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俺様の薔薇園に、侵入者があった。 こともあろうに、俺様が薔薇を眺めているときに 堂々と侵入して俺様の鼻先をかすめていったのである。 当然、俺様は憤然とした。 その気配を察したのだろう。 向こうは俺様の方に顔を向けると、挨拶らしきことをしたようだ。 勿論、俺様がそんなことで許すはずもない。 怒りにうなり声を上げていると MILETが俺様の背後に立った。 MILETの顔が鬼の形相だったのだろうか。 その侵入者はそそくさと、薔薇園を後にしたのである。 俺様の怒りは収まらなかったが、 相手がいなくなってしまっては、振り上げた拳を降ろすしかない。 それから三時間ほどたったころだろうか。 俺様が二階でくつろごうと思っていた矢先である。 突然屋外から、同朋の怒りに満ちた声が聞こえてきた。 相当興奮した声だった。 俺様は慌てて開いている窓の枠に飛び乗ったが、 MILETがいち早く俺様の気配を察知して、 窓をぴしゃりと閉めてしまった。 俺様が興奮しそうになったと読んだのだろう。 事実、俺様は少々興奮していた。 最近どうやら、陋屋の回りで 覇権争いをしている同朋達がいるらしい。 例の不審な侵入者もそういった一人だろう。 ここは俺様の家である。 なんぴとたりとも、俺様の権利を脅かすことは許さん。
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