Something

 最近とても気になっている「引田天功vsガチャピン&ムック マジック対決」の広告を見ていて、ガチャピンはマッカートニーでムックはレノンがモデルなのだ、と誰かが云ったのを思い出した(結構有名な話らしいですね)。
 聞いたときは「うそだあ」と思ったのだけれど、こうして二人(二匹?)が並んでいるのを見ると、なんだか笑ってしまう。似てるんだよ…。


 ビートルズは高校時代にはよく聴いた。
 バンド小僧だったという上司が時折ギターを持ち出してきて、"While My Guitar Gently Weeps"なんかを弾き出したりする(どんな職場だ…)。
 ジョージ・ハリスンの優しい曲が好きだ。




 ことばは時に、「ことば」という檻にはめこんだ時点で、そこにいま、確かにあったはずのものが途端に霧散する。

 「ことばにする」ということの、その途方もない難しさと恐ろしさに戦慄する。
2003年10月30日(木)

大黒柱なのです

 Suica定期券を買いました。
 タッチ&ゴーで通勤さ!
 こんなことで嬉しくなってしまうのだから、安上がりな人間だよなー。



 最近母親が仕事を辞めました。
 まぁ、前からあまりうまくいっていないようだったので、傷口が広がる前に辞めてよかったとは思うのだけど。
 従ってワタシが一家の大黒柱ってなわけなのね。
 母親を扶養に入れる手続きをして、保険の見積書を睨んで、生活費を計算して渡して、定期貯金はどうしよう…と、なんだかすっかり大黒柱気分です。

 いままでは「将来のこと」をなかなか考えられずにきたけれど、最近はよく考えるようになりました。
 当たり前のことですが、元気が取り柄の我が母上も、いつまでも健康でいるわけじゃない。
 あと数年で還暦を迎えるし、いまのうちに料理でも習っておくか、なんて考えたりします。情けないことに、ワタシは朝鮮料理をサッパリ作れなかったりする。
 なにより彼女の作る涙が出るほど旨い料理の数々を失うのは勿体無いと思うのです。一番口に合うのはやっぱり、母親の料理ですから。



 まぁ、それはそうとして、終電シンデレラ生活で、鬱屈が溜まっています。
 よっしゃ、夜はこれからだ!という時に終電なんだもの。
 酒飲みたい。
 旨い酒が飲みたい。
 旨い酒をすこぉしずつ、夜通しだらだら飲んだくれたい。
2003年10月28日(火)

ダメじゃん…

 学生時代は、たくさん文章を書きました。
 読書感想文に、修学旅行の感想文、主張文、レポート、小論文、総括書。
 ワタシは文章を書くのが嫌いではなかったように思います。

 それは単に、数字を睨んだり、行ったことのない国や町の名前や名産品、金日成がいつどこでどうしたとかいう年号を覚えたりするよりは楽しく、また容易かったというだけのことであり、トリワケ得意だったわけではありません。
 時折、教師の「こう書くべき」という言外の要望を感じ取り、そのとおりに書く自分にうんざりもしていました。
 点数や成績、評価に執着はなかったけれど、そう書いていて誉められたのだから、それが「正解」なのだと思い、云われるままに書きました。


 高校生の頃、日記を書き始めました。
 あるとき、誰かに見られることや、添削されることを前提とした文章しか書けなくなっている自分に気づき、愕然となりました。
 個人的な日記ですら、自分は誰かの目を気にして、上っ面の奇麗ごとしか書いていない。書けない。

 読み返し、ひどくショックを受けました。
 提出する作文と同じ。小巧くまとめた構成、課題通りに取り入れた比喩や慣用句、奇麗ごとのような当然の主張。
 「こうあるべき」と用意された「正解」を書いた作文を、そのままトレースしたような文章でした。

 落胆は深いものでした。
 心から思うのは、小巧くまとめた優等生然とした「模範回答」より、慣用句や比喩はなくとも、漢字や送り仮名が間違っていても、ほんとうに心の底から生まれ出る直截なことばには敵わないということです。
 羨望し、嫉妬し、そしてそんな文章を書き得ない自分に落胆しました。
 ワタシは、「私」を書くことができない。
 ワタシの中からは、ことばが生まれてこない。
 文章が書けない!



 それきり日記を書かずにきました。
 けれど、高校を卒業して働くようになってからは、ビジネス文書や、親しい友人に書く手紙以外の文章を書く機会は皆無といってよく、自分の感情を成文化するという作業をしなくなって久しいことに気づきました。
 「自分」の感情を成文化できない、「自分」を書けない、ということはつまり、「自分」が如何なる人間なのかがわからないということだと思います。

 「私の言葉の限界は、私の世界の限界である」
 といったのは、ルードヴィヒ・ヴィトゲンシュタイン。
 ならばワタシは、自分の世界の限界がどこにあるのかを知りたい。
 自分という人間の世界の限界を確認していけば、おのずと自分の世界のかたちが見えてこよう。
 自分という人間のかたちが見えてこよう。
 だから感情の成文化は、やはり必要なのです。少なくともワタシには。



 だったら日記さぼっちゃダメじゃん……。
2003年10月25日(土)


 友人と別れてホームに入ると、突然視界がブレた。
 やばいと思ったときには、大抵もう遅い。
 貧血だ。冷たい汗が体を伝う。
 こみ上げる嘔吐感を堪える。
 倒れるようにベンチに座った。

 電車を数本見送った頃に落ち付いた。
 二時間が過ぎていた。


 浅い眠りの果てに覚醒した。
 このところよく眠れない。
 寝酒は逆効果なのだと聞いてやめた。
 重力、重力、重力がひどく重い。


 残業が続くのは珍しくないけれど、ここまで疲労を自覚したことはなかった。

 マズイ。
 仕事の仕方を変えなくては。
2003年10月18日(土)

メンドクサイ

 「ザイニチ」であることをカムアウト(そんな大仰なものでもないが)して困るのは、ワタシが「ザイニチ」の代表のように思われてしまうということ。
 若かりし頃は、それをプレッシャーに感じて、必要以上に模範的に振舞おうと努力したりもしました。いまではメンドイのであまり気にしないようにしているけれど、それでも時折、ワタシの後ろにある(と思われているであろう)「組織」を見極めようとするかのような視線や、或いはもっと直接的な質問に逐一困惑してしまいます。

 それともアレかな。他国人と接するときは常に、自分が自国や自国民の代表であるつもりで振舞うべきなのですかね。
 ワタシが「ザイニチコリアン」であることをカムアウトした時点で、それは当然負うべきギムなのですかね。

 …知るか!メンドクサイ。

 自分のかたちすらまだよく見えていないのに。




 最近観た映画

・『HERO/英雄』(張藝謀)
・『座頭市』(北野武)
・『パンチドランク・ラブ』(ポール・トーマス・アンダーソン)
・『ライフ・オブ・デビッド・ゲイル』(アラン・パーカー)


 特に印象的だったのは『HERO』。
 監督の美意識の粋を集大成した、という感じ。映像はため息すら憚れるほど美しく、観念的なストーリーも楽しかった。
2003年10月09日(木)

ここよりも、いまよりも

 このままでは、このままです
 でもそのままが一番かもよ



 なんて斉藤和義さんの歌をふと思い出してみる。

 「このまま」は、やっぱりイヤだなあ。
 ここよりも、いまよりも、
 もっとよい方向へ持っていきたい。
 それがどこか、どっちか、まだわからないのだけれども。



 他人はどうだか知らんが、日常生活や、経理という仕事に於いて、数学の授業で習った数式を使う機会は皆無に等しい。しかし、学校で習う数学は、筋道を立てた考え方の訓練なのだと誰かから聞いた。
 常に思考が霧散しがちなワタシは、やはり数学がニガテだったりした。
 や、国語(朝鮮語)も英語も革命歴史も社会も体育も家庭科もニガテだったけどね…。


 「忙しい」は最早口癖になりつつある。
 けれど、「口癖」に留め、「言い訳」にしてしまわないよう気をつけよう。
2003年10月07日(火)

変わり映えのしない

 引っ越しました。
 仙台を離れることに抵抗がなかったわけではないけれど、名取もとてもいいところです。面白い店がたくさんあるし、自然も多い。好きになれそうです。
 電車での通勤もさほど苦痛ではなく、物珍しさも手伝って寧ろ楽しい。電車の運転席って、ほんとに「電車でGO!」みたくなってるのねー。当たり前か。
 今月下旬にはSuicaが導入されるらしく、それもなんだか楽しみだったり。

 荷造りも大変だけど、荷解きも大変で。
 ダンボール箱の山の谷間の小さなスペースでやっと生活しているワタシに比べ、既にすべて片付け終わった妹は、きっと身一つでどこにでも行けるのだろうな、などと思ったりします。
 ま、おいおい片付けていきましょうか。



 あ、そうそう。
 今日、実に数ヶ月ぶりにリファラーや「Who is my?」なんぞを見たら、My登録してくださっている方が増えていて驚きました。
 読者を意識すると、あまりテケトーなこと書けなくなる気がして(書いてるけど…)見ていませんでしたが、嬉しいです。ありがとうございます。
 本人が変わり映えしないンで日記も変わり映えしませんが、精進しますので今後とも宜しくお願い申し上げます。

 読者を意識するのと、見られることを意識するのとは同義ではありませんよね。
 ニンゲンは所詮、すべての結論を己で出さなくてはならないのだけど、こうしてヒトサマに公開している以上は少しでも自己投企の場にしたいと思います。
 あ、なんかコレ前にも書いたな…。
 やっぱり変わり映えがしないのでした。
2003年10月01日(水)

メイテイノテイ / チドリアシ

My追加 エンピツユニオン
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