クロワさんのご機嫌が麗しいうちに、さっさと続きを書きたく(笑)。いつ時限装置が作動するのかわからない、スリリングな環境でPCの前ですよ〜♪┐( ̄∇ ̄)┌オホホ7月29日(土)ちょうど日付が変わった頃あたりから、陣痛もハードなものになってきて、噂に聞いた「死ぬほどの痛み」という規模にも十分納得しつつ、オノレは既に分娩台の上。周囲のことはあんまり気にしていられなかったので、どういう経緯かは忘れたけれど、ぷよ2も看護師さんたちの勢いに押されて、着替えさせられていた(笑)。立会い出産です。耐えられそうになかったら、遠慮せずにきちんと逃げなさいと、事前に言ってあったんですけどね。結論から言うと、逃げられるような隙など1mmもなかったと言うべきか( ̄∇ ̄;)もうとにかく、すごい勢いでお産は進み、あたくしもあっという間に半狂乱。しばらくは、足も固定せずに自由にさせていてくれたのですが、足を組んでからは、本当にあっという間だった気がする。いきみたくなる感覚・・・・というのが、陣痛の次くらいに未知なる感覚で、他の誰かが「こんな感じ」と表現したものに、妊娠期間中は悉く裏切られてきたので、陣痛にしても、産む瞬間の痛みにしても、誰かの言葉ってのをあんまり信用できなくて。で、実際に経験してみてどうだったかというと・・・・。よく、便秘や下痢の症状に喩えられる、これら一連の痛みですが、あたくしは、あんなハードな便秘も下痢も体験したことがありません( ̄^ ̄)そりゃ「人間」を体内から出すんですからね、ハンパな苦痛じゃないことくらいわかってましたが。宛ら、内臓が出てきそうな勢い・・・・とでも言いましょうか。しかも、スルリと出てくるわけではなくて、あっちゃこっちゃにぶつかりながら、無理矢理に外に出す!!って感じのほうが近い気がする。半狂乱のあたくしは、喉が嗄れるまで絶叫に絶叫を重ね、やっぱり途中で人間やめたくなったり(爆)。文字にすると「うわぁ〜〜〜っっ!!」って感じで叫んでた気が(。-_-。)ポッよく、ドラマのワンシーンなんかで垣間見るような出産シーンみたいに美しくなんかないです。これは、産んだ人たちが皆思うことらしいんですが(笑)。自分で叫びながら、「それにしても、『うわぁ〜〜〜っっ!!』はないんじゃないかな?」と後で反省したりもしました(苦笑)。しかし驚いたのは、体験談をあれこれ聞いているうちに「いきみを逃しながら、我慢している時間が一番しんどかった。」というのが非常に多かったので、あたくしもそうなるもんだと思っていて、この苦悶がどのくらい続くんだろうと、気が遠くなりながら思っていると、「ハイ、大きく深呼吸して〜! 3回目にいきんでくださいね。」「できるだけ長く息を止めて〜!!」あたくしの覚悟はどこへやら(爆)。早速「いきめ!」の指令が、助産師さんからおりてたんです(;^_^ A気持ち的には、「助かった・・・・」ってのと「え?? もう??」ってのと半々(笑)。だって、ヒッヒッフーなんてどこでやるんだよっ!ってくらい、それぞれの間隔が短くて、とうとう、モノの本とかに載っている呼吸法なんて、どれひとつできなかったし。息を止めたり、長く吐き続けたりというのは誰にも負けないくらいに得意なあたくし。とはいえ、それはニュートラルな状態での記録であって、こんな空前絶後の痛みと戦いながら、1分の長息(呼気)や息を止めるなんてことやったことがない。呼吸法、練習してくださいね〜♪と、母親学級やヨガで言われたりしても、子宮が収縮しないように、せいぜい息を止めるのだって10〜20秒くらいに甘んじたメニューだった。無理しないのが一番らしいけど、フラットな状態で1分くらい息を止める練習はしといた方がいい。そんな、10秒や20秒くらい息を止めていられたからって、何の役に立つものでもない。・・・・というのが、産んでみてのまず第一の感想。何にせよ、出産っつうのは全く以て非日常なんだなってのが、太古の昔から変わらないスタイルってことをとにかく痛切に思い知らされたというわけです。あんなに怖かった会陰切開も、こちらに有無を言わせない段取りだったため、よく覚えていない(笑)。麻酔の注射を打たれたことと、切った瞬間に「熱っっ!」と思ったくらいだった。後から、ヨガで一緒だった人であたくしより3日くらい後に産んだ人に聞いてみたら、切開前に麻酔なんかされなかったそうで、そういう意味ではあたくしはラッキーだったのかも♪赤ちゃんの頭の下がり具合や、お産の進み具合で、麻酔もタイミングがあるんだそうだ。上記の「できるだけ長く息を止めて〜!!」ってのをきっと10〜20分くらいやってたんだろうな。なんせ「非日常」なので、時間の感覚はよく覚えていないんだけど、逆算してみるとそのくらいになるのかもしれない。そうして、まるで体の中から溶岩でも出すかのような、痛いような熱いような感覚に見舞われつつやっとの思いで、クロワさんを外界へとひねり出す。やっとの思いで・・・・と書いてはいるけれど、これは何と陣痛開始からたった3時間半後の出来事で、ふたを開ければ、あたくしに難産を仄めかしたセンセーも、助産師さんも看護師さんたちもそして、当のあたくしすらも予想だにしなかった、超ハイスピード安産になったのです。生まれ出た瞬間ホッとしたし、痛みが続いた状態からの解放で、あたくしはきっと泣いてしまうと直前までそう思っていた。が・・・・!! クロワさんの顔を見たら、泣いていられないくらいに衝撃的で、分娩台の上で、まだ後産も終わってない状態だというのに、あたくしは笑えて笑えて仕方がなかった。「やだ・・・・ちょっと見て♪ この子ってば生まれた直後だっていうのにガッツリ二重!!」「うわぁ♪ ホントだ、ホントだ!!」「目も開いてる〜〜♪ すごい〜〜♪ つか、生まれた直後なのに、なんていう気合の入った顔(爆)。」「うわぁ・・・・これはオレの顔じゃねぇ(爆)。夕雅先生の顔だよ・・・・( ̄∇ ̄;)」センセーたちは吸引機を用意したりしていたのに、クロワさんときたら出てきた直後にはもう泣いて、用意された吸引機も用無し( ̄∇ ̄;)顔はえらく気合が入っているし(爆)、陣痛クライマックスの状態でもまだ胎動を続けていた彼女らしく、出てきてすぐに大ハッスル的な動きをかます等々、まぁとにかく、元気!元気!「もうあんなに動いてる・・・・( ̄∇ ̄;) 赤ちゃんってスゴイなぁ。」「うわぁ・・・・どおりで妊娠中から腹が痛かったはずだわ。あのノリで動いてたんだよ。」「( ̄□ ̄;)!! え・・・・。腹の中でアレ? ・・・・そりゃ、さぞかしつらかっただろうなぁ。」今更遅いっつうの( ̄∇ ̄;)まぁ、腹の中の子の様子なんて、生んだ本人ですら具体的にはわかんなかったんだから、あの胎動のすごさを第三者に伝えようとしても、なかなか難しいわなぁ。クロワさんの生後の動きを見て、納得してもらっただけでもよしとしよう。クロワさんが体の計測をしている間に、あたくしの方は後産や切開後の処置をしてもらい、計測がすんだクロワさんは、早速病室で待機しているサヨコのところに連れていかれた。その時に撮った写真があるのだけど、とても生後20分とは思えない、かなりできあがった顔をしていてその写真を見るたびに、「こんな顔をした子が腹にいたのか・・・・」と感慨深くなるのである(笑)。後に新生児室に並んだクロワさんは、サイズは標準的だけれども、顔だけは既に3ヶ月児くらいの貫禄で(爆)、その眼光の鋭さに定評がありました(>y<) ぶっ「なぁなぁ・・・・あの子の名前のことやけどな。ホントに●●(ほぼ決定項だったヤツ)でいいと思う?」「う〜ん、ぷよ2先生もそう思う??」「いや、あんな強い顔で生まれてきちゃったら、イメージが違うよ(笑)。もっとあの子に似合う名前をつけてあげなきゃって思ってさぁ。今まで考えてたやつも、悪くはないけれど、ベストではないような気がしてきてさぁ(;^_^ A」「今まで出た候補をもう1回並べて、後でまた考えてみるか♪」一旦決まっていた名前が、却下されてしまうほどの眼光の持ち主:クロワさん(爆笑)。いや、親の欲目じゃなくてね・・・・あたくしたちは、もっと赤ちゃんらしい顔をした、いうなら、もっとぶちゃいくな子を想像していたんだけど、いい方向に裏切られて・・・・(爆)。あぁ、親バカですか? 何とでも言って( ̄^ ̄)生んだ直後に対面した瞬間、「誰の子だよ??」って思ったくらいですから┐( ̄∇ ̄)┌オホホそんなことを思いつつ、クロワさんがしみじみと「わが子だなぁ・・・・」と思えるのは。「記念に初乳を飲ませてみましょうか。飲めなくても、咥えるだけでもいいからね♪あ、お母さんの方は出るみたいやねぇ。咥えさせてみましょう♪」「(ぱくんっ!!)」「あら♪ 上手ね♪」「うぐっ、うぐっ、うぐっ、えぐっ、えぐっ、えぐっ・・・・」「すごい勢いで飲むねぇ・・・・( ̄∇ ̄;)」「ホント、すごい勢い・・・・(苦笑)」「えぐっ、えぐっ、えぐっ、えぐっ・・・・」「(苦笑)え〜っと・・・・これは出てるんですかねぇ?? 出ないから必死に吸ってるとか。」「いや・・・・多分それは違うぞ。」「え??」「だって、この子の口の周り、真っ白(笑)。」「生まれてすぐに本気飲みかよっ(爆)。」「スゴイなぁ・・・・生まれてすぐでも、こうやって飲めるんや。」「ねぇ。誰かが教えたわけじゃないのに、ちゃんとできるんだもんねぇ。」赤ちゃんの特性として、生まれてすぐでもきちんと吸てつ反応をみせるとはいうものの、こうやって間近でそれを眺めていると、人間って「動物」なんだなぁとしみじみ思う。加えて、「食」に対してここまで貪欲なクロワさんを見ていると、うわぁ・・・・さすがわが子だよ( ̄∇ ̄;)と認めざるを得ない(苦笑)。あまりの飲みっぷりに、百戦錬磨のはずの助産師さんが思わず笑ってたんですけど、クロワさん。。。「ちょっと変なこと言ってもいい?」「何?」「お腹すいた(●⌒∇⌒●)」「( ̄∇ ̄;)」「あら。何か持ってみえてる?」「え? 食べていいんですか??( ̄ー ̄)ニヤリッ♪」「食べれるんやったら、食べてから休まれたら?」「(●⌒∇⌒●) パン持ってきたっ♪」普通は。長引く陣痛、しんどい分娩で、精も根も尽き果ててヘロヘロになり、ひどい人だと翌日も1日中、食べ物を受け付けない・・・・なんてことにもなるんだそうだけど、あたくしは違った(爆)。大仕事でお腹はペコペコ。そうでなくても、妊娠中に食欲に対しての我慢を強いられ続けたせいで、一気にそのたがが外れた。食べたい時に食べたいモノが食べられる幸せ・・・・( ̄¬ ̄)♪今までにここまで深くかみ締めたことがあっただろうか。くぅ・・・・たかが菓子パン1コなんだけどさ。さて。あたくしもだんだん落ち着いてきて、自分の部屋に戻ることに。車椅子に乗ろうとして、自分の足腰が立たないことにちょっと驚く。嗚呼・・・・お産って、こんなにも身体に負担がかかるんだ。命がけっていうのも、まんざら誇張した表現じゃないのね。納得。。。部屋に帰って、宣言どおりパンを齧るも、半分口にしたところでギブアップ。身体が疲れきっているせいか、上手に物を飲み込めなくなっているらしい。自分の身体が、あまりに急激に変化するので、意識がそれについていかれない。昔の女性は、もっと過酷な条件下で、7人も8人も産んでたんだとか思うと、どんなに丈夫な神経だったんだろう?? と、単純に不思議です。「それにしても、よく逃げ出さずに付き合ってくれたよね。出てくる瞬間とか、後産の時の胎盤とかも見たでしょ? 私よりグロいものを見てるはずなんだよね。」「いや・・・・俺も自信なかったんだけどさぁ、勢いっていうか(笑)。立ち会ってよかったかも。いいもの見たよ♪」「そう? それならよかった♪」あまりにスピーディにお産が進んだせいもあり、ぷよ2は分娩中はもちろん、後産や縫合の間も、ずっと分娩台のそばにいました。あたくしも意識はハッキリしていたものの、とても段取り良くあれこれ進んでいくので、自分の胎盤を見るのをすっかり忘れていたし(笑)、クロワさん以外に自分の身体から何が出てきたのかも確認する間もなく、終わっていってしまい、今から思うと、勿体無いことをしたなと思うんですが。2006年、7月29日の夜明け前の出来事。天気は曇り予報だったのに、朝日が昇ると、大垣は一瞬だけ透き通るような青空を覗かせたのでした。↑安直?(笑)次回は・・・・どうしようかなぁ(笑)。書きたいことはいっぱいある気がするんだけど、毎日、必死に生きている彼女と一緒にいると、自分の感じていることがレアなうちにしか外に出せないようにも思う。そういう意味では、このデリバリー・ルポも本来ならば風化していても良さそうなものの、やっぱり、長い人生のうちそうそう何度も経験できない「行事」ならではの衝撃性があるので、なかなか記憶から消えてはいかない。そうはいうものの、この痛みの記憶そのものはわりと短時間で風化するらしい。あんまり長く覚えていると、次が産めないからだという説もある(笑)。↑うまいことできているよなぁ・・・・そういうのをふまえて、出産の痛みを男性に伝えるのに、「鼻から西瓜を出す」だの「4回死ぬ」だのわけのわからない比喩になってしまうというのに、ようやく合点がいったのでした(笑)。なるほど・・・・掴みどころのない、どう表現したものかわからない類の感覚なんだな、と自分で産んでみてやっと気がついたのでした。で、あたくしがあの痛みを、あたくしなりに表現すると・・・・「今までに自分が経験した一番ひどい便秘と、同様に一番ひどい下痢に同時に襲われ、それこそ腹を切らないことには回復の見込みがないように錯覚してしまうかのよう」な感じです(笑)。そして、お産は十人十色。このご時世でも亡くなる方はいらっしゃるし、自宅で産んでもけろっとしていられる人もいる。1人で沢山だと思う人もいれば、5人も6人も産める人もいる。ぷよ2のように、立会いが平気な男性もいるし、倒れてしまうような人もいる。男性側のお産奮闘記もまた、十人十色だ。クロワさんを独立させた瞬間から、あたくしももう1回ゼロ歳児からやってみようという決心をしていた。クロワさんと一緒に、色んなことを覚えながら、一緒に大きくなっていこうと。よし♪ しばらくやってみるぞ、「親バカ日記」(笑)。