2003年05月30日(金) |
『マイ・フェア・レディ 2』(女の子ヒカル。オガヒカ) |
カメラ撮影用の機材が揃えられた部屋に、緒方は足を踏み入れた。 「はなせ下ろせ戻せ〜〜〜〜っっっっ!!!」 もちろん、暴れるヒカルを抱えたままで。 最初はいわゆる「お姫様だっこ」だったのが、あまりにうるさかったので荷物よろしく肩に担がれてしまっている。
「ポスターの撮影でもするのか?」 ヒカルの言動はすっかりきっぱり無視して緒方は浅海に尋ねる。 「いえ、年末に発売する来年度のカレンダー用なんです」 「…ああ、発売と同時に、じじい共が喜び勇んで群がって買いに来るアレな」 「……それ、微妙にセクハラ発言ですよ」 「事実を言ったまでだろうが」 浅海は眉をひそめた。…確かにそうなのだ。選りすぐりの女流棋士ばかりを撮ったカレンダーは、棋院の出すカレンダーの中でも1、2を争う売れ行きを誇るのだ。大量に印刷する訳ではない為、カレンダー発売日には目の色を変えたオヤジやカメラ小僧っぽいのまで行列を作る。それを見た事務員が、「ついでに握手会でもやったらもっと売れるんじゃない」と口をすべらせ、女流棋士から総スカンをくらったのは有名な話だ。
「まぁ、タイトルホルダーの写真大写しのカレンダーでも、一部には売れるでしょうけどね」 「何が楽しくてじじい共のカレンダーを買うんだ…」 「えー、でもオレ、緒方さんと桑原のじーちゃんのツーショット写真が載ってるヤツだったら買うよ!すっげ面白そうじゃん!」 ころん、と、先程までの暴れっぷりはどこへやら、好奇心いっぱいに話に混じってきたヒカルを、その彼女の話の内容に頭痛を覚えながら下ろしてやった。
「…それで、何でお前は撮影を嫌がったんだ?カメラ恐怖症か?」 「だあってさぁ…!」 「あ、こらヒカルちゃん!!」 慌ててヒカルの口を塞ごうとした浅海だったが、遅かった。 「用意してた、っていう服、激ダサなんだもん!!オレ、あんな格好でカレンダーなんか写りたくない!!絶っっ対、ヤダ!!」
ヒカルの言葉に、衣装を用意したらしい棋院のスタッフ等はびききっっ!と額に血管を浮かべた。彼らとしては、ごく普通のものを用意したつもりだったのだ。 「衣装〜?どれだよ」 「あれ!!あの、いつの時代だよ?!って言いたくなるような紺のワンピース!!」 「…………微妙だな………」
ヒカルが指さしたそこに、そのワンピースドレスはあった。確かに、今、このようなラインを描く服は探す方が難しいかもしれないくらい、デザインが古い。紺の生地に、襟は白のブラウスのようになった高いもので、ふんわりひろがった、膝下15センチくらいのフレアースカート。袖も、肘から手首にかけてふわりと広がり、手首の辺りで、やはり白い袖口が折り返しになっている。ベルトは幅広の白。 どこぞのアンティークドールかといういでたちだったが、そう言い切るには、生地が少し安物っぽい光沢なのが気になる。また、こういった格好ならば、編み上げブーツあたりでレトロさを徹底しておけば良いのに、靴は踵がぺったんこのローファーなのだ。
「…ふむ。確かにオヤジ共が好きそうな衣装ではあるが……」 「ええ。やはり今時の若い娘が普段着ているような服では、買い手の方たちの年代に言わせると「はしたない」そうなので……どうしてもこの辺りになるのだけど」 そんなこんなの妥協の衣装を、ヒカルは一言、「ダサいからヤダ!」の一点張りで着ようとしないのだ。
「…な、緒方さん、どう思う?!この衣装!!」 オレにこれを着ろっていうんだよ?!、オレ、こんなの着てカレンダーに載ってみんなに見られるのなんで、絶対ヤダ!! …とかなんとか。ヒカルは相変わらずふくれている。
「……狙いは悪くない。…が、デザインが古すぎるのと、生地がどうもな。ここまでするなら、生地はベルベットあたりにして、襟と袖口のレースももう少し豪奢にしてもいい。あと、揃いのヘッドドレスをつけて、靴は焦げ茶の編み上げブーツ……だったら、着せてみたいと思うがな」 緒方は、ヒカルをしげしげと眺めながら言ってのけた。最後に、人の悪そうなうす笑いも忘れずに。 「あらステキ♪来年度の案にいただきますねソレ♪」
しかし問題はこの現状だ。撮影スタッフも、色校正やその他の作業があるから、できれば今日中に撮影を終わらせたいと思っている。 …しかし、今のままではヒカルが首を縦に振りそうにない。突然乱入してきた緒方は本当に乱入してきただけで、ヒカルを説得してくれるのかと思えばとてもそうは見えない。他の衣装を今から手配しても……手配がつくのか、それともヒカルをカレンダーに載せるのは、今回は諦めるしかないのか。 トップ棋士はえてして我が儘なものなので、待たされるのには慣れていても、この状況を打破する良い案が浮かばない。 ……さて、どうするか。 スタッフ全員が頭を悩ませていた。
「…着物では駄目か?」 「え?」 「だから、着物では駄目か、と言っている。着物なら流行も問わんし、ジジイ共の受けも良い。着物でも着せて碁盤の前にでも座らせておけば、こんなジャジャ馬なガキでも、一応それらしく見えるんじゃねーか?」 ヒカルは緒方の言葉に激しく反応した。 「ジャジャ馬なガキって何だ……っ…モガ……っっ!」 浅海が素早くヒカルの口を塞いだ。 「それは問題ないと思いますけど、しかし和服を揃える時間が……」 と、ちらりと撮影スタッフを見やると、緒方は彼らを振り向いた。 「おい」 「はいっっ!」 現在十段、そして王座、もうすぐ棋聖に手が届こうかという正真正銘のトッププロからの呼びかけに、彼らの応対も自然に固くなる。 「このあと、一時間ほど伸びても大丈夫か」 「は、はい。それくらいなら…何とか」 「よし」
緒方は頷くと、浅海に口を塞がれてモガモガともがいていたヒカルを再び、肩に担ぎ上げた。 「……コイツを化けさせてくる。一時間で戻るから、撮影はそれからでいいな」 「はい♪確かに。よかったわねヒカルちゃん。キレイにしてもらってくるのよ〜〜vv」
行ってらっしゃ〜〜い♪とばかりに浅海に手を振られ。 ヒカルは、再び緒方の肩の上で暴れることになるのであった。
「下ろせ変態!触るなロリコン!!誘拐犯〜〜〜〜!!」
その声を聞きながら、緒方十段・王座は、それはそれは楽しそうに笑っていたそうである。
まったくもって、進藤ヒカルは自分を楽しませてくれる。上機嫌でそのまま棋院を闊歩し、後々まで、「緒方十段、稚児シュミ説」が飛び交うことになるのだが、そのような噂を気にして神経をすり減らすほど、彼の神経はヤワではないのだった。
さっき、コンビニからの帰り道での事。 目の前を、コンビニの駐車場から道路へ出る車があったのですが。
何と!! 真っ赤なハチロクだったんですよ!! 多分……レビン……だと思うんだけど。 もう、マジで懐かしい車のラインでしたよー。何ともいえない味がありましたねー。ステキ。 かっちょいい〜〜♪
エンジン音はおそらくノーマル。ターボ音はしなかったし。 足まわりも…いじってなかったような気がします。 手に入れてあまり間がなかったのかな? 真っ赤なレビンに喜ぶあまり、ホイールとかダンパーのチェックができなかったのですよ。
もちろん、私がハチロクに騒ぐのは、『イニD』の影響で。 その他にランエボとかセブンのFC(白)とかに騒ぐのも同じ理由。 …似たような動機から、昔はダークブルーのウィンダムを見つけては喜んだりしてました。あ、あとパジェロ。(パジェロの方が喜んでたかも……) バイクだとCB子ちゃん探してじたばたした覚えが……
今ですか? 今だったら、ヴィンテージレッドのRX-7です!! つい探してます。ええ、その中に白スーツの眼鏡の人が乗ってないかって……(笑)
今日こそ早く帰れると思ってたのに、 思い出したよ。今日エスペラントの学習の日だった!(わーん)
自分でやってる事とはいえ、最近稽古事が増えてきたなぁ。 昨日は音頭会(そーだよ、そろそろこのシーズンなんだよ)と謡(宝生流)の稽古でダブルブッキングしたけど両方行ってふらふらになったし。 毎週木曜日はお茶だしー。 太鼓の稽古も再開したし。(これは不定期だけどさ) 日曜日の夜が劇………。火曜日がコーラス……。 きゃー。
なまけものでいたい私なのに、何でこうなったかって、好きなものを追い求めた結果だからなんともはや………。 仕事が煮詰まってて、原稿も煮詰まりつくして、結構残業も多いんだけどさ。 でも好きなものは別とばかりに……ちょっと動きすぎ? しかし周囲では、もっととんでもない人いるんだよねぇ。(私の稽古事はまだ少ない方なんである。今の職場にいると、お茶や謡や囃子などの伝統文化の稽古は安くできるのだよ。お茶は必須科目みたいなもの。知らないとここにいられまへん)
ああ眠い……ごはんいらないからちょっとひと眠りしてからエスペラントに行こうかな………。
2003年05月24日(土) |
面白いところから…。 |
プチアクア(つまりここね)について、どのリンク先から来るのかなー、と思って、結構マメにチェックしてるのですが、たまに面白いところから来てます。
一番多いのは、AQUA VITAからのリンクだけど 最近よく見かけるのは、「オガヒカ」で検索してのアクセス。
しかし以前のはすごかった。 だって、「古代 進」で検索してきて、ココに来てるんだもん!! 古代 進の話なんて、ずっと以前に、ここでは一回しか話題に出してないんだよ……?! 「よくひっかかったなぁ」 …というのが正直な感想。 しかもその時、確かにヤマトについて書いたけど、確かえらい事を話題にしたような……ええ。真田×古代とか。(苦笑)古代兄とだったらプラトニックだー!とか。島 大介を力いっぱいけなしたり……。 ふふふ……どれもこれも、まっとうなヤマトファンの方々には怒髪天な内容だったかと……うわわわわわ。寒い。寒すぎる。(冷汗)
最近の変わり種といえば、 「三上×翼」で検索してきてのアクセス。 うーん。この場合、「×」は検索に引っ掛からないんだよねー。 …で、「三上 翼」で検索したのと同じ結果になるようで。 ひっかかったのは、『休まぬ翼』(三上小ネタ)という行だったらしい。 しかし三上×翼って、またイバラ道を検索してきてますねぇ…。おしいなー。翼×三上だったら書いたかもしれないなー。(笑。私は、将くん相手以外はみかみんは受としてるので。…最終回見たら、将くんが私の頭の中で攻化したので、最早みかみん、総受オッケー?!) しかし私も功×三上というイバラ道をいってますからね。ちょっと親近感わいてみたり(笑)。
2003年05月21日(水) |
『マイ・フェア・レディ』(ヒカル女の子ネタ。当然オガヒカ) |
「緒方十段っっ!!その子捕まえててくださいっっ!!!」 「何?!」
日本棋院のエレベーターから出てきた直後、子供が正面から勢いよくぶつかってきた。思わず受け止めてしまったのだが、その時に女流棋士の甲高い声が耳に入ってきた。
「ごめんなさい見逃して……って、げっ!!緒方先生!!」
ぶつかってきた子供が顔を上げた瞬間に、見えたのは特徴のありすぎる金と黒とのツートンカラーの柔らかい髪。大きな瞳。 ――こんな髪を持つ人物など、棋界にはただひとり。 「よぉ、進藤。…今度は何をやったんだ?」 自ら飛び込んできた格好の退屈凌ぎのエサを、緒方が逃すことなんてさらさらなく。背中に腕を回して、しっかり捕獲。
「ちょ……離して……ってば!ねぇ!」 「嫌なこった」
じたばたともがく獲物の感触すら楽しむように、緒方はくつくつと笑う。 まだプロになりたてだった頃は子供臭さが抜けず、ふくふくと愛らしい頬をしていたのが、連続不戦敗から復帰したあたりからその丸みはほっそりと柔らかいラインを描くようになり、全体の印象も、身長も伸びたせいかすらりとした感じになってきた。 しかし身長は伸びたものの、筋肉がついたような感触はない。胸板も薄いし、首から肩の線もまろやかで、腰に回した手が妙にしっくりくる。慣れた感触。
「……ふーん」 「な、何だよっ!人の体ベタベタ触るなって!!」
そんなやりとりをしている間に、先程の女流棋士が息をきらせて駆け寄ってきた。 「あーもう!やっと捕まえた!!だめじゃない、これは仕事って言ったでしょう?!」 「仕事って言ったって!!あんなモノ着なきゃいけないなんて聞いてない!」 「…事前に聞いてたら逃げるでしょう?」 「当たり前だっっ!!」
目の前の女流棋士はこめかみを押さえながらふう、とため息をついた。 「強制連行します。緒方先生、お手数ですが進藤三段を抱えて連れて来ていただけます?」 「承知しました。浅海名人」 「女流だけどね」 ふふ、と浅海七段は笑ってみせた。 ショートカットの、きつめの美人。きびきびとした動作と受け答えは、緒方の好みからいっても、悪くない。 …そして、これから何が起こるのか、大いに楽しみでもある。 緒方は、ヒカルの体をひょい、と抱き上げた。 …いわゆる、「お姫さまだっこ」で。
「何だよコレは〜〜!!」 耳元できゃんきゃんわめかれる声に顔をしかめながら、緒方は楽しそうに唇をゆがめた。 …そしてヒカルを抱えていた腕から一瞬だけ力を抜く。 「ひゃっ!!」 突然の墜落感に、ヒカルは思わず緒方にしがみついた。
「それで良い」 「うわ〜、悪党」 思わずもらした浅海七段の呟きに、緒方は笑う。 「何か言ったか?」 浅海七段は、鮮やかなほどににっこりと笑みを返した。 「いいえ、何も。…さ、こちらです」 そしてくるりと踵を返し、先に立って歩き始める。
緒方は彼女について歩きながら、緒方は上機嫌のまま言ってのけた。 「進藤…」 「何」 ぶすくれた顔のヒカル。 緒方はそれでも、楽しそうだった。
「お前、女だったんだな」
その言葉にヒカルは「あ」と声を上げる。 公然と言ってまわらないだけで、ヒカルは実は女の子だ。 ただし、服の好みや言動が、どうやっても「やんちゃな男の子」としか見られなかった。周囲が間違えているだろうと分かってはいたけれども、いわゆる「男友達」のつきあい方の方が、さっぱりしてて何かと楽だったので、そのままにしておいたのだ。 棋院の登録には、ヒカルはちゃんと「女流棋士」として登録されている。…ただ、いつも顔を合わせているのに、わざわざ棋院に問い合わせる者もいなかっただけで。
しかし、ここで疑問がひとつ。今迄だって緒方は自分を「男の子」と思っていた筈だ。なのに何で分かったのだろう?
「どうして分かったんだよ。オレが…女だって」 ヒカルの疑問に、緒方は嬉しそうに笑ってみせる。モノローグをつけるなら、「よくぞ聞いてくれました♪」…あたりか。
「そりゃあ……こうして直に触ってるんだ。分からない筈がないだろう?」
え?触ってる? ヒカルはひょい、と緒方に抱き上げられている自分を見た。緒方の右腕は膝の下から脚を抱え、そして、左腕は……緒方の長い腕は細いヒカルの体にしっかりとまわされ、その大きな掌は………
ヒカルの、ささやかな胸のふくらみの上にあった。
「緒方さんのスケベっっっ!!ヘンタイ!!ロリコン!!悪徳外道〜〜〜〜〜っっっっ!!!」
ぱちーん!という小気味の良い音と、ヒカルの絶叫が同時に聞こえ、
浅海七段は、ヒカルの台詞にまさにその通り!とばかりに心の中で拍手喝采を贈ったのであるる
2003年05月20日(火) |
『ドイツvs日本』(2010年シュート小ネタ) |
同点のままの、決勝トーナメント一回戦。 2-2の同点。後半のロスタイム突入。
(……この展開は………!)
ルディが3人のアイコンタクトに気づいたのは、以前に生で見たことがあるせいだ。神谷がしかける攻撃にくらべて、冷静に見つめればそれは結構分かりやすい。 …そして、展開さえ分かっていれば対処の仕様もある。
「ヴィリー!!」
中盤にいたヴィリーに声をかけ、3本指を示してみせる。ヴィリーがその意図を読みとった時、白石からの特大パントキックが蹴り出された。
「ゲイル!ガイル!ラストパスはタナカに出る!シュートコースを狭くしろ!!ハンス!後ろにはじいてでも構わない、タナカの左をクリアするんだ!!」
…果たして、ルディとヴィリーの読み通り、パントキックを受け取ったのは平松で、独逸の中盤を得意の脚ですりぬけてゆく。 そしてラストパス。 日本の10番、田仲のもとへ。
日本応援団の青い津波のような大歓声の中、田仲がシュート体制に入る。ガイルがボールを奪いに行き、ゲイルは田仲が打とうとするシュートコースを塞いだ。そしてその後ろにハンスが控える。
『あああああ!!!』
しかしこの選手が世界的にやっかいだと言われるのは、いくらシュートコースを塞いでいても、それらを考慮せずに吹き飛ばしてしまうバカ正直なパワーにある。 案の定、ガイルは吹き飛ばされ、ゲイルはシュートされたボールにかする事しかできない。そしてそれによって多少コースが変えられた為、ハンスは反応しきれなかった。 しかも、まだシュートは枠内に入っていた。
決まる―――!
…誰もがそう思った、その時。
まだ諦めていなかった男が、ひとり。 ルディ=エリック。独逸の至宝。
驚異的な運動能力を誇る彼は、日本ゴール前から一気に自陣ゴール前に戻ってきていた。ゴールへ向かうシュートを追い掛け、斜め後ろからスライディングタックルをしかける。
「UuuuuuuRaaaaaaaahh!!!!!」
それは、届くか、届かないか、ギリギリの距離。 …しかし、ルディは自らの足を届かせてみせた。そして、足の裏で確かに感じたのである。 田仲の打ったシュートが、ゴール枠を外れたことを。
一瞬後、ボールはゴールマウスを50センチほど外れて、ラインを割った。 挙がる悲鳴は青いスタンドから。 客に白で埋め尽くされたスタンドは一斉に吼えた。
…そして、ホイッスルが鳴る。
ルディはふう、とフィールドに転がって一息つくと、身軽に起きあがった。
「ルディ〜!!」 「よくクリアできたな、ルディ」 「向こうサン、ずいぶんと驚いたようだぜ」 「今ので流れはこっちに来たな」 「オイシイ場面もっていきやがって!!」 駆け寄るチームメイトの手荒な祝福を受けながら、ルディは笑う。
大胆に。獲物を見つけた獣のように、まさしくゲルマンの魂を持つ者の象徴のように。どこまでも傲慢で野蛮に、誇り高く。
「…さぁ、延長戦だ」
一同が頷く。
「ヴィリー、こうなれば温存はなしだ『右』を出す」 「何?!」 「本当はセミ・ファイナルあたりまで出したくなかったがな……。使おうと思った皇帝サマはイエローの累積で、次の試合からしか使い物にならないし」 ルディの視線が、ベンチでジャージを着たまま座ってぶすくれているカイゼルに向けられた。気づいて鋭い視線を送ってくるのを、ふふん、とせせら笑うようにあざけり返してみせる。 …真っ赤になってベンチから飛び出そうとしてカーン監督の鉄拳をくらったカイゼルの様子に、我慢ができなくなってヴィリーがとうとう吹き出した。 …それを合図に、全員が大笑いする。
良い雰囲気だ。ギリギリの試合の、ゾクゾクするような緊張感と、そして震えるような歓喜。…楽しくてたまらない。
ルディは、まずは休憩を、と、ベンチに向かった。 チームメイトもそれに続く。
「…なぁ」 「ああ?」 「勝ちに行くぞ」
ルディの言葉に、全員がニヤリと笑った。
「――当然」
2003年05月19日(月) |
『榛色』(最早オリジナル設定で誰も分からないぞな緒方小ネタ) |
「髪の色や目の色が他の人と違うことは、そんなに悪いことかい?」
「うん。悪いことなの」
「何故?」
「『キモチワルイ』んだって。おばさまが。『えたいのしれないおとこ』と、同じ色なんだって。だから、かあさまは僕のこと、忘れちゃったんだって」
「……緒方のおばあさまも、そう言うのかな?」
「ううん。おばあさまは優しいよ。…でもね、僕を見て、かなしそうな顔をするの。やっぱり、この髪の色のせいなんだよ。僕の目が変な色をしてるせいなの」
男の前で、子供は本当にごめんなさい、と呟いた。 その白い頬は、誰に殴られたものか青黒く腫れていて、半ズボンからのぞく脚にはいくつもの擦り傷の痕。ガラスで切ったような傷。
「しんくんも、のりちゃんも、ちかよるなって。バイキンが移るって。ぼくに近づくと、みんなまで変な目の色になっちゃうんだって」
傷だらけの…血に汚れた小さな手に握られたのは、先の鋭い、剪定用の鋏だった。
「だからおじさん、ぼくはこんな変な色の目、いらないの。すぐに返すから、ちょっとだけこのハサミをかして?この目をつぶすのなんて、すぐおわるから」
お願い、と。子供は真剣だった。 その澄んだ榛色の目は、真剣に、自分の目を「いらないもの」と信じていた。 泣きも、せずに。
男は子供の頬を大きな手で包んだ。 作業で厚く、固くなった掌が、子供の柔らかい頬を刺激する。その感触が気になるのか、子供はすこし眉をひそめた。 男はそれに構わず、じっと子供の目を見る。
「どこが変な色なんだ?」
男は、子供から目をそらさなかった。 「この色は、命を育む土の色だ。命を支える、木の幹の色だ。その木が育む、木の実の色だ。――命の色をした、宝石のようにきれいな色だ」
「うそ……」
「嘘じゃない。私はいろんなところのいろんな木を見てきた。おまえの目は、秋の実りの命の結晶のような、きれいな色をしているんだよ。…見たことはないか?」
こくん、と子供は頷いた。
「それなら、今年の秋に見せてあげよう。…そのためには、目を潰してしまったら見られなくなる。そうだね?」
男の言葉に、子供は困った顔になった。皆が嫌う自分の目。これを潰したら、少しは自分のことを好きになってもらえるかもしれないのに。 …でも、この人が「きれいだ」という、自分の目の色と同じ色をしたもの……… ……見て、みたい。…でもそれでは、目が潰せない。
「それにな」
男の無骨な手は、子供の髪を撫でた。やわらかな、色素の薄いアッシュブラウン。
「この髪の色は、新品の杉の柱のようじゃないか。丹念に、大切に磨きこまれた……艶がある。茶室や神社では、これほど重宝されるものはない。…ああ、最高級の碁盤は榧の木だが……その色にも似てる」
男は、ふわりと笑った。もう、子供が鋏を握る手に、力はこもっていない。
「見せてあげるよ。…おいで」
自然に差し伸べられた手に、子供は無意識に一歩、近づいた。 そして、おずおずと手を伸ばす。 血に汚れた手だったが、男は気にしなかった。
「……おいで、精次」
「緒方さんの目って…綺麗だよね」 「……ああ?お前グラス一杯くらいでもう酔ったか?」 「んなワケねーじゃん!…いや、そうじゃなくって、ホントに綺麗なんだってば。んー、このブランデーにも似てるけど、もっと深みがあるよね」 「何だそれは……」
目の前の恋人は、まじまじと男の目を見詰つめてくる。 綺麗な色だというが、その本人の目の色の方が、ずっと綺麗だと思う。 灰色に煙る奥に見える……翠。霧の中の森の色。
ぼんやりそう思っていると、やがて恋人は男の眼鏡を外した。
「ああ、やっぱそーじゃん」
「こら、返せ」
「緒方さんの目、秋の木の実の色をしてるんだよ」
「そうか?」
ヒカルは満足気にふうわりと笑った。
「いのちの…結晶の色だね」
「……似たような事を言う物好きって、いるもんだな………」 「何?昔の恋人?」
さりげない風を装いながら、気にしているのはバレバレだ。 ここで「そうだ」と返事をしたら、コイツはどんな顔をするんだろう…… 緒方は手元のウイスキーをあおり、ニヤリと笑った。
「…知りたいか?」
言いながら、ヒカルを自分の膝の上に抱き寄せる。 ヒカルの口に咥えられたチョコレートを奪うように、くちづけた。
……仕事の行事とはいえ、また登山デス。 いや、前回よりは大分楽なんだけど。
…でも、よ〜やく、呼吸困難モードから立ち直りちちあるのに、大丈夫かオレ!! 体力もつのか?気管支もつのか?! いやそれより何よりも。
その登山の次の日に会議なんですけど……(泣)。
よってまたまたネット落ち〜。(号泣) わーん書きたいのに書きたいのに。 仕事もたてこんできてるんで、またも書く時間が〜〜あああ。
くそう、宿舎で、プロットだけでも考えてやる!!
実は先週からず〜っと、体調がおかしいです。 風邪をね〜、ひきずってて。 いつもなら2、3日で治るものが、一週間くらいひきずってます。(それなのにイベント行ったオイラ……ははは)
寝込むほどではなくなったんだけど、息苦しいし、鼻はつまるし、喉は痛いし肩こってるし……。みゃー。 …しかし、仕事休むほどでもないんで、とりあえず仕事は行ってます。テンション低い…ってか、あまり声が出せなくて、喋れないんだけどね。 まさしく日にち薬というか、毎晩大人しくして寝てると、一日一日良くなってるようです。一気に回復しないのがじれったいよぉ〜!!
…どーも自分の状態を考えるに、この状態は、三年前くらいにやってしまった喘息(←その時で実に十年ぶりくらいの大発作だった)後の状態にそっくり………。 とほほ。もしホントにその状態なら、元通りに回復するのに恐ろしく時間がかかるかも……。当分走り回ったりできそうにないですね〜。 喘息とは小さい頃からのつきあいだから、だいたい分かるんだけど。回復しきっていないうちは、気管支が炎症を起こしやすい上に狭くなってるので、下手にどたばたするとすぐ息切れ〜(わーん)。 …よって、走れない、歌えない、延々喋れない、というきわめて静かな生活を送らなきゃならないんですな。 ……精神的には比較的元気なんで、けっこうストレスたまります。この状態。
ううううう。はやく元気になりた〜い!!!!
2003年05月12日(月) |
脳内麻薬出まくり。笑いが止まんねぇ。 |
ふふ……くふふふふ………♪♪
昨日、大阪のイベントに行ってきましたvvvvv
成果は……?
…はい、もう大漁旗掲げて走り回りたいくらいの収穫です!!!!
お気に入りのサークルの新刊は全てゲットできたし、(現在好きなサークルやCPが壁じゃないので、島くらいの人気があってもそんなに並ばず買えるのさ♪) も一度パンフをチェックしたら………!
何と!! オフラインで大阪のイベントで、オガヒカ本を出していらっしゃる方がいたんです!!! しかも大量♪ページ数多いし!!!とどめに小説本!!!!!
何年かぶりに、「そこの同人誌を一冊ずつ買う」といういわゆる「大人買い」をかましてしまいました。 おまけにねー、ちゃんと斜め読みしたから、内容はチェックしてから買ったんだけど、これまた、理想の設定や人間関係の複雑さでして♪ (単純なのも好きなんだけど、覚えちゃうから、何度も読み返せる複雑な方が好きなのさ)
読んでいくうちに、脳内麻薬出まくり。にやにや笑いが止まりません……。 そして頭をもたげる創作意欲。 ……えーと、仕事やら稽古やら和裁やら、やるこたいっぱいあるんですがねぇ……。 何か、とにかく「書きたい」…そんな気分。
……けど、ごめん。予告させてもらうなら、「書きたい」だけで、何を書くかは勢い次第……だからね。
必ずしもオガヒカを書くか、…ってーと、そうじゃないのかも(苦笑)。 …いえ、オガヒカ書くのかもしれないんだけどね。 こればっかりは、書けてみないと何書くか分からないので。
うーん。そりゃ私はオガヒカ好きだけどさ。 それと同等に、 ル神も乾海も仙越も三上も、笛ドリも独逸も…その他色々好きだから。 ……ちょっとね。「次はオガヒカ書いてください」って催促の多さに辟易してたりして。
書かない訳じゃないけどさ〜、 私が好きな気持ちのままに書いてるから、その時によって出来上がってくるものが、読み手が望んでるものと違うのは仕方ないんだよ〜。 開き直ってね♪ 書いてる人間自身がとっくに開き直ってますから(笑)。
2003年05月11日(日) |
『花束をアナタに』(薫小ネタ) |
「あれ、海堂」 乾が彼を見つけたのは、スーパーの前だった。 「…どもっス」 ぺこり、と会釈して返す律儀な後輩に、乾は歩み寄る。 「誕生日なのに、おつかいかな?」 「…知ってたんスか」 「生年月日はデータの基本だよ。でもまさか当日の今日に会えるとは思わなかったな」 「?」 「…今日は、日曜日だから」 そう。そして珍しく部活もない日曜日なのだ。誕生日が日曜日。きっと、家族でどこかに出かけるだろうと予測した(確立は70パーセント)乾は何も知らない振りをして、明日の早朝、ランニングで待ち伏せてお祝いしようと思っていたのだ。プレゼントも用意して。
そんな自分の目論見が外れて、ちょっと悔しい。 …でも、海堂の誕生日である今日出会えたことは、嬉しい。
「プレゼントは今持ってきてないけど、とりあえずは」
乾はひょい、と背をかがめた。
「〜〜〜〜〜ーーーーっっっっ!!!」
海堂は声にならない叫びとともに、耳を押さえて後ろに飛び退く。その顔は…真っ赤に染まっていて。 「何すんだアンタはっ!!」 「何って……お祝い言っただけじゃない」 何で逃げるのさ?と眉をひそめる乾だが、これはわざと作っている表情だ。 …そして、海堂がそれを分かっているのも、全て承知の上で。
海堂はまだ顔の赤みが取れなかった。 …確かに、乾はこう言っただけだ。『誕生日、おめでとう』と。 海堂の耳元で。
…実はコレが非常な曲者で。 乾の声は、ただ低いだけではなく、よく響くのだ。 しかもそれで少し息を混ぜながら囁かれようものなら、恐ろしくヤラしくなる。 そんなエロい声を、普通に触られるだけでも震えてしまう耳元で囁かれようものなら……耳から、背中に腰に、そして脚にまでその響きが電流となって伝わってきて。 下手すると膝が抜けるのだ。…いや、冗談じゃなく。 乾は自分の声の効用(?)を熟知している。その上、海堂が自分の声に弱くて、おまけに耳が敏感な事も知っている。 これぞまさしく確信犯。 こうなると当然ムカつく事この上ないのだが。
――でも、海堂自身、その乾の声が好きだったりするのだから、これまた末期的に始末に負えなかったりする。
…かくて、海堂に出来るのは、真っ赤になって乾を睨み付ける事だけ。
その間、乾は、赤く色づいた恋人の顔や、落ち着こうと深い息をつく半開きの厚い唇、そして、自分の声に感じて潤みがちになりながらも気丈に自分を睨み付けてくる艶やかな瞳を思うさま堪能したのであった。
「それ、ケーキの材料?」 そうして乾が指さした海堂の持つ買い物カゴの中。 そこには、真っ赤に熟れた苺と、生クリームのパックが入っていて、乾の質問を肯定していた。 「そうっス。昨日は部活で遅くなって…買いに行けなかったから」 「自分の誕生日用のケーキなのに、海堂が買うの?」 「自分がケーキ作るんだから、自分で材料買うのは当然っス」 「え?誕生日の人が作るの?」 乾は目を丸くした。 普通、誕生日はケーキ買ってもらって、ごちそう作ってもらって、プレゼント貰えて、その日一日は王様になれる…そんな日じゃないのかと。 「ウチでは、誕生日の人が家族に何か作るんス。もちろん、祝ってももらうんすけど……自分が生まれたのは、家族がいてくれたおかげだから、家族…特に母親に感謝する日なんだって、親父が」 「…でも…小さい頃はケーキなんて焼けないだろ?」 「幼稚園の頃だったら、リッツの上にクリーム塗って、ベヒーチョコ乗せたヤツ作ってたっす」 「…なるほど」
これは貴重なデータだ。手元にノートがない為、しっかりと頭のデータノートに書き込む。 「毎年、俺の誕生日には苺が旬だから…オフクロは苺を使ったデザートをリクエストするんすよ」 海堂は、少し照れくさそうに、笑った。きつい印象の目つきが緩められて、はっとする程柔らかく、優しい雰囲気。 …それは、どことなく彼の可愛らしい母親のそれと似ていて。
「…ふむ」 「センパイ?」 考え込む乾に、海堂は首をかしげた。 「ちょっと、花束買ってくる。穂積さんだったら、バラよりもガーベラとか、サンタソニアとかミナマヨメナかな?」 「???」 いきなりそんなこと訊ねられても分からない。…ていうか、今言われたバラ以外の花の名前すら知らない。
思い切り、「何故?」を顔に描いて立っていると、乾は自信たっぷりにずれてもいない眼鏡を押し上げた。 「だってそうじゃないか、俺がこうして海堂と出会うことができたのも、穂積さんが海堂を生んでくれたおかげなんだから」 …だから、感謝の花束を。 ありったけのありがとうをこめて。
恥ずかし気もなくはっきりきっぱり言ってのけて、乾は花屋のブースへとダッシュをかましていた。
…残された海堂はしばし呆然として……それから、何か照れくさくて真っ赤になりながら眉をしかめて唇をとがらせた。 ……何となく、回り道でものすごい告白をされたような気がする。 …でも、どこか嬉しいのも事実で。
母に花束を贈るというのなら、これから乾も一緒に家に来てくれるのだろうか。 …それなら、ケーキ作りを手伝ってほしいと、頼んでみようか。 不器用なのは知っているけど、粉や砂糖を計るのは、かなりきっちりやってくれるかもしれない。データが生き甲斐、計測大好きな、乾のことだから。
…そうと決まれば、乾が花束を選んで作ってもらってる間に、材料をそろえて買っておかなくては。
海堂は、手にしていた買い物リストのメモをちらりと確認して、やはり売り場へと駆け出した。
えー、今、森山直太朗の「さくら」がブレイクしているようですが。 個人的な好みからいけば、INSPiの「咲桜(さくら)」のが好きだったりします。こっちの方が良い曲だし、歌もキレイだと思うんだけどなー? 同じ「さくら」ネタでだぶって、存在感薄くなったのかしら。 …それとも、この「咲桜」、どっかの何かの曲を連想させるような、似たようなメロディラインだからインパクト薄いのかしら。(…一緒に歌ってて、違う歌が頭に浮かぶのよ……何だったんだろう。何の曲と似てるのかは思い出せないんだよぅ)
ハモネプ系の歌は好きです。 ……しかし、ハモネプだからこそ、そんじょそこらの曲じゃ、「ハモネプ」で歌ってる意味がないような気がする。…だからこそ、過去の他の人の曲とかは、彼らが「ハモネプ」用に編曲しているからなのか、とても良い。…なのにオリジナル曲を歌うと一気に魅力が薄れるのは何でなんだろ〜? 「ハモネプ」が映えるような曲、そして編曲で歌ってほしい、というのが正直な感想かな。これまでのハモネプ系のオリジナル曲を聴いてると。 私が、「これなら良し」と聴けるのは、ラグフェアの「恋のマイレージ」と、今回のINSPiの「咲桜」の2曲だけー。(悲)
明日お出かけするから、酔い止め用(私は乗り物酔いするので、音楽聴きまくってしのいでいる)マイヒットMDを作製中♪ テツトモの「なんでだろう」とか、ヒカ碁の主題歌(「get over」)とか、倉木 麻衣の新曲(映画のコナンの主題歌)とか、See-Sooとか(ガンダムシードのエンディング。シードは苦手だがこの歌は好き)さっき書いた「咲桜」とか………そして、絶対これは名曲だと思うの。ポケットモンスターエンディング「そこに空があるから」
…………見事にアニメ系に走ってる辺りがなんともはや……(苦笑)。
えーと、アニメ系意外なら、「もらい泣き」「涙そうそう」平井 堅の「Ring」とか。シュミ出まくり(笑)。
…でもね、好きな曲入れておかないと、その曲に集中できずにたちどころに酔いますからねぇ。(トホホ) 流行りの曲より好きな曲。これ基本。
2003年05月07日(水) |
やられた〜っっ!(今週のシュート。ネタバレ注意) |
まぁ、最終回が次回らしいし、いきなり数年後に展開が飛んだのは良しとしよう。 日本代表のメンバー発表で、ことごとく同世代からしか(30代の選手が一人もいねぇ……)選ばれていないというありえない選抜のされ方もまだ良い。 馬堀がブスになってたのも、ホントは良くないけど何とか我慢してみるよ!! その他、いちいちツッコんでたらきりがないからあえて言わないけど!!!!
しかし。
アレだけはどうしても許容できません。
髪が!!
神谷さんの髪がぁぁぁ〜〜〜っっ!!
(↑ムンクの叫びをイメージしましょう)
えらいことになっとるんですわ。それはもう。
ああああ、あの、あの、艶やかで流れるように整えられた大好きな黒髪が………(号泣) 短くても、サラサラしてて、時に汗ではりついたりなんかしてその色香を倍増させる強力アイテムで、ルディなんかはその髪を撫でたりいじったりするのが大好き(←最早マイ設定)な、あの!神谷さんの黒髪なのに!!!
アレを最初見た時、神谷さんって分かんなかったわよ!! ……ていうか、アレが「神谷」と呼ばれてた事実を頭が拒否したわよ!!
……これは、神谷さんでアンナコトやコンナコトしたりさせたりして楽しんだ同人女への復讐デスカ?原作者さま。
えーと、ショックが強すぎて、神谷さんの髪がどうなってしまったのかという詳しい記述はできません。 …よって、現物は今週のマガジンを読んでください。 そしてアノ衝撃をともに味わいましょう!
…やっぱり、私は「シュート!」に関してはマイ設定でつっ走ることにします。 踏まれても蹴られても、期待をことごとく裏切られても、同人女はしぶといのです。
2003年05月06日(火) |
『昼寝』(オガヒカ小ネタ。ヒカル18歳) |
「ヒカル……どうした」 「ん………ねむい………」
GWに合わせて行われた囲碁のイベントは5月5日の今日で終わり。 4、5、6月の三ヶ月はあまり体調が良くないものの、ひとりでいるともっとふさぎこんでしまう為、気分転換の意味も含めて、ヒカルは東京を離れる泊りがけのイベントにはちょくちょく参加するようにしていた。 もちろん、棋戦にさしつかえのない程度ではあったので、そんなに頻繁ではなかったが。
5月5日。 ヒカルにとっては、特別な日。 大切なあのひとが、消えた日。
いくらイベントに参加するとはいっても、できるだけこの日は避けてもらうようにしていたヒカルが今回のイベントに参加を決めたのは、開催地が鎌倉という比較的近い土地であったことと、 お互いのスケジュールがかみ合わなくて二週間も会えずにいた恋人がメインとして参加する事になっていたからだった。
二泊三日のイベントは、一部で巻き起こっている囲碁ブームに乗せて大盛況のうちに終了し、さてあとは帰るだけ…と、荷物をまとめようと部屋に戻った昼下がり。 それまで、イベント参加者やファンなどを笑顔で相手にしていたヒカルだったが、ここで電池が切れたように畳に転がった。
「ヒカル、どうした?」 まるで畳になつくように転がったまま動かないヒカルに苦笑しながら、緒方は白スーツを着たままヒカルの頭のそばに腰を下ろした。 …すると、ヒカルはずりずりと這いよじり、あぐらをかいた緒方の太股の上に頭を乗せると、こてん、と脱力した。 「ん……ねむい……」
猫のようにそのまま眠りについてしまいそうなヒカルの柔らかい髪を撫でながら、緒方は誰にも見せたことのないような柔らかい表情で微笑んだ。 「どうする?疲れたならこのまま泊ってから明日帰ってもいいんだぞ」 「ヤダ……今日は…帰る」
ヒカルは、毎年決まって5月5日に巣鴨に行く。 …それから、祖父の家を尋ねて、蔵の中に置いてある古い碁盤の手入れをするのだ。ゆっくりと、しかし丁寧に…まるで、何かを語りかけるように。 その習慣に去年から付き合うようになった緒方には、ヒカルの返事は予想できたものだった。
帰りたい。しかし眠い。自分の予定と、眠気の葛藤に顔をしかめるヒカルに、緒方はその手でヒカルの目を覆った。 片手で軽々とヒカルの両目が隠れてしまうほどの、大きな手。 「…なに……?」 「一時間たったら、起こしてやる」 だから少し眠れ。 本調子ではないくせに、どこか無理にはしゃいで見せるようなイベント中ヒカルの態度は、見ていて痛々しかったのだ。 …それよりも、自分の望みのままに、勝手に膝になついて惰眠をむさぼってもらう方が、余程安心できる。 …他の奴には、決して見せない態度だと分かっているから……なおさら。
やがてヒカルの呼吸がゆったりとした一定のリズムになったのを感じ、緒方がヒカルの顔から手を放す。 ヒカルは動く気配もなく、すとんと熟睡に入ったようだった。 その様子に、緒方も何となく緊張が解ける。
そして白スーツの上着を脱ごうとして……ヒカルがそれを握り締めたままであるのを見つけた。 ヒカルの、無言の願いが、そこにある。
「ここにいて」
………と。 上着の布を握るその力はそれほど強いものではなかったから、その手を外そうと思えばできたのだが、緒方はそれをせず。それどころか脱ぎかけた上着をもう一度着なおした。
そして煙草を取り出し火をつけると、いつもよりもそっと紫煙を吐き出す。
膝の上で眠る恋人を、起こさないように。
ふい〜、何とか終わったぁ……! 28日からの、GW行事ラッシュ週間、何とか終了しました。 これでやっとネットにも復帰できます。
…しかし、何て暑さだまったくもう!! 夏と大して変わんないんでやんの。(…いや、京都の夏はもっとひどいことになるんだけど…) そんな中、何が悲しいって、
夏並に暑いのに、着物は袷(←冬物の二重になった着物)を着なきゃならない…んですよ。まったくもう。
悲しいかな、和服のお約束……トホホ。 単(ひとえ)の着物は6月からなのでね。
夏は夏で、絽とか紗とかしじらとか、涼しい生地はあるので、まぁ何とかなる……(あくまで当社比だけどさ)んですが。 浴衣も、綿のものだったら汗を吸い取って発汗してくれるので、着た直後は暑いかもしれないけれど、比較的快適。帯は、普通の帯を文庫にするのがスタンダードだろうけど、私は断然木の花帯が好き〜♪ベルトみたくウエストの辺りで結ぶから、苦しくないし、結び方も簡単♪浴衣だったら、タンクトップとスパッツの上に浴衣を紐二本使って着て、あとは木の花帯を締めるだけ♪身軽でいーよvv ……いやその…白地とか、浴衣が透ける生地だったら、浴衣用の下着着た方が良いかもだけど(笑)。
ネット落ちしてる間に、ヒカ碁は『北斗杯編』(←強調)終了してるし、F1スペインGPでは、フェラーリがようやく新車を投入して、見事な勝利(だってミハエル、久々のポールトゥウィンよ〜!!!)をおさめたし!! 何か色々あったみたいで♪ あれだけ忙しかった行事が明けたのに、こんなにウキウキしてるのは何故だろう?何か妙に元気なんですが。 明後日コナンの映画見に行くせいかな〜?(笑)
……しかし、この元気は今のうちだけで、疲れが日にちを置いて出てくるようになってしまっただけだったらすげぇショック……。
GWの行事ラッシュも、ちょいと中休み。 ……いえ、明日からまた容赦なく始まるんですが。
登山の筋肉痛も、前回の下見の時ほどつらくはなくて、三日たったら全快♪ もっと元気な奴は、どーやら映画に行ったらしい。しかも二本。 『ロード…』と『シカゴ』に行ったらしいけど、前者はともかく、後者は、「…アレ?」…な感じだったそうな。 だからビデオ待ち決定(笑)。 今見に行くなら、コナンでしょー♪ 映画版は毎回かなり好き♪一番好きなのは、『世紀末の魔術師』なんだけど。
連休あたりに、行こうかな♪(←世間じゃ思い切り平日ともいう)
そしてイベント(大阪)が待っている♪
…さぁて、それらを楽しみに、明日からの行事ラッシュ、がんばりますか!
……あ、そうそう、ヒカ碁については、『北斗杯編終了』なので、まるっきり安心しています。 …ただ、あのヒカルが泣くシーン、もちっと「見せて」くれても良かったなぁと。 ただ、以前の、伊角さんと打って、自らの中に佐為のかけらを見出した時の、ものすごく哀しい泣き方ではなく、とても「人間らしい」悔し泣きをしてたので、その点では、ちょっとほっとしています。 アレと同じ泣き方されてたら、痛いですよ……。 えーと。ヒカルは確かこの時で…15歳だっけ?(作品上の季節が秋前だったらその筈だ…しまった、また作品上の季節忘れたよ) それによって緒方の絡み方が変わってくるな……ふふふ。
「アンタ、ヒカルファンというより、緒方好きだろ」 との友人の指摘が。 ……あー、確かに。 ヒカルは、「こうあってほしい」という願望があるけど、緒方さんの場合、白スーツでも、着ぐるみでも褌一枚でもタキシードでもニッカポッカでも裸ネクタイでも、「ああんステキ♪」…って思えるもん。 うわー、「どのようにいじっても大丈夫なキャラ」って、初めてだー。 サスガ緒方さん♪
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