+シコウカイロ+
此花



 生きることとその意味。

天国には至福があると
その人達は言う。
死ぬ事は怖くはないと
神の国に行けるのだと。
幸せなはずの人々の顔には
無数の苦しみにより培われた
深い皺が
幾重にも刻まれている。
貴方の心は空洞のままで
不安が責めぎ合っている
ガンジスの岸に小波寄せる
生と死の穏やかな波動が
貴方の心を
還えらせる

貴方が
この世界に産み落とされたときから

貴方は探す運命を背負った

離れても離れる事の無い
心はいつも傍にある
その愛を与える事が出来る
無償の慈しみと哀れみに
その身を委ねる事が出来る
己のためではなく

この出会いのためにあったと
伝えたいことがたくさんありすぎて
とても時間が足りないと
生まれ変わり
再び巡り合い
共に生きるための
輪廻であると

そのために生き続けるのだと


誰もが心の中に
聖地を持っている
死をも恐れず
燃え尽きない火を持つ

それが「愛」だと



大切なものを見誤ることなく
真っ直ぐに進みなさい

心の赴くままに

世界は君をゆるしているから






2001年06月28日(木)



 石榴。

赤い石榴の果肉は
人肉の味がするという

パックリと開いたその隙間から見える
真っ赤に熟した紅は
まるで人の体から
滴る血のようだと





ならば
甘酸っぱいあの味は
人の醜い感情が身を狂わせる
叶わぬ恋の味かもしれない。


彼は笑った。





2001年06月27日(水)



 

君より先に生まれて
生きているのに
いつも同じ場所にいる。
頑張っている姿に
自分を映しながら
俺は人より遅れながら
足を踏み出す。
その勇気はすべて
君がくれた

完璧に事を進めることはできる
でも君の前だと
つい気が緩んでしまう
慣れないことに戸惑って
失敗する

偽りの偽善者だった俺を
少しずつ解放した
本性に気付いて君が離れていってしまうのが
怖くて
何も言えないときもある
遠くでも近くに

背中合わせのまま
伝わってくる君の温度が
心地よい

俺達は遠い未来を見つめる

決して交わることのない未来
でも
いつも君の温度は背に感じてる

素直になれない
目を逸らしてしまう
俺を許して


手をつないだ
君の温度が
今も忘れられない
幻。


2001年06月24日(日)



 リアリズム

一目ぼれした洋服を買って来て
家で着てみたら
何となく似合わないと思うこと。

憧れの場所や人にあったりして
思い描いていたことが全く違うとき。

新商品のジュースの味がイマイチ。

雑誌のメイクを実践して試たときの
自分の顔。

好きな人の意外な一面。

雪の幻想的世界と
何でこんな日にミニ履いてきたんだろうという気持ち。

美容室でのカット前とカット後。

今度こそ勉強するぞ!という気合とは裏腹に
貫徹一夜漬けのテスト前夜。

車のバックシートで彼女と甘いひととき
愛の言葉を耳元で囁く俺に
「ヤメテヨ〜 スカートにシワができちゃうじゃない」
という彼女の一言。(ボーイミーツワールドより・笑)

マンガのネタは思いついても
絵が描けるかは別問題という点。

友達の友達は友達の友達。

夢は所詮夢なんだと言う奴ほど
ロマンチスト。

死に場所を探してる人は
死に場所を探すことに命かけるので
案外生きがいになっていること。
(なかなか死にません)

スーパーの特売品で
今夜のメニューは簡単に変更される。

少女漫画のような出会いは一生待ってて
もないから自分で演出するしかない。

北海道に行くと
北の国からのテーマを一度は口ずさみたくなる。

笑う犬のハムえもんは某ハムスターアニメのパクリである。

心理テストで自分の性格を
作り上げることはた易い。

ドラえもんもサザエさんも私より長生きする。




2001年06月19日(火)



 甘い蜜

曖昧にごまかした
笑顔は 苦い味がした

黒い染みが
だんだん大きくなって
頭をもたげて
俺を見ている

振り払うように
なぎ倒す
重い音が床に響く


別に何も感じていない
不安も焦燥も罪悪感も
ただ夢見る地へは
たどり着けない


黒い染みを蹴散らした

俺の足に
腕に
飛び散った


チリチリと焼けるような痛み
消える事の無い黒い飛沫に

君が触れると
それが和らいだ気がした




苦い思いを噛み殺して


俺は 笑ってる。





痛みは減らない
現状は何も変わらない
苦しみも切なさも
憎しみも何も消える事はない


それでも
酷く 「幸せ」で

― 知らなければ 一生知ることなく
その名も知らずに 生きていけたのに



残酷なまでに甘い世界が
狂おしく愛しいものだと知る。

2001年06月14日(木)



 止まない風

風が吹く
君が遠くなっていく

屍を吹き抜ける風の
乾いた音が
胸の中に反響していく


ひね曲がった
鉄の鋼を纏った風が

干上がった水たまりの割れ目に
砂塵が舞う



風が吹く

君の手を強く握り締めた



遠くに感じる
近くに感じているのに



重苦しく纏わりつく風






風が止まない

2001年06月11日(月)



 愛カタリ。

「愛」を欲しがってる人が
結構たくさん溢れてるんだなって
思うんだナ。
そういうあたしもー
「愛」いいなぁ欲しいなぁと
思っちゃたりする。
身近な所を見れば
結構貰ってるんですがね。
家族とか。
友達とか。
男はいないなぁ。(笑)

でもさー、愛って何よ?

最近のオンナノコはカラダ大事にしてないけどさ
そういうのが愛なんかなぁ。
違うと思うんだけど。
カラダカラーダ。
欲しけりゃやるよ。
でもあたしのココロはアンタの物に
ならないよ。
と、心持ちがなってしまうのは
あたしの気が短いからか。(笑)

オトコゴコロはわかりかねるが
とりあえず、カラダとココロは別だよなぁ

と思ふ。

DVとか問題なってるじゃん?
なんでこんなに簡単に
手上げたり、ヒトコロしたり
しちゃうかな。
動物だってさ
仲間同士で同じ種族で
コロシアイはしないのに。

不思議だよな。動物は身を呈して子を守るというのに
それも逆になってるだろ?


「自分は愛していた。
でも相手は愛してくれなかった」
とか。
それは自分の価値観で愛されてないと思うだけで
本当は愛されていたかもしれない。

自分がしたことを基準にするのは仕方ないけど
同じだけ返されるのが「愛」で、
当然だと思い込むことは違うよね

一人一人考え方だって価値観だって違うんだから
もちろん表現だって違うし。
でも相手のことが好きだから
その距離を縮めて居心地のいい関係を作る

愛する人は、恋人であり友達であり
パートナーでもある。

なんてね。

まぁそれだけじゃ
刺激が足りないのかなー(-△-)

ううむ。
愛はムツカシイのだ。




2001年06月10日(日)



 霧の中の迷宮。

詰め込んでも詰め込んでも
溢れてくる

ビンの蓋は閉まらない

会う事で
何か変わるのか
そんなもの知らない
触れることは
出来ないのに
なぜ近くに求めてる
感じてる

奇麗事を並べても
この欲求は満たせない
それでも
奇麗事でも
食べ続けなきゃ
枯渇する餓え 抑えることすら出来なくなる

壊したくなる
狂いたくなる

それ以外は
何もかもが要らないもの。




自分から壊したくなる
狂いたくなる



この世界は
終りなど無い
永遠に続く
霧の中の迷宮。

2001年06月07日(木)



 失くしたもの

耳が聞こえないなら
耳など 塞いでしまえばいい。
目が見えないと嘆くなら
色のことなど忘れてしまえばいい。
言葉が話せないなら
言葉を使わなくていい。
文字がかけないなら
テストが白紙でも怒られやしないさ。
腕をなくしたら
足で何でも出来る器用な人間になれ。
足も腕も無かったら
前転が上手くなるかも。横もかな?

何もかも失ったと思うなら
周りを見てみて
貴方を助ける手が差し伸べられているのに
気付くはず。

耳が聞こえても
目が見えても
言葉が話せても
手足があっても
その存在に
気付かない人は
いくらでもいる

貴方は失ったものの分だけ
他の人より
違うものを手に入れることが出来る。






2001年06月01日(金)
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