読書の日記 --- READING DIARY
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 聖書物語<旧約編>/香山彬子

内容(「BOOK」データベースより)
エデンの園で、幸せにくらしていたアダムとエバは、ヘビに誘惑されて「命の木」の実を…。(天地創造)神にえらばれたノア一族が箱舟にのりこむと、まもなく大雨が降り大洪水になって…。(ノアの物語)ほかに、モーセやダビデ、ソロモンの物語など6編。西洋の文化を知るために、ぜひ読んでほしい、わかりやすく楽しい旧約聖書物語です。


アメリカで同時多発テロが起こった。それに憤りを覚え、以前より疑問だった中東事情を少しでもわかろうと思って、原点である旧約聖書(物語にしてあるが)を読んでみた。

イスラエルの民の誕生と歴史の綴られた旧約聖書は、彼らの唯一絶対である、「目には見えないがたしかにそこに在る神」とのやりとりでもある。神はイスラエルの民に十戒を与え、それを守ると約束させ、艱難辛苦を経験させながらも、神との約束を破らない限りは、必ず民を守るとしている。何千年も争いを続けている中東の民族たち。彼らの祖先の、神との約束はどうなったのだろうか?

この本は、奇しくも1993年に書かれたものである。この年、今回のテロと同じ、ニューヨークの世界貿易センターがテロリストによって爆破された。今回は、航空機2機が突っ込み、ビルは跡形もなく消え去った。作者の香山さんはあとがきで、中東の、そして世界の平和を願いながら、1999年に他界された。神のもとで、作者はどんなに無念な思いをしていることだろう。


2001年09月15日(土)
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 波紋/シャーロット・ラム



2001年09月14日(金)
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 レッド(上・下)/エリカ・スピンドラー

レッド (上) MIRA文庫
レッド (下) MIRA文庫


2001年09月13日(木)
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 ハウスメイトの心得/ノーラ・ロバーツ

ヒロインの押しの強さにちょっと唖然。ノーラの本の主人公には、こういったヒロインが多いようだ。(^^;


2001年09月12日(水)
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 遠い山なみの光/カズオ・イシグロ

内容(「BOOK」データベースより)
故国を去り英国に住む悦子は、娘の自殺に直面し、喪失感の中で自らの来し方に想いを馳せる。戦後まもない長崎で、悦子はある母娘に出会った。あてにならぬ男に未来を託そうとする母親と、不気味な幻影に怯える娘は、悦子の不安をかきたてた。だが、あの頃は誰もが傷つき、何とか立ち上がろうと懸命だったのだ。淡く微かな光を求めて生きる人々の姿を端正に描くデビュー作。王立文学協会賞受賞作。


2001年09月11日(火)
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 狙われたキツネ/ヘルタ・ミュラー

内容(「BOOK」データベースより)
1989年、チャウシェスク独裁政権下のルーマニア。家宅侵入、尾行、盗聴。つきまとう秘密警察に怯える日々。そうしたなかで、ひとりの女が愛にすべてを賭ける。しかしそれは、親友との友情を引き裂くものだった…祖国ルーマニアの運命に思いをはせながらヘルタ・ミュラーが描くあまりに切ない物語。


2001年09月10日(月)
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 不幸な子供/エドワード・ゴ−リー

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人気のゴーリー、邦訳第4弾の本書は、文字どおり不幸な少女の物語。

ある日、軍人の父親にアフリカ行きの命令がきた。それが、主人公シャーロットの不幸のはじまりだ。以来、父の戦死、落胆してたちまちやつれ死ぬ母、ただ1人頼みの叔父は、こともあろうにレンガの落下で脳天を割られ、あっという間に孤児になるシャーロット。寄宿学校へ入れられるが、そこでもいじめられて脱走、悪人の中へ。ところが、死んだと思われていた父が生還。あろうことかそれがさらなる不幸のきっかけになろうとは…。

苦労や不幸があっても、ハッピーエンドでカタルシスにもっていくのがお話の定型だとすれば、これは、ページを繰るたび不幸また不幸、不幸のどん底へまっしぐらの、型破りなお話。でも、これだけ徹底して悪いことが続くと、「ここまでやるか!」といっそ小気味よく、しまいに笑いがこみあげて、それなりに浄化もされるから不思議だ。有無を言わさずどんどん進むテンポのせいか、気品ある訳文のおかげか、それとも、私たちの心の奥に隠れていた、人の不幸を喜ぶ悪いタネが、意地悪なゴーリーに暴かれての苦笑なのか。

白黒の、緻密なペン画の1コマごとに、トカゲとコウモリが合わさったような、怪しい生き物が見え隠れしている。そいつが、シャーロットの不幸をいつものぞいている。そしてその小怪獣の目は、絵の中から、本書を見ている私たちのことも、見つめ返してくるようだ。(中村えつこ)


柴田元幸訳

一人の少女が、不幸で不幸でしょうがない一生を、報われないままに終わるという絵本。
小公女だかなんだかのパロディなんだけど、ブラック!
でも、こういう淡々とした不幸ばなしは、なぜか面白い。なにも子供をいじめてよろこんでいるわけではないけれど、ゴーリーの絵がまた、そういう子供を書かせたら天下一品なので、さらにおかしさがつのる。でも、この絵本(あるいはゴーリーの一連の絵本)を見て、かわいそう!とは思えないんだけど。。。訳してる柴田さんも、ククククッと笑っているようだし。やっぱりブラックなユーモアだと思う。


2001年09月09日(日)
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 迷子になったわたしの惑星/シャノン・オルソン

内容(「BOOK」データベースより)
シャノンがセラピーに通いはじめて5年が経とうとしている。彼女の母親は、子どもたちのために、リスを虐待する男の子には近づいちゃいけないとアドバイスし、家じゅうのものに名前を書いた。ラベルを貼り、子どもたちがすべき仕事のリストをつくった。そしてものには限度があると教えてくれた。そのせいか、シャノンは世のなかというものは整理整頓されていて、待っていれば自分のための場所がちゃんと見つかると、誤解してしまったのだ。―シャノンは、大学院に入り、勤めていた会社を辞めた。新しい生活ははじまっているけれど、なかなか前進できない。でも、なんとかしなくては。自分の足で一歩を踏みださなくては。


こういうひとりよがりの文章を書く人っている。
結構ジョークなんかも入れてるんだけど、全然笑えないので、気の毒になるくらい。これもブリジット・ジョーンズ的な話なんだけど、主人公があまり前向きでなく、暗い印象。人のことばかり言っていて、自分はどうなの?といらいらさせられる。会話の訳が変なのかもしれないけれど、全体的にちぐはぐな感じで、馴染めなかった。




2001年09月08日(土)
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 クラップ (BOOKPLUS)/J・W・ディアズ

情熱の国キューバ。
だが国の情勢は私たちが思い描く、強烈な太陽の明るいイメージではなく、あくまでも暗い。食べ物でも薬でも全てが不足しているし、街には娼婦、役人はワイロ、と観光客がサルサのリズムに浮かれている裏で、情勢はどんどん悪化していく。

そんな中、ポン引きで星占い師の主人公リカルド・ファーは、流行の兆しを見せ始めた新種の淋病「クラップ」にかかってしまう。なんとか薬を手に入れようとして、ファーは政治的な陰謀に巻き込まれ、刑務所に送られる。栄養失調で生死の境をさまようファーだが、得意の星占いでなんとか危機を乗り越え、アメリカのジャーナリストによって刑務所から救い出される。

この本を手に取った時、「キューバ」という響きにやはりサルサのリズムと焼けつくような明るい太陽を思い浮かべたのだが、暗い闇を抜きにして、この国の物語はあり得ないようだ。彼らにとってアメリカは天国のようなところ。アメリカのような資本主義の大国は、貧しい国からすれば憧れであり、また憎悪の対象でもある。

いい加減でお気楽そうなファーにしても、明日の運命さえわからない、悲壮なイメージがつきまとう。しかしこんな暮らしの中でも、ファーに信念を貫く強さがあったことに救われる。刑務所から救い出され、アメリカに向かう飛行機の中で、友人たちから柔らかな革の靴をプレゼントされるファー。たった1足の靴に涙を流すファーに、キューバの国民の思いが見てとれはしないだろう。


2001年09月07日(金)
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 青い眼がほしい/トニ・モリスン

まずトニ・モリスンはノーベル文学賞受賞作家であるので、過剰な期待があったことを述べておかねばならない。ノーベル賞を受賞したからといって、受賞作家の作品が全て面白いとは限らない。川端康成とか大江健三郎は私の好みではないし、そういう意味でも賞の選考基準が、自分の好みにあてはまるわけではないのは明らかだ。しかし、ガルシア・マルケスやギュンター・グラスは好きだし、結局ノーベル賞などには関係なく、好きなものは好き、嫌いなものは嫌いという、実にあたりまえの話なのだが、それでも他の賞とは違って、ノーベル賞はやはり特別な意識を持つものだと思う。こんなことを長々と書いたのは、他に書くことがないからで、過剰な期待をしたがために、逆に失望も大きかったからである。

そもそもこの本を読んだのは、解説が私の大好きな青山南さんだったからだ。
青山氏は黒人の文学に詳しいし、はなから私の持っている知識などは到底及びもつかないのだが、その青山氏の解説があっても、私にはトニ・モリスンを受け入れることができなかった。これは本の内容というより、文体とか文章そのものへの拒否反応かもしれない。

白人社会におけるマイノリティの苦悩とか、白人の外見に憧れる彼らの切ない思いとか、そういった点で、ハワイの日系アメリカ人を描いた、ロイス・アン・ヤマナカの『ワイルドミートとブリーバーガー』のような世界を思い描いていたのだが、それは全く違っていた。

私はアメリカにおけるマイノリティの世界をほとんど理解していないし、また彼らの文化にも無知であることに気づいただけで、物語の中に入り込んでいくまでに至らなかった。プラス、文章自体に拒否反応があるとすれば、トニ・モリスンを受け入れるには、なかなか容易なことではない。


2001年09月06日(木)
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 絵本

The Three Little Pigs And The Big Bad Wolf/Vivian French
The Rare Spotted Birthday Party/Margaret Mahy
Doctor Boox And The Sore Giraffe/Andrew Davies
Fussy/Anne Fine
Alfie Makes A Splash/Willy Smay


2001年09月05日(水)
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 THE COFFIN DANCER/Jeffery Deaver

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映画化され話題を呼んだ『ボーン・コレクター』に続き、四肢麻痺の科学捜査専門家リンカーン・ライムを主人公としたシリーズ。ベッドから一歩も動かずスーパーコンピュータなみの頭脳で犯人を追い詰めていく異色捜査官の本作における敵は、その刺青から「コフィン・ダンサー(棺桶の前で踊る死神)」と呼ばれる殺し屋。大陪審で大物武器密売人に不利な証言をする予定の証人を消すために雇われた彼によって、民間航空運輸会社の社長兼パイロットがその毒牙にかかり、彼の妻が次の標的に。大陪審まであと2日。追う者と追われる者の息詰まる勝負の行方は…。

最先端の科学捜査をフィーチャーした綿密なディテール、そのひとつひとつがすべて結末への伏線となっているその構成は見事と言うほかはない。前作に比べて犯人の人物造詣が少々浅いのが気にかかるファンもいそうだが、その分、被害者サイドおよびライムとその仲間たちの造詣はより厚みを増した。特に、ライムの麻痺した四肢の代わりに活動する美貌の捜査官、アメリアの存在感が光る。本作で彼への思慕の念をはっきりと自覚したアメリア。シリーズ3作において、ライムを待ち構える事件の内容はもちろん、皮肉屋で人間関係にきわめて臆病な彼が、彼女によってどう変化するのか。ちょっと下世話なお楽しみを用意しておくあたりも、エンターテイメント作家としての著者の手練だといえる。(梅村千恵)


かなり人気のあるディーバーだけど、個人的好みには合わなかった。
犯人は意外な人物で、あっと驚く仕掛けなんだけど、その前からたぶんそうだろうなというのが見えてしまっている。それに、残虐な犯人にしては、捕まり方も拍子抜け。ディーバーは凝り性のようで、そのあたりが私に向かない要因かも。あんまり専門的固有名詞を並べられても、ちょっと退屈。


2001年09月04日(火)
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 HOSTILE HOSPITAL (A Series of Unfortunate Events, Book8)/Lemony Snicket

不幸シリーズ8巻目。今回は病院が舞台。
オラフに捕らえられたヴァイオレットを、手術で殺してしまおうという恐ろしい悪企みが!助けに乗り出したクラウスとサニーは、自らヴァイオレットの手術をする羽目に陥るというストーリー。

今回はちょっと怖かったです。でも、13歳のクラウスと、赤ん坊のサニーが医師の白衣を着て変装しても、バレバレのはずなのに、誰も気づかないって、どうして?そのあたりがばかばかしくておかしい。

◆今回のスニケットのこだわり:STOP


2001年09月03日(月)
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 THE DOOMSPELL/Cliff McNish

内容(「BOOK」データベースより)
降る雪さえ黒い、暗黒の星イスレア。ここでは邪な魔法がすべてを支配する。魔女がつくりだした邪悪な生きもの、さらわれてきた子どもの奴隷たち、あらゆるものにこめられた呪文…。はたしてレイチェルは、この星を救う伝説の「希望の子」なのか?異世界を舞台に、少女の冒険を壮大に描くファンタスティック・アドベンチャー。三部作の第一弾。


読みやすそうな装丁に惹かれて買ってあったものだが、読みやすいとかそういう問題ではなく、退屈でつまらなかった。文章に引っ掛かりがあり、むしろ読みにくい下手な文章だった。すでに翻訳(『レイチェルと滅びの呪文』)も出ているけれど、売れているんだろうか?

ハリポタのおかげで、児童書に興味を持つ人が増えているのは事実で、かなり注目はされていると思うが、読者はバカではない。いいか悪いかはちゃんと見抜く。原書の方もベストセラーにはなっていないし、出せば売れるというものでもないだろう。ダレン・シャンなども同様だと思うが、「ハリポタのおかげで」出版してもらえる本が、どれだけあるかという感じがする。ベストセラーだからいいというわけではないが、今後年月をかけて売れるという気もしない。1箇所でも、どこか光っているものがあればいいのだが、それもないようだ。やはり、ハリー・ポッターが売れるのは、それなりの理由があると、つくづく思う。


2001年09月02日(日)
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 THE SKY IS FALLING/Sidney Sheldon

相次いで事故死した名門ウィンスロップ一家。
一家6人が一年以内に次々と死亡するという異常さに、テレビのニュースキャ
スターであるダナが調査に乗り出す。ウィンスロップ家の当主、テイラー・ウィンスロップの足跡を辿って、世界各
地をまわるダナに、危険な罠が迫る。

ダナが引き取ったサラエボの戦争孤児ケマルとの葛藤、恋人ジェフとの関係、
ジェフの元妻であるスーパーモデルのレイチェルが癌に冒され、その看病のた
めにレイチェルのもとを離れられない彼と思うように会えない苦悩…などなど
の話が、約320ページ中の280ページほども占め、いったい何の話なのか、ずっとわからない。

ダナが訪れる、ベルギー、ドイツ、フランス、イタリア、ロシアなど、各国の
言葉が並び、まるでシェルダンが何ヶ国語を使えるか、見せびらかしているよ
うだ。しかもそのほとんどが同じ内容。出かけて行った先の数だけ、同じこと
が繰り返される。最後のわずか50ページほどで、事態はやっと動き出し、こ
れが核の売買を扱った話だとわかる。

それにしても、エンターテインメントの帝王、シドニー・シェルダンのジェッ
トコースターのようなストーリーテリングはどうしてしまったのだろう?こん
なに退屈なシェルダンは初めてだ。飽きるほど繰り返されるエピソードも、ど
うしても必要なものであるとも思えず、結末を語るために帳尻を合わせている
としか見えないのだ。それが300ページ近く続くのは苦痛だ。

数年前から、シェルダンの衰えを漠然と感じていたのだが、この作品でそれを
確信したと言ってもいい。願わくば私のそんな思いを打ち消し、途中でやめら
れないくらいの面白い作品を出し、読者を再び不眠症に悩ませて欲しいものだ。


2001年09月01日(土)
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