2003年02月27日(木) |
ネタ振り逃げ上等!(今週のシュート!) |
神谷のかの字も出なかった………(笑)
ふふふふ…………ということはよ。ということはよ?! 神谷さん、もう9月の時点で、イタリアに行っちゃったんですね!(えらい早いな。…や、その方が良いけど。シーズンオフからチームに合流できてさ) そして、原作者が、あえて、神谷さんの渡欧のエピソードを外したということは、
その辺一連のゴタゴタあたりを、
思う存分、妄想(ネタ)って良い。
…という、原作者さまからのありがたい思し召しなんですね!!(←最早決め付け、思い込み)
ふふふふふ…………こうなったら、妄想(ネタ)らせて貰おうじゃないですか!!神谷さんがイタリアに行くと知った時の、斉木さんとか氷室とか加納兄弟とかヒロとか松下とか内海さんとかの反応を!!静岡オールスターズならぬ、全国選抜ユースが掛川に集結すること、間違いなし!! そして、空港でのドタバタとか!! それから、イタリアの空港で、横断幕掲げて歓迎する独逸勢&草薙とか!!(わざわざ独逸からイタリアに……来るだろな。団体でvv)
セリエAの、どこのチームなのかがまだ判明してないんですが、ここまできたら勝手に設定して、原作で違ったら、移籍させりゃいいか、なんて考え中♪
掛高については、健二がキャプテンじゃないのがちょっと残念だけど、和宏だから、まぁ許す!今週のシュートの内容についての感想はそれくらい。 それよりも、原作者にネタを振り逃げされたことに、狂喜乱舞しております♪
2003年02月26日(水) |
『初心者マーク2』(オガヒカ小ネタ) |
日本棋院の前に一台の白い車が止まったのは、梅の花が盛りの3月の晴れた日だった。 型は古そうだが、塗装が妙にきれいなので、おそらく中古車の塗装を塗り直しでもしたのだろう、と緒方は横目でちらりとそれを眺めながら通り過ぎようとする。 すると、パァン、とクラクションが鳴った。 「緒方さーん!」
運転席の窓からひょい、と顔を出したのは、先日初のタイトルをライバルの搭矢アキラから奪取したヒカルだった。 狭い囲碁界、天元戦での「搭矢アキラ一喝事件」は、「週間囲碁」が発売される前に上段者たちの間に広まっていた。もっとも緒方は、直接ヒカル本人から聞いていたのだが。 濃紺のスラックスにカッターシャツ、薄いブルーグレーのジャケットと、緒方にしてはかなりの軽装なのは、今日が手合ではないせいだ。スケジュールの確認と原稿の打ち合わせで午前中を費し、これから軽く食事でもするつもりだった。 緒方は、ゆっくりとヒカルのもとへ近づく。 「これか?…例の森下名人から譲られた車は」 「うんそう!…ちょっと色がくたびれてたからさ、貰った後、板金屋さん紹介してもらって、塗り直してもらったんだけど」 「スターレットの白……あまりの定番すぎて何も言えんな」 「いいじゃん〜。貰い物だから贅沢は言えないよ。色はさすがに、白はどうかなって思ったけど、色を変えて全塗装するのって金かかんだもん。どっちみち、これは車の運転に慣れるために、乗りつぶすつもりでいるしさ。同じ色に塗り直すだけなら、そんなに高くなかったから、そうしたんだよ」 緒方は改めてヒカルのものになった車を眺める。スターレットXリミテッド、5ドア。普通車の割に小さいから、小回りがきく分、初心者向けかもしれない。 車の前と後ろには、しっかりと、これまたおろしたての「初心者マーク」が貼られてあった。
「…で、今日はどうした。手合いの日じゃないだろう」 「うん。練習がてらドライブ」 「じゃ、そのついでに、この前連れてった「かんの」へ連れて行け」 ヒカルの許可もなしに緒方は助手席に回り、「開けろ」とばかりに顎をしゃくった。ヒカルは慌ててロックを外す(森下のものだったから、オートロックではないのだ)。緒方は遠慮のえの字も見せずにどっかりと助手席に座り、シートを後ろにずらした。 「ええと俺、あの店に行く道あまり覚えてないんだけど…」 「ナビくらいしてやる」 「言っておくけど俺、緒方さんみたいに運転上手くないよ?」 「初心者に大きな期待はしねぇよ。免許取る前から運転してたんだったら話は別だが」 緒方の言葉に、ヒカルはとんでもない!とぶんぶんと首を振った。そんな暇、あった訳がない。今回免許を取るのだって、手合いの合間をぬいぬい、二ヶ月以上かかってしまっているのだから。
「行かないのか?……奢りだぞ」 「行く」 即答したヒカルは、早速周囲を見廻してエンジンをかけた。先日、緒方がヒカルを連れて行った店は、毎朝、店主が築地で仕入れてきた旬のネタを天ぷらにして熱々のまま食べさせてくれるので、ヒカルのお気に入りの店のひとつになっている。 ウィンカーをつけ、初心者の運転にしてはスムーズにクラッチをつなぎ、ヒカルは車の流れに何とか入った。
緒方は珍しく言葉少なに、車線変更のポイントや曲がり角の指示を早めに出すくらいで、沈黙を守っていた。案外、ヒカルが初心者の固さはあるものの、丁寧な運転をする事に気がついたのだ。スピードを出すのはまだ怖いと見えるが、これならば、横からうるさく言うよりも、黙っていた方がヒカルは運転に集中できそうに見える。もちろん、そう思いながらも一応周囲やサイドミラーは確認しているが。
赤信号で停車した時も、ありがちな前後にしゃくるような動きは見せず、スムーズに止まった。 「中古車にしては、エンジン音は悪くないな。サスの感触はさすがにどノーマルだが」 ふとした呟きに、ヒカルが吹き出す。 「何だよ」 「だって緒方さん、それじゃまるっきり峠か首都高の走り屋みたいな台詞なんだもん」 「走り屋になった覚えはないが、そんな風な奴等に高速であおられた事はあったぞ」 地方に対局に行ってきた帰りだったか。 「どうしたの?」 「気に食わないからブッちぎってやった」 ヒカルは、声を出してケラケラと笑った。あまりにも、負けず嫌いな緒方らしくて。 「いつまで笑ってる、歩道の信号が変わったから、もうすぐ青になるぞ」 「はーい」
ああおかしい、とヒカルは涙でにじんだ目を擦ってから、シフトレバーに手をやった。
2003年02月25日(火) |
『初心者マーク』(ヒカ碁小ネタ。ヒカル19歳) |
重苦しい沈黙が空気を支配し、 ただ、パチリ・パチリと石が寄せられ、整地されてゆく。 床の間には、「深山幽玄」 日本棋院の、最も位の高い一室で、日本屈指の若手棋士がふたり、対峙していた。
「一目半差で、後手、進藤五段の勝ちとなります」
記録係のおごそかな一言により、19歳対19歳、史上最年少のふたりで争われた天元のタイトルは、搭矢アキラから進藤ヒカルへと渡された。 アキラは天元・王座と二つのタイトルを手にしていたのが、これで王座のみとなる。一方、ヒカルは、早碁選手権・竜星戦は制していたが、八大タイトルを取るのはこれが初めてであった。 若手ながら、囲碁界を担う二人の棋士。戦いが終わってゆっくりと息をつく彼らとは別に、記者やカメラマンたちは興奮の面持ちでシャッターをさかんに切った。
「進藤!よくやったぞ!!」 上機嫌でモニター室から幽玄の間に顔を出したのは、打倒搭矢門下で有名な、森下名人だった。彼は先日、緒方十段碁聖より名人位を奪取したばかりであり、続いて自分の研究会に所属するヒカルが、搭矢アキラからのタイトルをもぎ取った。わが世の春とばかりのご機嫌さである。 「森下先生!見てたんですか」 弟子を祝福する師匠の図(正確には師弟関係ではないのだが)…というオイシイ構図に、カメラマンはさらにフラッシュをたく。 「おう!これでオメェもタイトル保持者だ!しっかりやれ!!」 ばしん、と勢いよく森下はヒカルの背中を叩く。その痛みに顔をしかめてものの、これも祝福の痛みだとヒカルは辛うじてこらえた。 「それからよぉ、進藤。あの車、お前にゆずってやるぞ」 「え?!先生、マジ?!」 「お前、先週免許取れたばかりだろうが。早いうちに乗り慣れておかんと、ペーパードライバーになったらもったいないだろう」 「…でも、いいの?先生の車は?」 「丁度買い換えようと思ってるとこだ。長年使ってきたボログルマだが、大事に使えよ!」 ヒカルは大喜びで森下に抱き着いた。
「やったー!先生ありがとーーーーっっっっ♪♪」 「タイトル祝いには粗末だけどな」 「ううん、そんなことない!!何か、今打ち終わったばかりで勝ったのは分かるけどタイトルなんてピンとこなくてさ。何か先生のお祝いの話で何かこう〜〜、タイトル取って良かった〜っ!て、そんな気がしてきた!」 感情表現がストレートな現代っ子を発揮して、ヒカルは素直に喜びを表現する。正直なその様子に、周囲も微笑ましくそれを眺めていた……が。
一部だけ、絶対零度の冷気をかもし出している人物がひとり。 満足のいく打ちまわしだったので、負けはしたものの、素直に負けを認めることはできた。森下の荒っぽい朴訥な祝い方も、彼らしいとのんびり眺めていた。 ……しかし。 「……ふうん。進藤、君は僕に勝った事よりも、車を(しかも中古品)貰う事の方が、タイトルを取ったという実感が湧いたというのか……」 ざわざわざわざわ。 アキラの周囲限定だった冷気が次第に拡大し、記者を、カメラマンを、記録係を、果ては森下までも凍り付かせてゆく。 凍らないのは分かっていないヒカルただ一人。
「…へ?だって、すっげー面白い碁だったからさ。打つのに夢中で、これがタイトル決定戦なんて、すっかり忘れてた」 ぴた。 冷気が拡大するのが止まる。 「だから勝った、ってのは分かったし嬉しいんだけど、普段も碁会所で打ってて勝ったり負けたりしてるじゃん。俺たち。だから勝ってもそのくらいで、さぁ、検討してもう一局、って感じだったんだ」 再び冷気はざわめき始める。その場にいた人々は、頼むからこれ以上口を開いてくれるな、と願った。 …心の中で。 そのような願いはヒカルに聞こえる筈もなく。
「だから、『タイトル祝いだぞ』って祝福されて、そこではじめて、タイトル取ったんだなー、って、すっげ嬉しくなったんだよ!お前はそうじゃなかったの?搭矢」
「ふざけるなっ!!!」
「搭矢アキラ王座、一喝とともに対局場を去る」…なんて一文が載ったのは、その週の「週間囲碁」である。 天元という大きなタイトルと、師匠から車を貰える、と嬉々として喜ぶ進藤新天元の写真が、それとは対照的に映されており。それを偶然目にした将棋界の新鋭、加賀七段は、愛用の扇子をバンバン叩いて爆笑したそうである。
2003年02月24日(月) |
『お楽しみはこれから』(独逸小ネタ) |
「じゃーなっ!ハンス、また後で!!」 「18:00に空港だからね!遅れないでよ、ルディ!」 「心配するな、お前が来なくても俺がしっかりカミヤをエスコートするから」 「…あの運転でか?カイゼル。せっかく神谷がドイツに足を伸ばしてくれるんだ。印象を悪くされては困る」 「…う、ウルサイ!貴族は自分で運転なぞしないんだ!」 「バカイゼル!!アツシに何かしたらただじゃおかないぞ〜〜っっ!」 「誰がバカイゼルだヒヨコ頭!!」 「う〜わ、低次元」 「ああもう、ヴィリー、カイゼルをどっか隔離しておいてくれる?ルディ、急がないと、カミヤが好きなクロツカイムのバームクーヘン売り切れるよ!!」 「ああっしまった、行ってくる!!」 「ハンス、私生活になるとまるきり司令搭だよねー」 「…言わないでよ…マテウス。自覚はしてるけど」
独逸代表チームのロッカー室。今日は若者勢がとりわけ騒がしい。 「おい、今ルディ坊やがえらい勢いですっ飛んでったが、何事だ?」 いつもなら呼ばなくてもDFラインの事でつっかかって来るのに。と、代表キャプテン、カーンがロッカー室に入るなりバラックに尋ねた。 「…さぁ?でもルディばかりじゃなくて、今日は若手が妙に浮かれてるんだよ」 やれ飲み物はどこのビールが良いだの、それは邪道だの、ワイン蔵があるんだから5,6本くすねて来いだの、これから宴会でも始まろうかという勢いだ。
「おい、ヴィリー。今日は誰かの誕生日か?」 チームが同じなので気安いヴィリーに声をかけると、ヴィリーははじかれたように振り返った。 「あ…すみませんキャプテン。騒がしくして」 「いや、トレーニングは終わっているのだから構わない。…何の騒ぎだ?」 答えようとヴィリーが口を開きかけると、彼らの下から、マテウスがひょっこりと顔を出した。 「あのね、カミヤが来るんだよ♪」 僕が頼んでおいたパソコンソフト持ってきてくれるんだvv …と、いつもは気難しい天才少年までが早口でまくしたてる。 「いやだからカミヤというのは……」 「とんでもなく無礼な東洋の猿だ。ルディと色違いの」 「その猿に水ブッかけられたのお前じゃん」 「えー、俺見たかったなー。…あ、でもあいつがルディと色違いってのは正解」 「やかましい、ガイル、くだらん事を覚えてるんじゃない!」 「見物だったぜー、コイツの呆然としたバカ顔!…うぉっと」 「こら、カイゼル!ロッカー室で暴れるんじゃない!」 「離せヴィリー、…ゲイル、ガイル、逃げるな!」 「…カイゼルって、けっこう尻にしかれてる?」 「普段はそうみたい。でも押し倒されたらヴィリーが流されてるって感じ?」 「マテウス!!いらん事をハインツに吹き込むんじゃないっっ!!」 わあわあぎゃあぎゃあ。 とどまるところを知らない若者パワーに、世界屈指のキャプテン様が、咆えた。
「喧しい!黙れクズ共!!」
…フィールドの端まで響くすんばらしい罵声は効果覿面で、若者たちはそのまま凍り付く。カーンは、最も最適な人物にこの騒ぎの説明を求めた。 「……どういうことだ。ハンス」 あああやっぱり僕な訳ね、と内心ため息をつきつつ、ハンスは前に進み出る。 「日本の友達が…ドイツに来るんです。彼はカミヤといって、サッカーをしてるんですけど、すばらしいMFなんです!彼は今度、チームの契約や宿舎の下見でイタリアに来ていて、その帰りに今日と明日、ドイツに立寄るそうなので」 シュナイダーが思わず吹き出した。 「それで今夜は歓迎パーティーか?随分な浮かれようだな」 「スイマセン……」 「……カミヤ……?ああ、あいつか…?」 「知っているのか、オリー」 「直接プレーは見たことがないが、W杯のホテルの飲み会でいただろう、ノイビル」 「…ああ!ルディ坊やの腹違いの兄弟だろう?日本人の」 とんでもない認識の仕方だが、しかし正しい。…と、神谷を知る若手は思った。そしてルディがここにいなくて良かった、とも。
「それで?イタリアに留学に?」 話題に入りたくて興味深々だったクローゼが顔を出す。 「いえ。プロ契約で」 「C?B?」 「Aだそうです。セリエA。まだチーム名は聞いていないけど」 ヒュウっと、口笛を吹いたのはハマン。 「で…、何処でやるんだ?歓迎パーティー」 「場所が広いから、カイゼルの別荘で……と」 答えたヴィリーが、代表レギュラー勢の顔を見回して、顔をひきつらせた。まさか来る気か?! 頼りのキャプテン様は、上機嫌で着替え始めている。 「そうか……あいつか……確か、ビアホフのファンでもあったな。声をかけておくか」 めちゃめちゃ来る気だ。
今夜のカミヤの歓迎パーティーは、かなりの豪華メンバーになりそうである。
2003年02月23日(日) |
女の子化ネタもいいよなー、なんて… |
最近すっかり頭の中がネタ満載モード。 日頃のストレスがどれだけ溜まってたかというバロメーターのような気がしなくもないなぁ……。なんて。
そしてそんな中、「女の子化ネタ」が徐々に台頭してきております。 頭の中で、薫ちゃんや、ヒカルが女の子になってます。 もちろん、天然フェロモンまき散らしのハーレム状態なんですが。天然だから、「自分に人気がある」という自覚はまるでゼロな訳です。(笑) …よって、すべての気苦労は、乾先輩と緒方さんにいく訳ですな。
薫ちゃんはモデル系脚美人、ヒカルはカワイイ系ミニマム美人♪ 乾先輩と薫ちゃんは高校生かその上くらいに見られるくらいで問題はないけど、(ラブホのチラシを貰って、薫ちゃんが真っ赤になって乾先輩を張りとばして帰るとか) 問題は緒方さんとヒカルか(笑)。だってただでさえ童顔のヒカルなのに、ヤバイ系ハンサム(しかも白スーツ)の緒方さんと一緒に歩いてたらどう見ても援助交際……(爆笑)それがRX-7に乗ってるってんだからこらもー。 天然お子ちゃま相手に、どうする?!百戦錬磨の緒方二冠! ……男の子バージョンだと、ある程度知識があるんだけど、女の子になった途端、なんでここまで天然なんだろー?ってくらい天然になってしまった。 ちなみに、緒方さんがヒカルに着せる服はビスクドール風のもの……と設定してますが。やっぱまずいかな。
薫ちゃんは、男の子の時と服の趣味は変わらず。ミリタリー系好きです。…でもね、露出高めなので、乾さんはちょっと嫌がります。ヒップハングに、タンクトップだと間違いなくへそ出しになるんで、乾先輩は鼻血出しそうになったり、せめてタンクトップは変えてくれ、と薫ちゃんに頼み込んだりして大変ですな。……しまいにゃ、乾さんが暴走して、キスマークだらけで着れなくなるんですが。
神谷さんも……一日くらいなら、女の子化してもイイかもしんない。 髪伸ばして三つ編みにして、エプロンドレス着せてバスケット持たせるのよぅ♪(イメージとしては赤毛のアン) 独逸勢がこぞって神谷をチヤホヤすることでしょう………♪ ……………ん? いつもと変わらんか………(ありゃ)
……あ〜、ネタ考えてる時が一番楽しい。
2003年02月22日(土) |
『DEPARTURES』(ル神小ネタ) |
試合終了を告げる、ホイッスル。 その音を聞いた時に、 俺は、去年の夏から止まっていた時間が、動き始めるのを感じた。
「……アツシ」 「ん…なに?」 試合の熱をもてあましていた俺を抱きしめ、さらに熱く昂ぶらせて、上昇して、失墜した後。まだ軽く上下する胸をなだめるように、ルディが大きい肉厚の手で触れてくる。 少しくすぐったい感覚に身をよじりながら、俺はルディの肩口に額を寄せた。 ルディはそんな俺の顔を引寄せ、顔中にキスを降らせてくる。…さすが外人。キスが好きだよなぁ、と妙な事で感心してみたりして。 「試合後……医務室に行った後ダ。誰と話してイタ?」 ああ、見ていたのか。 ルディには隠す気がないので、正直に話す。 「…ん…セリエAのエージェント」 「フウン……イタリアも、アツシに目をつけていたのカ」 ルディは顔から首筋、胸のほうにキスを落して、すりすりと金髪をすりつけてきた。…なんか、でかい大型犬になつかれている気分だ。
「…怒らないのか?」 「ナニヲ?」 ベッドサイドの明りに反射する金髪に惹かれて、そっと触れて、指にからめる。…意外に柔らかい。 「『何で独逸に来ないんだ』って、怒鳴られるかと思った」 ルディは、俺の胸に軽く唇を触れさせて、そのまま低く囁いた。 「アツシに、独逸に来テ欲しいとハ、いつも思ってイル。サッカーを抜きニしてでも」 微妙に動く唇、吐息。言葉とともに触れて、感じる。
「…ダガ、同じサッカーをプレーする者としテ、セリエAは魅力的ダ。とても」 「ああ」 両手で、俺はルディの髪に触れる。それに促されたように、ルディは顔を上げ、俺に目をあわせてきた。
「俺は、アツシが世界ニ、俺たちと同じ舞台に出て来ることノ方ガ、嬉シイ。それが実現するのナラ、多少国が違っテいてモ、構わナイ」 ――独逸に来てくれれば、それは一番嬉しいけれど。イタリアだったら、まだ地続きだし、今までよりは、近くなる。 ルディの言葉に、俺は素直に微笑むことができた。 ルディの答えは、俺が、一番言ってほしい言葉だったから。
――まだ早い、とは思わない。 ――せめて高校を卒業してから――では、時間が無駄になる。 ――冬の三連覇はどうするのか――そろそろ、あいつらにチームを背負わせなくては、一人が居ないくらいで潰れる掛川では、ダメなのだ。 ――なぜイタリアに――一番早く、俺を評価してくれたから。日本の、プロにもなっていない、国際経験も乏しい俺を見つけ出し、評価してくれたから。
…きっと、これから待っているのは、俺が飛ぼうとすることを、阻む言葉ばかり。俺がどうしたいか、じゃなくて、俺をどう見ていたいか、という要求ばかり。 ……だから、ルディの言葉を聞きたかったのかもしれない。 先に、世界のプロサッカーで、力強く飛んでいるルディに。 そこで、「早く来い」と、俺が自分で飛び出すことを待っているルディに。
「独逸から、声がかからなかった訳じゃないぜ」 ルディがゆっくりと顔を寄せてくる。先手を取って、軽く顔を傾け、キスをした。 「でも、今、俺が手に入れたいサッカーは、イタリアにあるんだ」 ついばむようなキスを交わした後、俺は反動をつけて、ぐるん、とルディをベッドに押し付けた。 そして、ルディを見下ろしたまま、宣言する。
「俺は――世界に、イタリアに行く」
楽しみで、ワクワクする。こんな気分は久しぶりだ。 ルディも、同じように笑ってみせた。
「アア、楽しみにしてイル。UEFAで、対戦するのが楽しみダ」 「そっか。国内戦だけじゃないもんな」 「会いたくなっタラ、すぐニ飛んで行けル」 「アルプス越えて?(笑)」 「愛はアルプスを越えル。…我慢できなクなったラ、セリエAに移籍してもイイ。話はいくつか来ているカラ」 「うわ…、すっげー我侭」 「お前が言うカ?」
くすくすと笑いながら、ルディが俺の腰に手を這わせてくる。 俺も、ルディの割れた腹筋を指でなぞる。 きわどい所に触れられ、体がはねる。 じわじわと広がる熱。もっと熱いものを、貪りたくて。
欲しいものを、諦めなくて良いと教えてくれたのは、もうここにはいない親友。 それを許して、不器用な自分を見守ってくれたのは、掛高の、大切なチームメイト。 求め続けた先で待っていたのは………ルディ。
久保を失って、去年の夏から止まっていた時間。 それが、ゆっくりと動き出す。 少しくらい、急いでもいいだろう? 止まっていた時間は、短くはなかったのだから。
触れてくる手に、昂ぶる熱をさらにあおられながら、 俺は、欲しいモノを囁くため、ルディの耳に噛み付いた。
2003年02月21日(金) |
『この空をとべたら』(ヒカ碁小ネタ。ヒカル16歳) |
5月。 佐為は、この青い空に消えてしまった。 高く澄んだ、しかし秋と違って、鮮やかな青い空。 明るい陽射し。風がゆるやかに頬をなでる。 砂浜には、黄色い花が可愛らしく咲いて。
こんなきれいな季節に、佐為は消えてしまった。
「おい、進藤」 「…何?緒方さん」 振り向くと、緒方さんが煙草に火をつけながら立っている。 少し、寒そうだ。5月とはいえ、海辺の風は少しつめたいから。車で待ってていいって言ったのに。 「テーマパークとか、そういうのに行きたかったんじゃないのか?」 てっきりそっちに行きたいと言い出されるかと思ってた……という緒方さんの言葉に、俺はくすりと微笑った。 「…いいんだよ。俺が海に行きたかったんだから」
3月、搭矢のトコの碁会所で、「名人戦のリーグ入りできたら、好きな所にドライブに連れて行ってやる」と話をもちかけてきたのは緒方さんだった。俺が、緒方さんの車を気に入って、ずっと話してたし、早く免許を取りたいって騒いでたから。…発憤材料のつもりだったそうなんだけど、結果、俺は三次予選を勝ち抜き、リーグ入りを果した。…それが、5月の連休も明けた、昨日。 (佐為…やったよ) 対局室で呆けてたら、緒方さんがいきなり目の前に現れたんだ。突発出現は搭矢門下のお家芸なのかな? そしていきなりの質問。「何処に行きたい」 ……とっさに俺が思い付いたのは、「海」だった。
どこまでも続く海は、寄せては、返して。鮮やかな空の青を映して、青く染まる。そういえば、佐為は、海を見たことがあったのかなぁ……。 この、美しい青い空を愛した、優しいひと。 きっと、目の前に広がる海も、大はしゃぎしながら、喜んで好きになったに違いない。
「…空に、焦がれる人でもいるのか?」 緒方さんは、俺に並んで座りながら、ぽつりと言った。今日は白スーツじゃないけど、高そうなスラックス汚れるよ。大丈夫かな。 「……え?」 「空を飛びたいような、そんな顔してるからさ」 俺はちょっと吹き出した。 「緒方さん、結構詩人だね。人が空を飛べる訳ないじゃん」 そう言って、仰向けに転がり、両手を伸ばした。 「……でも、そうだね。本当にこの空を飛べたら、いいな」
……佐為に、会えるかな。
緒方さんは、何も言わなかった。普段はうるさいくらいちょっかいをかけてくるのに、こんな時は黙ってる。変な人だ。 …ただでさえ、4月から5月の俺は情緒不安定だといって、皆うるさいくらいに気を使ってくる。そして理由を探すんだ。「何がそうさせてるんだ」って。まるで腫れ物にでも触るように接してくる奴もいる。社なんかはそんな感じ。 例外は搭矢と緒方さんくらいなんだけど、搭矢とは、囲碁の話をして、夢中になれるから……正直、囲碁のことだけ考えていられるから、まだ、普通でいられるんだ。 緒方さんは……ちょっかいをかけてくる時は別だけど、ふとした瞬間に、沈黙が落ちる。慣れない時はしんどかったんだけど、時々、この沈黙が嬉しくなる。俺が、佐為の事を考えていても、一緒にいるのに緒方さんの事を放っておいても、緒方さんは緒方さんで何かやってたり、煙草をくゆらせたりして、何も言わない。 こっちに関心を向けてこないから、俺もひっそりと、その隣で息をつける。 誰も知らない秘密を抱えながら。
5月。 こんな綺麗な青い空に、佐為は消えてしまった。 ……俺の、せいで。
ぱたりと、俺は空に差し上げていた両手を砂浜に落す。どれだけ伸ばしても、佐為には届かないから。 もし、この空を飛べたら、届いたんだろうか。 人は飛べないけれど。 大地に、足はすいついたまま、ただ空を見上げるだけ。 神の一手を求め、はるかな高みを望んで。
「……遠いなぁ………」
思わず呟いた言葉に、緒方さんの煙草の煙だけが、ゆらりと揺れて。 ゆっくり、空に昇って、消えていった。
2003年02月20日(木) |
無性に歌が歌いたい。 |
…今日ケアハウスで、慰問にコーラス隊で歌ってきたんですが。 そこのケアハウスの入居者の方々も、有志でコーラス同好会があるらしいんですよ。 そこがねー、 「冬景色」 「ローレライ」 「野ばら」 「知床旅情」 を歌ってくれまして。
…今、無性にコーラスで、日本の唱歌を歌いたくって仕方がないのです〜〜!! 「早春賦」とかー、「花」とかー、「おぼろ月夜」とかー、「荒城の月」とかー、「もみじ」とかー、「ふるさと」!!「ほたるの光」に「仰げば尊し」!! その他、エーデルワイスとか、スカボローフェアとか、 歌いたいんだよぅ! 今度楽譜探しに行こうっと。指揮者の人に相談してみるのだ。
それから、「知床旅情」を聞いて火がついちゃったのが、加藤登紀子熱!! 何か最近ツボでして。 『紅の豚』のエンディングの「時には昔の話を」も好きなんですが、 私の頭の中でぐるぐる回ってるのが、 「この空を飛べたら」 ……中島みゆき作詞作曲〜。 澄み切った空にひとりたたずんで、泣きながら空に焦がれるような、どうしても届かないそらに焦がれるような、切ない歌なんですが、きれいでね〜。でも悲しいくらい済んだメロディーでね〜。 すっっっっっごく、歌いたいんですよカラオケでも何でも!!
あー、思い切り気が済むまで歌いたい!
2003年02月19日(水) |
『決戦は金曜日4』(オガヒカ小ネタ) |
何か派手にギャンギャンやってるなぁ、と思ったら、緒方さんは容赦なくボタンを押して電話を切ってしまった。「ったく、あのバカは……!」なんてブツブツ言いながら、テレビの前のソファに乱暴に座る。芦原さんのペースに、馬鹿にしつつも引きずられてるよ。何かカワイイよなぁ。 「お待たせ〜。はい、エスプレッソ」 「ああ。やっとメーカーの使い方覚えたんだな」 「しょーがないだろー。エスプレッソなんかここでしか入れないんだし。…はい、今日はデザート付きな」
…あ、固まった。
「…進藤」 「ん?」 「俺が甘いもの嫌いなのは、知ってるよな?」 「うん」 「…で、コレは何だ」 「だって今日バレンタインだしー。俺の気持ち?」 「……………………」
…あのね。別にたかだかデザートなんだから、そんな妙な顔で悩まないでくれるかな。そりゃ、手抜きかもしれないけど、(材料はコンビニで買ったから)味は保障するって。この組み合わせで、ヘンなものになる訳がないんだし。(ゴメン。量が少なかったから味見してない)
「とりあえず、一口だけでも食べてよね。それとも、俺の気持ちなんて、受け取る価値ない?」 平気そうに言ってるけど、実は内心すごく怖い。これでつっ返されたら、時間がかかろうとなんだろうと、走って家まで帰りたい気分。泣いてすがって、緒方さんのジャマになることだけは、できないから。 「……んな訳ねーだろーが。だから、そんな顔するな、ヒカル」 …今、初めて名前で呼んでくれた? 緒方さんがくれたのは、少し柔らかい低い声と、それで紡がれた俺の名前と、唇に、触れるだけのキス。 最後に、碁石を弄ぶ大きくて骨ばった手で、俺の髪をぐしゃぐしゃとかきまわした。
そして、緒方さんはスプーンの先にデザートを少しすくって、食べてくれた。 「……どう?」 緒方さんは何も言わずに、二口目を口にする。 「…ん。悪くない。これくらいなら食える」 「よかったぁぁぁぁ。上にかけてあるのがね、無糖のココアパウダーだから、そんなに甘くならない筈なんだ!」 ああよかった。俺はホッとして、カフェオレをひとくち飲んだ。
「ティラミスに似てるが……違うな。何だコレ?」 「でしょ?緒方さん、前にイタリアンレストランに行った時に、ティラミスは食べてたから……こういうのなら大丈夫かなって。でもよかったー。食べてくれて。それでね…」
あまり突っ込まれないように早口で別の話題にもっていこうとしたけれど、流石、緒方二冠。大事な死活は見逃さない。 「ヒカル」 ずい、と顔が近づいてくる。「教えろ」と無言の圧力。 えーと………材料の出所が出所なんで、あまり言いたくなかったんだけどなぁ……。
「『なんちゃってティラミスもどき7−11風』」 「はぁ?」
「あのさ、今日に限ってお金持ってなくて……持ってたら、ビターチョコとか、デパートで良いの買ったんだよ?…でもさ、千円しかなかったし、緒方さんの家に来るのに電車賃もあったし……でも、せっかくのバレンタインだから、何か、あげたかったんだよ」 せっかく、想いを形にして贈る日なのだから。 「それで、甘いもの嫌いの緒方さんが、ティラミスなら食べてたのを思い出してね。…でも、コンビニのって甘いからさ。だから、柔らかいレアチーズケーキ買って、さっきコーヒー用意してる時に、器に盛って、ココアをふりかけたんだ。……それだけ」
ごめんね、ちゃんとしたの、あげられなくて。安物で、ごめん。 そう思ってうつむいたら、頬に手が添えられて、上を向かされた。 口づけられて、感じる。ほのかに甘いレアチーズと、苦いココアの味。
「ココアは、ここに置いてあるのを使ったのか?」 「……んっ…うん……ここにあるのは……砂糖…入ってないし…」
緒方さんは、俺に口づけている合間に、吐息だけで、くすくすと笑ってる。唇に、その感触が伝わる。 「気に入ったから…今度買いに行こうと思ったんだが……そんなに手軽に手に入るんなら、また作ってもらおう」 「ん……い……いよ………ひゃうっ!」 いつのまにか大きな手は俺の肌を這いまわり、濡れた舌が、耳をなぞる。その音だけで、ゾクゾクするのを、止められない。
「お前の気持ちは確かに味合わせてもらったからな……今度は、お前が俺を味わえばイイ」 ゆっくりと、緒方さんの舌が首筋を舐める。うそつき。俺を味わってるのは、緒方さんじゃないか。反論したいけど、…もう、意味不明の声にしかならない。
「存分に味わいな」
その低い声に、俺はびくりとして、緒方さんの肩に軽く噛みついた。広い肩、厚い胸、しなやかな腕、大きな手、長い指…そして脚。それから……いちばん、熱いソコ。 味わって、いいの?カンジテ、イイノ? 緒方さんの体………そして、心。
それを許すかのように、俺は緒方さんに抱きしめられて。 俺は嬉しくなって、自分から、キスをしかけた。
ただの風邪だと思ってたんですが……。 喘息に移行しかけたんでちょっとあせった。
幸いな事に発作はでてませんがね。 こーなると、マジで動けなくなるんです。 ええ。二階へ行こうと階段登るだけで、全力疾走した後と同じ状態になります。(苦笑) 呼吸がね、うまくいかないから、動こうものなら、全身に酸素がいきわたらなくて体が酸素不足みたいになるんですよ。 じっとしてるとなんともないんだけど。(熱なし、咳なし、喉の痛みなし) ただし、何ともないからって動くと……悪化する。
こーなったら、安静に寝てるしかないんですなー。(苦笑) 不思議なもんで、普段ならこれだけ寝てたらうざったくなるんですが、(退屈だし)体が休憩を欲するのか、ラジオかCDかけてれば、体もしんどくないし、退屈もしない。いや、かえって心地良いんですよ。
昨日一日がこんな感じ。 今日は起きてます。仕事してます。 ただし、まだ大声出したり走ったりは自重してます。
2003年02月16日(日) |
『決戦は金曜日3』(オガヒカ小ネタ) |
「緒方さ〜ん、ごめんねー。遅くなってー」 謝りながら緒方さんの部屋に入ると、二重の鍵をかけてチェーンもつけた。このマンションは暗証番号と鍵なしでは建物の中にすら入れないのだけれど、それでもきっちり鍵をかける。マンションのセキュリティだけに頼っていても、浸入する手段はいくらでもあるんだそうだ。 ピッキング防止に、緒方さんはマンション備え付けの鍵を外し、二重のものにつけ替えさせた(それもご丁寧に方式の違うヤツ)。そして、アナログだけど、チェーンもつけておく。何かすごいよな。緒方さん、しばらく海外で暮してたことあるのかな。 勝手知ったるで、リビングに行くと、緒方さんはパソコンの前で棋譜の整理をしていた。 「メールは貰ってたが…そんなに検討が長引いたのか?」 たかが天元戦本選の一回戦だろうが。 「一柳先生に掴まったんだよ〜。あの人、無視してても一人でどんどん喋るからさぁ」 台所に行って、冷蔵庫に買ってきたものを入れる。コンロにある鍋の中身を覗くと…ラッキ、クラムチャウダーじゃん。パスタ茹でてスープスパにしよっと。 「…一柳先生のアレは有名だからな。高段者の間じゃ「落語」って呼ばれてるぜ。おい、パスタ茹でるなら俺の分も茹でておけ」 「何ソレ〜?「落語」なんてまんまじゃん!緒方さんも、ごはん食べてなかったの?」 「今日みたいな日は、どこの店もうざったいんだよ」 あー、そうか。バレンタインだもんなぁ。緒方さんが食べに行くような店は、普段行き付けないようなカップルでごったがえす訳だ。そりゃ緒方さん嫌がるな。下手すると、逆ナンなんて、高級レストランじゃありえない事をする輩もいそうだし。 …実際、クリスマスの時にあったらしい。食事をしに来ただけの緒方さんは一気に気分を害し、ギャルソンが止めるのも聞かずに席を立ったそうだ。「料理の金は払うが、不愉快な場所にこれ以上居続ける義務は俺にはない」緒方さんは、例の有名な「ガンとばし」とともに、低く、静かに言い放ち、それ以来そのホテルに、泊りはしてもレストランには決して行かない。 「大人げない緒方二冠伝説その3」として芦原さんに教えてもらったけど、そうでもないだろうとオレは思う。その場で怒鳴りつけなかっただけでも上出来だよ。そのレストランの「雰囲気」を大事にして、あえて店の人を威したくらいで済ませたんだんだろうし。逆ナンしてきた女は、きっと一ミクロンも考えてなかったと思うけど。それは自業自得だ。 そう言ったら、緒方さんは不機嫌そうにそっぽを向いただけだった。何か様子が違うので、行為の後にベッドで聞いたら、搭矢名人にも、同じようなこと言われたんだって。しかも、「よく我慢できたね」。……悪いけど、悪いと思ったけど、これには爆笑させてもらった。流石というか…何というか。やっぱり緒方さんの師匠だよ搭矢先生!俺が笑いすぎて、おかげで緒方さんむくれちゃって、機嫌取る為にコスプレする約束させられたけど、こんな楽しい話聞かせてもらったんだ、スカートくらいはいてやるって。(外行くんじゃなきゃ)
とりあえず、パスタを茹でて皿に盛り、温め直したクラムチャウダーをかけて、上にチーズを乗せる。その間に緒方さんは冷凍温野菜をレンジでチンしていた。(結構野菜好きだよな)それとビールの用意。 食事しながら緒方さんがしてくれた一柳門下の話は、けっこうすごかった。俺、森下先生の研究会でホント良かったと思ったもん。まる一日正座したままあの先生の話をステレオ放送で聞くなんて、絶対耐えられない。ホント、囲碁界って、高段者―しかもタイトル保持者とか近い人になればなるほど、変人率って高くなるよなぁ。 「そう見ていくと、森下九段は確かに貴重な常識人だな。……おっと」 片付けようとしたら、電話が鳴った。 「緒方さ〜ん。コーヒーでいい?」 「ああ、できればエスプレッソ」 「らじゃ」
緒方さんはよそ行きの声で電話に出たけど、それはすぐにガラが悪くなった。相手は芦原さんだな。
…さて、好都合なことに緒方さんは台所にいないし。 本日のメインデザート、仕上げさせてもらいますか。
そうして俺は、冷蔵庫からコンビニの袋を取り出した。
2003年02月15日(土) |
『決戦は金曜日2』(オガヒカ小ネタ) |
やっぱりというか、当然というか、一柳先生を交えた検討は、長引きそうだった。 途中で、気を利かせてくれた事務職員さんに声をかけられなきゃ、どーなってたかと思うと、ちょっとゾッとする。2時半には対局は終わってたのに、検討を途中で切り上げてですら5時だぜ!5時! それから、事務局へ行って俺宛のチョコを受け取って……そのまま持ち帰るのは絶対無理だったので、数だけ数えて(あれだけ言われたら報告しなきゃマズイよな)、あとはプレゼントも含めて全部、子ども用の囲碁のイベントの商品とか、おやつに使ってもらうように頼んだ。 「いいのかい?」 「あー、いいのいいの。だってこんなにチョコ食ってたら、いくら俺でもハラ壊すもん。倉田八段が欲しそうだったらあげてよ。ただし、その時は包装紙外してね」 それでも、全く持って帰らないのは…と職員さんが遠慮するので、プレーンの、溶かして加工しやすそうなチョコレートを2つほど選んで、ファンレター(これは持って帰らなきゃいくらなんでもかわいそうだから)を入れた紙袋に突っ込んだ。これを使って、今度母さんにチョコレートケーキでも作ってもらおう。
職員に声をかけて、事務所を後にする。事務所のデスクには、地方対局で東京にいない搭矢のぶんらしいチョコが山積みされていた。こうなったら箱詰めして搭矢邸に宅急便を出そうかなどと相談している。…棋戦やイベントのスケジュール調整でただでさえ忙しいのに…大変だぁ。
外に出たら、もう暗くなっていた。そりゃそうか。7時まわってる。 まったく……予定では夕方には緒方さんの家に行ける筈だったのに。一柳先生め、覚えてろよ!次に対局した時には、中押し勝ちしてやるからな!
…さてと。一柳先生へのリベンジは置いといて、本題は、緒方さんへのチョコだ。「関心がない」って言いながら、結構アニバーサリー男だからなぁ。 去年はそういう仲ってほどじゃなかったから、渡してない。 今年はわざわざ2月14日に、「対局が終わってから家に直接来い」って言ってきたって事は、やっぱ、期待されてる?
どうしよう。 緒方さんは、普段は甘いものは口にしない。 緒方さんが食べる甘いモノって何があったっけ……えーと。洋酒飲む時に、俺にしてみりゃ苦いくらいのチョコレート食べてたっけ。あと果物…バニラアイスは風邪ひいた時だけだし……あ、そういや、食事に行く時も、果物以外のデザートって、俺が緒方さんのぶんまで食ってるな。 ビターチョコレート……買いに行ってもいいけど、デパートでそれ買ったら、今度は緒方さんちに行く電車賃なくなりそうなんだよなー。今日、ポケットに千円札っきゃ入ってないし。 …あれ?そういや、こないだイタリア料理の店に行った時、緒方さんデザート食べてなかったっけ? 表面が茶色の…甘くないけど、濃厚な………。
ポケットには千円だけ。 目の前にコンビニ。
本当は良いものをプレゼントしたいけど、今日…2月14日を外すことはしたくない。だから、今俺が思いつくせいいっぱいのものをあげよう。(予算内で)
そういえば今日は金曜日。 『決戦は金曜日』って歌があったっけ。前に、冴木さんが歌ってた。 なんとなくおかしくて、俺はその笑いをこらえながら、コンビニのドアを開けた。
この夜が だんだん 待ち遠しくなる
はりつめた気持ち 後押しする
2003年02月14日(金) |
『決戦は金曜日』(ヒカ碁小ネタ。ヒカル17歳) |
今日が何の日かなんて、対局が終わってから初めて気付いた。
「そういえば進藤くん、バレンタインのチョコは何個貰ったかね?」 天元戦、本選の一回戦。松田七段との対局に勝って、さてこれから検討を…というところで、一柳先生がひょっこり顔を出してきてそう言った。相変わらず、落語家みたいなにこにこ顔で。これが対局してて本気になったら、達磨みたいに真っ赤になって睨み付けてくるんだから、化けるよなぁ。ホント。 「…へ?バレンタイン?あ、そうか、今日でしたっけ!」 「おやおや、気がつかなかったのかい?」 「今日が2月14日ってのは分かってたんですけど…「バレンタイン」とつながってなくって。対局もあったし。…あ、それでかぁ。朝、出がけに母さんが「寒いからホットチョコレート飲んで行け」って言ったのは」 大マジでそう言ったら、一柳先生はひょっとこみたいに目をまるくした。 「おやおや、若いのに、意外だねぇ。帰りに事務所に寄ってごらん。たくさん届いてるらしいから。いやぁね、高段者の間で、結構話題になってんのよ。今、若いモンが台頭してきて、しかもカッコイイのからカワイイのまでよりどりみどりだろう?」 一柳先生はパチン、パチンとせわしなく扇を閉じたり開いたりしている。あああ、きっと俺は「カワイイ」に分類されちゃってるんだろうな……17なのにもう背が伸びる気配はないし、未だに中学生?って言われるし。 「…こりゃ今日は、事務所はチョコレートだらけになるんじゃないかって話でねぇ。いや私宛のも届くんだよ、これが。たかがチョコといっても、嬉しいもんだよ。「ごんたろー」っていうチョコが美味くてねぇ。食べたことあるかい?…何、知らない。あれは美味いよ〜。今度貰ったものの中にあるといいねぇ。だからさ、進藤くん、何個貰ったかはちゃんと数えておいたほうがいいよ。明日にでも教えちゃもらえないかな。いやそりゃあ君の方が多いのは分かってるから、別にアタシは機嫌を悪くしませんよ…」 放っておくとどんどん続くので、とりあえず突っ込む。 「一柳先生」 「はいよ」 「…若手棋士で誰が一番にチョコレートを多く貰うか、賭けてませんか?」 俺の言葉に、一柳先生はそれこそ目を糸のように細くして笑い、ぱちん、と頭を叩いた。…ビンゴだな。 「いや、ばれたか」 バレいでか。 「まぁ、そういう訳でねぇ。是非貰ったチョコの数を教えてほしいんだよ。おお、アタシに会えなきゃ、桑原本因坊か座間王座に報告しておいてくれてもいいよ。搭矢元名人の家に行くことはあるかい?だったら、搭矢元名人に伝えてくれてもいいよ」 (…タイトル棋士って、変人ばっかかよ……) これは、俺と松田七段の共通の心の声だと思う。うん。絶対。 「搭矢元名人まで、その賭けに参加してられるんですか?」 松田七段の問いはもっともだ。俺もそれ、聞きたかったもん。 一柳先生は、それこそ目を丸くした。 「そりゃあ、彼が胴元だもの」 ………許されるものならば、俺はその場で白と黒の石が並べてある碁盤になつきたかった。ううう。搭矢の奴が変人なのも、親に似たと言われれば納得しそうで頭がイタイ。
「ああ、ホラホラ、君たち、検討しないの?」
(アンタのせいでできなかったんだってば!) やっぱり心の中で松田七段と叫びつつ、席を立つ様子のない一柳先生に、俺たちは、この検討が恐ろしく長くなることを覚悟した。
…それにしても、今日がバレンタインだって忘れてたのはうっかりしてたな。多分夜にはめぼしいチョコは売り切れてるだろうし…緒方さん安物の甘いチョコは食べないし……。 …さて、どうしよう?
2003年02月13日(木) |
『甘い香り』(皇帝狼小ネタ) |
珍しく完全オフの日、ヴィリーはいそいそと小麦粉やら玉子やらを抱えて俺の屋敷にやってきた。 理由は、何でもウチの厨房が広くて扱いやすいからだそうだ。それはそうだろう。ドイツでも名家のバッハブルグ家だ。パーティや晩餐会を開くのに、厨房が広くなくては人数分の料理など作れる訳がない。
かくて毎年、2月の初めのオフには、ヴィリーがウチの厨房にやってくる。もはや年中行事のようなものだ。 ルディが言うには、日本に留学した後から続いている習慣らしい。 …まぁ、日本のような辺境の島国だ。土着の習慣があっても不思議はなかろう。
ひとりごちつつ厨房の扉を開けようとしたが……鍵がかかっている。 ちっ。やはり知恵をつけたか。 去年、やはり同じように厨房にやってきたヴィリーのエプロン姿はかなりクルものがあった。…ので、思うままに、エプロン以外のものはすべて剥ぎ取ってそのいやらしい姿を堪能し、ヴィリーがねだるままに思い切り突いてかき回して、出してやったのだが、その後しばらくの間ごねられた。 最後にはあいつの方もねだって腰を振ってきたのだから、俺だけのせいではないだろう。一方的に俺だけを責めるのは理不尽というものだ。
こうなるとあのヴィリーのことだ。入口という入口、窓もすべて施錠しているに違いない。あいつが厨房にこもってから4時間……今が昼の1時だから、3時のティータイムには出てくるだろう。イギリス人かと言いたくなるほど、ヴィリーはお茶の時間を欠かさない。 またの機会を狙うことにして、俺はしばらく手入れをしていなかった温室へと向かった。
俺がシーズン中で温室に入れない時は、家の庭師が入るから、そんなに荒れたりはしていない。 外の寒さが嘘のような暖かさの中で、気になる枝を切り、咲き終わった花を剪定してやって、つきすぎた蕾を少し取ってやる。鉢植えの様子も見て、頼りなげな苗には添え木をしてやった。 それから、ざっと見廻して、今日のティータイムに飾る花を考えた。 ふと、一際鮮やかな黄色の花が、目にとまる。
冬の弱々しい陽射しに金色に輝くような…ゴールデン・セプター。剣弁高芯咲きのそれは、その権威を示すかのように咲き誇っていた。 セプターとは王権の象徴として王が持つ笏のことだ。また,「王権,王位」等の意味もある。つまりゴールデン・セプターとは、「黄金の王笏」となる。 そういえば、この花は花の色も知らずに、名前が気に入ったので買ったのだったか。そう思いながら、十数本ばかり切ってゆく。
「カイゼル?いるのか?」 薔薇の香りがたちこめる温室の中、異なる香りをもたらしながら、ヴィリーが顔を見せた。 「ほう…おこもりはもう済んだのか?お姫さま」 ヴィリーは「お姫さま」呼称に反応したのか、さっと赤くなる。 「…誰が姫だっ!そろそろティータイムだから、わざわざ迎えに来てやったのに」 赤くなったまま、拗ねるように眉をひそめる。……だから、それが男を誘うのだというのに、まだ自覚がないのか。こいつは。 そう思いながら、腕の中の薔薇ごと、抱きしめた。首筋に顔をうずめると、チョコレートの甘い香りがたちのぼる。…これか。さっきからの甘い香りは。 舐めたらそのまま甘い味がしそうだったので、そうした。ねぶるように耳に舌を這わせる。ヴィリーの背中がぞくぞくと震えるのがわかった。相変わらず良い感度だ。 「や…カイゼル……薔薇の棘が……痛い……」 震える声で訴えられるそれを無視して、唇をふさぎ、さらに抱きしめた。結果、ヴィリーの体に、ますます薔薇の棘が押し付けられる。そして、俺の手にも。突き刺さる痛みは、しかし、ヴィリーとのキスの快感にまさるものではなかった。
痛みに業を煮やしたのか、ヴィリーが身をよじる。少し緩めた腕から黄金色の薔薇は無造作に地に落ちた。 「……んっ……カイゼル…お茶の……時間………」 「だからお前を食べるんだ」 「……?…っ、ああ………!」 ヴィリーが力を抜いたところで、素早くシャツの下から手を差し込み、白い肌に咲く蕾をいじってやる。 「あきらめろ……こんな甘い香りをさせている、お前が悪い」 快感に崩れ落ちそうになる体を支えながら、先程のキスで赤く濡れた唇を、舌でねぶった。 甘いチョコレートの味見をするように。そして、潤んだ瞳に、宣言する。 「じっくり……味わわせてもらう」
その後の時は………薔薇が、知っている。
2003年02月12日(水) |
『居場所』(ル神小ネタ) |
見渡すかぎりのグリーン、芝のきれいなフィールド。 のんびり散歩できる大きな公園。 美味いフランクフルトソーセージを売っている屋台。 お気に入りのバウムクーヘンの店。 ハンスん家の屋根裏。 カイゼルん家の迷路のような庭園。
ドイツに来てからできた、お気に入りの場所。
そしてもう一つ。 ルディの家のリビングにあるソファ。 それはほこほこと日当たりの良い場所に置いてあって、(夏は涼しい場所に移動する)まさしく、くつろぐにはもってこいだった。 しかも、外国人サイズだからか何なのか、異様にでかい。ルディが思いきり寝転がって、手足を伸ばしても支障がないというのだからすごい。 ハンスが教えてくれたけど、このソファを買う時、ルディはそうやって…つまり、寝っ転がって点検して、それで気に入って購入したそうだ。 ……ベッドじゃないんだぞ、おい。
それでも、このソファが居心地が良いのは本当で。 ついつい、お茶を飲むのにも本を読むのにも、このソファを使うんだよな。
そしてそのソファの持ち主はといえば。 俺の膝を枕に、無駄にでっかい手足を伸ばしてくうくうと惰眠をむさぼっている。 こいつ本当に昼寝好きだよな。 ソファを、座るんじゃなくて寝転がって選んだあたりで、このソファはもう、昼寝用と決定されていたんだろう。眠っていない時でも、座っている事などめったにない。やっぱり、俺の膝を枕にして、テレビを見たり、本を読んだりしている。
膝の上に乗るルディの頭は、確かな重みを感じさせてくれて。 鼻や口の辺りに手をかざせば、息が当ってちょっとくすぐったい。 春先のやわらかい陽があたったルディの金髪は、本当に綺麗で。柔らかくて、ふわふわしてて、ついつい、指にからめて触るのが癖になっている。
…俺も相当終わってるなぁと思いつつ、 読みかけの本を閉じて、そっと姿勢を楽にする。 ――膝で眠るルディを起さないように。 そして俺は目を閉じた。
慌ただしいシーズン中のオフ。 お互いが居るこのソファが、今一番お気に入りの居場所。
2003年02月11日(火) |
『蝋梅3』(オガヒカ小ネタ) |
「…ヒカル…」
どこかで自分の名前を呼ぶ声がする。 以前は、しょっちゅう佐為に呼ばれていた。あまりに名を連呼するものだから、犬じゃないぞ!と怒った事もある。
19歳になった今、名前を呼んでくれるのは、両親くらいのものだ。隣の幼なじみは短大に行ったきり、会うことはめったになくなってしまった。 いや…もう一人いる。自分よりもひとまわり大きな腕と胸で、力強く抱きしめながら……大きな骨ばった手が、顎をとらえ、心の中に染み通るように、囁いてくるのだ。低く、濡れた声で…………
「ヒカル…ヒカル?」
その声が現実のものだと気づいた時、ヒカルの目の前には緒方が立っていた。 「あ……あれ?緒方さん、もう着いてたんだ?」 「ああ。道がすいていたから、予定より早く着いたんだ。お前こそどうした?丁度3時だ。時間通り来るなんて。おかげで京都は雪になるぞ」 くつくつといつもの皮肉めいた笑みを浮かべて、緒方はヒカルをからかう。 「ひっでーなー。俺だってたまには時間より早く来るよ。…ちょっとこの花に見とれてて、時間経っちゃったけど」 「……花……蝋梅か」 「うん。昔さ……この花の名前を教えてくれた人が言ってたんだ。春の訪れを、香りで知らせてくれる花だって……」 「ほう…なかなか風雅な奴じゃねえか」 「そうだな……俺の知らない事、いっぱい教えてくれたよ」
現代のことは何も知らなくて、俺がたくさん教えたんだけど……
『ヒカル、ヒカル!これは何ですか?!』
まだ鮮明に覚えてる、澄んだ声。 ヒカルは寂しげに微笑んだ。 緒方はその表情に気づきはしたものの、何も言わずに、蝋梅の花に手を添えた。 「塔矢先生から聞いたことがあるが、この花びらがまるで蝋細工のように見えるから、『蝋梅』と名付けられたんだそうだ。中国原産だから、『唐花』ともいうらしい」 「へぇ……塔矢先生、流石物知りだね」 「先生の家の庭にもあるからな。見た事ないのか?」 「見られる訳ないじゃん!あの家に行ったら、すぐ塔矢に碁打ち用の和室に引っ張りこまれてさ!塔矢先生がいたら先生と対局だし……オレ、あの家は玄関と和室とトイレくらいしか知らないよ!!」 眉をしかめて文句をたれるヒカルに、緒方はくつくつと笑う。その光景が目に浮かぶようだ。 「…まぁ、アキラ君ならそんなもんだろう。あの家では、それだけ知っていれば十分だ。言っておくが、寝室まで知ってるなんてぬかしたら、ダダじゃすまないと思え」 ぐい、と顔を近づけられた。 ここが人目がある旅館の入口前だからこれだけで済んだが、そうでなかったら、身体ごと抱きしめて、引き寄せられそうな勢いだった。 途端にヒカルは真っ赤になる。 「し、知るかよ、そんなの!緒方さんならともかく、なんで塔矢の寝室なんか知ってなきゃいけないんだよ!!」 冗談じゃない!とまくしたてるヒカルの髪を、緒方はぐしやぐしゃとかきまわした。いつもは煙草の匂いがするそれが、今は、さっき触れた蝋梅の花のせいで、ふわりとした柔らかい香りがする。 「一応模範解答だな。ご褒美に、京都の老舗の和菓子を買ってやろう。…行くぞ」 緒方は先に踵を返した。ゆっくりとした足取りで、広い背中が離れてゆく。今日はスーツは茶色だったが、コートが白だったので、いつも見慣れた、白い背中だ。 普段はとんでもなく強引なくせに、時々、緒方はヒカルに選ばせる。夜、これ以上ないくらい束縛してくるくせに、ぽぅんと、放り出されるような感覚。 でも、そんな時に、ほっと息をついている自分も確かにいるのだ。ヒカルは、まだ、大きな秘密を抱えている。きっと、緒方はそれを知っているのだ。知っていて、しかし追求してこない。まるで、ヒカルが秘密を抱えることを、許すかのように。放り出すのは、緒方らしい優しさの形。 (放り出されて、「淋しい」とも、思ってるんだけどな)
離れて行く白いコートの背中に、ヒカルは呼びかけた。 「ねぇ、緒方さん!」 「…んだよ。置いてくぞ」 「俺に蝋梅の花を教えてくれたのはね、俺の…師匠なんだよ!」 師匠という言葉では陳腐なくらい一緒にいた佐為だけど、今はこう言わせてもらう。自分の囲碁の師匠は、間違いなく彼だから。 緒方は振り返った。コートのポケットに手を突っ込んだまま、ふうん、という表情で。 「ヒカル…蝋梅の花言葉、知ってるか?」 「へ?」 「蝋梅の花言葉は……『慈愛』だそうだ」
緒方がそうヒカルに告げた時。 ヒカルは、今にも泣きそうな、しかし極上の笑顔で駆け寄り、緒方の胸に飛び込んだ。
蝋梅は、ひっそりと咲いて、そんな2人を見送っていた。
2003年02月10日(月) |
今週のヒカルと薫ちゃん!(ネタバレ警報発令) |
今日のは完全にネタバレですんで、気をつけてくださいね〜。
WJ読みました!!! 嬉しさにジタバタしております!! まずテニプリですが、千石vs神尾!! タイブレークで、体力の限界がきてる時に、思い出したのは………!
薫ちゃん
んでもって脅威のねばりで千石に勝っちゃうんですが、それにつけても、神尾の頭を占めてるのは、
薫ちゃん(爆笑)
待てい、「アンタよりもっとしつこい奴」って、ドンピシャ薫ちゃんやんけ!!
これは神尾の、乾に対する挑戦状と見て良いデスカ。
ラブルス1で、海堂と徹底したいちゃつきぶりを見せ付けた乾に対する、これは挑戦なんですね!!(←言い切るか) さぁ乾センパイ!薫ちゃんの色気フェロモンに落された男たちを相手に、どう戦うのか!……今後の展開やいかに♪(銀華みたく、乾汁で一気に振るい落としてくださっても結構ですが) 無自覚に色っぽい恋人を持つと、苦労するね…乾サン。 カラー見開き表紙の、薫ちゃんの生足にジタバタしてたんはオイラっす。(ははは)
…カラー表紙といえば、なんかねー。リョーマのあのポーズ。 ……………ちょっとヤバいんじゃ………。ええ、特にリョ受の方々は鼻血モンじゃないかと思うんですよ。ジャージじゃなく、短パンでしたしね……。 もしあのポーズ取ってたのが薫ちゃんだったら、R18指定つけてもいいくらいだ。うん。おチビだからまだ少年誌に……(←アホ)
そして!ヒカ碁ですよヒカ碁ーーーー!!! 怒涛の巻き返し!! ヒカル、鬼神のような勢い!! 周囲の状況も気にならない、おそろしいくらいの集中力! いや〜ん、広島のあのノータイム囲碁に並ぶくらいイイ表情してるよコレ!! お母さん、帰らなきゃよかったねー。そしたら、もろに「棋士」として戦ってる息子が見られたのに……。でも、あんなヒカルを見ちゃったら、お母さん、さらに戸惑うだけかなぁ?全くお母さんが知らない顔ヒカルの筈だもん。 とりあえず(←なんて扱い)、搭矢は二目半勝ち。社は三目半負け。 ヒカルで勝負が決まります! 大板解説も、控え室も、ヒカルの追い上げに一様に驚愕の表情! 気持ち良い〜〜♪♪ 「どうだ、これが進藤ヒカルなんだぞ!」って、えばりたい気分♪ 来週、いよいよ決着か?!(たぶん) この勢いで、頼む!ヒカル勝ってお願い!! 半目でヒカルが勝つのを希望!
ところで、そんな勢いのあった今週のヒカ碁。気になる点がひとつ。
高 永夏の目だけのドアップが出ましたが。 あっこまで下まつげビシバシなのは……ちょいとキモかった。
2003年02月08日(土) |
テーマソング・イメージソング |
「この曲は○○×◆◆の歌〜♪」 などと、昔からよくテーマソングやイメージソングを当てはめては喜んでおりますが。それが昔っから、男同士のカップルにしか当てはめようとしなかったあたりで、つくづく自分は同人女だったなと……。ははは。
ちなみに同人デビューは中2。入ったのはC翼から。一日で友人に洗脳され、入門書から尾崎南までを読み尽くした。おかげでC翼では未だに健×小次である。そーいえば中学の卒業式の予行演習の最中、健×小次か小次×健かで友人と論争をやらかした。「若島津が受だったら、白いシーツの上に黒髪がちらばってキレイやん!」と主張する友人に向かって、「違うよ、若島津の髪は、小次郎の小麦色の肌に絡み付くように広がるのがええんやん!小次郎はその髪にも感じてしまうんやってば!」と私が反論。こんな調子の事を、ぼそぼそ、ぼそぼそ、小声で喋りまくってたおかげで、2時間以上あった予行演習ままったく退屈しませんでした(そういう問題じゃない)。隣近所で聞いてた同じく同人女は爆笑をこらえジタバタしてました。ノーマルな友人には、きっと何の事だか分からなかったでありましょう。
話はずれたけど、最近お気に入りのカップリングのテーマソング〜♪
まずル神はTHE ALFEEの「確かにFOR YOUR LOVE」スクーデリア・エレクトロの「200 MILES AWAY〜霧の200マイル」とZABADAKの「休まぬ翼」
乾海はB'zの「ULTRA SOUL」(笑)安全地帯の「プルシアンブルーの肖像」三木道三の「LIFETIME RESPECT」(爆笑)
鳳宍は陣内大蔵の「LOVE'N YOU NOW」とTMNの「We Love The Earth」とかラグ・フェアの「恋のマイレージ」(大笑。バカップル仕様の曲ばっかりじゃねぇか…)
オガヒカは平井堅の「Ring」と野猿の「Be Cool」(笑)と福山雅治「HEAVEN」
仙越では、globeの「DEPARTURES」とか広瀬香美の「promise」とかで書きたいなと。
趣味大爆発(笑)。 あくまで自分のイメージまっしぐらなんで、「違う」と思っても見逃してやってね(苦笑)
2003年02月07日(金) |
『蝋梅2』(ヒカ碁小ネタ) |
旅館に着いたのは、予定していた時間よりもかなり早かった。 部屋に案内されて一息ついた後、緒方は腕時計をチラリと見やり、まだ針が約束の3時には余裕がある事を確認した。 (どうせアイツは遅れて来るだろうし……何か好きそうな菓子でも買ってやるか) 適当に自分に言い訳をしながら、愛車のキーをチャリチャリと手の中でもてあそぶ。
遅刻大王の異名をとるほど、進藤ヒカルの遅刻…もしくは時間ギリギリの滑り込みは棋界では有名になっている。今更多少の遅刻では怒る気にもなれない。ヒカルの遅刻の一番の被害者である搭矢アキラは、律義にもその都度怒鳴りつけているらしいが。 最近では携帯を持つようになったので、大幅に遅刻する場合はメールしてくるようになった。逆に、緒方がヒカルの現在位置を確認して、迎えに行く事もある。
…何となく、落ち着かない自分に自覚はあった。 十段の防衛戦を明日に控えていることもあるだろう。何か、ひとりでじっとしている事に耐えられない。 以前は、そんな自分に舌打ちし、それを押さえつけようとしていたものだったが、最近は素直にそれを認められるようになった。
『恐いっちゃ恐いんだけどさ……何ていうの?それと同じくらいゾクゾクして、ワクワクするんだ。これから、対局者とどんな碁が…宇宙が作り出せるんだろうかって。それが強い相手であればあるほど…恐いんだけど、楽しみで待ちきれない』
これは、本因坊戦の挑戦手合いの前日、ヒカルが緒方の腕の中で囁くように告白した言葉。誰にもナイショだと笑った彼の指は……冷たく、震えていた。 その指に口づけ、温めてやりながら、緒方の心にすとん、と入り込むものがあった。今まで、納得できなくて、飲み込めなかったものが、急にすんなりと入ってきたような、そんな感覚。
恐くても、良いのだと。
ヒカルは、対局前の震える己を緒方にさらけ出す事で、そう言っているようにも思えた。本人は、そんな自覚さらさらないだろうけれど。
だから、こんな時には、ヒカルの顔が見たい。仕事が終わった後、「十段戦が終わるまで一緒に京都にいろ」と無理矢理約束をとりつけたのは自分だ。十段戦の2日後、ヒカルは名古屋で名人戦の三次予選があるのを承知の上で。 「いいよ」 ヒカルは快諾してくれた。「もちろん、宿泊費は緒方さん持ちねvv」そう無邪気に笑って。
その笑顔が見たくて。自分に向けられるヒカルの笑顔が見たくて、ヒカルが好きな甘いもの――今回は京都だし、和菓子にするか――を買いに行こうとする自分に、ふと笑みがこぼれた。自分は甘いものなどめったに口にしないくせに。 「――いい加減、俺も終わってるよなぁ……」 その独り言は、緒方から鍵を預かり、送り出した仲居には聞こえなかった。聞こえないふりをしたのかもしれない。かつての文豪も好んで利用したという、著名人の名にも臆さないこの旅館の対応が、緒方は結構気に入っていた。
玄関の戸を開けると、冷たい風とともに、ふわりとした蝋梅の香りが緒方の頬をくすぐった。表門から玄関までの10メートルもの間には、様々な木々が植えられている。そのうちのひとつに、蝋梅が植えられていたはずだ。 色彩のとぼしい冬の庭に、それは香りという名の彩りを添えるかのようだった。
そして、ひときわ鮮やかな色彩が、そこにたたずんでいる。 黒と金の―――特徴ある髪は、すぐにそれが誰だあるかを緒方に知らせた。
見上げるような、蝋梅の木のもとに、ひとり。 ヒカルは、その蝋梅の香りのような微笑みを浮かべて、その蝋細工のような黄色い花を見つめていた。
その微笑みは、あまりにも綺麗で、やわらかくて―――淡い冬の陽射しに、溶けて消えてしまいそうに思えて。 緒方は、一瞬声をかけるのをためらってしまった。
やっぱりやってしまいました。勘違い。
今週のマガジン読んだら、やっぱり神谷さんたち半袖着てやんの。(苦笑)
冬の高校サッカー選手権じゃなくて、夏のインターハイじゃねぇかよオレ………!!
……終わったのがね、冬だったからね。思いっきり勘違いしておりました(号泣)。 では、あらためて仕切直しを。
せーーーーーの
掛川高校、
インターハイ優勝
おめでとう〜〜〜〜!!!!
これでよし。
…とゆ事は、やっぱし神谷さん、冬は出ないつもりなんだね。
……あれ? 先日、掛川高校(「シュート!」)の優勝を喜んだけど。
……あれ? 今は季節は冬だけど、あの作品の中、ひょっとして夏だった?! あれ?
本当に冬と夏間違えてたとしたら、 ………大ボケ…………。
きゃ〜、神谷ファン名乗れないよ私!!
予想通りというか。何というか。 アキラ様絶好調ですー。社も頑張ってますー。 解説役(……)の楊海さんも格好良いんですー♪
………………。
ヒカルだけが絶不調なのよう!(号泣)
そりゃーね、あっこまでガッチガチに固執してりゃ、冷静に今対局している盤面に対処出来ないとは思いますが。 これまで、あまりこだわるものがなかったヒカルにとって、唯一の執着であり、強みでもあるけど、今回はとんでもない弱点となったようです。 控え室でも、ボロクソな言われよう……くすん。 大盤解説席でも、観客に言いたいように言われてましたね。 それに臆したヒカルのお母さんは…良くも悪くも、「普通のお母さん」なのでしょう。彼女にとっては、ヒカルは「幼い息子」だけど、囲碁の世界ではヒカルは「プロ」です。 プロとして勝負する以上、ヒカルが未成年であろうが何であろうが、勝てば賞賛されるし、負ければ叩かれる……そういう世界だと思います。ヒカルのお母さんには、まだ自分の息子がそういう世界にいることを、あまり理解できていなかったのでしょう。「子供の運動会を見るような気持ちで……」というのは、まさに言い得て妙ですね。 そして、息子に対して暴言を吐く人々に文句を言うでもなく、泣き出すでもなく……お母さんは帰っていきました。なんか、すごく象徴的なシーンでした。
そんなこんなでぐるってるヒカルの脳裏に、あの、「託された扇子」のシーンが!! 苦しい盤面、「…佐為なら……」と、裏を返せば「自分には無理」という逃げの思考に陥りかけていましたが、漸く、復活してきたようです! 「この苦しい盤面にしてしまったのも自分。ここから打ち進めていくのも自分」
…だったかな?そんな言葉だったと思うのですが。 これまで、とても大きかった佐為の存在。しかし、今打っているのも、考えているのも、葛藤して悩むのも、未来へ進んでいくのも、ヒカルなんです。 親鳥(佐為)から、無理矢理離れさせられたヒカル。今、ようやく自らの意志での巣立ちでしょうか。 来週がすっごく楽しみです♪
…さて、そろそろイイ頃合いなんで、「様子を見に」…とかなんとかで、緒方さんが出てこないかな? 出てきたらブラボーです♪速攻プロット立てます!!
2003年02月02日(日) |
『蝋梅』(ヒカ碁小ネタ。ヒカル19歳) |
(京都の夏は最悪だ、と良く聞くけれど、冬も結構すごいかもしれない)
ヒカルは、寒風に吹きさらされながらしみじみと実感していた。 仕事で京都にやってきて、今やっと待ち合わせの旅館についたところなのだが、最寄りの地下鉄の駅からタクシー代をケチったのはやはりまずかった、と反省した。 とにかく寒い。とんでもなく冷たい。 風が吹き付けてくるから寒いんじゃないのだ。 こう、足元から、じわじわと、這い上がってくるような寒さ。 「冷たさ」が、音もなく、しかし確かに存在して、手の先や足の先から凍みとおるようなのだ。
時計を見ると、3時にはもう少し時間がある。 「緒方さん、まだ来てないかもしれないな…」 ふう、と息を吐くと、それはふわりと白くなった。 緒方は、昨日東京で竜星戦のブロック戦があった筈だ。そして明日には、ここ京都で十段の防衛戦がある。対局のスケジュールがいやというほど詰まっているのはお互い様なので、それについて文句を言う気はさらさらないが。 「きっと、予約は緒方さんの名前なんだろうな……」 そう。問題はそれ。
連れとして、一緒に泊る事に問題はないのだが、宿泊の手続きをヒカルが取ろうとすると、大抵の場所で、「保護者の方は…?」と聞かれる。 いい加減、二十歳に手が届くような年齢なのだが、高校生くらいにしか世間では見えないらしい。下手をすると「中学生?」と言われた事もある。 おかげで、子供たちには人気があるのだが……いやそれは置いといて。 ある時など、対局の後の検討が長引いて、遅くなった街を駅へと急いでいたら、補導されてしまい、警察にまで連れ込まれた。年齢を表示するものを何も持っていなかったヒカルは、仕方がないので日本棋院に電話をして、そこの事務員に事情を説明してもらったのだった。その時、「バイクでも車でもいいからとにかく免許を取ろう!」と決意した。そうすれば、せめて身分証明書として有効なものを持ち歩くことができる。
多少気詰まりなので嫌なのだが、ロビーで緒方の到着を待っている方が、無難だろう。こんな寒い外で待っている気にはとてもなれない。 決心がついたところで、ヒカルは玄関へと一歩踏み出した。 その時、ヒカルの鼻をかすめるものがあった。
「……?」
この寒い冬の季節なのに、花の香りがしたのだ。梅の香りにも似た、やさしい香り。 その香りを発していた木は、すぐに見つかった。それには、黄色くてまるで作り物のような花が咲いている。 「こんな寒いのに、咲いてるんだ」 『………と、言うのですよ。春の訪れを、香りで教えてくれるのです』 懐かしい、耳慣れた声が記憶の中で響いた。 そういえば、この花の名前を、彼から教わった事がある。 まだあの頃の自分は子供で、聞き流してしまったから、名前は忘れてしまったけれど。 冬に咲く、春を先触れする香り高い花。 普段は忘れてしまっているようでも、ちゃんと自分の中にある、彼との思い出。
佐為の、あのふわりとした微笑みを思い出し、ヒカルは自分も同じ表情で、笑っていた。
2003年02月01日(土) |
最近、近寄りにくい場所 |
最近、近所のサ●ィで、近寄りにくい場所ができてしまいました。 それが、普段の買い物コースに入っているところだけに、ちょっとつらいものがあるんですが。
それは何処かと申しますと。
文房具売り場
これだけだったら、何も問題はありません。文房具ひやかすの大好きですから、普段はよく入り浸るんです。そうしたら、そこにね、●ティはあるものを置くようになったんです。 すなわち、
アニメのキャラクターグッズ
それも、ただのアニメじゃございません! テニプリとか、ワンピとか、ナルトとか、ヒカ碁なんですよこれが!! ああああ、行きたい!!行きたいけれどもこんなパンピーが大勢いる中で、キャラグッズを堂々と愛でる勇気もないっっ!!
文房具コーナーに行くと自然に目に入ってしまうので、そして気になって仕方がなくなるので、理性のブッ飛ばんうちに避けるのが上策、と、文房具コーナーに近寄れなくなったのでございます(泣)。
普段行ってるアニメグッズを売ってるところは、今住んでいるところから離れている上、そこの客は皆おたくか同人女ばっかりなんで気にならないのですが。
もし万が一、近所のサ●ィなんかでアニメグッズ眺めてて、職場の人間に声をかけられたら、どー答えて良いか分かりませんて。(冷汗)
頼む、あのアニメグッズ、文房具コーナーやなくて、おもちゃコーナーに移動さしてくれ! 気になって、普通の文房具も見に行けなくなってるんです。(泣)
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