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■ 始末屋ジャック 幽霊屋敷の秘密(上・下)/F・ポール・ウィルスン
『始末屋ジャック 幽霊屋敷の秘密(上)』/F・ポール・ウィルスン (著), F.Paul Wilson (原著), 大瀧 啓裕 (翻訳) 文庫: 439 p ; サイズ(cm): 15 x 11 出版社: 扶桑社 ; ISBN: 4594050514 ; 上 巻 (2005/10)
内容(「BOOK」データベースより) 『見えない敵』の事件から二カ月、心に負った傷が癒える間もなく、われらが主人公“始末屋”ジャックはまたも不思議な縁で、異界とかかわることになった…。ふとしたことから「霊界と交信できる」というふれこみの男イファセンを訪ねたジャック。もちろんジャックは霊能者イファセンがいかさまであると見破ったが、かつて陰惨な殺人事件の舞台となったイファセンの屋敷では説明のつかない現象がいくつも起きていた。かくしてジャックは、新たな依頼を受けることになったのだが…。
『始末屋ジャック 幽霊屋敷の秘密(下)』/F・ポール・ウィルスン (著), F.Paul Wilson (原著), 大瀧 啓裕 (翻訳) 文庫: 445 p ; サイズ(cm): 15 x 11 出版社: 扶桑社 ; ISBN: 4594050522 ; 下 巻 (2005/10)
内容(「BOOK」データベースより) 陰惨な幽霊屋敷の地下室、その床の亀裂の奥の闇はどこへつながっているのか?いろいろな事件が結びついて、新たな怪異の正体が見えはじめてきた。イファセンの屋敷に漂う妖気、それは異界からのメッセージなのか?前の持ち主の謎を探るジャックや、霊能者に惹かれるジーアを脅かす謎の人物とは?愛するものが異界の標的になったと知ったとき、ジャックにはいったいなにができるのか?モダンホラー界の異才F・P・ウィルスンが送る壮大なドラマは、さらなる次元に突入する。
「幽霊屋敷の秘密」というタイトル通り(原題は全然違うけど)、幽霊の話。だいたいそういうタイトルだと、幽霊がいるようだけど実はトリックがあったり、最後に謎解きされて、幽霊ではなかったとなるのがミステリだと思うんだけれども、これはホラーの要素もあるので、しっかり幽霊が出てくる。で、最後まで幽霊は幽霊だ。
<ナイトワールド・サイクル>との繋がりで、単なる幽霊ではなく、やはり「異界」と結びついているようなのだが、はっきりと「異界」からのものだとは書いていない。でも至るところで、<ナイトワールド・サイクル>との繋がりが見えて、先に『ナイトワールド』を読んでおいてよかったという感じ。
すでに原書では続刊が2冊ほど出ていて、このまま行くと、今ある『ナイトワールド』は、大幅に書き換えなくてはならないのでは?という感じになっているらしい。
そうなると、『ナイトワールド』の主人公もまた、始末屋ジャックということになってしまいそうなのだが、私は今の『ナイトワールド』の主人公グレーケンのほうが、ファンタジーのヒーローっぽくて好きだから、ジャックが主人公になってしまうのは、あまり嬉しくない。書き直された『ナイトワールド』を読むかどうか、それはその時の気分だとは思うけど、今のところは読みたくない気分。
ところでジャックの恋人のジーアは、やっぱり最後まで邪魔だったなあ・・・。頼むからおとなしくしててよ、という感じ。そのために、ジャックがどんなに大変な思いをしたことか!
ジーアがジャックの心配や身の危険も顧みず、勝手な行動を取っているのがイライラする。ちょっと、邪魔だからおとなしくしててよ!って感じ。
ジャックは始末屋だから、人を痛めつけたり、場合によっては殺人もする。理由のあることで、相手は悪人だとはいえ、殺人は殺人だ。そんな人の恋人なのに、ジーアの善人ぶりは、どうもいやらしい。
今回はその部分が結構クローズアップされていて、ほんとにイライラしてしまう。善人は善人でいいのだが、ジャックの恋人でいるためには、ジャックの仕事を黙認するしかないわけで、だったら一切関わらなければいいのに、と思うのだ。イライラ!
しかしこれはいつも迷うのだけど、<始末屋ジャック>もここまで来ると、ミステリの分野なのか?それともホラーなのか?
レビューなどでもかなり面白いようなことが書かれているのだが、やっぱり私ってホラーのほうが好きみたいで、ジャックのシリーズよりも<ナイトワールド・サイクル>のほうが面白いなあと思う。とはいえ、そのへんにある多くの本より、はるかに面白いんだけど。
2006年03月20日(月)
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