親しくしていたお友達で、母より4,5歳若い方々です。
「カワカミさんから、電話だよ〜」
と、声をかけて電話へ誘導します。
この方々のことはよく覚えているらしく
受話器を握って
「カワさんかねー!」
と、言う母の声は、元気なころの母そのままです。
が、
後が続きません。
先方が何かいわれるのに
「そう!」「そだね!」「覚えてるよ。」←おそらく覚えていない。
おそらく共通の友達が最近来るか、と尋ねられたのでしょう。
勢いよく「来るよ!」←来てない。

毎回そんな会話を5分ほどして、電話は終わります。
訳がわからなくなって必死にわかる部分で答えようとしている母を見るのは辛いですが、最初「カワさんかねー!」という明るい声が出るのですから、母はそんな会話でも楽しいのでしょうね。
普段、私と二人の時は暗い顔をして黙り込んでいるので、
元気なころそのままの
「カワさんかねー!」が聞けるのは、私も嬉しい。

カワカミさん家のすぐ近くには、介護施設があるそうで、
「大変だろうと思うけれど、どうか、仕事しているからと、ああいうところへは入れずに、お母さんは最後まで家に置いて良くしてあげてくださいね。
私たちからもお願いします。」
と、私は、お願いされてしまいました。


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