読書の日記 --- READING DIARY
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 心ふるえる夜に/タミー・ホウグ

『心ふるえる夜に』/タミー・ホウグ (著), Tami Hoag (原著), 木下 淳子 (翻訳)
文庫: 475 p ; サイズ(cm): 15 x 11
出版社: 二見書房 ; ISBN: 4576051199 ; (2005/07)

出版社 / 著者からの内容紹介
アメリカ南部の大農園を継ぐことを拒み、都会に出て精神科医になったセレナ。久しぶりに帰郷すると、祖父が家を出て巨木が生い茂る大湿地帯の狩猟小屋に引きこもっていると聞かされる。祖父と会うため雇ったのは森の案内人ラッキー。彼は粗暴で野性的だがどこか謎めいった男だった。祖父と再会したセレナは巨大企業が工場建設のため大農園の買収を計画していることを知る。そしてラッキーが、なぜ森の奥深くに住むのかも… 十年以上に渡り読み継がれているロマンスの不朽の名作!

2006年03月30日(木)
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 The Jane Austen Book Club/Karen Joy Fowler

『The Jane Austen Book Club』/Karen Joy Fowler (著)
ペーパーバック: 304 p ; 出版社: Penguin Books Ltd ; ISBN: 0141020261 ; (2005/01/18)

Publishers Weekly
ペン/フォークナー賞の最終候補となった前作『Sister Noon』に続く、ファウラーの5作目となる本書は、彼女の本領であるいたずらっぽい機知、ひねりのある登場人物たち、気の利いた脱線話に彩られているものの、これまでと異なるのは、実際のブッククラブの会員などに狙いを定め、「論議のお題」を作中の登場人物たちに提示させる、というような遊び心である。

月に1度、ジェーン・オースティンの作品を議論するために集まる5人の女とひとりの謎めいた男からなるプロットは、一見単純なのだが…。マリアンとブランドン大佐の結婚話や、シャーロット・ルーカスが同性愛者か否かなど、次々となされるオースティン作品に関する議論によって浮き彫りにされてゆくのは、むしろ議論を展開する登場人物たち自身の「内なるオースティン」、つまり自分たちがどのような人間なのかということ、である。あれこれコントロールしたがる独身女性ジョセリンにとってのオースティンは、優れた恋愛仲介人であり、孤独なプリューディーにとってのオースティンは最高の皮肉屋であり、レズビアンのアレグラにとっては陰険な階級社会の擁護者にほかならない。

高カロリーのデザートをかじったり、マルガリータをすすったり、妄想の世界にはまり込んだりしながら、ブッククラブでなされる彼らの会話は、あるときは鋭く、あるいは無意味で、また露骨であったり、愉快であったりと、ころころ変わる。オースティン同様、ファウラーもまた掟破りな機知に富み、聡明な人間模様の観察者なのである。同時にファウラーはポップカルチャーのいち愛好者として、人気ドラマ『Sex and the City』やリナックス(Linux)の話題、サンダンスのお祭り騒ぎなどを熱い文学談義にぶつけて台無しにしてみたりする。

21ページにもわたって費やされたオースティンの家族や友人、そして評論家などからの引用は、少々やり過ぎの感があるものの、ファウラーがその斬新な視点によって、多くのブッククラブ・メンバー、広い読者層を魅了することは間違いないだろう。
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2006年03月25日(土)
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 始末屋ジャック 幽霊屋敷の秘密(上・下)/F・ポール・ウィルスン

『始末屋ジャック 幽霊屋敷の秘密(上)』/F・ポール・ウィルスン (著), F.Paul Wilson (原著), 大瀧 啓裕 (翻訳)
文庫: 439 p ; サイズ(cm): 15 x 11
出版社: 扶桑社 ; ISBN: 4594050514 ; 上 巻 (2005/10)

内容(「BOOK」データベースより)
『見えない敵』の事件から二カ月、心に負った傷が癒える間もなく、われらが主人公“始末屋”ジャックはまたも不思議な縁で、異界とかかわることになった…。ふとしたことから「霊界と交信できる」というふれこみの男イファセンを訪ねたジャック。もちろんジャックは霊能者イファセンがいかさまであると見破ったが、かつて陰惨な殺人事件の舞台となったイファセンの屋敷では説明のつかない現象がいくつも起きていた。かくしてジャックは、新たな依頼を受けることになったのだが…。


『始末屋ジャック 幽霊屋敷の秘密(下)』/F・ポール・ウィルスン (著), F.Paul Wilson (原著), 大瀧 啓裕 (翻訳)
文庫: 445 p ; サイズ(cm): 15 x 11
出版社: 扶桑社 ; ISBN: 4594050522 ; 下 巻 (2005/10)

内容(「BOOK」データベースより)
陰惨な幽霊屋敷の地下室、その床の亀裂の奥の闇はどこへつながっているのか?いろいろな事件が結びついて、新たな怪異の正体が見えはじめてきた。イファセンの屋敷に漂う妖気、それは異界からのメッセージなのか?前の持ち主の謎を探るジャックや、霊能者に惹かれるジーアを脅かす謎の人物とは?愛するものが異界の標的になったと知ったとき、ジャックにはいったいなにができるのか?モダンホラー界の異才F・P・ウィルスンが送る壮大なドラマは、さらなる次元に突入する。


「幽霊屋敷の秘密」というタイトル通り(原題は全然違うけど)、幽霊の話。だいたいそういうタイトルだと、幽霊がいるようだけど実はトリックがあったり、最後に謎解きされて、幽霊ではなかったとなるのがミステリだと思うんだけれども、これはホラーの要素もあるので、しっかり幽霊が出てくる。で、最後まで幽霊は幽霊だ。

<ナイトワールド・サイクル>との繋がりで、単なる幽霊ではなく、やはり「異界」と結びついているようなのだが、はっきりと「異界」からのものだとは書いていない。でも至るところで、<ナイトワールド・サイクル>との繋がりが見えて、先に『ナイトワールド』を読んでおいてよかったという感じ。

すでに原書では続刊が2冊ほど出ていて、このまま行くと、今ある『ナイトワールド』は、大幅に書き換えなくてはならないのでは?という感じになっているらしい。

そうなると、『ナイトワールド』の主人公もまた、始末屋ジャックということになってしまいそうなのだが、私は今の『ナイトワールド』の主人公グレーケンのほうが、ファンタジーのヒーローっぽくて好きだから、ジャックが主人公になってしまうのは、あまり嬉しくない。書き直された『ナイトワールド』を読むかどうか、それはその時の気分だとは思うけど、今のところは読みたくない気分。

ところでジャックの恋人のジーアは、やっぱり最後まで邪魔だったなあ・・・。頼むからおとなしくしててよ、という感じ。そのために、ジャックがどんなに大変な思いをしたことか!

ジーアがジャックの心配や身の危険も顧みず、勝手な行動を取っているのがイライラする。ちょっと、邪魔だからおとなしくしててよ!って感じ。

ジャックは始末屋だから、人を痛めつけたり、場合によっては殺人もする。理由のあることで、相手は悪人だとはいえ、殺人は殺人だ。そんな人の恋人なのに、ジーアの善人ぶりは、どうもいやらしい。

今回はその部分が結構クローズアップされていて、ほんとにイライラしてしまう。善人は善人でいいのだが、ジャックの恋人でいるためには、ジャックの仕事を黙認するしかないわけで、だったら一切関わらなければいいのに、と思うのだ。イライラ!

しかしこれはいつも迷うのだけど、<始末屋ジャック>もここまで来ると、ミステリの分野なのか?それともホラーなのか?

レビューなどでもかなり面白いようなことが書かれているのだが、やっぱり私ってホラーのほうが好きみたいで、ジャックのシリーズよりも<ナイトワールド・サイクル>のほうが面白いなあと思う。とはいえ、そのへんにある多くの本より、はるかに面白いんだけど。

2006年03月20日(月)
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 Back When We Were Grownups/Anne Tyler

『Back When We Were Grownups』/Anne Tyler (著)
マスマーケット: 328 p ; 出版社: Ballantine Books (Mm) ; ISBN: 0345477243 ; Reprint 版 (October 26, 2004)

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アン・タイラーの15作目は、おとぎ話のような書き出しで始まる。
「昔々あるところにひとりの女がいた。女はある日、違う姿に変わってしまった自分に気がついた」

悲しいかな、姿が変わったのは魔法のせいではなかった。『Back When We Were Grownups』の冒頭部分では、人生も後半にさしかかり、危機感に襲われた中年女性レベッカ・ダヴィッチの描写が続く。

53歳になるレベッカは、「ぽっちゃりして、やさしそうな、えくぼのある」いつも愛想のいい未亡人。両脇で結んだぱさぱさの金髪が、一対の短い翼みたいに頭からぴゅんと飛び出ている。大家族をまとめる女家長である彼女は、パーティーとケータリングの専門会社「オープン・アームズ」の経営者でもある。そのせいか、仕事場でも家庭でもつとめて陽気にふるまってきた。だが、一番下の養女の婚約記念ピクニックが惨めな結果に終わったとき、レベッカは不意にこれまでの人生を振り返り、愕然とするのだった。

「いったい、なんだって私はこんな風になってしまったんだろう? どうして? 本当の私はこんなじゃないのに、どうしてこんな人間になってしまったんだろう?」

そして当然、物語はこの疑問への答えを探し出し、失った昔の自分を取り戻そうとするレベッカの姿を追っていくことになる。さしあたって、「リー将軍が南軍の司令官になった理由」を研究していた大学時代からはじめるべきか? いや、もっと直入に、簡単によりを戻せそうな、バツイチの大学時代の恋人からいくべきか? …だが、とりあえずそんなことをやってみたところで、理想どおりの本当の自分は取り戻せそうにない。

けっきょく、レベッカは不思議に晴れやかな気持ちで、自分探しの旅を断念しようという境地に達する。その心情は、100歳の誕生日を迎えたポピーの言葉に如実に表れている。

「本当の人生なんてありはしない。死を迎えてはじめて、それまでが本当の人生だったってことがわかるのさ。たとえどんな人生だったとしても」

言い古された言葉かもしれない。だが、タイラーらしい繊細な筆致と多彩な登場人物が堪能できるこの小説世界には、実にぴたりとくる言葉だ。

本書には、「ポピー」のほかにも「ノーノー」「ビディー」「ミンフー」など、甘ったるい名前の人物が次々と登場する。へたをすると、嫌気がさした読者が逃げ出しかねないところだが、さすがはタイラー、そこらへんのさじ加減は絶妙だ。

ともかく、ベテラン作家タイラーの手慣れた筆さばきが間違いなく楽しめる小説だ。登場人物もクセ者ぞろいでいかにもタイラーらしい。「皆が、落ちぶれても昔の体面を保とうとする土地柄のボルチモア」といういかにもありがちな舞台設定さえ、タイラーの魔法にかかるとかえって新鮮に思えてくる。

本書は、人の心をつかんで離さない小説だ。レベッカの言葉を借りれば、まさに「生きていくってどういうことかをつづった記録」なのだ。おまけに、その「記録」の仕方が的を射ているからよけいにたまらない。

2006年03月14日(火)
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 行ってみたいな、童話(よそ)の国/長野まゆみ

『行ってみたいな、童話(よそ)の国』/長野 まゆみ (著)
文庫: 149 p ; サイズ(cm): 15 x 11
出版社: 河出書房新社 ; ISBN: 4309405088 ; (1997/08)

内容(「BOOK」データベースより)
この物語、ほんとうは、子どもたちに聞かせるような話ではないのです…「ハンメルンの笛吹き」「ピノッキオ」「にんじん」―笑いとざわめきと官能にみちた物語の国を、夢み、旅する、長野まゆみの残酷童話集。


2006年03月13日(月)
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 夜間飛行─Moon Sherbet/長野まゆみ

『夜間飛行―Moon sherbet』/長野 まゆみ (著)
単行本: 165 p ; サイズ(cm): 20
出版社: 作品社 ; ISBN: 4878931655 ; (1991/07)

内容(「BOOK」データベースより)
月はもう沈み、夜空には満天の星が燦めき、海には星の光が静かに映っていたのだけれど、突然、ぼくたちの眼の前で、海面がせり上がり、檸檬色の潜水艇が現れた。ぼくたちはそれに乗り込んだが、これはほんとうは何なんだろう。燦めく宙空に紡がれるスペース・ファンタジィの傑作。

2006年03月10日(金)
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 耳猫風信社/長野まゆみ

『耳猫風信社』/長野 まゆみ (著)
文庫: 193 p ; サイズ(cm): 15 x 11
出版社: 光文社 ; ISBN: 4334734537 ; (2003/03/12)
出版社/著者からの内容紹介
11歳になったぼくは、きょうは絶対、日記帳を買うんだ、と決意し、境界を越えてとなり町に足を踏みいれた。古めかしく、それでていどこかしら懐かしい風景。ぼくは、眼帯をした不思議な少年と出逢い、《山猫の店》という奇妙な文具店を教えてもらう。雨に烟る《耳猫風信社》、埠頭でのひそかな上映会、なかなか行きつけないとなり町。冒険の末に少年が発見したのは・・・。


2006年03月09日(木)
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 眠れる犬/ディック・ロクティ

『眠れる犬』/ディック・ロクティ (著), 石田 善彦 (翻訳)
文庫: 517 p ; サイズ(cm): 15 x 11
出版社: 扶桑社 ; ISBN: 4594003028 ; (June 1988)

内容(「BOOK」データベースより)
セレンディピティ・ダールクィスト。通称セーラ。14歳の彼女は、女優の祖母とロスで2人暮らしだった。退屈な毎日が続いていたが、ある日彼女の愛犬グルーチョが失踪、セーラは警察へ届けでた。だが、警官が相手にしてくれるはずもなく、冗談半分に紹介されたのが42歳の私立探偵レオ・ブラッドワースだった。そしてこの時から14歳の“わけのわからない小娘”と42歳の“つまんないことばっかりいってる中年”探偵の奇妙な道中が始まった。反発しあいながら、互いを助けあってグルーチョを捜す旅を続ける2人。だが、この愛犬失踪の陰にはマフィアがらみの恐るべき謀略の罠が張り巡らされていたのだ。現代ロサンゼルスを舞台に、軽妙なユーモアをまじえて新鋭が放つ傑作ハードボイルド。86年ネロ・ウルフ賞受賞作。

※画像は原書 『Sleeping Dog』

2006年03月08日(水)
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 夏期休暇/長野まゆみ

『夏期休暇 長野まゆみEarly Works少年万華鏡』/長野 まゆみ (著)
単行本: 150 p ; サイズ(cm): 21 x 15
出版社: 河出書房新社 ; ISBN: 430962104X ; (December 1998)

内容(「MARC」データベースより)
あの日、海に消えた帽子を、約束どおりもってきたよ・・・。表題作をはじめ、「詩篇カレイドスカフ 4」を併録。単行本化されなかった幻の初期作品が甦る、デビュー10周年企画第4弾。


2006年03月07日(火)
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 夏至祭/長野まゆみ

『夏至祭 長野まゆみEarly Works―少年万華鏡』/長野 まゆみ (著)
単行本: 155 p ; サイズ(cm): 19 x 13
出版社: 河出書房新社 ; ISBN: 4309621031 ; (1998/11)

内容(「MARC」データベースより)
時がたち、腕時計の鍍がふたたび剥がれ落ちる日が来れば、もう一度彼らと逢うことがあるかもしれない。ある夏の月彦の不思議な体験を描いた「夏至祭」と、「綺羅星波止場」「詩篇カレイドスカフ3」を収める。


2006年03月06日(月)
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 トワイライト(3)闇の吸血鬼一族/ステファニー・メイヤー

『トワイライト(3)闇の吸血鬼一族』/ステファニー・メイヤー (著), Stephenie Mayer (原著), 小原 亜美 (翻訳)
単行本: 262 p ; サイズ(cm): 19 x 13
出版社: ソニーマガジンズ ; ISBN: 4789726347 ; 3 巻 (2005/09)

内容(「BOOK」データベースより)
百年のあいだ孤独だったヴァンパイアのエドワード。転校してきたベラはエドワードと許されぬ恋に落ちる。たがいに惹かれあうふたりを、もうだれも止められない。しかし、ベラを狙う凶悪なヴァンパイアが忍びより…。ラブ&ブラッド!ヴァンパイア・ロマンス急展開の第3弾。


2006年03月05日(日)
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 カンパネルラ/長野まゆみ

『カンパネルラ 長野まゆみEarly Works少年万華鏡』/長野 まゆみ (著)
単行本: 163 p ; サイズ(cm): 19 x 13
出版社: 河出書房新社 ; ISBN: 4309621023 ; (October 1998)

内容(「MARC」データベースより)
美しい鉱石の光、すがすがしい草の香りのするような独特の文体で、淡く切ない少年の姿を描く作家・長野まゆみの単行本化されなかった幻の作品「カンパネルラ」と「銀木犀」の2編と詩篇を収める。


2006年03月04日(土)
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 三日月少年漂流記/長野まゆみ

『三日月少年漂流記 長野まゆみEarly Works少年万華鏡』/長野 まゆみ (著)
単行本: 176 p ; サイズ(cm): 19 x 13
出版社: 河出書房新社 ; ISBN: 4309621015 ; (October 1998)

内容(「MARC」データベースより)
銅貨と水蓮の二人の少年が、盗まれた自動人形・三日月少年をめぐって不思議な冒険をする標題作のほか、「銀色と黒蜜糖」と詩篇を収める、作家・長野まゆみの幻の初期作品集。


2006年03月02日(木)
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