+シコウカイロ+
此花



 キッチン

さしずめ腸詰めの中のミンチみたいなもの。

煮えたぎるお湯の中へ投げ込まれる

いい湯だな〜

じゃねぇよ。
熱いっての。

まな板の上で
研いだ包丁が死刑宣告を待ち望んでる。

引き千切られた野菜ボール
皿に並ぶ引きつった顔

いい香りを
漂わせる 俺に
奴が 鎌を
振り下ろす。

まだ早いって言ったのに

レアな身から血が流れて
俺の肉は二つに分かれた。

実況おわり。

皿の端に乗った俺を
奴は 他の死体と一緒に
腹の中に押し込んだから。

また
新しい食材は
連れてこられるんだろう。



2001年03月01日(木)



 カンケイ

カンケイって
始まるのもカンタンだけど
終わるのも
ずいぶんシュールなんだな。

難しい。

自分自身にその気がなければ
いつだってすぐ終わりなんだろうし。
相手がいつまでもその気にならなければ
いつまでも続くんだろうし。

その場凌ぎのカンケイほど
意味がなくて嫌いなものはないのだけど
結構当たり前みたいに
世にはびこるのを見ると
何だか それが正しいように思えてしまう

でもそこまでフランクには考えられないし。

変わったのは相手だけじゃないようですが。
自分も変わったんじゃない
見方が。

これが好きだった人が嫌いになる本当の理由。

変わったのは君も同じ。

人を嫌いになるのに理由なんかいらないんだけどね
何かむかつく― とか。
でも長くカンケイ続けてれば
何時の間にか
嫌な気分も吹っ切れてしまって
また楽しい風が吹いたりもする。

自分を決め付けないで
相手を決め付けないで

見えてくるものは一つじゃないけど
全てがすべて
嫌なことじゃないでしょう

悪いところがたくさんあるから
その一点の輝きが
どんなに美しく見えるものか

僕が惹かれたのは
君のそういう所だから。

2001年03月02日(金)



 未来予知

強い 風が吹いて
バラバラと 記憶の断片は
暗い渦の中へ 呑み込まれていった

遠い過去。
近い未来。


人間 誰もが
予知する力を持っている。


未来は不規則なようで
半分以上が繰り返される過去の認識。
無意識に
反復を繰り返し
確認しながら先へ進むから。




2001年03月03日(土)



 明日

明日は 不確実な未来。
それでいて
確実に来る未来。

未来なんて先の事は 良く解からないけれど
「明日」という未来なら
僕らはいつも歩いている

見えない未来に不安を感じるのは
僕だって同じ

ずっと遠くの未来を描くのは
難しい
変わらないものなどないし
消えてなくなるものもあるし

それなら「明日」だけ
信じて進めばいい。

明日だけなら
ほんの少しの勇気で
踏み出せる。


そのために「明日」はある。




2001年03月05日(月)



 ハーメルン ノ 笛吹キ男

キイロイ悲鳴ヲアゲテ

迎エタ君達ノ カリスマ的存在者ハ

何者オモ 見透スソノ瞳デ

人々ヲ 見ツメル

ソノ先ニ 一緒ニ行コウ

誰モガ 従イナガラ

喜ンデ 彼ノ後ヲ追ウ

高キ気高イ 山スラ

ソノ嶺ヲ 割ッテ

彼ラヲ ソノ身体ニ 受ケ入レタ





二度ト 彼ラハ 地上ニ 戻ラナカッタ




2001年03月08日(木)



 

カラダヲメグル毒ガ
蝕ンダ

ソノ瞳ハ 天ヲ凝視シ
闇ヲ迎エル
光ハ 隠サレタ

探シ出シテ
見ツケテ
リミットハ モウ
スグソコニ?

痛ム カラダヲ
引キ摺リナガラ

闇ヲ サマヨウ

我ラノ 羔

2001年03月10日(土)



 抜け道。

昔 私がまだ幼かった頃
聖書の話をどこかで知った。
その時 一番好きだったのが
ノアの箱船の話だ。
世界中の種の動物をそれぞれ番に乗せて
舟は 荒れ狂う大地の海原を
一枚の木の葉のように舞い
やがて大地から何もかもが奪い尽くされた土地で
新しい世界を築いていった。

世紀末には
世界滅亡説が流行る

世界が滅ぼうが
社会が荒れようが
生き残った者は生きていかねばならないし
私達はどんな環境にも順応して
命を繋いでいかなくてはならないのだと思う。
死ぬことと生きることを比べれば
死を選ぶ方が遥かに楽なのだ。
死んでしまえば何も無くなるから。
生きることは長いくるしみだろう。
ならば死は一瞬のくるしみなのだろうか。

ビルから落ちる自分の体はまるでスローモーションのように
ゆっくりと落ちる。
まるで時が止まっているかのような感覚だ。でも
我に返ったとたん目の前に灰色の壁が見えて
痛みで気を失う。
崩れる肉塊。
飛び散る鮮血。

シヌ勇気があるならなんでも出来るとよく言うだろう。
まぁ実際それをバネにして 強くなるのも一つの手段。

苦しいことから
逃げても良いんだよ

逃げ道を見つけられなければ
誰かに相談してもいい。
君が今すごく頑張って、ここに在ること
ちゃんとわかるからさ
だから逃げることは
卑怯じゃないよ。
悪いことじゃないよ。

抜け穴をたくさん見つけて
どれか一つを選んだら
思い切って くぐりぬけてみなよ

今より良い未来が待ってるかも知れない。
今より悪い未来になるかもしれない。

でも一つ言えるのは
道を変えて行くのも
君自身ってこと

暗いトンネルの向こう側

その先に続くのは
新しい世界だ

2001年03月11日(日)
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