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■ 事件の核心/グレアム・グリーン
『事件の核心』/グレアム・グリーン (著), Graham Greene (原著), 小田島 雄志 (翻訳) 文庫: 537 p ; サイズ(cm): 15 x 11 出版社: 早川書房 ; ISBN: 4151200339 ; (2005/12) 内容(「BOOK」データベースより) 西アフリカの植民地で警察副署長を務めるスコービーは、芸術家肌で気まぐれな妻ルイーズに手を焼いていた。南に移住したいという妻の願いを叶えるため、彼は地元の悪党に金を借りて費用を作り、彼女を送り出す。間近に迫った彼の引退まで別居生活となるが、それが彼女の希望だった。だが、やもめ暮らしをはじめたスコービーの前に、事故で夫を失った若い女ヘレンが現われ…英文学史上に燦然と輝く恋愛小説の最高傑作。
このところ体調も悪いし、何かと落ち着かない中、あんまり読む気が起きなかったグレアム・グリーンの『事件の核心』。明日、図書館に返さなくてはならないので急いで読み終えたけれど、F.P.ウィルスンの『ナイトワールド』を中断しての無理やりの読書だから、はなから心ここにあらず。
「英文学史上に燦然と輝く恋愛小説の最高傑作」なんて書いてあるから、多少は期待していたのだが、特に面白いというわけではなかった。グリーンは、かなり昔に『情事の終わり』を読んだ記憶があるのだが、その時もあまり感銘を受けておらず、私には合わない作家なのかな、と。
でも、グリーンの名誉のために言っておくが、今回の私の状態では、面白いものも面白いと感じられないだろうし、内容をどうこう言えるほど読み込んでもいない。字面を追って無理やりページをめくっているだけで、中身が頭に入ってこない状態だったから、これで感想を言うのは憚られる。
だいたい、舞台がどこなのかもわかっていなかったくらいだから、いかに話に入っていなかったかということだろう。
倦怠期を迎えた中年の夫婦が、それぞれ他に思いを寄せる相手ができるという話だが、カトリックであったためか、主人公スコービーの人間性によるものか、よくわからないのだが、最後はスコービーの自殺という結末を迎える。
そんな事態を迎えながらも、淡々としているこの夫婦の姿は、私にはよく理解できなかった。理解するためには、もっとよく読みこまなくてはいけないのだろうが、会話部分の訳がどうしても馴染めず、昔の訳はだいたいこんなものだよねと思いながら(文庫新装版だが、訳は昔のまま)、これは原文で読まないと、うまく伝わってこないのではないかと思った。
では原文で読みたいかと言うと、そこまでの興味もわかなかったので、これはたぶん、このままになってしまうだろうと思われる。話のひねりみたいなものは、やはりモームのほうが勝っていると思うし、あえてグリーンを、とは今のところは思わない。新訳でも出たら、また読み直そうとは思うけれど。それと、植民地支配時代のイギリス人の話というのも、あまり好きではない。
2006年02月15日(水)
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