読書の日記 --- READING DIARY
 ⇒読書日記BLOGへ
  schazzie @ SCHAZZIE CLUB



 Lucy Sullivan Is Getting Married/Marian Keyes

Amazon.co.jp
ルーシー・サリヴァンはどこにでもいる「楽しいこと」好きな女の子。会社の友だちに占い師に見てもらおうと誘われて、街角の霊媒師のような感じの占い師、ミセス・ノーランに会ってはみたものの、印象は「バツ」。近い将来あなたは結婚する、と言われたこともほとんど信じる気になれない。しかし!友人への予言が現実のものとなり、ルーシーは身近な男性たちを改めて見直すようになる。

美男子のガスは、お酒の飲み過ぎと人形フェチを克服してくれれば可能性あり。新入社員のジェドはなかなかチャーミングで、お互い支え合っていけそうな健全な感覚の持ち主。そして、もちろん忘れてはいけないのがダニエル。ちょっと女性関係には問題アリだけど、ユーモアのセンスが抜群で、信頼できる友人だ。

でも、新しい家庭用の食器の柄を選び始める前に、ルーシーには、人生で最も大事な男性(父)への気持ちを整理する必要があった。娘としては心優しく楽しい人と思ってきたけれど、母は何十年もの間、その父の気まぐれやアルコール依存症に耐え続けて、忍耐も底をついているという始末。とうとう父が見捨てられたとき、ルーシーは母のもとへ出かけ、人間関係と責任についての難しい教訓を得るのだった。

ユーモアと、ちょっと泣かせる人間劇をオカズに、現代ロンドンを舞台とするシングルライフのエッセンスを抽出する点では、ニック・ホーンビーやヘレン・フィールディングと同じ。オフィスでのリアルなゴシップや、常軌を逸したルームメイト(「あの子のアタマの中に住むなんてまっぴら。だって暗くて、ものがなしくて、こわーいところに決まってるもん。その気になればマジなことひとつも考えないで、何十日だって過ごせるのにさ!」)。奇妙なブラインドデート。そして、ほろ苦い真相解明。イケてる会話と、キャラクターの心の中をのぞき込むクリアなレンズで、本書は世界中のシングルトンを楽しませ、刺激するだろう。『Lucy Sullivan is Getting Married』は大成功の1冊だ。


これも数ある「BJ系」(BJ=ブリジット・ジョーンズの日記)ではあるんだけど、この手の小説は、それを書いた作家の性格がよく表れていると思う。マリアン・キイスは、かなり理屈屋?そのあたりが濃すぎて、女の子のかわいらしさが出ない。

最初に読み始めたときは、そこが面白いと感じていたんだけど、中断している間に、いろんな「BJ系」の本を読んだ結果、キイスのそういった部分が、今ではちょっとわずらわしくなっている。そんなごたくを並べてないで(こういう部分に、普段あまり使われない単語とかがたくさん入ってくるし)、早く話を先に進めて欲しいという感じ。

それと、余計な会話が多すぎる。おかげで、なかなか話が進展しない。こういうのはテンポのよさも、ひとつの売りだと思うので、ここはマイナス。以前は面白いと感じていたユーモアも、あまりそう思わなくなっていて、自分の感覚も違ってきたのだろうが、ちょっととまどい。

会社の同僚と占い師のところに行き、その占いの結果にまつまる騒動から話が始まるのだが、メインはその会社の同僚とのつきあいかと思っていたら、いつのまにかフラットをシェアしている二人のルームメイトのほうに話が移っていき、そちらがメインになっている。なんで?という感じ。

皆、どうしても彼氏がいなきゃ!と必死になっているのが、ほかにやることないのか?みたいな感じで、なんだかね。。。主人公ルーシーも、最初は面白いと思ったのだけど、だんだんつまらない女の子に見えてきた。最後は幼馴染のダニエルとくっつくんだろうというのが見え見えなのに、なかなかそこに話がいかず、どうでもいい会話が続く。それで本が分厚くなっているのだ。もっと効果的な会話があるならいいのだが、会話の半分は無駄と思える。

キイスの本は、「きっと面白いはず」と予想して、何冊も揃えてしまったので、こんな感じで終わってしまっては困るんだけど、このあと、たしか父親との問題が出てくるんだったかな?そのあたりで感動させてくれるといいんだけど・・・という期待もむなしく、最後は幼馴染のダニエル(これまではお互いに何とも思っていなかったのだが)と、ごく当たり前のように結ばれるという結末。途中に出てくる男もみな変で、これはもう彼しかいないだろうと、先が見えてしまって、退屈だった。父親の話も、何か感動させてくれるようなことがあるのかと思っていたが、結局は見捨ててしまうし、な〜んだという感じ。



2004年08月23日(月)
Copyright(C) 2000-216 SCHAZZIE All rights reserved.



 The Last Chance Cafe/Linda Lael Miller

出版社/著者からの内容紹介
情感豊かに綴る極上のロマンス!
3年前に離婚し、女手ひとつで幼い双子の娘を育ててきたハリーは悲嘆に暮れた。優秀な警官だった継父が何者かに撃ち殺されたのだ。しかも、やがて知ったのは、彼が捜査中だった大規模な犯罪にはハリーの前夫ジョエルまでが加担していたこと。身の危険を感じたハリーは、娘を連れて住み慣れたアリゾナの町から逃げだし、ネヴァダの田舎町プリムローズ・クリークにたどり着く。その町の小さなカフェで本当の愛をつかまえる最後のチャンスにめぐりあうとは夢にも思わずに……。


カウボーイものが読みたいと思って読み始めたけれど、恋愛の相手がカウボーイだというだけで、カウボーイそのものについて書かれているわけではない。

主人公ハリーは、慕っていた継父の死によって、離婚した夫や周囲の人々の間に何か陰謀があり、父もそれで殺されたのではないかと疑いを持ち始め、とるものもとりあえず、アリゾナの家を出る。

吹雪の中で車が故障し、双子の娘をつれたハリーは、ラストチャンス・カフェに飛び込む。そこで、若き牧場主チャンスに出会う。チャンスはハリーが困っているのを見て、とりあえず留守中の姉の家を使ってはどうかと持ちかける。カフェの女主人マッジも、ハリーの窮地を察し、カフェで働くよう勧める。

こうしてハリーの新しい生活が始まるが、身の危険が去ったわけではないので、ずっと怯えた生活が続く。そんな中で、チャンスは何かと親切にしてくれるのだが・・・。

チャンスは最初からストレートに、ハリーへの愛情を表しているのだが、ハリーのほうは何かと煮え切らない。継父が殺されたことで身の危険を感じているので、周囲を巻き込むべきではないと思っているのだ。様々な出来事を通じて、チャンスの愛情は疑いもなく感じられるのだが、そう思えば思うほど、巻き込むわけにはいかないと思うハリーなのだ。

元夫に狙われ、命の危険をおかしてハリーを助けたチャンスを置き去りにし、アリゾナに帰ったハリーだが、最後には「ラストチャンス・カフェ」を買い取り、めでたくチャンスの妻となる。

結ばれるまでがじれったい、例によって例によるロマンスだが、そこに少々サスペンスの味付けのある物語。チャンスは非常に魅力的な男性だが、あまりにストレートすぎるという部分もなきにしもあらず。ハリーの性格は、ちょっと二重人格っぽいところもあって、私ならあまり好きにはなれないタイプかも。残念ながらチャンスは、ハリーの肉体に惹かれただけという感じもしなくもない。

2004年08月18日(水)
Copyright(C) 2000-216 SCHAZZIE All rights reserved.



 スケアクロウ―死闘!南極基地を防衛せよ VOL.2/マシュー・ライリー

「スケアクロウ」について

予想通り、これは一気に読み終えた。
この終わり方(というか、3巻に続くのだが)、にくたらしい〜!こんなところで終わったら、やっぱり3巻目も買わなくちゃでしょう。展開が早く、次から次へと事件が起き、何をさしおいても読み進めずにはいられないというのは、「超エンターテインメント」として、認めざるを得ない。

中身についての感想というのは特になく、ただ一気に話が進んでいくので、とにかく面白いということだけ。何も考えずに読める、気分転換にはもってこいの話。とにかくよどみがないし、面倒くさいところもない。



2004年08月17日(火)
Copyright(C) 2000-216 SCHAZZIE All rights reserved.



 さようならコロンバス/フィリップ・ロス

カバーより
真夏のプールサイドで出会った二人は、次の日プールの底でぶくぶくあわ立つ接吻をかわしていた。ニューアークの高級住宅地に住む女子大生と下町の叔父の家に下宿する貧しい青年の恋。空虚なアメリカの反映のなかにうまれた、若々しくはりつめた恋の物語を、甘やかな抒情とペーソスでとらえた青春の自画像。


「BOOK CLUB」の課題本には毎回悩まされていて、読み終えると、とにかくほっとする。

フィリップ・ロスと言えば、まずこの小説のタイトルが頭に浮かぶが、個人的には期待していたものではなかった。読者が女性か男性かでも、感想は違うんだろうと思うのだが、高校生、大学生くらいの、子どもとも大人ともつかない時代の小説って、とても共感できるものと、全く受け入れられないものとがあると思う。

その判断は、個人的な体験などに基づく、非常にパーソナルなものだと思うが、私の場合、この小説はどちらかといえば後者のほう。サリンジャーほど嫌だという気持ちはなかったし、全く受け入れられないというわけでもないが、主人公に興味を持てなかったということが原因かもしれない。

人間はみな勝手なものだが、この少年もまた自分勝手だ。恋人にペッサリーをつけてくれと頼むところなど、その理由が自分本位。また恋人が母親にペッサリーを見つかってしまったところでは、見つかってしまったという現在の状況にに目を向けず、「なぜ置いてきたんだ」と、過去のことばかりを言い、相手を責めるばかり。そこには「君が」置いてこなければ、こんなことにはならなかったのに!という非難がありありとうかがえる。

そんなところから、この少年は現実に目を向けず、前向きに対処していけない性格なのだと思える。見つかったからどうなんだ?それが非常に難しい立場でも、相手を必要としているなら、堂々と対処すべきだと思う。はなからこの少年の性格が好きではなかったので、やっぱりね、という感じがしてしまった。すべて相手次第という、あまり頼りがいのない性格じゃないのかと。

いわゆる「青春小説」だが、これは1977年の翻訳で、やっぱり古めかしい。50年代の比較的新しい社会を描いたものに、古めかしい訳というのは、ちょっと・・・。というか、訳された時には新しかったのかもしれないが、今ではやはり違和感がある。50年代はけして古めかしい時代とは思えないし。そんなわけで、若者の会話部分などは、どうしても受け入れがたい。イメージが上手く掴めない。

これが18世紀だとか19世紀あたりの話だったら、実際に時代も古いので、古色蒼然とした訳でも違和感はないのだが。。。これは新訳も出ていないから、できれば原書で読んだほうがいい小説のひとつだと思う。

青春小説って、マキャモンやカポーティみたいなのは面白いと思うのだが、サリンジャーとかロスのような雰囲気は、個人的にはダメかも。僕が、僕が、という自己主張の強いものは引いてしまうのかもしれない。主人公は同じ「僕」(私でも俺でもなんでもいいが)でも、本人は淡々としていて、客観的に第三者的な書き方をされているほうが、私は好きなんだと思う。

それでも、最後に親をとる主人公の恋人の立場は、女の子の気持ちとしては非常によくわかる。今だから言えるが、親の言うことを聞いておいたほうが間違いがないと思うし、そのほうが絶対に幸せになるとも思う。こういう恋愛はよくあることだと思うが、大人になって現実を見てしまった私からすれば、この主人公の男の子には全然魅力を感じない。人種とか宗教とか社会的な地位とかは全く関係なく、性格の面で魅力を感じないのだ。それも単なる好みだろうけど。

カバーに「空虚なアメリカの反映のなかにうまれた」とあるが、この子自身が空虚なんじゃないかと感じた。あまり「はりつめた恋」とも思えなかったし。

2004年08月11日(水)
Copyright(C) 2000-216 SCHAZZIE All rights reserved.



 ファウンテン・ソサエティ/ウェス・クレイヴン

出版社/著者からの内容紹介
全米ベストセラー!『エルム街の悪夢』『スクリーム』を手がけたホラーの帝王ウェス・クレイヴン初の小説!

●暗号名<ハンマー>兵器開発に於いて最高級の頭脳を持つ天才物理学者ピーター・ジャンスが指揮を執り、原爆以上の破壊力を持つ新型兵器を開発しようとしていた。

●暗号名<ファウンテン>遺伝子工学の第一人者フレドリック・ウルフが指揮する最高機密プロジェクト。計画の全貌を把握しているのはウルフただひとり。

エリザベス・パーカーは偶然の出会いからハンス・ブリンクマンに魅かれ、妻あるハンスと深い仲になる。強い絆を感じながら愛を深める二人。だが、その背後には、本人たちも知らない大きな秘密があった……。兵器開発と遺伝子工学、そしてロマンス、螺旋のように絡み合うストーリー、そして<ファウンテン計画>の全貌とは? 禁断の領域に踏み込んだ科学は、いま神の高みへと昇ろうとしている……。『エルム街の悪夢』の恐怖、『スクリーム』の驚き、『ミュージック・オブ・ハート』の感動、そのすべてがここにある!



「ホラーの帝王が書いた究極のエンターテインメント!」って言うから、どんなの?と期待していたのだが、面白いとか面白くないとかの前に、へえ〜、こういう話だったのか、と。

感想を書けば、いずれにせよネタバレになるから書いてしまうけど、究極の兵器開発と、人間のクローンの話(あらかじめ秘密裏にクローンを作っておいて、そのDNAの提供者の命が危うくなったときに、クローンを殺して脳を移植する)。作者のウェス・クレイヴンは、兵器開発もクローン技術も反対の立場で書いている。

兵器はともかく、クローンの問題は複雑だ。自分の愛する人が(親でも配偶者でも子どもでも恋人でもいいが)、生命の危機にさらされ、そこにその人のクローンがいたら・・・。神の領域にまで手を出すのは良くないとは思うものの、正直なところ、何とかこの人だけは助けたいと思ってしまうんじゃないかとも思う。

ただ脳を移植した場合、肉体は若返るが、脳内の血管は古いままだから、しょっちゅう脳溢血とかを心配していなければならない。そこが話としてはオチだな。(^^;

もちろん、結末はそんなことではないのだが、結局どれほど科学が発達しようと、それを壊すのは人間の力でしかないということになるんだろうか。つまり、最後は「カミカゼ特攻隊」のような自己犠牲が、科学に勝つということなのだ。

それと、DNAは同じでも、「個々の細胞が個々の記憶を持っている」という説も取り上げられている。それもなくはないと思うが、でも、飛行機の操縦などしたことのない脳の持ち主が、操縦をしたことのある肉体の細胞の記憶だけで、飛行機を飛ばせるものか?ちょっとまゆつば。

「恐怖」といった面では、そうした科学の発達に伴うエゴイズムが恐怖なんだと思うが、個人的には、脳移植後の「いつ血管が切れるか」という心配が、一番現実的で恐ろしかった。思わず、こちらの脳の血管も切れそうな感じ。

しかし、科学的には非常に詳しく書いてあるのだが、人間のクローンまで作って、脳の移植までできるのに、なぜ脳溢血を救えないのだろう?このあたりに、クレイヴンの想像力の限界が見えてしまった気がする。脳の神経と脊柱の神経を繋げるくらいの技術があったら、脳溢血だって助けられるだろうし、それを防ぐことだってできそうなものだ。

全体としては面白かったと思う。150ページくらいまでは進まなかったものの、後の300ページは一気にいった。でも、「究極のエンターテインメント」とまではいかないんじゃないか?と。ホラー映画の監督に期待していたものとは、ちょっと内容が違ったし。

2004年08月10日(火)
Copyright(C) 2000-216 SCHAZZIE All rights reserved.



 ナイト・ボート/ロバート・R・マキャモン

内容(「BOOK」データベースより)
ブードゥーの祈りが聞こえるカリブ海。海の底の墓場から「夜の船」がよみがえる。それはかつて闘いに敗れたUボートだ。中からは無気味な物音がもれている。なにものかが潜んでいる。生物なのか亡霊なのか。楽園は無気味な気配につつまれはじめた…。


ああ、これってカリブ海の「魔のトライアングル」が舞台だったんだ!なるほど。最初から不気味です。

深い海の底から突如浮かび上がってきた、第二次大戦中のUボート(ドイツの潜水艦)。この不気味な潜水艦が上がってから、次々に人が死亡。それも残虐な殺され方で。中を調べてみようと、意を決して潜水艦に入ってみると・・・。で、出ました!潜水艦の、というか、なんだか得たいの知れないお化け!ぎゃー!

だから〜、怖いんだから少人数で調査なんかしちゃいけないのに、なぜおおっぴらに大勢の人の見ている前でやらないんでしょう?でも、潜水艦のハッチを開けたために、このナチのお化けたち、潜水艦から出ちゃったんですね。で、人々を貪り食うってのが、すごい!このお化けたちの目的は、一体なに?

つまり、鉄の棺桶と言われる潜水艦が沈み、その中でじわじわと死を迎えた者たちの生への執念と、沈めたものたちへの憎悪が、「命なき生」として、ゾンビとなって現れ出たということなんだろうか。実はこれがドイツのUボートというところが、みそ。Uボートの乗組員は、世界最高と言われるほどに厳しく訓練されており、だからこそ、艦への愛着と、勝利への執念のすさまじさが納得できるというもの。

本書のテーマは、そうした幽霊たちも含め、主人公やその周囲の人間たちの「過去への決別」ということなのだが、葬ったはずの過去が、とあるきっかけで、いつなんどき再び目前に現れて、鮮やかに蘇るかもしれないという話なのだ。それが、思い出したくない過去であればあるほど、過去が蘇る恐怖は計り知れない。それに立ち向かって、きちんと対処できる人間に、あなたはなれますか?ということなのだ。

でも、このナチのお化けたち、すさまじいです。

2004年08月07日(土)
Copyright(C) 2000-216 SCHAZZIE All rights reserved.



 ぼくと彼女とその彼女(BOOK PLUS)/マリジェーン・ミーカー

内容(「MARC」データベースより)
全寮制のハイスクールを卒業した少年が出会った年上の美少女。胸がキュンとする甘く切ないひと夏の体験。70年代のカルチャーが瑞々しく描かれるポップなアメリカン・ラブ・ストーリー。


読み終えたことさえすっかり忘れているほど、どうでもいい本だった。70年代のレズビアン小説というか、サイケな人たちの話。主人公は、読書と爬虫類好きの男の子なのだが、そのお母さんとかガールフレンドが、みなレズかバイだったりする。

70年代といったっていろいろある。70年代の曲とかは好きだけど、この手のサイケデリックで、LSDで飛んじゃってるような話っていうのは好きじゃない。麻薬がらみの話というのは、どうせでたらめなんだから読むに値しないとまで思っているくらいなので、BOOK PLUSでなければ、途中でやめていただろう。

で、少年は読書好きだから、ところどころに有名な本の一節が引用してあるのだが、それがみな、「やらしい描写」のところばかりなのだ。それなりに有名な本ていうのは、「やらしい描写」だけじゃなく、その前後も含めて評価されてるわけで、そこだけ抜き出すってのも、なんだかね。このくらいの年齢の少年てば、こんなことしか考えてないんだろうな、なんて。

そんなこんなで、最近のBOOK PLUSのラインナップは、どうも面白くない。映画のノヴェライゼーションか、低年齢層をターゲットにしたドタバタ恋愛物かって感じ。低年齢層の本だって、いいものはいいと思うが、今回のようなものは、いい加減うんざり。これが書かれたのは1972年。70年代前半と後半では、だいぶ違うんだろうと思うけど、70年代の小説というより、多分に60年代が入っている内容なんだろう。私が感じている70年代とは、だいぶ違うような気がする。案の定、これは映画化が決定されているというから、たっぱり映画化にかこつけた出版だったわけだ。

ともあれ、読み終えてよかった、とほっとした1冊。読んでいる間はイライラしちゃって、今にも爆発しそうだった。もっと時間がかかっていたら、間違いなく捨ててた。翻訳者も、私があまり好んでいない金原瑞人氏のお弟子さんみたいで、いかにもだなという感じ。

2004年08月02日(月)
Copyright(C) 2000-216 SCHAZZIE All rights reserved.
初日 最新 目次 MAIL HOME


↑参考になったら押してください
My追加

Amazon.co.jp アソシエイト