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■ ダ・ヴィンチ・コード(上・下)/ダン・ブラウン
『ダ・ヴィンチ・コード (上)』/ダン・ブラウン (著), 越前 敏弥 (翻訳) 単行本: 334 p ; サイズ(cm): 19 x 13 出版社: 角川書店 ; ISBN: 4047914746 ; 上 巻 (2004/05/31)
『ダ・ヴィンチ・コード (下)』/ダン・ブラウン (著), 越前 敏弥 (翻訳) 単行本: 318 p ; サイズ(cm): 19 x 13 出版社: 角川書店 ; ISBN: 4047914754 ; 下 巻 (2004/05/31)
Amazon.co.jp ダン・ブラウンは本書『The Da Vinci Code』で、世界を舞台にした殺人ミステリーの醍醐味と、2000年に及ぶ西洋史から選り抜いた魅惑的な謎の数々とを組み合わせた、知的で明快なスリラーを見事に創造した。
閉館後の静寂に包まれたルーブル美術館で起きた殺人事件をきっかけに、明るみに出た不吉な筋書き。それは、キリストの時代以来、ある秘密結社により守られてきたベールをはがすものだった。殺人の被害者は、古くから連綿と続くその秘密結社の総長。彼は死の直前、不気味な暗号を犯行現場に残していた。その暗号を解くことができるのは、被害者の孫娘で著名な暗号解読者でもあるソフィー・ヌヴーと、高名な象徴学者のロバート・ラングドンのみ。ふたりは事件の容疑者となる一方で、ヌヴーの祖父の殺人事件のみならず、彼が守り続けてきた、古くから伝わる驚くべき秘密の謎をも調べ始める。警察当局と危険な競争者の追跡を間一髪ですり抜けながら、ヌヴーとラングドンは謎に導かれるまま、息つく間もなくフランスとイギリスを、そして歴史そのものを駆けめぐる。
前作『Angels and Demons』(邦題『天使と悪魔』)に続く本書は、ページを繰る手が止まらないスリラー作品に仕上がっていると同時に、西洋史の驚くべき解釈をも披露している。主人公のふたりは、モナリザの微笑みの意味から聖杯の秘密にいたるまで、西洋文化の大いなる謎をめぐる知的かつ魅力的な探索に乗り出す。ブラウンの解釈の真偽に難癖をつける向きもあるかもしれないが、その推測のなかにこそ、本書のおもしろさがあるのだ。思わず引き込まれる『The Da Vinci Code』は、豊かな思考の糧となる1冊だ。(Jeremy Pugh, Amazon.com)
<上巻>
これは評判に違わず面白い。というか、非常にテンポがいいので、淀みなく進む。テレビでダ・ヴィンチの特集をやっていたりして、すでになんとなく内容が見えているのが残念なのだが、ここに書かれているモチーフは、私には結構馴染みのあることなので、学術的なことや専門的なことが出てきても、特に引っかかるようなこともなく、読み進められる。
人間て、やっぱりこういう謎とか秘密が好きなんだよねと思う。特に史実と組み合わせて書かれていると、「え、ほんと!?」という気になる。ただし、内容を全く知らずに読んだら、例によって「神=宇宙人」という秘密だろうか?などと、違った方向に期待を抱いたかも。(^^;
ここに出てくるシオン修道会は、「アラブとイスラエル」の授業にも出てきた記憶があるのだが(一般にシオンはユダヤを意味する)、近藤先生は、ユダヤに関係があるとおっしゃったか、全く関係がないとおっしゃったか、すっかり忘れてしまっているのだが、ともあれ、ユダヤ人は勤勉で真面目な民族で、世に渦巻いている陰謀説などは、根も葉もない話だということだけは覚えている。
ちなみに、この『ダ・ヴィンチ・コード』に沿った「ダ・ヴィンチ・コード・ツアー」というのが人気だったそうだが、そこまで夢中にはなれないだろうなあ。私にとっては、特に真新しい謎じゃないし。といっても、謎は謎のままで、真実を知っているわけではない。また、この本の結末も知っているわけではないから、どういう結末になるのか、下巻も楽しみではある。
ダン・ブラウンの作品は、これを読む前に、新作『デセプション・ポイント』を読んでいる。こちらもそれなりに面白かったが(シドニー・シェルダンっぽかった)、『ダ・ヴィンチ・コード』ほどではなかった。やはり『ダ・ヴィンチ・コード』の、「謎解き」が人気の秘密かと。
<下巻>
下巻も一気に読めた。全く淀みなく一気に読める本は、エンターテインメントとはいえ、賞賛に値すると思う。久々に気持ち良く一気読みできた本で、そのことでまず、すがすがしい気分になれた。
キリスト教の聖杯をめぐる謎解きの話だが、謎を辿っていくうちに、アーサー王伝説や、ケルト神話のほうまで話が広がるのが面白い。こんなことを言うと怒られるかもしれないが、言ってみれば、私の好きな「トンデモ本」に近いのかもしれない。
キリスト教という世界の三大宗教のひとつをバックに、世界最大のベストセラー「聖書」についての疑惑や、ヴァチカンの陰謀、名画に隠された暗号などなど、謎や秘密好きにはたまらない題材だろう。謎に巻き込まれる主人公のラングドン教授は、ヒーローというわけでもなく、控えめなキャラだが、好感が持てる。
そういえば、マキャモンも聖書についての疑問をあげていた。キリストの生涯が書いてあるはずの聖書に、性に目覚めた頃のキリストのことが全く書かれていないのはなぜか?というものだ。だから、若い聖職者がそのような衝動を感じた時には、一体どうしたらよいのでしょうか、イエスさま!というわけだ。この本は、そんなことにもちょっと関連している。
事の真実はともかく、作者はこのあたりの事情をよく調べてあるし、何度もドンデン返しがあって、ともすれば退屈になりがちな学術的な描写でも、読者の好奇心が勝って、ミステリとして全く飽きさせない作りになっている。
ただひとつ真実を知りたくて先を読み急ぐのだが、その結末は・・・。ううむ、個人的にはちょっと欲求不満。
ちなみに、フリーメイソンはユダヤの秘密結社のように扱われているが、あれは実際、単なるその土地の名士が集まるライオンズクラブとかロータリークラブのようなものだそうで、もちろんユダヤ人の会員もいるが、陰謀などとは全く関係ないということを、「アラブとイスラエル」の授業で聞いた。
2006年01月16日(月)
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