2004年04月26日(月) |
…またしてもこの季節が…… |
あああ、またしても4月末〜5月初旬の大型連休がやってきます。 …そして大型行事の乱立します。 仕事が激烈忙しくなるんです………。 神経も気力も体力も使い果たす、私にとってはまさしく魔の週間となるわけです。 も〜、トラウマよトラウマ。 どうしてくれよう。(はぁ〜あ)
…てな訳で、代理リクの受付はしますが、またも更新止まります。 いやでも、あんまりにフラストレーションたまりすぎてたら、逆切れ起こして何か書くかもしれませんがね(確か正月にそれやったような気が…)。
まぁ、これさえなんとかなれば! 9日は大阪でイベントなんだ! それからコナンの映画に行くんだ!!(KID激好きvv) 6月にはモンゴルに行くんだ!(半分仕事になっちゃったけど〜) ……6月の月末にはまたしてもトラウマな行事があるけど。
禍福はあざなえる縄のごとし。 浮かれては落ち込みを繰り返し。(ええ、先日、何て自分は使えない人間なんだと激しく落ち込みました……)
それでもしぶとく生きていくのが目下の目標。 書くことも、止まりはしてもしぶとく続けていくことが信条。 追い立てられる毎日で、せめてこれくらいは自分のペースでやりたいし。 「書く」ことは、私にとってあまりにも自然なことなので。 筆を置くこと自体考えられないんです。(「書けない」時期はあるけれどね。いつも、これはどう書こうか…なんて考えてる)
めちゃめちゃ萌えてる訳じゃないんだけど。 なんかこう、見ると萌えちゃうアニメがあります。 NHKの「サヴァイヴ」ってやつなんですが。
要は、十五少年漂流記の未来版で、女の子も入ってるってだけなんですが。 結構おいしいアニメだと思ってます。 お約束てんこもりでも、そのお約束が可愛らしくてねー。(笑)
しかも。
キャラクターもお約束なんだけど、お約束なだけに、総当たりでどのカップリング(ノーマル・アブノーマル含む)やっても「イケる!」って思わせてくれるので、その時の話によって萌えが違うという……(ははは)
天涯孤独なんだけど闊達で明るい主人公の少女と。 メガネっ子文学少女で人見知りな女の子と。 学校では生徒会長、成績も一番、四角四面で言葉づかいも固い少女と。
何やら暗い過去を背負ってるような無言実行一匹狼タイプの少年と。 父親がコロニーの有力者とかで、学校では威張りちらしていたわがままで甘えっ子なヘタレくんと。 大人しいが故に虐げられていたが実は一番サバイバル知識がある気は優しくて力持ちな少年と。 メンバー最年少、しかし頭脳はピカイチ☆メカキチ少年。
これにペットロボットが一体加わって、そんでもって誰もいない未開発の惑星でサバイバル共同生活ですよ!! んもー、ありとあらゆる組み合わせが、各キャラの個性に支障なく可能なので、固定カップリングができず、よってまだ書けずにいます。 メジャーなのは主人公と一匹狼。優等生とわがまま。メガネっ子とドカベンのようなんですが。(…あ、一匹狼とわがままもアリだった)
私としてはそれも良いケド、 主人公とヘタレとか。 メガネっ子とヘタレとか。 優等生とドカベンとか。 メガネっ子と一匹狼とか。 メカキチと一匹狼とか♪
……に、萌えるんです!
いやその他、ホント総当たりリーグ戦でもイケるよなぁと大マジで考えてますよホント。(脳内麻薬激増中) その中でも。 ヘタレくん(名前はハワード)、総受総あたり上等! …なのです。(苦笑)
いゃあ、なんか愛しいんですよ。金髪碧眼のワガママタレ目おぼっちゃま!口だけ上等実力ヘタレ、からまわった挙げ句に逆切れ、しかも一言多くて甘えっ子で、キメ台詞が「パパ〜!」 ……なんつーか。 もっといじめたいというか、ぎゃんぎゃんわめくのをかいぐりかいぐりしたいというか、徹底的に泣かせてみたいというか、自分だけになつかせたいというか……。 どうにもこうにも、同人女のツボを刺激してくれる愛しきヘタレちゃんです(爆笑)。
木曜日の教育テレビ。七時からだったか七時半からだったかは忘れたんですけどね……。 オススメです。 下手にヤオイ臭くせず、大マジでやってるだけに、妄想しはじめるといくらでも膨らみます。
…まさかここまで更新が止まるとは思ってなかったんだけどね。(苦笑) とにかくホント、書く時間がないんですよ。 …もしくは疲労しすぎて、その回復に時間をとられるあまり書くだけの妄想力が尽きてるとか……(ははは)
ええ、仕事の方では、きたる大型行事(そう、連休にあるの。ウチは世間が休みの時ほど忙しいから)にそなえ、その準備と対応が通常業務に覆いかぶさっております。そいでもってその上に新たな仕事を上司が増やし、「それだったらこうした方が…」と私がいらん事を言って「じゃあヨロシク♪」と自分でもひとつ仕事を増やし(墓穴掘った…)、空き時間に、今度本になるヤツの校正が入りまして(自分がメインで原稿書いたヤツだしねぇ…)。
ネタはあるのにまたしても書く時間ナシ(がるるるるるるる……)。
とゆ訳で、こんなペースが連休明けまで続きます。(その後もモンゴル行きの話が煮詰まってくるんじゃなかったっけ……とほほ)
どこかで、何か更新はしたいと思いますが。 すいません、あきらめ半分で見守ってやってください(ぺこり)。
ええ、web拍手のコメントなんかで、きてるんですけどね。北城シリーズの続きとか(まさかコレに人気出るとは思わなかった…)、女の子ヒカルのお話は?とか……。 ネタはあるんですよ。 …でも、今は書く時間すらない状態なので、申し訳ないんですがご了承ください。
…あ、でも、25日までに60000hitの申告がないようでしたら、代理リクの受付は行いますから。日にちは5月1日。時間は……前回の3時よりは、遅くしようかなと。
2004年04月12日(月) |
怒涛の週末と週明け。 |
え〜ん。たっくんとRIKAちゃとでいっしょに歩いた「京都散策記」書きたいんですよ。
しかしながら、只今怒涛の仕事ラッシュで時間がとれません……(わーん)
なんでこんな時に打ち込み系の仕事がかぶんねん!!
もぉ、客が来てもほぼ無視を決め込んでキーボート叩きつつ画面とにらめっこです。(今ちょっと気晴らし)
更新も……だめだ、今週は止まるなぁ。 仕方がないので、合間合間にちょこちょこネタを製造したり、設定を組み上げたりしていこうかと思います。
2004年04月08日(木) |
『台風 6』(女の子ヒカル) |
夜中、ふと目が覚めた。 それほど寝苦しい訳でもなかったし、枕が変わると眠れないタチでもない。
台風の風の音のせいかとも思ったが、寝る頃にあれほど聞こえていた風の音も、今は聞こえない。 ――耳を澄ませば、まるで空調の音のように、雨が降る音が聞こえてくるだけで。
しかしそれは、この部屋の静寂を破るほどではない。
しずかな部屋で耳をすませば、かぼそい音楽が聞こえてくる。
「―――――――?」
ゆっくりと、緒方はベッドから身を起こした。
暗いはずの部屋の片隅に、ほのかな灯り。 それが、ゆっくりと変化して、繰り返し、くりかえし、同じ画像を映し出す。 そして流れる、かぼそい音楽。 身動きすれば、それだけでかき消されてしまうほどの。
――台風情報と、衛星画像を流し続けるテレビをつけたまま。
――ヒカルは、自分のベッドの上で、膝を抱えたままその画面をじっと見つめていた。
「―――眠れないのか」
緒方がかけた声に、ふ…とヒカルが振り向く。
「ごめん……起こした?」
「いや…何となく目が覚めた」
緒方は応えながら、冷蔵庫からペットボトルのミネラルウォーターを取り出して、一口飲んだ。ヒカルはまた視線を戻し、繰り返し流される台風情報の画面を見つめる。 昼間の――普段のヒカルでは、想像がつかないくらいに、沈黙を守る彼女。
――しかしこれもヒカルなのだと、何故か諒解できた。
……たいした確信も、ないのだが。
緒方は夏用の薄い布団を頭から被ったままのヒカルの横に、ぼすり、と腰をかけた。そして同じように画面を見つめる。 そこには、30分毎の雲の動きが、ゆっくりと、コマ送りに映し出されていた。 白い雲の筋と、渦巻く台風。そしてその中心の目。 それらが、ゆっくりと、変化してゆく。形を変えて。 形を変えて……今は、台風は近畿地方の近くにいるようだ。
ヒカルは何の表情も浮かべずに、じっと、その画面を見つめ続ける。
「……飲むか?」 飲みかけのミネラルウォーターを差し出すと、ヒカルはこくん、と頷いた。 受け取ったそれを一口飲んで、また、返す。 ――そしてまた静寂。
重くもないし、痛くもない。 完全な静寂かといえば、そうでもない。テレビから流れてくるのは、かぼそいピアノのBGM。 なのに、とても「静か」だと――そう感じた。この沈黙の空間が。
そして彼はもう一度彼女に聞いた。
「――眠れないのか――?」 「………わかんない。」
テレビを見つめたまま、ヒカルは呟く。 画面は、台風が接近しつつある港の様子に変わっていた。
「――オレはここでテレビを見てるだけなのに」
その灰色の目は、テレビから逸らされない。
「――いつのまにか――時間はたってるんだ。台風も過ぎてゆく」
ヒカルは、さらに膝を抱えた。
「それが不思議で……目がはなせない」
「……朝までか?」
「さぁ………」
こてん、と、ヒカルの頭が揺れて、緒方の腕に触れた。 かすかな重みに苦笑しながら、緒方も画面を見つめる。
刻一刻と変化する雲。移動してゆく台風。去ってゆく風。 ――今外で降っているであろう雨も、時がたてば止むだろう。
自分たちは、ここにいるのに。
「確かに不思議だが……許せんな」
「?」
「おいて行かれそうになる……ことが、恐くなる」
緒方の言葉に、ヒカルは目を丸くした。まさか彼からそんな言葉が口をつくとは思えなかったので。 …そして、実は自分が「そう」なのだけど、言えない言葉だったから。 緒方は、そんなヒカルの様子に気づかずに、テレビの画面を見ながら、憮然として言った。
「しかしな……そう「思わせる」こと自体に、どうしようもなくムカつくんだよ」
だから許せないのだと。彼は本気で眉をしかめた。 そんな彼に、ヒカルは思わずくすりと笑う。
「……なんか………すっげ緒方さんだなー」 「なんだそれは」
緒方はくしゃ、とヒカルの髪をかきまぜた。 ヒカルはさして抵抗するでもなく、緒方の腕にもたれたまま、くすくすと微笑う。
「重いぞ」 「……んな訳ないじゃん。オレ、そんなに重くないよ」 「俺はお前のクッションでもソファでもないんだぞ」 「…それも良いかもね……」 「俺の肩が冷えるだろうが」 「んじゃコレ一緒に被ってりゃいーじゃん」
ヒカルは、テレビの台風情報を見つめたまま。 しかし身体を少し傾けて、ほんの少し緒方にもたれて。
緒方はやれやれと面倒臭そうにしながら、ヒカルが被っていた薄っぺらい夏布団を引き寄せ、自分にも掛けなおした。
テレビに移るのは、刻々と変化する台風情報。
部屋に流れる、かぼそいピアノの音。
雨の音は微かにしか聞こえてこない。
そんなそれらが。
ゆっくりと、ゆっくりと、意識から薄れてゆき。
ふたりは、本人が自覚しないままに、眠りに落ちていった。
こんどの土曜日、久々に友人がはるばる京都まで来ることになった♪ へへへ♪
ひとりはたっくんことtakumiくんで、もうひとりはRIKAcha♪ ……まぁ、高校時代からの友人っつーか、腐れ縁っつーか、悪友っつーか……(ははは)。 高校卒業しても続いてるから、結構つきあい長い……もう10年越えてるなぁ。 別名、「普通の高校生とは感性のズレた少数派のコロニー」…とでも申しましょうか。 …とりあえず、同人誌読んだことがあるのは共通ですが、(それだけで済んだ奴と、実際に本を出したりHP作るに至ったのとか…個人差はあるからね)それよりなにより、メンバー全員、「小説、またはイラストが描ける」という人種が固まってしまったメンバーなんです。 好きになったジャンルは……これまたバラバラです。 「全員がはまった」というジャンルって……あったかぁ?!(うーぬ。大多数がハマっても全員ってなかったような気がする) もしくはジャンルが一緒でも、萌えどころがてんでんばらばらだった私たち。
それでも、すっげ楽しかったのを覚えています。 ……今でも、会うとえらいこっちゃなくらい楽しすぎます……(いやホント)。 「違っていても楽しい」「違うからこそ楽しい」 …そんな高校&同人ライフを送ってきたからこそ、 「好きになったら何でも書く」という現在の平の姿勢があるのかもしれません。 自分と違ったCPの人の話でも、それを押し付けられないかぎり、その人の萌えトークには興味津々で聞くことができますからね。
……まぁ今はちょい遅めとはいえ、桜の季節ですし。 ちょこっと旅行にでも来るのかな〜と思ったら。 目的がすごい。
「こないだ行き損なった太秦映画村で、
コスプレするのよぅ!!!!」
…………ははははは………。そりゃねー、こないだのイベント帰り行けなかったからねー。(苦笑) どーやら、「陰陽師」の格好をしたいらしい。
言い出しっぺはたっくんだろうけど、こんな目的の旅に、よくRIKAchaがついてくるって言ったねぇ……。(だって、多少の感性はズレてても、彼女はパンピーだもん。うん。)
…そして、自分のHPで陰陽師書いてるたっくんの暴走は止まらない。
「『清明』と『博雅』のカクテル
飲みに行くの―――vvv」
はいはいはいはい(爆笑)。もうここまできたらお付き合いしますともさ♪
悪友同志だからこそできる春の浮かれ騒ぎ♪ ――週末は、大いに楽しむ予定デス♪
私信→りかちゃー!たくみー!希望があるならメールかBBSに書き込みしてなー!できるだけ調べるさけ。
久しぶりにレンタルビデオ屋を回り、(ドニー・イェンの主演映画DVDという大物をゲット!)ついでにCDコーナーも回ってみた。
…とあるCDの前で硬直。
タイトル?
コレです。
『鳳翼天翔』
…………………。
いやその。
思い当たるフシがありすぎてね………。
まぁ、ソレとはまったく違うなにやらサイコめいたグループが歌ってるみたいなんですが。
でもこのタイトル。
……良いのか?
……良くなきゃ出てないよなぁ。
そのうち、
『鳳凰幻魔拳』とか 『幻朧魔皇拳』とか 『廬山昇龍覇』とか 『天舞宝輪』とか 『積尸気冥界波』ってタイトルの CDが出たら笑おう(笑)。(―さて、どれが誰の必殺技か分かるかな?)
しかし『風魔死鏡剣』ってタイトルだったら迷わず買いそうな自分がいる………(そこまでさかのぼるか)。
2004年04月02日(金) |
『ユキヤナギ 3』(北城家シリーズ) |
氏政の腕の中ではげしく震えていた肩が、ようやく、小刻みにしゃくりあげるようになる。 ちいさな手で、しっかりと自分の服にしがみつく高耶。 そのいじらしい力が、この上もなく愛しかった。
――あの日、抱きとめられなかったものを、今、取り返せたような気がする。
よくぞ自分のもとに生まれてきてくれたものだ。
そんな感慨を持ちながら、氏政はぽんぽん、と娘の背中を叩いた。 「…高耶」 低く、やわらかな父の声に、高耶はそっといらえを返した。 「……はい………」 氏政は、自分にしがみついたままだった娘をそっと離し、涙に濡れた顔をのぞきこむ。 「リボンを取り上げられて、挙げ句、切れてしまったことが悲しかったのは分かる」 …その時のことを思い出したのか、高耶の目にはじわ…とまた涙が浮んだ。 氏政は、そんな娘をなだめるように、艶のある黒髪を撫でた。 そして静かに話す。 「あのリボンを、とても大切にしてくれていたのは、私も嬉しいよ。…たぶん、母さまもそうだろう」 ――だから大丈夫、そのリボンを切ってしまっても、おまえを嫌いになんて、ならないから。 そう思いをこめながら、氏政は、じっと高耶の目を見つめる。
「――しかし、いきなり友達に暴力を振るうのは、良いことだと思うか?」 「…………………」 「高耶」 聡明な光を宿す高耶の瞳が、じっと父親を見つめている。 何か口を開こうとして、彼女はためらうように閉じた。しかし、何か言いたげな表情はそのままに。 (…きっと、この子は分かっているのだろうな) もう、先程のような興奮状態ではない。 自分のしたことが……非であることは、分かっているのだろう。 ――分かっていながらも、許せなかったのだ。 それほどまでに、大切に思ってくれていたのだ。 祖母の古びた着物のはぎれから母親が作り、入園式の日に、自分が結んでやった、ただの一本のリボンを。
――その気持ちは愛しくて仕方ないのだが……自らの非を受け入れられない、矮小な人間には、なってほしくない。 「…どうかな。高耶。友達に、何か言わなくてはならないのではないか?」 「…………………」 うつむいたまま、高耶は母親に抱かれたままの男の子に向き直った。 しかしなかなかどうして、強情な娘のことだ。男の子に向かうと、先程までの気弱な様子はなく、ぎゅ…とはりつめた様な風情で、相手を見つめていた。 この矜持の高さは……やはり、昔のままだなと、氏政は微笑ましい思いだった。
「………たたいて……ごめんなさい……………」
ぼそりと。 非常にぶっきらぼうではあるが、高耶は、謝罪の言葉を口にした。 「あらあら。こちらこそごめんね〜。高耶ちゃんのリボン、うちの子が取り上げたりなんかするから……ほら、淳広!ごめんなさいは?!」 母親にきつく促され、男の子はようやく、母の腕の中から高耶をおずおずと見る。彼が顔を上げるや否や、高耶はつかつか、と彼に歩み寄った。男の子はびくり、と肩を震わせる。 強い意志を黒目がちの大きな目に表して、彼女はつい、と右手を差し出した。
「かえして」
切れてしまったリボン。その切れ端が……小さく、まだ彼の手元に残っていた。 「…まぁ!ほら、早く高耶ちゃんに返してあげなさい!ごめんね高耶ちゃん〜あとで、おばちゃんが新しいリボン、プレゼントするわね」 彼女の言葉に、高耶はかぶりを振った。 「…ううん、いらない」 そして、真っ直ぐに男の子を見つめた。 「…とても、とてもだいじなものなの。……だから、かえして」
その言葉に導かれるように……小さな手から、小さな手のひらに、ぼろぼろになったリボンの切れ端が、こぼれおちた。 「……ごめんね」 小さな、かぼそい声とともに。 高耶はようやく安心したようにぎゅ、と古いリボンを胸に抱きしめ、ふわりと微笑んだ。 「ありがとう」
その微笑みはとてもあどけなく。 本当に大切なものが自分の元に返ってきた喜びにあふれていて。 一瞬、周囲の者が思わず見とれるくらい、きれいな笑顔だった。
「よかったね、たかちゃん」 「よかったね!」 仲の良い友達から声をかけられ、高耶は嬉しそうに微笑み返す。 「うん」
「高耶、リボンを見せてみなさい」 高耶は、父の言葉に少しためらったものの、父の言う通りに切れてしまったリボンを父の大きな手のひらにのせた。…叱られることはないと思っても、やっぱり、あまり見せたくはなかったのだが。 氏政はしげしげとそのリボンを見、手で状態を調べた。 「…とうさま。リボン……元にもどらない?」 「そうだな」 父の答えに、高耶は表情を曇らせた。 「リボンにはならぬが……この糸を、丁寧にほぐして、紡ぎ直す事ならできるぞ」 「?」 言葉が分からず、首をかしげている娘に苦笑し、氏政は、子供にも分かるように言いなおす。 「…この、リボンを作っている糸を、一本ずとほどいて、ばらばらにしてから、もう一度つなぎ直すのだ。そうして…そうだな。今度は、髪飾り用の組み紐に編み込んでもらうか」 「…そんなことができるの?!」 「元のリボンには戻らぬが…それでも良いか?」 「うん!とうさまがつくるの?!」 娘の無邪気な問いに、氏政は苦笑した。 「いや、私ができるのは糸をほどくまでだな。つないで、組み紐に仕立て上げるのは、小太郎がしてくれようぞ」 「こたおじいちゃまが?!」 高耶の目がキラキラと光った。 器用で、何でもできて、何でも知っている物静かな老執事、小太郎は、高耶の大のお気に入りだ。 「…ああ。…さ、母さまも心配している。早く帰るとしよう。自分の傘を取ってきなさい」 「はいっ!」
駆け出して行く娘を見守り…そして、氏政はす、と立ち上がった。180を越える長身の彼に、皆圧倒されたかのように見上げる。 「御騒がせして申し訳ない。…淳広くんの怪我は…大丈夫かな?」 怜悧ともいえる美貌の主に語りかけられ、男の子の母親は顔を赤らめながら立ち上がった。 「えええvvそんな、お気遣いいただくほどのものではないです〜。本当に、申し訳ございません、ウチの子が……」 長身の氏政におびえてか、母親の脚ににまとわりついたまま、彼は顔をだそうとしない。 (……ふむ、高耶の方が器は上だな……当然だが) 流石北条のの血筋。…と、冷静な表情の裏で、氏政は親バカ丸出しの思考にひたっていたのであった。 「では、お先に失礼する」
軽く会釈をして踵を返すさまも、まるで仕舞の所作のように流麗で、隙がない。
「たかちゃんのおとうさんって、かっこいいね」 友達にこっそりささやかれて、高耶は誇らしげに微笑んだ。 「うんvv」
そして駆け出す。 大きな傘をさして待つ、父のもとへ。 「きょーちゃん、あやちゃん、のんちゃん、バイバイ!」 「ばいばい!」 「またあしたね〜!」 「ばいば〜い♪」
途中振り返って友達に手を振ると、また高耶は駆けだして、氏政の横に並んだ。伸ばされた手を、氏政は自然に取り、手をつなぐ。 「高耶、高耶が大好きだという花はどこに咲いてるか、教えてくれるか?」 「うん!あのね、もう少しいったところに、たくさんさいてるの!」
大きな黒い傘と、小さな黄色い傘。 やわらかな春の雨のなか、ふたつの傘が、ゆっくりと、ゆっくりと、遠ざかっていった。
2004年04月01日(木) |
今日は何の日かよ〜く考えてみよう。 |
……妄想もここまできたか。 つーか腐ってたんだねきっと。
…まさか、 ボン、キュッ、ボンなダイナマイトバデェの緒方十段と、そんな彼女に乗っかられちゃうヒカルでプロット書けるとは思わなかった……。
…いやこれが結構美人さんなんですよ緒方さん。(←脳内妄想中) 亜麻色の髪の、やはり白スーツを颯爽と着こなす彼女は、175センチを超える、いわゆるヅカ系(男役)美人サマ。…あ、白スーツは対局中はパンツスーツでし。祝賀会だとミニスカかもしれないけど(爆笑)。 なにしろデカイ。 ヒール履いたら180?! …本人の雰囲気も相俟って、オジサンたちは怖くて近寄れない模様(爆笑)。 セクハラオヤジに対しては、さらりと受け流すかわりに柳刃包丁並みの鋭いツッコミで冷気を振りまいている模様。 その容姿のせいで、若手時代には「対局相手と寝て勝ちを拾ってる〜」云々という根も葉もない噂もたてられたらしいが、本人が相手にしなかった代わりに、コレについては師匠の方が激怒し、大魔神になったもよう。 桑原本因坊は緒方さんを認めた上で、しかしセクハラ発言をやめないのは、完全に遊んでるから。 「…いつか絶対殺ってやる」……とは、緒方さんの言。 アキラの良い姉貴分で、女流棋士のおねえサマ的存在。
……そんな緒方さんが、気に入ってるのが進藤ヒカル。 どうやら、ものおじせずに、素直に喋り、対局し、悔しがり、すねたり笑ったり……という素直な感情表現がおねーさまのツボをついたらしく(爆笑)。 本気で落しにかかるも激ニブお子ちゃまは気づかない!(それどころかでこチューの不意打ちをくらった!) 業をにやした緒方さんは、ある日、とうとう意を決してヒカルを自室に連れ込み………!
女の子ヒカルに飽き足らず、女性化緒方さんまで考えるとは……沸いてるだろー。あたしのアタマ………。 しかしなー。 佐為を思って沈み込むヒカルを、その豊かな胸に抱き込む緒方さんって……そしてそのまますーすー眠っちゃうヒカルって…………萌えるんですけど。
―――あ、いっそのこと、ヒカルも女の子化して、ユリにしても良いかもしんない!(いっそのこと「エー●をねらえ」ならぬ「中押しをねらえ」で!) 「緒方ねぇさま…怖い……」 「何も怖がることはなくてよ……ヒカル………」(←??!)
……………………………。
私のアタマが四月バカ…………。
とゆ訳で、今日は何の日でしょう♪ (…だから今日書いたことは………♪)
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