+シコウカイロ+
此花



 体内

毒を吐く 腐れオチタ塊を踏み潰して
大地は汚れを一飲みすると小さくため息を吐く。
毒を吐くことで浄化されるコノカラダ。
優しいコトバなどかけられない。
死を唄う声に耳を傾ければ永遠の眠りが
君を包む。
柔らかい日差しも美しい緑も
この身体から吐き出される毒に汚される
全ては醜く 美しく
毒を吐くことでしか生きていけない
そんな自分を 大地は呑み込む
ただの一点も
汚れないきみの身体に
僕を呑み込むことで
僕をこの毒から解放しようとしてくれる
優しい君
だからこそ
僕は君を汚す自分が許せない

何故 ここに自分はあるのだろう
何のためにここに在るのだろう

何も残さず自分を消すことすら
出来ない僕を君はその大地に包んで。

―僕は君に出会うために生まれた
だから君は僕に出会うために存在する―

ただ優しく揺れながら
その手に僕の身体を包んで
揺れる大地は僕を再び体内へ誘った。

2001年03月24日(土)



 Key

黒いカバンに詰め込んだ
必要最低条件的物。
アイに似た愛(love)や目(eye)や相(you)
見えないDead Lineを超えて
更なる世界を従えて生きる。
そのフォルムに現れた強靭(狂人)な精神は
何を求めたの?
行く手を阻むものを破壊し尽くして
何を創造(想像)するつもりなのか。

Push the keyword on・・・

今ここに何かを造り出せるとして
君が望むものは何?


覚醒を待つ人々が 救いを求めて
手を伸ばす


完全は不可能。
補完することは存在確定のための
手段にほかならない。

それでも君は望むだろう
“未来"を―――



2001年03月23日(金)



 完全

日常は至って普通。
物珍しいこともないから
たまには弾けて消えるのもいいんじゃないかと
つい思ってしまう。
自分の住んでいる世界は
退屈だと思いながらも
そういうものであって欲しい。
何もないことは幸せなことだからナ

たまにダイブするなら君と一緒に。

ちょっとしたハットトリックも
なかなか様になってるだろう?
ギリギリの線で
君を愛しながら傍にいるよ

ソウシソウアイなんてわかんないけど
それでも必要としてるのは俺。
離れながらも無条件に
距離を感じないのは何故だろう

理屈はいらないから
この奇妙な愛も 多分 根源は同じ

誰にも解けないパズルの中には
君への愛が隠れている
見えないようだけど
ピースを集めれば何となく
引っかかるキーワード?

全てが導き出される。

完全は必要ない。

2001年03月22日(木)



 

川の流れに ゆらゆらと

灯篭の明かりが反射する

波間を 揺れる送り火は

迷わないように 道を照らす案内人

遠い時に生きた方々

どうぞお気を付けて お帰りくだしゃんせ

町明かりに薄ぼんやりと

ほのかに広がる友愛に似た

優しい気持ちが

町を揺れて流れる 夜






2001年03月21日(水)



 壁の人

感情のままに突っ走ったら
周りなんて皆 吹っ飛んでっちゃうわ
ギャラリーにあとで怒られそうだけど
それは持ち前の愛想で ごまかすの

君は一本線を引いて
私と君の間に壁を作る。
安全圏から話をする君に
悪いけどその壁によじ登って話し掛けに行くわ
だってお互いに壁越しなお付き合いじゃ
見えないでしょう?君の姿。
そんなの嫌。
私は壁とお付き合いしているんじゃないのよ

でも街には
壁が溢れていて
それが当たり前になってる

でも壁のクセに生意気なのよ
チラッと 覗き窓を開けて
私のこと見て 観察するの。
独断と偏見。
そういう人は 何か横っ腹に蹴り入れたくなるじゃない?
破壊の限りを尽くして
私はまた新たな人を探しに行く。

安全圏で自分を守ることより
全てを見せて知ってもらう方が
大切なんじゃないかな。
初対面ならなおさらでしょ。
君だって私がメチャクチャ他人行儀だったら
困るでしょ
要するに、
自分が苦手だと思うことって
周りも苦手だったりするのだ。
もしも仲の良かったトモダチが
何となく遠のいている気がしたら
ここ最近の自分という人間を
思い描けばいい。
そういう人間と自分が一緒に居て
話をしてどう感じるか考えれば良い。
おのずと答えは見えてくるはずだ。



2001年03月20日(火)



 真実

回る 羽の音に
夏の夜は更ける
窓から吹く涼しい風は
蒼い幻灯の中の月明かりに照らされ
薄い色をつけて
アタシの部屋に流れる
揺れる紐を
ゆらゆらと足で蹴飛ばしながら
クラシックを聴いている

アシタのアタシはどこかに隠して。

暗闇の中を目を凝らせば
そこにあるのは光のカーニバル
チカチカと変わる色彩に
いつしか夢の中へ迷い込む

キノウのアタシはまた旅に出したの。
たまに思い出の箱を荒らしに来る。

現実は遠い気がするよ
今はこの夢の中の方が真実な気がするの
ここでは繰り返されるけれど
好きなものが見えるもの
だからとっても嘘クサイけどね

偽善が横行する世の中だけど
わかってるのよ
必要だって事も。

要らないものなんて
何一つない。
いずれ君と出会うためのモノのの
全ては前座なのだから

目に見えるものだけに
惑わされないで。
君の心で感じ取るものが
君を構成する。

君を美しくする。

君が信じたいものがすべて。
それを貫くことが君だけの真実になるから。





2001年03月19日(月)



 Best

最初から持たなければ
失った時の悲しみはない
それでも欲求が留まることはなく
ただただ欲するだけの
生物になりさがる。

君は優しくて
今の僕を否定もしなかった

ただ真実を述べて
僕の本来の姿を忌み嫌うこともしなかった。

一緒に居ることに何の意味もないけれど
ただ居心地がよかったんだ

君の声が聞こえるこの場所が。

いとおしく思えるのも君だから。
他に代わることのない君。

大切なものは扱いが難しくて
いつも自分から壊してしまう
それが怖くて
だから最初から作らなければいいのだと
君の存在を消そうともした
でも消せなかった

いずれ大人になって
君は成長する。変わって行く。
僕も変わって行く。

ただかわらずに
君の中に僕も残してくれたらいい。
そうしたら
僕も君に
いつだって“一番"をあげる

君に出会えて良かった。





2001年03月18日(日)



 予。

明日は盛大なカーニバルになるだろう。
道に人が溢れようとも 彼らはそれでもとまらない。
裏切りに気付かずに 君は笑い続けるだろう。
眠る獅子を起こしてはならない。代わりに貴方が眠ることになるから。

物凄い速さで 君は動くだろう。
そのスピードに 誰もついては来れない。追い抜くことも出来ない。
幸せなカラスが屍を荒らしに来るが、それを阻んではならない。
落とし物を拾ったら ずっと付き纏われることになるだろう。

いつもより高いところに登っていった風船が破裂したら
それは始まりの合図。動脈の流れを変えることは出来ない。
嫌いなものを呑み込んだら もう後戻りは出来ない。
チャンスは一度きりだから 逃してはいけない、人に与えてもいけない。



2001年03月17日(土)



 白い手

自分には
言えない言葉がたくさんある。
その大半は
相手にその事を伝えたいと言うほど関心がないということで
片付けている。
楽な生き方を選んだ。

だらだらと続く長い道だ。
関係などいづれ壊れていくからと
わざわざ放っておいて
自分で絡み付くその手を
断ち切らないでいる。

誰からも必要とされないのが怖いのか。

多分、本当に必要だと
思っているのは私なのだ。

私の深淵を覗くものがいる。
そして覗いたことを後悔するだろう。

君達を大事に思っている私もいるが
それと同じくらい嫌っている自分もいる

長く親しんだと君達は考えて
色々なものを押し付ける。
従順なる下僕を操ることに夢中。

君との境界線に聳え立つ
その高い絶壁を超えて来るなら
ここは私のテリトリー
突き落としてあげる
二度と踏み越えることが出来ないように。



絡み付いた
その白い手
引き千切って

捨てた。


2001年03月14日(水)



 存在。

一人でご飯作って食べても
ドウシタ?
味覚がいなくなっちゃったよ
風邪のせいかな?

誰もいなーい家というのは
ずいぶんと静かで
無性にヒト恋しくなることもあるさ
そんな時は
意外に寂しがりやの自分を発見する

ドウシテダロウネ

嫌いな人を好きになったり
好きな人が嫌いになったり

気まぐれなだけなのかも知れないけど
それでも

やっぱり
自分の周りにある
空気のように優しく包んでくれている
この存在と言う名の暖かい人達に

感謝を込めて。






2001年03月12日(月)



 抜け道。

昔 私がまだ幼かった頃
聖書の話をどこかで知った。
その時 一番好きだったのが
ノアの箱船の話だ。
世界中の種の動物をそれぞれ番に乗せて
舟は 荒れ狂う大地の海原を
一枚の木の葉のように舞い
やがて大地から何もかもが奪い尽くされた土地で
新しい世界を築いていった。

世紀末には
世界滅亡説が流行る

世界が滅ぼうが
社会が荒れようが
生き残った者は生きていかねばならないし
私達はどんな環境にも順応して
命を繋いでいかなくてはならないのだと思う。
死ぬことと生きることを比べれば
死を選ぶ方が遥かに楽なのだ。
死んでしまえば何も無くなるから。
生きることは長いくるしみだろう。
ならば死は一瞬のくるしみなのだろうか。

ビルから落ちる自分の体はまるでスローモーションのように
ゆっくりと落ちる。
まるで時が止まっているかのような感覚だ。でも
我に返ったとたん目の前に灰色の壁が見えて
痛みで気を失う。
崩れる肉塊。
飛び散る鮮血。

シヌ勇気があるならなんでも出来るとよく言うだろう。
まぁ実際それをバネにして 強くなるのも一つの手段。

苦しいことから
逃げても良いんだよ

逃げ道を見つけられなければ
誰かに相談してもいい。
君が今すごく頑張って、ここに在ること
ちゃんとわかるからさ
だから逃げることは
卑怯じゃないよ。
悪いことじゃないよ。

抜け穴をたくさん見つけて
どれか一つを選んだら
思い切って くぐりぬけてみなよ

今より良い未来が待ってるかも知れない。
今より悪い未来になるかもしれない。

でも一つ言えるのは
道を変えて行くのも
君自身ってこと

暗いトンネルの向こう側

その先に続くのは
新しい世界だ

2001年03月11日(日)



 

カラダヲメグル毒ガ
蝕ンダ

ソノ瞳ハ 天ヲ凝視シ
闇ヲ迎エル
光ハ 隠サレタ

探シ出シテ
見ツケテ
リミットハ モウ
スグソコニ?

痛ム カラダヲ
引キ摺リナガラ

闇ヲ サマヨウ

我ラノ 羔

2001年03月10日(土)



 ハーメルン ノ 笛吹キ男

キイロイ悲鳴ヲアゲテ

迎エタ君達ノ カリスマ的存在者ハ

何者オモ 見透スソノ瞳デ

人々ヲ 見ツメル

ソノ先ニ 一緒ニ行コウ

誰モガ 従イナガラ

喜ンデ 彼ノ後ヲ追ウ

高キ気高イ 山スラ

ソノ嶺ヲ 割ッテ

彼ラヲ ソノ身体ニ 受ケ入レタ





二度ト 彼ラハ 地上ニ 戻ラナカッタ




2001年03月08日(木)



 明日

明日は 不確実な未来。
それでいて
確実に来る未来。

未来なんて先の事は 良く解からないけれど
「明日」という未来なら
僕らはいつも歩いている

見えない未来に不安を感じるのは
僕だって同じ

ずっと遠くの未来を描くのは
難しい
変わらないものなどないし
消えてなくなるものもあるし

それなら「明日」だけ
信じて進めばいい。

明日だけなら
ほんの少しの勇気で
踏み出せる。


そのために「明日」はある。




2001年03月05日(月)



 未来予知

強い 風が吹いて
バラバラと 記憶の断片は
暗い渦の中へ 呑み込まれていった

遠い過去。
近い未来。


人間 誰もが
予知する力を持っている。


未来は不規則なようで
半分以上が繰り返される過去の認識。
無意識に
反復を繰り返し
確認しながら先へ進むから。




2001年03月03日(土)



 カンケイ

カンケイって
始まるのもカンタンだけど
終わるのも
ずいぶんシュールなんだな。

難しい。

自分自身にその気がなければ
いつだってすぐ終わりなんだろうし。
相手がいつまでもその気にならなければ
いつまでも続くんだろうし。

その場凌ぎのカンケイほど
意味がなくて嫌いなものはないのだけど
結構当たり前みたいに
世にはびこるのを見ると
何だか それが正しいように思えてしまう

でもそこまでフランクには考えられないし。

変わったのは相手だけじゃないようですが。
自分も変わったんじゃない
見方が。

これが好きだった人が嫌いになる本当の理由。

変わったのは君も同じ。

人を嫌いになるのに理由なんかいらないんだけどね
何かむかつく― とか。
でも長くカンケイ続けてれば
何時の間にか
嫌な気分も吹っ切れてしまって
また楽しい風が吹いたりもする。

自分を決め付けないで
相手を決め付けないで

見えてくるものは一つじゃないけど
全てがすべて
嫌なことじゃないでしょう

悪いところがたくさんあるから
その一点の輝きが
どんなに美しく見えるものか

僕が惹かれたのは
君のそういう所だから。

2001年03月02日(金)



 キッチン

さしずめ腸詰めの中のミンチみたいなもの。

煮えたぎるお湯の中へ投げ込まれる

いい湯だな〜

じゃねぇよ。
熱いっての。

まな板の上で
研いだ包丁が死刑宣告を待ち望んでる。

引き千切られた野菜ボール
皿に並ぶ引きつった顔

いい香りを
漂わせる 俺に
奴が 鎌を
振り下ろす。

まだ早いって言ったのに

レアな身から血が流れて
俺の肉は二つに分かれた。

実況おわり。

皿の端に乗った俺を
奴は 他の死体と一緒に
腹の中に押し込んだから。

また
新しい食材は
連れてこられるんだろう。



2001年03月01日(木)
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