petit aqua vita
日頃のつぶやきやら、たまに小ネタやら…

2003年04月27日(日) 黄金週間ネット落ち宣言

さてさて。先日も予告しましたが、これから5月7日くらいまでは、ネットから落ちます。
ゴールデンウィークであるが故に、仕事が超絶に忙しくなるからです。

今日も午後から泊りがけなの……ふふふ。

ひょっとしたら、日記くらいは書きに来るかもなんですが、更新は確実に止まります。
GW明けたら、トップのカット変えたり、色々やりたいですね。

まぁそんなワケで、ちょっとの間、ジス・レビード♪



2003年04月25日(金) 久しぶり…(先生ごめん)

久しぶりに太鼓のお稽古に行きました。
ほぼ、一年くらい間が空いたので、ほとんど基礎を忘れてしまっていました。(とほほ)
先生ゴメン…ただでさえ覚えが悪い生徒なのに……。
でも久しぶりに撥持って、お稽古できて、すごく嬉しかったのも事実デス。
やっぱり、太鼓大好きです。
同じ建物の二階で鼓もお稽古していたのですが、聞くのは好きだけど、「やりたい」と思うのはやっぱり太鼓なのでした(笑)

あー、太鼓はね、能楽のお囃子の太鼓。
和太鼓ではないのでした(苦笑)。
いや、好きですけどね。和太鼓も。
最近、遅まきながらゲーセンにて、「太鼓の達人」にハマり、近所のゲーセンに入ってるかどうか、確かめに行ったくらいですから。

「太鼓の達人」、楽しいよぉ♪
いやホント、ストレスたまってる人には絶対オススメ!
初心者コースだったら、結構余裕をもって楽しく叩けます。
曲も楽しいのが多いし……。
先日、友人と行った時には、懐かしの「ジンギスカン」があったので、それを選んで喜んで叩いてました。(笑)
……あー、知らない人多いだろーなー………ははは。

今まで、楽器はしたことがないし、不器用なのでできなくて、とりあえず身一つでできる歌(コーラス)とか謡とか音頭とかをがんばってやってきましたが、(基本的に声出すのは好きだからね)
そのうち!いつかは太鼓を美しく響かせるようになれたらいいなと…思っています。(何年かかるんだー)

先日から続いている、民族楽器ブームはまだ続いてます。
三味線、琴、八雲琴、和太鼓、胡弓………夜の僅かな時間ですが、うっとりひたって聞いてます。
シンセも平行してブームに(笑)。先日知人に貸す為に、喜多郎やら宗次郎のCDあさったのが原因。

おげで、ハヤリの歌が全然分からな〜い。(苦笑)
平井 堅の新曲が良いらしいんだけどねぇ?全然知らない。
レンタルショップ行く時間もないしなー。(←でもWJは読む。…てか、立ち読みだしヒカ碁とワンピとテニプリ読むだけだから、五分かかんないしね)



2003年04月24日(木) 黄金週間〜?何ソレ食えるの〜?

ふふふ……この6年間、ゴールデンウィークなんぞ体験したこたござーませんのことよ。
…まぁ、一種のサービス業。

人が休みの時ほど忙しい。

…のは、毎度のこって。
ゴールデンウィークとお盆と年末年始に休みなんぞ取ろうモンなら……即リストラかも(笑)。
だって、
世間が休み→人が遠出しやすい→ウチにも人が来る→忙しい。
…てな図式だし、それを狙って、巨大行事集中してるしねぇ……。
今年は登山もあるぞー。どうしてくれよう。

まぁ、そういう訳で。
4月27日〜5月6日くらいまでは、おそらくネット落ちデス。
多分、パソコンにすら触れません。

だから、今、がさごそちまちま更新してます。
とりあえず春のネタは、すべてNOVELやSSにupしてしまいたいかなと。

これが済んだら、また初夏のネタを拾っては書きなぐりたいですね。(←いーかげんリクどうにかしろよ)

はぁ……しばらくは掃除と着物とお抹茶接待の日々だぁ………。
気詰まりなのは苦手なんだけどねぇ。
しかも室内………。
ううう。まだ野点の席のが、あちこち動けて気が楽なんだけど………。
やっぱ今年も室内。お茶席。………みー。

お茶席なんて、優雅じゃないやい!表庭・裏庭の掃除だけで一日潰れるし!お茶室の掃除なんて、塵ひとつ残せないから神経尖るし!!
これにお軸やお道具類・風炉釜のしつらい………(どれもこれも、「一品もの」というとんでもないお道具が多いので、万が一なんて考えたくないヤツばっかり……扱いが怖いんだよぉ)
優雅なのはね、お客さんだけ。(笑)
…その裏では、大騒ぎして準備する裏方の苦悩と葛藤があるのです。はい。
表庭なんて、ピンセットで草抜きしたりゴミを取る時だってあるのよ〜。(大マジ)

しばらくはみい〜んな、神経尖りきってヒステリーと紙一重の日々デス。(苦笑)

ひょっとするとそれに耐えかねて、ここに本音をぶちまけトークするかもです。(苦笑)



2003年04月23日(水) 得意技は、肩すかし(今週のシュート!)

………先週あんな終わり方されて、
……当然イタリアの、ユーベvsミラン戦やってくれると思うよねぇ?!

………………肩すかしされました。(号泣)

そう!作者サマお得意の、肩すかしを見事にくらいました!!
ユース編のフランクフルト戦の悪夢再び。わーん。

せっかく、せっかくあそこまで盛り上がったんだからさぁ!

せめて、神谷さんがロングスルーパスを決めたシーンは見たかったんだってばさぁ!!
……こんなおいしいシーンを、新聞記事読み上げるだけで終わるなんて…………。


わーん。
…しかも次回、一気に話が飛んで、ワールドカップメンバー招集だとぉ?!


……ふふふ……。
これまでも原作には色々ぶん回されてきましたが、ここまでくると………ふふふ。
暴走決定ですかね。オイラが。(←いやあのマイ設定作った時点で十分暴走してるけど…)

ここに宣言。
シュート!のパロに関しては、好き放題マイ設定でつっ走ろうと思います。

さぁて、独逸の移民法を改正しなきゃなっと♪(くくくくく………)



2003年04月22日(火) 楊海さん祭り?!(今週のヒカ碁)

いやもう、最初っから最後まで、ひたすら楊海さん出ずっぱり!
美人度の増した楊海さんにうっとりしつつも、(楊海さんは攻60受40リバ可と認識してるワタシ)
………何か話がトーンダウン………?

今週の碁は、ひたすら画面を見てうっとりしてる方が多かったです。

話は、まだ引っ張ってますね〜。結果は出ず。

裏で、事務局さんたちが、
「最後までやる気かよ?!」
「とっとと大盤片づけて表彰の準備しなきゃいけないのに!」
…などとぼそぼそやってるのが、妙に実感湧きますな(笑)。
ええ。こういう時の事務局側って、そのイベントの内容よりも、「進行状況」を優先して考えますから。
なんかものすご〜く、気持ちが分かるなぁ……。(苦笑)
行事の度に、こんなノリだもんなー。

あ、そうそう。アキラと社の結果が出ましたよ。
アキラは勝って、社は秀英に負けました。(号泣)

残りは、高 永夏とヒカルの対局だけです。
整地してます。
だから、来週こそ結果が出るはずです!
…これいじょうひっぱらないでくれ〜。(とほほ)


……さて。今週の迷言大将(←字が違うけど、この方がぴったりくるの……)
搭矢 行洋。

(saiは何のために出てきたのか、という問いに対して)
「私と打つためだ」
←お見事すぎるくらいの傲慢発言!サスガ名人!!

(アキラには声もかけずにすぐ去るという。その理由は……)
「台湾に才能ある子がいると聞いてね」
←いつのまにさすらいの囲碁スカウターに……ってか、「子」?!やっぱり狙いは若くてピチピチな棋士?!年寄りに用はないらしい。サスガ名人。

(そして極めつけ)
「進藤くんは…私と同じなのかもしれない。
saiの強さを追っている」

←トドメに、ここへきて行洋×ヒカル発言?!
……ていうか、書けそうな自分が一番怖い………ははは。


緒方さん、WJ誌上で見てないなぁ……そろそろ出てこないかなぁ。



2003年04月21日(月) 浴衣がね。

今日、デパートに行ってぶらついていたら、一階のホールに今年のモデルの浴衣が展示されてました。
今年のデザインって、結構伝統柄ですねぇ……。ぱっと見には、かなり地味目。
帯を変えれば違うのかもしれないけれど、でもあの色味は…帯も渋めにしないと合わないかな?
あれを着るには、おそらく化粧も派手目(色白は必須だな)にして、髪も明るめにしないと映えない……かもです。着こなしが難しい。
小物をあれこれ使って「粋」に見せるような演出が必要。
下手すっと地味すぎて、激ダサになりかねませんな。

……しかし。

そう思いつつ、近寄って生地を触ってみて気が付いた。

けっこう薄い?!

……そう、かなり生地が薄いんです!白地のなんて、かなり透けます!!
薄いから涼しそうなんだけど、これはちゃんと浴衣用の下着か裾除け着けないと、まるで旅館の某サービスのパニオン状態なセクシー和装。


…………使える。(ニヤリ)


これは使える!!ネタじゃ、ネタ!!
女体化ネタで使えるってば!!
柄も覚えた!!色味も覚えた!生地の感じも確かめた!

……というワケで。そのうち書きます。
浴衣ネタ。


いつかは分からないよ〜。
気まぐれまかせ♪



2003年04月20日(日) 『花と…鬼と人と 8』(オガヒカ小ネタ)

暁に――白く光る桜の下に。
確かに――あのひとを見たような気がしたけれど。


夜も白々と明けゆけば
東雲の空もほのぼのと
明けゆけば其は

跡 絶へて

それと見えしは塚の上の
桜の花は薄墨に 染まりゆくこそ哀れなれ
花散りゆくこそ あはれなりけれ


――それは、ほんのひと時の幻。
音もなく。
香りすらなく。

夜が明けてしまえば、輝くばかりの日の光と、鮮やかな色が世界を塗り替えて。
後に残された人はただ、
はらはらと舞い散る薄墨色の花びらを、見送るしか術はない。



毎年、この光景を見送ってきたという緒方。
その視線の先に映るのは、誰なのか。
ヒカルは尋ねようと口を開きかけて……やめた。
自分もまた、この桜の樹の下に見出した人を、話すことができないのだから。

「…何だ?」
「ううん……毎年、ここに来てるって言ってたよね」
「ああ」
「来年も…一緒に来てもいいかな」
ひとりで見るには、あまりに綺麗すぎて、恐いけれど。
…でも、見ずにはいられないほど、この光景は美しくて。
…それが、なつかしい面影をそこに見出すことができるのなら、なおさら。
それに……

「ふたりで見るのなら、緒方さんも、寂しくないだろ?」
ヒカルの言葉に、緒方は琥珀色の目を見開いた。
そして、静かに息を吸うことで、ほんの一瞬、自分がその時息を止めていたことに気付き、苦笑する。

…その、言葉を聞きたかったのかもしれない。
12歳のあの春の日から、ずっと。
この光景を、自分とは違う想いで、自分と同じ心を抱えて、涙すら流せずに、ともに見つめてくれる存在を。
…或は、彼ならば、「そう」なり得ると期待したのか。

緒方は、見上げてくるヒカルの灰色の瞳を見下ろした。
「…そうだな。お前も、ひとりで「これ」を見るのは、恐いだろうから」
――連れて来てやるよ。
承諾の言葉を隠したまま、緒方はヒカルの唇に軽く触れた。
ヒカルは応えるように、緒方の背中に回した腕に力をこめる。


ざああと音を立てて風が吹き。
その風は、さらに桜の花を散らした。




















「…もうそろそろ旅館に帰るぞ」
「ん……何かおなか空いた」
「上出来だな。どうせここしばらく食ってないんだろう」
「…………う…………」
何で分かったんだよ、と見上げると、緒方はニヤリと笑った。
「こうやって触ってりゃすぐに分かるさ。そんなモン」
「緒方さんのスケベっっ!オヤジ!!」
真っ赤になってくってかかるヒカルに、緒方はくつくつと笑う。
「悔しかったらせいぜい食って少し太れ。これ以上抱き心地が悪くなるのはかなわん」
遠慮のえの字もなく腰や胸に触れてくる手から、ヒカルは何とか逃げ出した。緒方の手が届かない距離をとってから、くるりと振り返る。
「うるっさいなーー!……あ、でも朝っぱらから重いのは食いたくないかも」
「今朝は、お粥を炊いてくれているそうだ」
「お粥〜?!病人みてぇ」
「そうか?地元の米で、名水と名高い湧き水と岩塩を使った炊きたての粥に地鶏の卵を添えてくれるそうなんだが……嫌いならいい」
ヒカルは言葉につまった。確かにお粥は病人食というイメージがあってあまり好きではないけれど……そんなにこだわって作られるお粥は、何だか美味しそうではないか。
それに、緒方が選ぶ食事で、不味かったものは一度もない。
ヒカルはすたすたと先に歩く緒方を追いかけた。

「嫌いなんて言ってないだろ!食べるってば!!」
緒方は後ろから近づく足音に、唇をほころばせた。
作戦成功。ことヒカルに対しての餌付けで失敗した事はない。
しばらくの間食が細かったらしいヒカルの胃を考えて、わざわざ旅館に朝粥の朝食を頼んでおいたことも、わざわざ喋る必要もない。

ぶつかるように腕に抱きついてくるヒカルを片手であしらいながら、緒方は旅館への帰途についた。

いつもなら後ろ髪をひかれるような、桜への想いを感じることなく。
…それは、緒方も気付かない事だったけれど。








「ひと」が去ったその後は
薄墨いろの花びらが
ただ風に吹かれて舞うばかり…………。



2003年04月18日(金) 『花と…鬼と人と 7』(オガヒカ小ネタ)

ヒカルが、桜の大樹にひきよせられるように、また、一歩踏み出した時。
東の空が茜色に染まり、そして、白く強烈な光がそこから生まれた。

それに呼応して、周囲の色が一気に染め替えられる。
薄暗く、くすんだそれらが、鮮やかな色を帯び、その存在を主張し始める。
空は灰色から朱、そして水の色へ。
雲はより白く、太陽のいろに染まった部分はうっすらとオレンジに染まりながら。
大地は、春の陽射しを感じて、若葉が深呼吸するように、鮮やかなうす緑へと変化して。
周囲の木々も、まだ黄緑色の新芽が、誇らしげにぴん!と頭をもたげていた。


そして。
目の前の、夜明け前ですら白い光を放って咲いていた桜は。


「………あ……………」

ヒカルは呆然として立ち尽くした。
きれいだと、思っていた。目が放せないくらい。――しかし。

――しかし……今の……この、桜は。

「…あ……ああ…………」

夜明けを迎え、全てが鮮やかな色をとりもどしてゆくその光景の中で。
その花は、ゆっくりと、白い輝きを失っていったのだ。
白く光るようだった花は、朝日に照らされ、色を失ってゆく。
ほんのりと、沈むようなその花びらの色。
夜が明けてしまったことを惜しむような……鈍い、くすみ我が身にとどめて。

桜は、ゆっくりと、薄墨色に染まっていった。


ヒカルは、何も言えず、何もできず、そこに立ちつくした。
……あの時、佐為の時が動き始めた時も、そうだったように。
…あのとき、佐為が……消えた…その時も……………。
なにも、できずに。
なにも、せずに。

桜が薄墨色に染まるように。
彼の時を止める術もなく……。





花の下には、もう、なにもいない。
花の下には……取り残された、修羅がひとり。
たたかい、抗うことでしか道を見出せぬ、鬼が、ひとり。


つめたい風が、頬を撫でて。
薄墨色に染まった桜は、音もなくヒカルに散りかかった。

――まるで、涙のように。
――まるで、止まらぬ時を言祝ぐように。



さくり、と草を踏む音がして。
ヒカルはふと後ろを振り返った。

そこに立つのは――人。
人という名の修羅。

はらはらと降りかかる薄墨色の花の雨を。
彼もまた、見つめることしかできず。
ひとりたたずむ――男が、ひとり。

「――泣いているのか」
「ううん」
涙など……流れるものか。こんな美しいものを目の前にして。

「緒方さんは…泣いていたの」
「いいや」
緒方の視線は、目の前の、薄墨桜に注がれたまま。

「俺は…見送るだけだ。いつもな」
「いつも?」
「ああ」
「毎年?」
「ああ」

その目には、何の感情も映さずに。
何を、見送っていたというのか。
こんな、綺麗すぎて、恐ろしい風景を。
見つめることしかできない事をきっと、知っていながら。

それでも。

ヒカルは、完全に桜から目をそらすと、緒方に歩み寄り、
そっと、抱きつきなかがら、緒方の胸に頬をこすりつけて、ひっそりと息をついた。
緒方はそんなヒカルを支えるように腰に手をまわしながら、
風にち散ってゆく桜を、見つめつづけた。



2003年04月17日(木) 『ビアンコ・ネロ』(ル神小ネタ)

『アツシ、そろそろ教えてくれても良いだロウ?セリエAの、ドコなんだ?』
「んー……。今まで日本人が入ったことがないチーム」
『…コラ。』
「だいぶそれで絞られねぇか?ペルージャとローマとパルマとレッジーナとフィオレンティーナとミランは消えただろ?」
『それでもマダ広い。北か?南カ?』
「北。独逸寄りだな」
『というコトは結構伝統チームっぽいナ……アツシ』
「…んだよ」
『オマエを入れる目的は、残留の為カ?スクデッドを獲る為カ?』
「中盤の層を厚くして、より攻撃にスピードを持たせたい、って言ってたぜ。もちろん、狙いはスクデッド……だいだい分かったろ」

ルディは、神谷の言葉にくすりと笑った。
その吐息の音が受話器から微かに聞こえてきて、神谷もくすぐったそうに笑った。

『ビアンコ・ネロ…か…?』
「アタリ」

ビアンコ・ネロ。白と黒とのストライプ。
…そしてクラブ創立以来、Bに降格したことがない、名門中の名門。
ヴェッキア・シニョーラ(老貴婦人)の愛称を持つ、伝統と常勝に彩られたチーム。


『「ユベントス」』


洗練されたデザインのそのユニフォームは、きっと神谷に似合うに違いない。
もう、何年も前から着ているように、堂々として。

『背番号ハ?』
「それはゲームを見に来た時のお楽しみだな」

神谷の口調からも、機嫌が良いのが分かる。…という事は、納得できる背番号をもらったという事だろう。

「イタリア語も、だいぶ教わったぜー♪トレーニング中とか、ミニゲームの時に教わったりして」
『ドンナ?』
「えーと、まず【ヴァッファンクーロ】だろー。これは最上級だから、とっておきの時にしておけって言われた。それから【フィッリョディプッターナ】、普段も使える【カッツォ】、敵に向かってなら【ポるカミゼーりア、ポるコカーネ】【マンナッジャアテ】、【フォッティティ】味方がミスったら【ヴァアカガーレ】………な、すげーだろ♪」


『……………………』
「ルディ?」
『アツシ……ソレ、誰に教わっタ…?』
「えー?ピエロとかー、チームの奴等。あと、ゲーム中とか、皆言ってるし、スタンドからも聞こえてくるから、耳で覚えちまった」

ルディは、受話器を持ったまま頭を抱えて座り込んだ。チームメイトからと、ゲーム中と、そしてスタジアム。…最悪のイタリア語を覚えるには最高の環境が整いすぎている。

『アツシ』
「ん?」
『悪い事は言わナイ、今覚えたイタリア語は、全部忘れロ』
「何でー。せっかく覚えたのに」
『お前が言っタ言葉は、全部「パろラッチャ」ダ!!』
「へ?」
『……ツマリ、テレビでそれヲ言おうものナラ、全部音が入って消されル言葉なんダ!』
「放送禁止用語?」
『ソウ』
「あいつら〜!」
『だから頼むカラまともなイタリア語を覚えてクレ……』
「いーや!!このままじゃ済まさねぇ!」
『ナニ』
「あいつらにも、日本語の放送禁止用語教えちゃる!!それか、日本でもド辺境の方言!!」
『…………………』

ルディは改めて、この恋人の逞しさを思い知った。異国の地でただひとり、心細い思いをしていないかと心配だったのだが…なかなかどうして、しっかりチームに馴染んでいる。
『アツシ』
「ああ?!」
…まだ怒っているようだ。
『早くビアンコ・ネロのユニフォームを着テ、ピッチに立つお前ガ見たイ』
そう告げると、しばらく沈黙が返ってきた。
…しかし、なんとなく分かる。
神谷が、気負いもなく、自らの実力の元にある自信によって、ニヤリと笑う表情が。

「長くは待たせねぇよ」
『……アア。ピッチの上で会うノを、楽しみニしてイル』
「そっちこそ、変なトコロでコケんなよ」
『するものカ』
「怪我だけは、すんなよ」
『そっちコソ。ムチャだけは、スルナよ』

「……ルディ」
『ン?』





………囁くような吐息に乗せた呟きが、消える頃。
神谷はゆっくりと受話器を下ろし、
ルディは、切れた電話にそっとキスをした。



2003年04月16日(水) さて、問題デス(今週のシュート!ネタバレ注意)

疲れからくる無気力も、身体のだるさも、今週のシュートの前にブッ飛びました………!


神谷さん出発編。空港でのやりとりですが。
最後まで、「掛川」というチームを愛する神谷さん!
端から見れば完璧に思えた新生チームも、誰が得点したかの結果のみで、冷静かつ的確な分析のもと、助言を与える神谷さん!!
…そして、日本を離れ、

神谷さんが入ったセリエAのチームとは!!!


ユベントス


何と!!ユーベですよ!!ユーベ!!
あの白と黒のストライプのユニフォームを神谷さんが着てるんですよ!!
武蔵森やヴィッセル神戸と同じデザインなんですよ!!(←逆だろがい)
ビアンコ・ネロ。白と黒とのエクスタシー!!
ブラボーーーーーッッッッ!!!!!
…とゆ事は本拠地はトリノだから…っと!
おおう、北イタリアだから、独逸とも近いじゃん!!(←妄想しやすい!)

…そして!
背番号は「7」!!
掛高でつけていたのと同じ、「7」!!

そしていきなり、ユーベピンチの折、監督の指示によって交代、ピッチに立ちます!!
監督は言うのです。
「このブーイングを黙らせてこい」
そして神谷さんは一言
『Si(了解)!』

あああああ!!!!神谷さん格好イイよぅ!!!!!



………さて、ここで問題デス。
『シュート!』の主人公は一体誰でしょう。(爆笑)



2003年04月15日(火) 密室にふたり(今週のヒカ碁)

ええと。最初にヒカル以外の結果を言うと、
アキラは勝ちを決めました。
…そして社は負けを決めました。(泣)全敗決定だよ……どうしてくれようこの存在感の薄さ……トホホ………。

ヒカルは……高 永夏と半目勝負のシノぎ合い、ギリギリの真剣勝負をくり広げております!!
高 永夏、ヒカルを「自分と同等の力を持った棋士」と認めました!!!
火花散る大将戦。これで、日本VS韓国の結果も出る訳です………

……………が。

ごめんよヒカル………私の意識は、すっかり、
「搭矢 行洋を囲んでの、若手美形棋士によるドキドキ検討室♪」
…に釘付けなんです………。
もうすんげぇハーレム状態………。

そ・し・て。

楊海さんがですね!!!
高 永夏の発言とヒカルとの確執を、「ガキの喧嘩ですよ」と一言で一蹴!事を正確に分析したばかりでなく、「大した問題ではありません」…という意味も含ませて、その場を治めてしまう、その機転!!!
素晴らしいぃぃぃぃぃ!!!!
流石です楊海さん!!
ノホホンとしているようで、着眼点は誰よりも鋭く、そして大人なこの発言!!
そんな楊海さんが、搭矢 行洋の呟きを聞き逃すはずがなかった!!

「本因坊秀作が現代によみがえったような打ち手とは……saiのことですか」

ふたりきりになった検討室での、この言葉。
おそらく、これを狙って、楊海さんは対局場に行かなかったのでしょう。
PCに詳しい…というか、PCの棋士を育てあげようとしている楊海さん、やはりsaiの存在を落す筈がなかったのね〜♪
今回めちゃめちゃ格好良いですよ、楊海さん。
久々に、「棋士として」の楊海さんを見た思いです。



2003年04月14日(月) 久々に頭が真っ白です。

……連日の行事津波のせいかしら?
それとも、四時間歩き倒して、一時間ばっか登山したせいかしら?(←どちらも仕事のための下見である)

久々に頭が真っ白デス。

煩悩の入る余地がないほど、くたびれているとも言うのかな。
とぉぉぉっっても、珍しいことなんだけど。

無気力状態。
…なんかこう、好きな音楽聞いて、布団に丸まっていたい気分。



2003年04月12日(土) 資料がない、資料が!

ははは……もう小ネタなのに何を開き直ってんだか続いてます。
ええ、『花と…鬼と人と』なんですが。
あとちょっとなんです!!
あと2話くらいで終わるんです!!

……なのに………

資料がない!資料が!!

…いやあ、参考にしようと思ってた能『桜川』なんですが、謡本見て、見事に勘違いしていた事が発覚!!
アンハッピーで終わると思ってたら、ハッピーエンドの話だった!!

「……こんなん資料にしたら雰囲気変わるやんかまるっきり〜(泣)」

慌てて調べると、私が考えてた雰囲気の話は、『隅田川』であることが発覚。
わーん。謡本持ってないよぅ(号泣)。
慌てて友人に話をつけ、借りることとなりました。

…よって、続きは、私が謡本読み込んでからということで(苦笑)。
大好きな桜ネタなんで、妙に力が入ってみたり。(笑)



2003年04月11日(金) 『花と…鬼と人と 6』(オガヒカ小ネタ)

旅館を出た頃よりは、いくぶんか明るくなったとはいえ、夜明け前。
まだ、辺りはうす暗い。
…それに、夜明けが近づくに従って、肌に感じる空気はつめたく冷えていった。

「…なんか、さっきより寒いよ。明るくなってきてんのに」
「夜明け前が、いちばん冷えるモンなんだよ。寝ぼすけのお前は知らないだろうがな」
ヒカルは旅館の女将からもらったカイロを取り出し、それを両手で挟んで手を温めていると、緒方が横からそのカイロを取り上げた。
「あ、ずるい。俺がもらったのに」
「お前は手袋してるだろうが。俺は素手だ」
「緒方さんも手袋してくれば良かっただろー」
「手袋は嫌いだ」
「なんだよそれ〜」
カイロを取り返そうと緒方の腕を捕まえたところで、緒方が足を止めた。

「……?」
「ついたぞ」
状況が分かっていないヒカルに、緒方は目の前の、小高い小さな丘のようになっている所を目線で促した。
「…あれが、『お前に見せたかったモノ』だ」

「……う………わ…………」





――それは、まるでその丘の支配者のようにそびえ立つ、巨大な樹。
根本の幹は、大人が何人かで手をつながなければ囲めないほど太く、そこから、太い枝が竜のように、自然でしかありえないようなカーブを描いて伸びている。

そして。
白く光るように咲いた、花、花、花。
日の光がなくとも、その巨木の生命力で内側から光っているような、そんな花。

古来より、人が愛で、親しみ、恐れ、畏こんできた。
春を象徴する花。その名は…………


「………さくら……………?」

ヒカルは、恐る恐るその名を口にした。

「ああ。普通の桜より白いが、それもこの桜の特徴でな。『薄墨桜』という」
「うすずみ……?」
こんなに白く、光るように咲いているのに。
「……そのうちに分かる」

応えながらも、緒方の視線もあの大きな桜から離れない。
この桜を目の前にした時はいつもそうだ。
義父が守った花だからか。
祖母が愛した花だからか。
――様々な思いがある筈なのに、
この花は、その思いをすべて吸い取るようにして、咲く。
その花しか、見えなくなる。
思いも、憎しみも、苦しみも、すべて。

強引に意識から消し去って、ひとは、ただ桜を眺めるのみ。


「…大した巨木だろう?樹齢、1500年くらいらしい」

1500年、という言葉に、ヒカルはぴくり、と反応した。
千年。
気の遠くなるような、長い、長い時間。
あのひとと同じ時を生きてきたのか。この、目の前の花は。

ヒカルは、思わず一歩踏み出した。
天を覆うかのようにひろがる枝。そこに咲く、白くはかないようで、しかし静かなる美しさを内包する花。
その存在は、とても、とても大きくて…………

………まるで、佐為、そのもの。
はかなげな白い姿、光るような、美しさ。
しかしその指が、扇子が指し示した一手は、何よりも強く、大きく、ゆるぎないものであったことか………。

ヒカルは、また一歩、踏み出す。

その花の下に、あのひとが見えたような気がして。



2003年04月10日(木) 『花と…鬼と人と 5』(オガヒカ小ネタ)

「……ひかる……ヒカル…」
誰かが、自分を呼んでいる。

「ヒカル……起きろ、ヒカル!」
洗いたてのシーツの匂い。柔らかな布団の手触り。ほこほことあたたかい。
…まだ、起きたくない。
自分の名前を呼んでくれるこの声は、とても気持ち良いけれど。
もう少しこのままでいせて……
その間名前を呼んでいて……

そう、あの、何も知らず幸せだった頃のように………

――この声は、誰?!


先程まで、いくら呼んでも揺らしても起きようとしなかったヒカルが、突然がばりと身を起し、緒方はいささかならず驚いた。
「……れ?緒方さん?」
キョロキョロと辺りを見廻し、緒方の顔を見て不思議そうに首を傾げているあたり、まだ目は覚めていないようだが。

「……そっか……さっきの、緒方さんだったんだ……」
――あの、自分を呼ぶ声は。

ヒカルは、安堵とも落胆ともとれるような表情で、息を吐いた。
その言葉に、緒方の眼鏡が光る。
「…こら。俺の他に誰の声だと思ったんだお前は!ええ?!」
寝起きの、柔らかな曲線を見せるヒカルの首筋に、緒方は両手をはわせた。
「ひゃああぁぁぁっっ!!冷たいっっっっ!!!」
首筋襲い掛かった冷気に、ヒカルは叫びながらじたばたともがく。…おかげで、いっぺんに目が覚めた。

緒方はその様子にくつくつと笑うと、寝間着姿のヒカルを後ろから抱きしめる。
「早く顔洗って着替えてこい。今から出掛ける」
「今からぁ?!…何、まだ外暗いじゃん。こんな早くに起こさなくたって……」
「ん?……行かないなら、ずっと布団の中に居させてやってもイイんだぜ?」
俺はどちらでも良いぞ…と、緒方は耳元で囁きながら、先程暴れたせいで乱れた裾から手を差し入れ、ヒカルの脚を下から腰に向かって撫で上げる。
「きっ………!」
「……き?」
「着替える!着替えるからその手どけて!!」
こんな朝っぱらからスルなんて、冗談じゃない!
しかも、悲しいかな朝の生理現象で、これ以上触られていたらヤバイ状態になりつつある。いくらヒカルが抵抗しても、緒方に「ソノ気」にさせられたら終わりなのだ。
しかも緒方が「ずっと布団の中で」って言ったら、それこそ「一日中」という事で。こういうコトについて、緒方は冗談は言わない。文字通り、「冗談ではない」のだ。

ヒカルは何とか緒方の腕の中から脱け出し、ぜえぜえと息をついた。
くつくつと、それはそれは楽しそうに緒方が笑う。ヒカルの反応も、状態も、すべて分かった上で。
「トイレと洗面所は廊下へ出て右だ」
聞くが早いか、ヒカルは部屋を飛び出した。






着替えた後、さらにダウンジャケットとマフラーと手袋をはめさせられて、ヒカルは緒方に続き、まだ夜も明けぬ外へと旅館を後にした。
朝早く出掛ける緒方たちに、女将は承知の上なのかにこやかに送り出してくれた。
「まだ寒いから」と、ヒカルにはカイロまでくれて。

「緒方さん……何処に行くの?」
「言っただろう。お前に見せるまでは秘密だ。…少し歩く。きついようならすぐに言え」
「大丈夫だよ〜。なんか昨日すっごい眠れたから!」
久々に見るすっきりしたような笑顔に、緒方も顔をほころばせた。

「行くぞ」
「うん」



2003年04月09日(水) 『花と…鬼と人と 4』(オガヒカ小ネタ)

目的地に着いた時には、辺りは暗闇に包まれていた。



都会から離れたこの土地には、遅くまで灯る明かりはない。
暗闇の中、見上げれば東京では決して見られないであろう星空がひろがっている。一目で、春の有名な星座が見つけられるくらいだ。
起きていれば、声を上げて喜んだかもしれない人物は、RX-7のナビシートで、すやすやと眠っていた。

「…やっぱり起きねーじゃねーか………」
一応、声をかけたり揺さぶったりはしたのだが、起きそうにないヒカルの様子に、緒方はひとりごちた。

…まぁ、これは予想していた範囲の事だ。緒方はカード等が入った財布とキーケースのみをスーツのポケットに入れると、コートをはおり、ヒカルにもダウンジャケットを着せた。4月とはいえ、山間のこの地方の夜は冷える。
そして一旦車から下りてナビシート側に回った緒方は、ヒカルを正面から抱きしめるように抱え上げた。
力の入らないヒカルの頭は、くたりと緒方の肩にもたれかかる。一定のリズムで微かに聞こえる寝息に、緒方はなんとなくほっとした。

やはり、最近よく眠れていないようだ。
ヒカルは、4月に入ると決まって体調を崩す。
…まるで、何かのカウントダウンのように。
そして、梅雨が明けるまでそれは続くのだ。
それは、あの2年前の連続不戦敗の頃と符号している。
しかしその原因については、本人は頑として口を閉ざす。
誰も、何も触れるなという風に、心まで閉ざしかかる。

…しかし、ひとりでいる事も怖がるのだ。
……あの時、初めて緒方の肌を求めてきた春の夜のように。
あれは、緒方を求めていたのではない。あの時は、自らの怯えをまぎらわせるため、誰でも良いからぬくもりを求めていた、それだけだったが。

――今は、それだけで肌を合わせているのではないと、知っている。言葉でも、心でも、ヒカルの思いは確かに知っている。
しかし、この時期のヒカルは思い出させるのだ。
…あの頃のヒカルを。

夜、抱き合って眠った筈のヒカルは緒方の腕を抜け出し、降り注ぐ冷たい月の光のもとで、ただ、空を見つめていた。
…自分はひとりだと。
おいていかれた仔猫のような目で、宙を見上げる。

……緒方がそばにいてもこうなのだ。下手をすると、ひとりでいれば、ろくに寝てもいないかもしれない。…もしくは、恐ろしく眠りが浅いか。

「お前を、そんなにしてしまう存在は誰なのだ」
……と、ヒカルを追いつめてまでも聞き出したい自分もいるが。
そうまでしてヒカルを問いつめ、ますます怯えさせるような真似をする奴等と同列になるのはごめんだとも思っている。(実際に純粋な心配からとはいえヒカルを追いつめた馬鹿者がいた)
少なくとも、ヒカルは自分の腕の中でなら、ひとときとはいえ安らいで眠るし、他人には見せない本音を見せるのだ。

それは、ヒカルが言葉にしない「特別」。
我ながら甘いと思いながらも、すっかり囚われている自分に苦笑する。


…だからこそ、此処に連れてきたのか。
祖母が亡くなった12の春以来、ひとりで眺め続けた、あの場所に。





器用に足でドアを閉め、リモコンでロックをかける。荷物は、明日の朝にでも取りにくれば良い。
緒方は、一度ヒカルをゆすりあげて抱き直すと、旅館へと歩き始めた。



2003年04月08日(火) おーい、父ちゃん(今週のヒカ碁)

やっぱりというか、何というか(笑)。
たとえくたびれたジャケットを着ていても、やはり目立つよお父ちゃん(爆笑)。
大盤解説席で、気づく観客たち。解説の人もびっくり、広がるざわつき。

…てなワケで、大盤解説会場からは退場した塔矢元名人。
その後に彼がとった行動は……

塔矢父「君、検討室に案内してくれないか」
受付嬢「え…でも一応関係者以外は遠慮いただいてますが……」
塔矢父「いいから」

何がどういいんだか、とにかく、囲碁界…特に関係者の集まるところで、自分が拒まれることはない、という自信に満ちたこの発言!!
この傍若無人さ、流石アキラの父親デス!!(←ホメてんのよ〜)

実際、検討室では、多少驚かれはしても、喜んで迎え入れられてます。人気者です、塔矢父。
……しかし、検討室にいるの、各国団長たちにしても若い若い……
その子(←塔矢父視点)たちが、喜々として自分に意見をもとめ、なつき、声をかけるとあの倉田ですらはしゃいでみせる……。
ある意味ハーレム状態を見越してましたか?塔矢父
流石は年の功、見事な読みデス!!

そして塔矢父を中心に検討がはじまりますが、
息子のアキラの副将戦、アキラのみを誉めるだけではなく、相手の力量も評価しながら、力と力のぶつかり合いに楽しんでいる様子でした……が。

「だが、アキラは勝つだろう」
何の根拠があってそんな自信満々に……!

「進藤くんが高 永夏に勝つかもしれない、

と思っているから。

ならば自分は負けるわけにはいかない、

と思うだろう」



……もしもし?


それって、単なる「身びいき」以外の

ナニモノでもないんじゃ………




それを、息子が勝つ理由としてどきっぱりとマジな顔して語るあたり、やはり流石は塔矢父。凡人の感覚でははかりしれません。(いやホント)
…てか、どこまでが棋士としての発言で、どこからが父親としての発言か見分けがつかないデス。
あまり知らない人は、「さすが名人!」と言わしめる言動でも、知ってる人に言わせれば、「まったく、ワガママな男じゃのう」…となるようで。
奥が深うゴザイマス。塔矢 行洋。


…さて、盤面は中盤、アキラは完全にバトル体制でし。
社は苦しんでいるみたいでし。(がんばれ!!存在感が薄くなりつつあるぶん、せめて勝ってくれ!)
そしてヒカルは。
不利でもないが、有利でも決してない盤面を打破するべく、一手を繰り出した模様。
その一手に永夏は目を見開いてはおりますが。
イイところで、はい、また来週〜〜。(泣)



…ところで、あの塔矢 行洋の名を聞いて、あまつさえ彼を目の前にして。
「ああ、塔矢アキラ君のお父さん♪」
…とのたまった受付嬢。
その勇気と天然ボケっぷりに思わず拍手。



2003年04月07日(月) 『花と…鬼と人と 3』(オガヒカ小ネタ)

ソフトクリームと缶コーヒーを買って、緒方の待つRX−7に戻ると、両手が塞がっているのを見越してか、緒方が中からドアを開けた。

「早く入れ。せっかく風呂に入ったのに、冷えちまう」
「うん………」

顔色は良いものの、また表情が暗くなっているヒカルに、緒方は内心で舌打ちした。この時期のヒカルは些細なきっかけで、すぐにふさぎこんだり呆けてしまう。――初めて海に連れて行った、あの5月もそうだった。
…不思議なのは、そんなヒカルをやっかいだとは思いながらも、面倒くさいとは思えない、自分の方だった。…むしろ、そばに置いておきたくなる。
執拗に構う気も、ないのだが。


ヒカルから缶コーヒーを受け取り、「無糖」の表示を確認してからプルタブを引く。(前回の失敗があったので)一口飲んでから、緒方は先程かじりかけていたハーブチキンとレタスのパニーニを手にした。
ヒカルは大人しくアイスを舐めている。

「食ったら寝てしまえ。向こうに着くのはどうせ夜だ」
「……ねぇ」
「ああ?」
「どこに行くの?」
少し不安げな表情で聞いてくるヒカルに、緒方は口の中のものを咀嚼して飲み込んでから、応えた。
「見せたいものがあってな……一年に一度しか見られない」
「だから……!」
さらに言いつのろうとしたヒカルの口を、緒方はそっと指を触れさせることでさえぎる。

唇に、固い指の感触。
指に、柔らかな唇のぬくもり。

「…お前に見せるまでは、秘密だ」
どこか楽しそうな緒方の笑みに、ヒカルはそれ以上聞くことができなかった。

その反応に満足してか、緒方はニヤリと笑い、いつもは碁石を操る右手の固くなった指でヒカルの口元をぬぐった。
「ほら、ついていたぞ」
それを、わざと見せ付けるようにヒカルの目の前に差し出す。
緒方の長い指についた、白いクリーム。
……今、彼がヒカルにナニをさせたいかなんて、一目瞭然。

「緒方さんのドスケベっっ!!」
「何でだよ。もったいないだろう?」
「自分で舐めりゃいいじゃん!」
「俺はこんな甘いものなんぞ食わん。…同じ白いのでも、お前のなら別だが」

緒方のニヤニヤ笑いはますます深まる。こんなの、さっさと無視したいくらいだが、見知らぬ土地、車の中でふたりきり。自分に不利な条件ばかりがそろいすぎていて。
時間がたつほど、車のヒーターのせいでソフトクリームはとけてゆくし。
早くしないと、とけたクリームが服に落ちてしまうかもしれないし。
……それに。

緒方の、長くて大きな、骨張った指。自分のと違う、大人の手。タイトルを手にした、トップ棋士の手。

―――ヒカル自身が、好きなのだ。その、緒方の手を。
眺めるのも、触るのも、触られるのも。

それを知っていて、わざと緒方はこうしてみせる。
それを知っているからこそ、ヒカルは嫌がったのだけれども。
――逃げ道も塞がれて。
「そう」せざるを得ないような状況にもっていくのが、緒方の優しさだと、気付いたのはいつだったか。

…だから、ヒカルは半ば安心して、緒方の誘いに乗ることができる。
本当は、ヒカルがそうしたいと思うことだから。


ヒカルは、小さく口を開けて舌を覗かせると、ぺろりと、緒方の指についた白いクリームを、舐めた。
一舐めで、すぐになくなるくらいの、わずかなそれ。
満足そうに微笑む緒方の隙をついて、ヒカルは素早くとけてたれそうになっていたソフトクリームを舐めとり、緒方に口付けた。


「……甘い………」
キスした後の、「何しやがるんだ、コノヤロウ」的表情を見て、ヒカルは少し溜飲を下げた。このくらいの仕返しはしておかないと、やられっぱなしは、癪にさわる。
「いーじゃん、無糖のコーヒーで中和すれば〜?」
言われるまでもなく、緒方はコーヒーで口の中の甘さを洗い流していた。
その様子に、ヒカルはくすくすと笑う。


コーヒーを飲み終えて、緒方はシートベルトを締めた。
「そろそろ出るぞ」
「どのくらいかかるの?」
「あと4時間だな」
「えー?!」
「だから眠ってろ。着いたら、抱きあげて部屋まで運んでやるから」
「やだよー。着いたら起こして!」
「普通に起こして、お前が起きたらな」

ソフトクリームを舐めるのに忙しいヒカル(ヒーターで相当とけかけていたし、車に落すと緒方がもっとうるさいからだ)に、シートベルトをしてやり、緒方は目的地に向かって愛車を走らせた。



2003年04月06日(日) まさに花冷え

晴れてたんだけどねー。
風が冷たくて冷たくて………。

はりまから来た人たちが驚いてましたよ。
流石酷冷の地、亀岡デス(笑)。

ソメイヨシノは只今満開。
山桜が五分咲き。
そろそろ木の花桜が、咲き始めですね。

来週の木の花桜観桜茶会には、ほどよく咲いててくれれば良いなvv

山桜は、花よりも先に葉っぱが出ます。
小さな葉っぱは、紅葉した時のように赤く、その葉っぱが出そろった頃、淡い…殆ど白に近いピンクの花が咲き始めます。
まさに紅白、めでたき色をとりまぜて……ってな風情で。

何の桜だったか忘れたのだけど、緑の若葉が出て、やはりその頃に花が咲く桜も見たことがあります。普通の桜(山桜)よりも白っぽくて、とても清々しい姿で、大好きなのです。…あれ、桜だよなぁ?木の肌の感じはそうだもんなぁ?

以前、夜桜を見物に、桜並木(ここは普通の公園だったからソメイヨシノ)をぶらぶら歩いていたのですが。
すごく良い気持ちになりまして。
なんとなく、覚えたばかりの西王母の謡を口ずさんでました。
…後から考えたら、「西王母」なんて、桃の花なんですけどね……。おそらくは雰囲気に呑まれたんでしょう。
今なら、「羽衣」謡うかな………?
「桜川」は、まだ習ってないの。
「熊野」をお稽古中ですが。
すんごく!!キレイな謡で、好きなんだけど!!
…………ものすごく難しい……(トホホ)…。
上がり下がりが、音階が、恐ろしく細かい宝生流謡。
難しいんだけど、それがぴったりハマると、これがまことに美しいんだなぁ。
先生方の謡聴いてると、本当に気持ち良いもの。

能つながりで、最近読み始めてる漫画が、成田由美子さんの『花よりも花の如く』。以前の『NATURAL』の番外編から始まったみたいなんだけど、これが面白い!!
お能の世界の話なんだけど、裏舞台が見られたりして、それでいて能の「雰囲気」をとても大事に描かれていて、分かりやすいし、何より綺麗!!
能楽師の本音っぽいところ(面を被ると、目の位置が合ってない上に殆ど見えない)も描かれていて、読んでて笑えるところもたくさんあります。
アタリなマンガです。おすすめ〜。
…あ、ちなみにマンガの主人公の流派は観世流でし。
ちなみに主人公は榊原 憲人さん。あの西門さんのおにーちゃんだよ〜ん。ミゲールもちょいちょい出てきたり。



2003年04月05日(土) 『花と…鬼と人と 2』(オガヒカ小ネタ)

ヒカルが目を覚ましたのは、緒方が中央自動車道に入って、諏訪湖のSAに車を停めた時だった。

「……ここ…どこ?」
見覚えのない景色に目をこすりながら訊ねる。

「諏訪湖のSAだ。…さっきよりは顔色もマシだな」
ほらよ、と緒方はスポーツドリンクのペットボトルを手渡す。ヒカルはそれを受け取って、一口飲み、喉をうるおして一息ついた。
「……ん。さっきよりだいぶ楽。微熱でもあったのかな」
ちょっと汗かいたみたいだ、とヒカルが自分の襟元をぱたぱた扇いでいると、緒方はすい、と右手をヒカルの額に乗せた。
「棋院を出た時よりはかなり下がってる。…よし、風呂行くぞ」
緒方はヒカルの手からペットボトルを奪い取り、自分も一口飲んでから蓋を閉め、ラックに置いてから外に出ようとした。

「へ?だってここ、高速道路だろ?」
きょとんとしているヒカルに緒方はニヤリと笑う。
「諏訪湖のSAには、温泉があるんだよ。汗流すくらいなら丁度いいだろ」
後ろのシートから、着替えの入ったらしき鞄を手に、緒方はさっさと車を降りる。そのまま呆けていると本気でおいていかれそうだったので、ヒカルも慌てて彼の背中を追った。
その後で、緒方の車が「トン」と音を立てた。リモコンでロックした音だ。
ヒカルの視線の先には、愛車のキーを持ったままの緒方が立っていた。
急かすでもなく。構うでもなく。
ただヒカルが歩いて来るのを、いつものシニカルな微笑みを浮かべたままで。









まだ本調子ではないから、と本当に軽く汗を流す程度にしか入らなかったのだが、温泉の効果は覿面で、ヒカルはほこほこと温まり、緒方が用意した着替えにあたたかくくるまった。

「ちったぁ何か食いたくなったか?」
緒方は自分用にベーカリーでパニーニを購入した後訊ねると、ヒカルは赤い頬のままにこりと笑った。
「さっき売店で見た『リンゴのソフトクリーム』、おいしそうだったんだけど……」
ヒカルの答えに緒方は顔をしかめる。
「あのな……せっかく温まったところに何で冷えるモンなんだよ……」
「……だめ?」
上目づかいに、ため息、ひとつ。

「…ま、食欲が出ただけでも良しとするさ。ほらよ」
緒方はヒカルに、コインケースを投げて渡した。
「それで買ってこい。それと、ブラックの缶コーヒーもな。…砂糖入りなんぞ買ってきたら車に入れないから、そう思え」

言い捨てて背を向ける緒方に、ヒカルは目を丸くして、一瞬後、くすくすと笑った。対局が終わって、半ばさらうように自分を連れてきたのは、緒方の方なのに。
…なのに、コーヒーの種類を間違えたら車に乗せないという。
以前、「微糖」の文字にだまされて緒方にコーヒーを買って、何も言わずに一口かぷりと飲んでしまった、あの事を忘れてないからなんだろうか。(結局一口で「甘い!」と宣言し、残りはヒカルが飲む事になった。確かに、ヒカルが飲めるほど甘かった)
何か、どう考えても、「いい大人」のすることじゃない。
それがまた緒方らしくて、どうにもこうにも笑えてくる。

ヒカルは何とか笑いをおさめて、自分には先程目をつけておいた『りんごのソフトクリーム』を。緒方には「無糖」のコーヒーを買いに行った。







……ふと、思い出すのは、千年も生きているくせして、全然大人らしくなかった、彼のこと。
本当に「子供」だった自分と、本気で喧嘩して。子供だった自分を困らせて。…そして、本当に「子供」だった自分を、その傲慢さを、受け止めて消えてしまった、花のように美しく、囲碁には、鬼のように厳しさと鋭さを持った―――やさしいひと。
いまはもう、とおいひと。


……彼は消え、自分は生きている。
あのひとは、ずっと、生きて、碁を打ちたがっていたのに。


…身体は、ほこほこと温かい。温泉の匂いと、真新しい衣服に袖を通した、心地よさ。
なのに……心の奥で、凍り付いたままの、泉のような存在を感じながら。
ヒカルは、緒方のコインケースを握りしめた。…そして、何とか歩み出す。




今は4月……。

佐為が消えたあの日まで、もうすぐ。



2003年04月04日(金) 『花と…鬼と人と』(オガヒカ小ネタ)

「旅行に行くぞ」



『……この一言で、進藤ヒカルは日本棋院での対局後、緒方十段・王座に拉致られた』
――との証言は、新進気鋭の若手の一人、和谷三段の証言によるものである。
とにかく、対局を終え、検討も終え、あまり体調のよくない同輩、進藤ヒカルを気遣いながら帰ろうとした時、棋院のど真ん前に停まっていたのは、ヴィンテージレッドのRX−7だった。
そんな派手な車を囲碁の日本棋院に駐車する人物など、棋界広しといえども一人しかいない。白のダブルスーツに身を固めた、緒方十段・王座。その人しか。

「旅行に行くぞ」
「……え?」
「もう予約してある。…来い」
「へ?何で?どこに?」
とまどうヒカルの腕を掴み、緒方は強引に車へと引きずってゆく。
この時期――4月から6月の梅雨が明ける頃まで、何かの周期のように、ヒカルは体調を崩す。現に今日だって、勝ちはしたものの、あまり顔色はよくないし、ふさぎこむように口数も少なかった。そんな状態のヒカルを強引に連れ出そうとする緒方に、和谷は思わず一歩踏み出した。

「緒方先生、コイツ…今日は体調が良くなくて」
「そんなもん、見れば分かる」
眼鏡の奥で、まるで対局の時のような鋭い視線が和谷に向けられた。
頂点での、戦いを知る者の気迫と、威圧。
和谷が一瞬ひるんだ隙に、緒方はヒカルを引き寄せ、ヒカルの体を自分に凭れさせて、髪を撫でる。

「……きついか?」
「………ん…………」
「車に乗ったら、少し眠れ。すぐに着くから」

和谷は、弱々しく頷いたヒカルの額にうっすらと浮かぶ汗を見つけて、呆然とした。
そんな体調で、対局していたのか。なのに彼は最後まで打ち切り、勝ちさえしたのか。昼休みや帰り際、それでも弱々しく「大丈夫、大丈夫」と微笑んでいたけれども。本当は、立っているのすらつらかったのかもしれない。
…自分には、気付けなかった。


和谷が立ちつくしている間に、緒方はさっさとヒカルを助手席に座らせ、運転席へと回った。

「和谷ぁ…ごめんな」
紙のように、白い顔。そんな顔で、微笑んでほしくなかった。
笑顔が痛いなんて、はじめて、知った。
「いいよ。旅行にでも行って、気晴らししてこい」
これ以上ヒカルに気を使わせないように、和谷も、無理して笑ってみせた。
「イイもん食って来いよな。緒方先生っていうでっかい財布と一緒なんだから」
「うん」
エンジンがかかる。ロータリーエンジン特有の、低く丸い音。
「土産、楽しみにしてるぜ」
和谷の言葉にヒカルは笑うと、小さく手を振った。

…そして、赤い車は、他の白い車たちにまぎれて、小さくなり、見えなくなる。

車が見えなくなるのをぼんやりと眺めながら、
なんとなく、和谷は「悔しい」という気持ちが湧きあがってくるのを止められなかった。
自分ではどうしても見つけられなかった一手を、他の棋士にあっさり指摘された。
そんな悔しさに、似ているようで……違うかもしれなかった。



2003年04月02日(水) 何で深夜に……。

だから何で深夜に、アニメ超大作を放送するのよぅ!!
嬉しいけど、寝不足なんだってばさ!!

「マクロス〜愛、おぼえていますか」
から始まって、
「逆襲のシャア」
……うおおおお!!!まさしく超大作!!オイラのシャア×アムロの基本!!
…ってもだえてたら、トドメに
「宇宙戦艦ヤマト〜ヤマトよ永遠に〜」
……っとくらぁ!!
そして今度、
「さよなら銀河鉄道999」

これで見ずにいられようかってんだいまったくもぅ!!!
やっぱね、この辺はね、小・中・高時代に見てるんですよ。マクロス以外は泣いてるんですよ!!
勉強も部活も放り出して見てましたとも!!

…久々に、あの頃のアニメをまとめてレンタルしたい気分です。
ヤマト全シリーズ制覇しよっかな……。


………ところで。
昨夜ヤマト見て思ってたんですが。

「真田×古代(進)ってイケる……?」

……なんて事を考えてしまいました。はい。フトドキ者呼ばわりされて結構でゴザイマス。
一旦妄想が始まると止まらなくて……その視点で見ると、もうどんどん真田さんと古代(進)とのカラミがアヤしく見えて仕方ないんですわこれが!!
ちなみに…真田さんと古代(守)はプラトニックでし。(笑)プラトニックだけど、精神的に古代(守)×真田かなと。

古代(進)相手だと攻に転ずる真田さん。(笑)
……年上受も考えたんだけど、(ほら、古代(進)って基本的に甘えっこだから)何となくこっちで落ち着いてしまった(笑)。
リバもできそーですね。(←オイ)
こうなると、もう既に第一シリーズ(イスカンダル編)あたりから見方がおかしくなる(笑)。
昔の恋人だった古代(守)の弟と、図らずも再開してしまう真田!!抱え込む罪悪感、そして宇宙要塞爆破の任務の際の告白!!
そこから妙に真田さんになつく古代(進)!!
古代(守)と真田の再開、複雑に揺れる男心、そして、守の決断……!
地球を目前にしての、最後の戦い!密かに(古代の為に)開発しておいた、ヤマトの装甲の磁気コーティング!!
ユキの存在は見えているのに、どんどんハマる真田×古代(進)ビジョン……(ははは)

ええ、その気になれば、全シリーズでこの解釈できますよ♪
だって、それっくらいこのふたりのカラミ多いんだもん!!(下手するとユキよりも)

古代(進)とよくセット扱いされるのは島ですが、島って、結構無神経ですからねぇ……。肉親のいない古代(進)に対して、結構ムッとくる発言多し。
よって、そのビジョンからは除外されました。(そっちの方が良いんじゃ……?)
それに、島はワタシ的にかなり許されない事をしてますから。
…というのも、完結編。島の奴、かなり「ユキ、ユキ」なんつっておりますし、死ぬ間際も、「ユキは…俺が最初に見つけたんだからな……」みたいな発言!!!
命懸けでお前を助けた、テレサの存在はどう説明する気じゃゴルァ!!!
…テレサをかなり気に入っていた私としては、あの島の発言のおかげで、彼の最期は泣くどころか怒りまくっていたのでした。
ヤマトファンなめるなよー。テレビ版から劇場版まで、全設定頭に入ってるぞー。


…寝不足で、かなり思考がヤバいですね。



2003年04月01日(火) 『春時雨』(テニプリ・薫小ネタ)

さあさあと澄んだ音を立てて、雨が降る。
菜種梅雨とも言うのだと、出掛ける息子に傘を渡しながら、海堂の母はふわりと微笑んだ。
ひと雨ごとに、温かくなる、花を促す、恵みの雨。
「でも、いくら温かい雨だと言っても、濡れちゃだめよ。季節の変り目だし、体もそれに合わせて変わってゆくから、風邪もひきやすいの」
その母の言葉には、海堂は頷くことができた。何故なら、気候の変化に体が対応しきれず、せっかくの休日なのに父は布団の中という具体例がいたから。


そうして、傘をさして出掛けたその先に、その仔犬は震えていた。
四肢の太い、ころころと太った、愛らしい仔犬。
真新しい赤い首輪をつけた仔犬は、主人のものらしい自転車の前カゴにおさまったまま、雨にうたれて、震えている。
「………………」
海堂は、近くに飼い主がいないのかと、辺りを見廻した。しかし、この静かに降る雨に気付いていないのか、何処からも飼い主らしき人が駆けてくる様子はない。
温かい春の雨。…しかし、仔犬の柔らかい毛はすっかり濡れてしまっている。まだ、水をはじくような毛が生えていないのだ。

海堂は、そっと前カゴに手を差し入れ、仔犬を驚かせないように撫でてやった。仔犬が、海堂の手の匂いをふんふんと嗅ぐのに夢中になっている間に、傘の柄をうまくハンドルの辺りの隙間に差し込んで、雨をさえぎってやる。
しかし海堂の手をペロペロと舐めはじめた仔犬はぐしょ濡れのままだ。
気休めかもしれないが、少しはましだろうとポケットに入れたまだったガーゼのハンカチでざっとだけ水分を拭う。
仔犬は体を拭いてくれるのを遊んでくれると勘違いしたのか、短いしっぽをぱたぱたと振りながら、海堂の手にじゃれつき、前足でひっかくような真似をしてみせたり、軽くかみついたりした。
「…こぉら」
ぼそりと呟いて、仔犬の頭を軽く押さえ、少し手荒に腹のあたりをガシガシと拭いてやった。
それから、少し考えてウエストポーチに入れてあったバンダナを取り出し、仔犬にかけてやる。
仔犬はバンダナをうるさがって逃れたが、これ以上冷えない方が良いだろう、とバンダナをマントのようにかけ、首輪にはさんでしまう。
仔犬はしきりに首のあたりを気にしていたが、海堂が頭をなぜるので、そっちの方に気をとられてバンダナを取ろうとしなくなった。
「風邪、ひくなよ」

さかんに手を舐める仔犬に気を引かれながらも、海堂は一歩、後ずさった。
自分にも、約束したあるところがある。これ以上、ここで時間をとる訳にもいかない。


少年は、ふう、と一息つくと。
春時雨の中を、駆け出して行った。
その手に、少し仔犬臭いぐしょぬれのガーゼのハンカチを握り締めたまま。




























「スンマセン、遅くなったっス」
「薫?!どうしたんだ?ずぶ濡れじゃないか。出掛ける頃には降っていただろう。傘はどうした?」
「……イヤ………ちょっと……」
玄関先で言いよどんでいると、肩にはバスタオル、頭にはタオルが降ってきた。
そして大きな手が、タオルごと顔を挟んで、上向ける。

「春の雨とはいえ、濡れたままはよくないからね。ちゃんと水分拭き取るんだよ?…今、フロ入れるようにするから、ちょっと待ってて」


触れるだけの。
雨よりもやさしいキスをもらって。

「はい、先輩」

海堂は、素直に微笑んだ。


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