7日に北九州市で起きた送水管工事での事故だが、現場はうちから歩いて15分ほどの場所で、昨年の11月までぼくはその前をほぼ毎日歩いていた。 工事現場が歩道を塞いでいるために、向かいの歩道に渡らなければならず、いつも苦々しく思っていたものだ。
さて、事故のあった日、ぼくは仕事初めということで、いつもより早く家に帰ってきた。 ちょうど家に着いた時、ヘリコプターの音を耳が無意識に捉えていたが、その時は何も思わなかった。 ところが、十分過ぎても二十分が過ぎてもヘリコプターの音が鳴りやまない。 そこにきてようやく、その音が無意識から意識の中に混入してきた。
「そういえばさっきからヘリコプターの音がしているなぁ」 「いったい何をやっているのだろう?」
ぼくがまず思ったのが空自の演習だった。 しかし、そういう演習を住宅地でやるだろうか。 次に考えたのは、凶悪犯と警察のカーチェイスだった。 しかし、聞こえてくるのは消防車や救急車のサイレンだけで、パトカーのそれは鳴ってはいない。
事情がわかったのは、テレビをつけてからだった。 見ると場所はあそこである。 水道管敷設工事、初めてそういう工事をやっているのを知った。
一昨日のこと、 その日ぼくは休みだった。 特にやることもないので、久しぶりにそこを歩いてみることにした。
工事はまだ再開されてはいないようだった。 工事現場の入口は封鎖されており、そこを数人の警察官が警備していた。 現場検証の真っ最中なのだろう。
そこで面白いものを見つけた。 この写真だが、脚立に乗っているのは女性である。 カメラを手に、柵の隙間から工事現場を撮っていた。 よく見ると、左腕には『朝日新聞』の腕章を付けている。 おそらく新聞社のカメラマンか、新聞記者なのだろう。 何かネタをゲットしてやろうと思って、必死にシャッターを押していたにちがいない。 まさか、その状況をぼくに取材されているなんて、知りもしなかっただろう。
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