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■ The Wind Singer/William Nicholson
1)読みたい時が読み時!装丁も中身も手にした感じもGOOD!な本だったので、他の本は放って早速読み始める。現在100ページほど読んだが、一体何の話だろう?割に読みやすくスイスイ読めるのだが、話のテーマが見えてこない。
主人公ケスの住む町(Aramanth)では、赤ん坊の時からテストが行われる。そのテストで人の価値も住む家も決まるのだ。学校で先生に反抗したケスが行った先は、「ウインドシンガー」と呼ばれる町の中央にある建造物。その昔は、このウインドシンガーが人々をなごませる気持ちの良い歌を歌っていたというのだが・・・。
このあとどんな展開になっていくのか、気をそらせない面白さはあるようだ。普通ならスラングを使うような「悪い言葉」に、造語を使っているのが面白い。ケスと双子のボーマンはどんな役割なのだろうか?今のところあまり活躍していないが、二人はテレパシーが通じるようだ。個人的には、ケスの妹である2歳のピンピンに注目したい。
2)ケスがAramanthのエンペラーに会い、なぜだかわからないが「お前がウインドシンガーの声を取り戻しに行くのだ!」と言われ、なるほど「声」を取り戻すために、あらゆる苦難を乗り越え、最後はめでたしで終わる冒険ものなのかと思ったが、エンペラーはボタンチョコ(マーブルみたいなもの?)ばかり食べているアホのようだし、その後に出あう生き物たちも、だんだんマンガチックになってきて、ちょっとだるい。
エンペラーが出てきた時点では、「不思議の国のアリス」みたいなノンセンスものなのかと思ったが、そこまで文学的でもないらしい。神話的、魔術的な話を想像していたが、全然違うようだ。マンガの吹き出しが思い浮かんでしまうような、そんな世界。 プルマンのライラシリーズのようだと聞いていたが、そういえばライラシリーズも、頭の隅のどこかで「チキチキマシーン大レース」を思い浮かべていたのだった。
3)3分の2ほど読んだが、もうやめたいなあ。。。 町の地下にある泥沼の世界に入り込み、様々な生き物に出会い(Old ChildrenとかMudpeopleとか)、その後泥の世界を抜け出して行った先で戦いが起こるのだが、命をかけて必死に戦うというよりもゲームみたいな感じで、やっぱりマンガチック。ここまで来ても、ウインドシンガーとは何なのか依然として不明。
そこに住む人々の名前(種族名でも個人名でも)は、Omchaka、Ombaraka、Chaka、Baraka、Rakaといったように、最後にkaがつくのだが、どさくさにまぎれてTanakaというのが出てきたところで、もうダメ!読む気をなくした。しかもそのTanakaさんは、たった1回きりの出演だ。小説には不要な人物は出すなという作法があるらしいので、あとで何か重要な役割でもあるのだろうか? 残りは、その「Tanakaさんを探せ!」みたいな感じで読むしかないだろう。
個人的にこういうマンガチックな感じのものが好きではないだけで、こういったものが楽しいと思える人なら十分面白いだろうが、主人公のケスたちが真面目に受け止めているのに、周りの人々(人だかなんだかわからないのもいるが)がふざけている感じがして、どうもいただけない。ユーモアとおふざけを勘違いしているのじゃないだろうか。裏表紙に書いてあった「Watch out, J.K.Rowling !」がなんだか虚しい。
ともあれ、感想はここまで。 一応読了はしたが、「だからウインドシンガーってなんなの?」って感じ。Amazonのデータには368ページとあったが、実際は500ページ近い。
2002年05月02日(木)
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