ブルーにこんがらかって...月人

 

 

寒いので、あたたかい本をください。 - 2000年10月17日(火)

宮沢和史「詞人から詩人へ」のこと。
表紙でまずやられた。
空、である。しかもただの青空じゃない。紺色というのか藍色というのか、すごく微妙な「蒼」。
ちょうど、日が落ちて、夕焼けが消えて夜空に変わる直前の、あの深い深い色に近いかもしれない。
私はこの色が好きだ。よく晴れた青空も夕焼けもきれいだと思うけれど、それらを経て夜空の闇に変わる直前のあの「蒼」がいちばん好きだ。
青空とも、海の青とも違う。月夜の作る色に似ている。あの「蒼」は闇を作る「蒼」だ。これを何度も重ねて塗ると、夜空の色になる。…ような気がする。

中身について。
MIYAの朗読するCDを聴きながら頁をめくる。
ゆっくり、ゆっくり。
楽しい詩もある。悲しげな詩もある。なんだかよくわからない詩もある(失礼)。
ひとつの詩を読み終わると、MIYAの短い文章が載っている。
その詩に対する直接の感想もあれば、それにまつわるエピソードが書いてあることもある。感覚としては「いつもと違う場所で」に近い。
いちばん「好きだな」と思ったのは、谷川俊太郎「言葉の槍」。
それから、「死を恐れるのは思い出を失うのが怖いからだ」というMIYAの言葉。

余談。
先日学校の購買にこの本が置いてあった。
なんだか嬉しくなって、授業が終わってからまた購買を覗いてみたら、本がなくなっていた。
購買の人に聞いたら、「その本さっき売れちゃいましたよ。」と言われた。
なんだかとても嬉しかった。


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