読書の日記 --- READING DIARY
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 デセプション・ポイント(上・下)/ダン・ブラウン

『デセプション・ポイント(上)』/ダン・ブラウン (著), 越前 敏弥 (翻訳)
単行本: 345 p ; サイズ(cm): 20
出版社: 角川書店 ; ISBN: 4047914932 ; 上 巻 (2005/04/01)
出版社 / 著者からの内容紹介
「ダ・ヴィンチ・コード」の著者ダン・ブラウン、待望の日本最新作!
大統領付きのスタッフ・レイチェル。だが、父は現職と次期大統領の座を駆けた選挙戦の渦中にあり、彼女の立場は複雑だった。そんな時、大統領から緊急に呼び出され、NASAの大発見を確かめてきてほしいというのだが・・・。

『デセプション・ポイント(下)』/ダン・ブラウン (著), 越前 敏弥 (翻訳)
単行本: 330 p ; サイズ(cm): 20
出版社: 角川書店 ; ISBN: 4047914940 ; 下 巻 (2005/04/01)
出版社 / 著者からの内容紹介
ページを繰る手が止まらない、ブラウン節健在の、華やかなスリラー!大統領直々の命令で北極まで飛んだレイチェル。その間にも刻一刻と選挙戦の様相は変化し続け……”国家”の名の下に繰り広げられる二重三重の陰謀と駆け引き。そしてレイチェルはついに信じられない事実に直面する!



確かに、「徹夜本」という評判どおりのページターナーだ。もっとも、この作品には「地球外生命体」というモチーフが使われているため、個人的に好みのSFチックな状況設定ではある。それを差し引いたとしても、スピーディな展開で、どんどん先に進ませる手腕は、認めなければならないだろうと思う。でもこういう本は、何も考えなくていいので楽ちんだ。

短い章の繋がりで、場面展開がめまぐるしい。そのため、二人のヒロインの状況が、同時に把握できるようになっている。次はどうなるのか?という好奇心を掻き立たせる各章の切り方は、やはりシドニー・シェルダンと同じだと思う。

そういう書き方は、他のミステリ作家にもたくさんいるが、筆頭に浮かぶのは、やっぱりシェルダンだろう。最初に 『ゲームの達人』 を読んだときには、今回ダン・ブラウンの作品に感じたのと同じわくわく感があったもの。シェルダンも元脚本家だから、そういった場面展開は得意だろうし。

実はこの話は、「地球外生命体」などには全然関係ない話と言ってしまってもいいと思うが、最後まで期待を持たされる。しかし、どうしても腑に落ちない箇所がひとつ。あまり重要でない登場人物二人が、いつのまにか消えているのだ。何の説明もなく。海の真っ只中でのことだから、ひとりでに消えるわけがない。あの二人は一体どうしちゃったのだろう?「地球外生命体」よりも、そちらのほうが謎。



2005年05月31日(火)
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 ニューオーリンズの葬送/ジュリー・スミス

『ニューオーリンズの葬送』/ジュリー・スミス
新書: 422 p ; サイズ(cm): 19
出版社: 早川書房 ; ISBN: 4150016038 ; (1993/10)
内容(「BOOK」データベースより)
ニューオーリンズの街を熱くするカーニヴァルの興奮は、山車にのった〈王〉の登場で頂点に達した。そのとき、沿道のバルコニーにいたカウガール姿の人物が腰の拳銃を抜き、おどけた調子で〈王〉に狙いをつけると、引き金をひいた。次の瞬間、〈王〉は床にくずおれた。事件を目撃したスキップ・ラングドン巡査は、被害者を知っていた。学校時代の友人の父親、ニューオーリンズの政財界を牛耳るサンタマン家の主人チョンシー・サンタマンだ。市民権運動の熱心な活動家として人望も厚かった彼が、なぜ?サンタマン家の知りあいということで交通巡査から殺人事件の捜査に抜擢されたスキップは、初めての経験にとまどいと興奮を覚えながら捜査にあたった。だが、旧家の歪んだ人間関係の裏には、思いも寄らない衝撃的な秘密が…。猥雑なエネルギーに満ちた街を舞台に、旧家の悲劇を重厚な筆致で描く、アメリカ探偵作家クラブ賞受賞作。

※画像は原書 『New Orleans Mourning (Skip Langdon Novels)』/Julie Smith

2005年05月28日(土)
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 わが心のディープサウス/ジェームス・M・バーダマン、スティーブ・ガードナー

<再読>
『わが心のディープサウス Lands&Memory 記憶の風景』/ジェームス・M・バーダマン (著), スティーブ・ガードナー (写真), 森本 豊富 (翻訳)
単行本: 125 p ; サイズ(cm): 21 x 15
出版社: 河出書房新社 ; ISBN: 4309267815 ; (2004/09/02)

以前の感想




2005年05月27日(金)
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 ストレンジ・ワールド〈PART1〉/フランク・エドワーズ

『ストレンジ・ワールド〈PART1〉』/フランク・エドワーズ (著), 中場 一典 (翻訳), 今村 光一 (翻訳)
単行本: 236 p ; サイズ(cm): 19 x 13
出版社: 曙出版 ; ISBN: 4750806072 ; PART1 巻 (1990/12)

内容(「BOOK」データベースより)
私たちの科学は"万能"という幻想のもとに地球上で起こるあらゆる事象に明確な答を出してきた。そして、科学で容易に割りきれぬことがらに対しては、"現時点では不明"という便利な一言で片づけられてきた。本書は、そうした"現時点では不明"な、「科学では解明できない不思議なできごと」を厳密な裏づけを通して収録したものである。本書中の物語はすべて実話であり、いまだに謎として残るものである―。

目次
消えたデビッド・ラング氏の霊界からの声
半世紀早く無線電信を発明した男
鯨の胃袋から生敢還した男
未知の怪獣と"悪魔の足跡"
突然姿を消した30人のエスキモー
何千年も生きていた化石
巨大海獣と消えた船の謎
奇妙な夢のお告げを証する記念碑
3千年も眠りつづけていた"正夢"
夢のもつ恐るべき予知能力〔ほか〕

2005年05月25日(水)
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 すっぱだか/デビッド・セダリス

『すっぱだか』/デビッド セダリス (著), David Sedaris (原著), 倉骨 彰 (翻訳)
単行本: 382 p ; サイズ(cm): 19 x 13
出版社: 草思社 ; ISBN: 4794211864 ; (2003/02)
内容(「MARC」データベースより)
自らの少年期・青年期のエピソードを元に、「僕」が自分自身の殻を脱ぎ捨てて自立をはたしていく過程をユーモアあふれる17の掌編に収めた、全米ベストセラー。


2005年05月18日(水)
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 死の蔵書/ジョン・ダニング

『死の蔵書』/ジョン ダニング (著), John Danning (原著), 宮脇 孝雄 (翻訳)
文庫: 548 p ; サイズ(cm): 15 x 11
出版社: 早川書房 ; ISBN: 4151704019 ; (1996/03)
内容(「BOOK」データベースより)
十セントの古本の山から、数百ドルの値打ちの本を探しだす―そんな腕利きの"古本掘出し屋"が何者かに殺された。捜査に当たった刑事のクリフは、被害者の蔵書に莫大な価値があることを知る。貧乏だったはずなのに、いったいどこから。さらに、その男が掘出し屋を廃業すると宣言していた事実も判明し…古書に関して博覧強記を誇る刑事が、稀覯本取引に絡む殺人を追う。すべての本好きに捧げるネロ・ウルフ賞受賞作。

※画像は原書 『Booked to Die: The Mystery That Introduced Cliff Janeway (Cliff Janeway Novels)』

2005年05月13日(金)
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 七王国の玉座〈上〉―氷と炎の歌(1)/ジョージ・R.R. マーティン

『七王国の玉座〈上〉―氷と炎の歌(1)』/ジョージ・R.R. マーティン (著), George R.R. Martin (原著), 岡部 宏之 (翻訳)
単行本: 446 p ; サイズ(cm): 19 x 13
出版社: 早川書房 ; ISBN: 415208457X ; 上 巻 (2002/11)
内容(「MARC」データベースより)
北の大狼スターク家、黒い牡鹿バラシオン家、金の獅子ラニスター家、ドラゴンの子孫ターガリエン家。七つの大国を舞台に王位争奪戦が今幕を開ける! ローカス賞ファンタジイ長篇部門受賞作。


ジョージ・R.R.マーティンの<氷と炎の歌>シリーズの第一作目『七王国の玉座(上)』を読み終えたのだが、面白くないので上巻だけでやめることにした。上下巻ある本の上巻だけでやめるのって、初めてかも。

というのも、ファンタジーとは名ばかりで、設定が時代も場所もわからない、架空の国というだけ。多少、魔術とか得体の知れない生き物(死霊?)とかが出てくるけれど、ほとんどが人間の欲と政治的陰謀の話で、そういった大人の汚れた世界に、10歳前後の少年少女が巻き込まれていくのが、いたたまれない感じで、うんざりしてしまった。

話がなかなか進まないというのも良くない。まさにダラダラ書き続けて、いつのまにか大長編になってしまったという見本のようなものだな、と。魅力的な登場人物もいないし、どうでもいいことをやたら書き込んでいるのも退屈。

というか、作者はそういった政治的陰謀をメインに書いているのか?だとしたら、とりあえず展開はしているのだろうが、読んでいるほうは冒頭にある死霊との戦いみたいなことが書かれていくのだろうと思っているので、まだか、まだかと思ってしまうのだ。どちらにしても、面白くないや!と。

このシリーズ、全部で4冊借りていたのだが、もう読まないと決めたので、いつまでも借りていても仕方がないから、全部まとめて図書館に返した。ああ、すっとした。

2005年05月05日(木)
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 ドラゴンランス 夏の炎の竜(上・中・下)/マーガレット・ワイス&トレイシー・ヒックマン

『ドラゴンランス 夏の炎の竜(上)』/マーガレット・ワイス (著), トレイシー・ヒックマン (著), 安田 均 (翻訳)
単行本: 352 p ; サイズ(cm): 21 x 15
出版社: エンターブレイン ; ISBN: 4757715803 ; 上 巻 (2003/09/24)
内容(「MARC」データベースより)
世界で5千万部のベストセラー「ドラゴンランス」「ドラゴンランス伝説」「ドラゴンランスセカンドジェネレーション」に続くD&Dファンタジーの続編がついに日本上陸。世界創世の真実と神々の戦いの歴史が今明かされる!


『ドラゴンランス 夏の炎の竜(中)』/マーガレット・ワイス (著), トレイシー・ヒックマン (著), Margaret Weis (原著), Tracy Hickman (原著), 安田 均 (翻訳)
単行本: 309 p ; サイズ(cm): 21 x 15
出版社: エンターブレイン ; ISBN: 4757716699 ; 中 巻 (2003/12/19)
内容(「MARC」データベースより)
ドラゴンランス戦争から約25年。「暗黒の女王」タキシスを奉じる闇の軍勢が勢力を盛り返し、世界進攻を開始する。異常気象の中、一気に滅びへと向かう世界を救うべく、ドラゴンランス戦争の英雄達が動き出すが…。


『ドラゴンランス 夏の炎の竜(下)』/マーガレット・ワイス (著), トレイシー・ヒックマン (著), Margaret Weis (原著), Tracy Hickman (原著), 安田 均 (翻訳)
単行本: 385 p ; サイズ(cm): 21 x 15
出版社: アスキー ; ISBN: 4757718012 ; 下 巻 (2004/03)
内容(「MARC」データベースより)
さらば、ドラゴンランスの英雄と神よ。万物と無の父、火竜、異界の魔物が世界を襲う。親子二代にわたるドラゴンランスすべてを締めくくる完結篇。


この「夏の炎の竜」シリーズは、クリン(この物語の舞台である惑星)を創造した神々の話や、その神々の父カオスによって、世界に終末がもたらされるという内容である。個人的には宗教がらみのファンタジーは好きではないので、もっとも避けたい内容ではある。もともと「ドラゴンランス」は神々の存在が色濃く出ており、その神々に仕える僧侶たちの存在も大きい。

だが最初の『ドラゴンランス』全6巻は、宗教的な色合いを差し引いても面白かったが、この『夏の炎の竜』全3巻は、それを差し引いたら話にならない。少なくとも半分は、そういった神々と宗教の話である。その点で、非常に不満が残るし、最初の『ドラゴンランス』に感じたわくわくした感じは、全く感じられない。

主人公はキャラモンの末息子である白ローブの魔術師パリン(上の兄二人は戦死)と、スターム・ブライトブレイドとキティアラの息子スティール(暗黒の騎士)である。そこにレイストリンの娘(といわれている)ウーシャや、ケンダーのタッスルホッフ・バーフット、レオルクスの化身であるドワーフのダウガン・レッドハンマーなどが関わって、カオスのもたらした最終戦争を戦うのである。

まず気になっていることから先に書いてしまうが、レイストリンは<奈落>で生きていた。パリンが大審問を受けたときにマギウスの杖を贈り物として授けるといったことから、パリンは叔父さんは生きていると確信する。そして必要に迫られて<奈落>に行き、レイストリンを<奈落>から連れ戻し、一度はキャラモンのもとに連れて帰るのだ。

そして、レイストリンの娘と言われるウーシャだが、たしかに目はレイストリンと同じく金色だが、実は娘ではなかった。レイストリンが過去に遡って調べたところ、全く関係のないことがわかった。では産まれてすぐ、イルダ族の男に連れて行かれた、レイストリンの本当の娘はどうしたのだろうか?どこにいるのだろうか?ウーシャはあまり好きなキャラではないので、レイストリンの娘でないなら、登場しなくてもよかったんじゃないかとも思える。

スタームの息子スティールは、父親譲りの勇敢で高潔な性格ゆえ、心の中に常に葛藤を抱えている。あくまでも暗黒の騎士であり続けたが、最後には白ローブの魔術師パリンと力を合わせて戦い、父に恥じない勇敢な最期を遂げる。

しかしその前の戦いで、敵側のスティールの命を助けたタニスが、その目の前で殺されてしまう。これには唖然。一番好きなキャラだっただけに、ショックだった。タニスはスタームとの約束どおり、スティールを守ったのに、スティールはなぜタニスを死なせたのだ!と憤りも感じてしまう。スティールも、父のスタームよりは好きなキャラではなかったので、タニスのほうが死ななければならないとは、本当に悔しい。息子ギルサスの活躍もほとんどなく、晩年は苦悩に満ちたタニスだった。

スティールの上官アリアカン卿の死(カオスとの戦いで)は、大きな存在であった割に、あまりにあっけなかった。

だが最後の英雄は、ケンダーのタッスルホッフ・バーフットだ。ウーシャとパリオンがまごまごしていて、カオスに狙われたとき、小さなナイフを持って、巨大なカオスに飛び掛っていったのだ。そのおかげでカオスの血液を<灰宝石>に閉じ込めることができ、絶望的だった状況が一転。世界は破滅から救われた。タッスルはカオスに踏み潰され、<奈落>へと旅立つ。

最後は<竜槍戦争>の仲間、老ドワーフのフリントが、タッスルを待っている場面。そこにタッスルがやってきて、酒を酌み交わすところで終わる。ここはさすがにしみじみとする。

タニスがずっとヒーローだったら、たしかに出来すぎな物語になってしまったかもしれないが、最後の英雄がタッスルとは思ってもいなかった。タッスルは、非常に魅力的だけど。

これまでの17巻で、一応「ドラゴンランス」は完結ということになっているが、この後、シリーズはまだまだ続いている。『魂の戦争編』、『新たなる冒険編』、『レイストリン戦記編』と続いていく予定らしい。レイストリンの少年時代や、キャラモン、キティアラとのエピソードなどといったことも、新たに書き加えられているらしい。やっと一息ついたと思ったが、まだまだ終わりにはなりそうにない。今後1冊ずつ出版されるのを待っていると、欲求不満になりそうなので、それらが出揃ったところで、再び読み始めたいと思う。何年後になるだろうか?

2005年05月03日(火)
Copyright(C) 2000-216 SCHAZZIE All rights reserved.
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