読書の日記 --- READING DIARY
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 Tales of the Catwings/Ursuka K. Le Guin

翼の生えた猫たちの話。
これはシリーズになっていて、村上春樹も翻訳したりしているが、とりあえず原書で読んでみようと思って読んでみた。ル・グウィンは「ゲド戦記」のイメージが強くて、こういったふわふわした感じのファンタジーは異色な感じがした。


2001年10月11日(木)
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 Martin's Mice/Dick King-Smith

猫がねずみを飼う!
一体どうしてそんなことになったのか?
心優しい猫のマーティンと、ねずみたちの心温まるお話。


2001年10月10日(水)
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 The Figure in the Shadows/John Bellairs

「ルイスと魔法使い協会」シリーズ2作目。
ジョナサンおじさんから、おじいさんのラッキー・コインのついたお守りをもらったルイスは、そのお守りに、ミセス・ツィマーマンの本で読んだ魔法をかける。本当にかかったのかどうかもわからないものの、その後、何やら影のようなものにつきまとわれるようになった。

今回は、ルイスのガールフレンド、ローズ・リタも加わってのお話。
前作を読んだ感じで、2巻目はルイスではなく、ミセス・ツィマーマンが主役になるのだろうと思っていたのだが、やはり主役はルイス・バーナベルト。
1巻目と同様、最初はルイスの最活から入り、中ほどから事件が起き始めるというスローペース。これがベレアーズの作風なのだろう。

1巻目で少々拍子抜けしたので、1巻目よりも2巻目のほうが面白いに違いないと勝手に思い込んで期待していたのだが、予想を裏切り、1巻目のほうが起伏があって、面白かった。1巻目ほど怖くもなかったし、再び拍子抜け。ドタバタなファンタジーでないというところは買いだけれど。ハロウィーンに合わせて読んだが、むしろクリスマスのほうが合っていたかもしれない。


2001年10月09日(火)
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 Harry Potter and the Goblet of Fire/J.K.Rowling

約800ページの大長編を、やっと読み終えた。途中で放りだしたりしながらも、結局はまたはまる。

今回は、クィディッチのワールド・カップあり、命をかけた魔法のトーナメントありと、盛り沢山なのだが、物語の始まりはいつもと違う。冒頭で、闇の魔法使いヴォルデモートの復活を匂わせている。

なぜ、年齢に達していないハリーがトーナメントに出るのか?まずそれが大きな疑問だろう。その答えもまたあれこれ絡み合った、ややこしい話の中に、隠されている。謎解きとは違って、つじつま合わせのような気もしないではないが、物語に引きこまれることは間違いない。それに、今回は泣いた。よりにもよって、そんな!という感じ。

しかし、ハリーはとても立派に育っているようで、最後には胸がジーンとする。今度はどうやってダーズリー一家のもとを逃げ出すのだろう?ダンブルドアは夏休みの最初から、ロンの家に行くことを許さなかったが、そこにも何か隠された理由があるのだろうか?早くも5巻が楽しみだ。


2001年10月08日(月)
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 アラバマ物語/ハーパー・リー

「この美しい小説を、世のすべての親たちに捧げる。舞台はアメリカ南部の古い町。母なきあとの父と兄妹の心にしみる愛情をヨコ糸に、婦女暴行の無実の罪をでっちあげられた黒人の若者をタテ糸に、見事に織りなした人生のメロドラマ。61年のピュリッツァ賞にかがやき、11ヶ国語に翻訳され、すでに数百万部を売り尽くし、95週延々2年にわたって連続ベストセラーを続けた名作である」

表紙を開いたところに、上のような文章が大きく書いてある。これ以外に、解説もあとがきもない。もうこれだけで十分である。
主人公スカウトの目を通して描かれた、アラバマ州メイコーム(架空の町)の人々の暮らしや、人種差別の実態。父アティカスと兄ジェムとの絆の深さ。人間とは、家族とはどうあるべきなのか?といったことを考えさせられる。

エピソードごとに感動して胸がつまり、ページがぼやけてくる。素直なスカウトの心と、誠実で責任感の強い父アティカスの態度、大人になろうとする兄ジェムの頼もしさに、いつしか引き込まれ、一緒に泣いたり笑ったりするようになる。

最も大きな人種差別というテーマは、全編を通じて流れており、「相手の身になって考えること」という大事なことを教えてくれる。
お化け屋敷の住人である、ブー・ラッドリーの視点に立った時のスカウトは、そのことを身をもって知り、間違いなく立派な大人になるであろうことを予感させる。

何度読み返しても、新たな感動を呼び起こす、素晴らしい作品だと思う。



2001年10月07日(日)
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 10月はたそがれの国/レイ・ブラッドベリ

原題:The October Country

ポオの衣鉢を継ぐ幻想文学の第一人者と言われるブラッドベリらしい、クリーピーな19篇。

タイトルに10月とあるように、万聖節前夜(ハロウィーン)を扱ったものが多い。そして、全てのテーマは「死」である。怪奇と幻想にあふれた短編集なのだが、その流麗で詩的な文章ゆえに、怖いだけではない、何か不思議な気分にさせられる。

あえて比べるとすれば、形式として星新一のショート・ショートに近い。最後にちゃんとオチが用意されている。つまり、ひとつひとつの物語の起承転結がはっきりしており、退屈しない短編集。でも、ぞっとする話もいくつかあって、まさに死者の集まるハロウィーンにふさわしいものだ。


2001年10月06日(土)
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 ハロウィーンがやってきた/レイ・ブラッドベリ

ハロウィーンの夜、怪人マウンドシュラウド氏に導かれ、8人の少年は時をさかのぼる。古代エジプトへ、ローマへ、パリへ、そしてメキシコへ・・・。

少年たちは、何物かに連れ去られた友人ピプキンの後を追って、奇怪な旅をするのだが、彼らはそこに生と死を見、ハロウィーンの歴史を見る。欧米では、いまや単なる子供の遊びと化したハロウィーンの持つ、本当の意味とは?
幻想的で詩的なブラッドベリの語り口が、ハロウィーンの雰囲気を盛り上げる。

他の作品とはまた一味違った感じだが、ハロウィーンの意味や歴史をあらかじめ知らないと、作品の意味を掴むのは難しいかもしれない。


2001年10月05日(金)
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 あなたもいままでの10倍速く本が読める/ポール・R・シーリィ

よくやり方が理解できないまま、なんとか読み終えた。
速くなったかな?<なるわけないって!
でも、ここに書いてあることを利用してというわけではないんだけれど、速く読むコツみたいなものは、ちょっとだけわかったような気がする。1から10まできっちり読む必要はなく、集中してとにかく前に進む。最後まで一気にいくことで、わからなかった部分も理解できているかもしれないから。どうしてもわからなかったところは、あとで拾えばいい。といったようなことかな?

先日ジェフリー・ディーバーの本を、高速でディッピング(必要だと思われるところを拾って読む)したのだけれど、筋はちゃんとおさえられていると思うので、そんな感じで読めばいいのか。
本に書いてある「フォトリーディング」にしても、「高速リーディング」にしても、とにかく「集中」するってこと。あたりまえと言えばあたりまえだけど、脳に写真のように写し取るというのが、どうにも理解できない。今のところは。


2001年10月04日(木)
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 A Little Bit of Winter/Paul Stewart

仲良しのうさぎとハリネズミのお話。
冬眠してしまうハリネズミは、冬ってどういうものかわからない。そこで、仲良しのうさぎに「冬をちょっとだけとっといて」と頼む。ひとりぼっちになったうさぎは、ハリネズミのために、一生懸命に「冬」をとっておくのだけれど・・・。しょっちゅう「僕に会えなくなると寂しい?」と聞いている、寂しがりやのうさぎがかわいい!


2001年10月03日(水)
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 翻訳という仕事/小鷹信光

こういった類の本(翻訳家志望の人向けに、翻訳家とはどういうものか、翻訳家なんか儲からないし、なってもしょうがないよ、ということを教える本)はたくさんあるのだけれど、他人の翻訳をこれでもかとこきおろしているものほど、面白いものはない。翻訳には正解がないので、どうとでも言えるのだ。

以前に勝浦吉雄訳の『ハックルベリ・フィンの冒険』を読んだ時、うしろに35ページもの「翻訳小史」なるものがついていて、思いっきり笑わせてもらった。

当人はその小史の中で、他人の翻訳をさんざんこきおろしてしまったがために、肝心の原文の翻訳のほうで、のびのびと訳せなくなってしまっているという本末転倒な事態に陥っており、本文はまったくつまらない訳文だが、それよりも付録の小史のほうが何倍も面白いという、奇妙な本になってしまっている。

これがまったく「重箱の隅をつつく」という表現にぴったりくるような内容で、

「難破船の百メートル川下・・・」→100ヤードは90メートル強

「セント・ルイス」→セントルイス

「千キロも先」→1000マイルは1600キロあまり

「袋の粉がこぼれて」→コーンミールはひき割り粉

などという指摘がずらりと並んでいる。

中には重大な誤訳というのもあるだろうが、ここに並べたようなことは、はたして原文の内容に差し障りがあるものなのだろうか?

とかく人のミスは目につくもので、往々にして自分のミスには気づかないことが多い。小鷹氏も、頼まれたわけでもないのに重箱の隅をつついた上で、逆に他人に指摘されたミスを恥じていた。それはそれで公正な態度だからいいんじゃない?と思うけど。

他人のミスを指摘しても、自分はミスを犯さないという自信があれば別だけれど、何事もあんまり重箱の隅はつつかないほうがよろしいのでは?目には目を、歯には歯をで、つつき返されるのがおちだ。

しかし読者の立場からすると、そういったやり取りが、ヘタな小説よりも面白いのは事実。

サマセット・モームとD・H・ロレンスのバトルも、二人とも高名な作家だけに、半端じゃなく面白い。それに匹敵するものといえば、TVタックルの「超常現象・炎の大げんかバトル」くらいだろうか。(^_^;

作家、翻訳家諸氏には、どんどんそういったバトルを繰り広げてもらって、読者を大いに楽しませてほしいものだ。

特に前述の勝浦氏には、本文はいらないから、翻訳小史のほうだけで(他の作品の小史もまとめて)、1冊出して欲しいよ!絶対受けるって!間違いなく!


2001年10月02日(火)
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 自負と偏見/ジェイン・オースティン

有名な古典の名作だけど、ブリジットも読んでることだしと思って読んでみたら、『ブリジット・ジョーンズの日記』は、これをベースにしてるんだなってことがわかった。もちろん、マーク・ダーシーはミスター・ダーシーからきていることは百も承知だったけど、お母さんの性格とか、マーク・ダーシーとダニエル・クリーヴァーとの関係とか、ほとんど一緒。

で、ほんとは人間の細かい観察がすばらしいとか、オースティンがこれを書いた背景とか、真面目に読み取らなければいけないのだろうけど、どうも私には、誰が誰とくっついたとか、ミスター・ダーシーはいつエリザベスに結婚を申し込むのだろうとか、申し込まれたエリザベスはどう返事するのだろうとか、まるでワイドショーでも見ているみたいな感覚で、とっても面白く読めた。

それに、ブリジットがよく言う「情緒的うすらばか」は、オースティンの「いけすかない頓馬野郎」の変形に間違いないだろう。「情緒的うすらばか」にせよ、「いけすかない頓馬野郎」にせよ、人間関係の中にはなくてはならない必要なアイテムだってことだろうか。

物語の中でミスター・ダーシーがこう言う。

「広く本を読んで、精神の修養をはかり、なにかちゃんとしっかりしたものを、持つようにならなくちゃいけないでしょうね」

これは、その生活程度や戦争という状況にもかかわらず、読書と教養を自ら努めて身につけていたオースティンの本音だろうと思われる。なぜなら、彼女の中には、「教養と知性─この二つだけは、生まれや富で左右されるものではない」という考えがあったからだ。

貧しいシングルマザーだった、ハリー・ポッターの作者のJ・K・ローリングが、ジェーン・オースティンを尊敬しているというのも十分頷ける。

たしかにサマセット・モームや夏目漱石が激賞するだけのことはあった作品だった。この二人が誉めていれば、まず間違いなく面白い物語といえる。
オースティンのほかの作品も、ほぼ不作はないと言われているので、今度はほかのものも読んでみよう。
たしか『マンスフィールド・パーク』には、ハリポタに登場する猫についている名前、ミセス・ノリスの本物が出てくるはずだし、まずはそのあたりから。


2001年10月01日(月)
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