| 2005年06月13日(月)
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人を見る? 見ない? |
恐らく、女性の方の率が高いことと思うけれど、自意識過剰とかそういう問題とは別で、 例えば、道を歩いていく恋人同士であるとか、ちょっと変わった洋服を着ている人とか、 嬉しそうにしている人とか、ちょっと触れたらそれがトリガーになって泣き出してしまうんじゃないか・・・・ なぁんて思わせる人、日々、種々雑多の事情を抱えて人は行き交うけれど、 それを自分はきちんと見ているかどうか? で、それは普通か? というテーマが提唱され、 深夜番組のバラエティでちょっとした多数決的アンケートをとるなんてことをやっていた。
で、あたくしはどうかというと、コレを普通にやっちゃってるような気がする。
嘗め回すようにジロジロ見たりはしないけれど、存外、本物のドラマというのは道端に転がっているような 些細な日常生活の中にあったりするし、擦れ違いざまに空想とはいえ瞬間的に脳みその中で 勝手にドラマを構築できる・・・・というワザは、「勝手な思い込み」とは別物で 以前のあたくしの生活の中では筆頭に上る必要不可欠なものではあった。
某養成所の人々には、正にツボ!!かもしれないネタだけれど。 もはや宗教(爆)、「トーンスケール」というトレーニングがあった。 まぁ、実践で使えるかどうかは別として、この方法論には別角度から切り込むと面白いけれど、 正面きって飛び込むと、とんでもない負担になる・・・・という代物であった(笑)。
コイツを日常的にこなしている時に、色々な場所にわざわざ出向き、色々な人をそれとなく見ていた。 ある時は駅の改札口、ある時はデパートのエスカレーターの脇、ある時はラッシュの電車の中、 ある時は公園、ある時は空港、ある時はゲームセンター、新宿のど真ん中でしばらく立ち止まったことも。
サラッと流してしまえば、別段暮らしにくい場所ではない東京も、 このように「人」を観察するとなると、色んな波長や矢印がびゅんびゅん飛び交っていて、 自分を持っていかれそうになるくらいに厳しい場所だということを思い知らされても、 それでも、人を眺め続けたあたくしも、相当お人好しだと思う(爆)。 このトレーニングがきっかけで、体調がガタガタになったとしても過言ではない(爆)。
わりと女性は見ている側の人種だ。
「あ、あの服、この間何かの雑誌で見た!」
「あの口紅とアイシャドウの色は合ってないわね。」
「うわぁ・・・・欲しいと思っていたバッグだ。。。。あれ、ウン万円するのに・・・・どんな稼ぎしてんだろ?」
「う・・・・この人とは多分、絶対に合わない・・・・目、逸らそう。一応逸らしておこう。」
「隣の席で別れ話かよ( ̄∇ ̄;) 勘弁してくれぇ〜!」
これは見たままの情報。 これを変換し分析する能力は個人差はあれど、女性はほぼ日常的にこなしている。
「やっぱり、ショップを訪ねて試着してみたらよかった。(絶対に私にも似合いそう)」
「シャドウはパールピンクに変えればいいのに。もう少しマスカラで主張すれば目力1.5倍ってとこか」
「おいおいおい・・・・可愛い顔してオミズ? 風俗? OLの稼ぎじゃムリでしょ? それともただの童顔? あぁ、単なる海外帰りか?」
「頼むから、私の横で何かアクション起こすなよ? それともアレか? この厳しすぎる空気は、生理中・・・・もしくは生理前?? くわばらくわばら・・・・。」
「うわぁ・・・・男が責められてる。つか、女の言い分、支離滅裂( ̄∇ ̄;) 薄っぺらい出会いとかしてそう。あぁ、だから別れるんだな。男よ、正解だよ(笑)。」
全部が全部、そうだとは言わないが、たった一瞬の視覚情報で、このくらいの分析が出来てしまう人は 結構多い。 あたくしの分析はちょっとベクトルが違うというか、目に止まる人の人種がまず違うので 上記はよくある風景の雛形的結果なんだけど、これが普通に出来ない人からすると、居合わせた人に 「オマエ、見すぎ!!」と指摘され、注意されるのである(笑)。
この情報をどうするかというと、きちんとインデックスをつけて、大事に自分の引き出しにしまっておく。 いざという時は、加工せずにそのまま出動することがある。 役者としての、大切な変身アイテムなのだ、コレは。モノカキとしてもそうなんだけど。 なのでよく、書きかけの作品でちょっと行き詰ってるなぁ・・・・という時、 新宿通りをぶわっと見渡せる喫茶店を選んで、窓際の席を陣取り、窓の外を眺めながら 自分が「お♪」と思う人を、見えなくなるまで目だけで追いかけたりして想像力を膨らませた。 どこにでもいるようなサラリーマンでも、身につけているもの1つでその人の「生活」が見えてきたりする。
(どこぞのドラマではないが、まず薬指を確認するのは必須(爆笑)。でも、ここから物語は始まる)
薬指にシンプルな指輪発見。っつうことは既婚者。ナリは若いが、ひょっとしたら30越えてるかも・・・・。 最近は若く見える人が多いもんなぁ。いいスーツ着てるし、ネクタイの趣味も悪くない。 ・・・・まだ子供はいないかも。奥さんの手がよく行き届いてる。靴に汚れなし。 もしくは、ひとり暮らしの経験がかなり長かったか・・・・? いずれにせよ、「できる」タイプっぽい。 時計は・・・・とんでもないブランド物ってわけでもなさそう。身の丈を知っているんだ。 うぉ!! 社章が見えた!! あんなすごい企業でバリバリってことは、この年でも手取り40万くらいはありそうな勢いだなぁ。 んでも、家ではどうだろ? 何かとんでもない趣味とか持ってそうだけど・・・・。 これで趣味が、アウトドア(釣りとか)だとしたら、まるでマンガの世界だよなぁ。 あ、スポーツくらいはしてそうかな? 異様に足が発達してるし背も高い。 サッカー・・・・いやバスケ、今でも衰えてないっぽい雰囲気ってことは野球あたりが妥当か。 週1ペースで草野球とかやってるかも。それだったら健康的かな。 あ・・・・上着脱いだ・・・・。 何だ!? あの異様に発達した上半身はっ!? ははぁ〜ん・・・・野球じゃないな、水泳だ。週3くらいのペースでジム通いだな、こりゃ。 結婚した後も続けてるってことは、社内でも家庭内でもウケは良さそう。ついでにジム内でも。
(どこぞのドラマの篠原涼子のような、無意味な観察眼(爆)。)
都合2分程度で、ここまでやるのは異常かもしれないが、日常で課せられた課題だと これより更にパワーアップ。見る箇所も厳選し、悟られないように努力するものの真剣である。 集団を観察するより、1人を追っかけるほうが、追究しやすいし面白いのであたくしは好きなんだが。 それでも想像の域から出ることなく、本人に確認するところにまでは絶対に至らないんだけど、 たまさか見つけた、1人の「ひと」という「いれもの」にあれこれ詰め込んで完成させ、 あわよくば自分の創作物の中で動かして活躍させてしまおう♪ なんていう作業は、結構楽しい。
あの「いれもの」が理想としてピッタリ♪ この間見つけた、あの「ひと」に入れ込んだ情報がここで使える♪ とばかりに、後々、この想像力は意外となところで爆発して、架空のキャラクターとして動き出す。 あたくしにとっては、身を削って集めた「情報」ですから、その瞬間は耽美というか、悦楽です(笑)。
でも、東京という街は、こうしてアンテナを張り巡らせっぱなしにしていると、時に物凄く疲れる。 入ってくる情報量がハンパではないからだ。 今のこの暮らしをしていると、入ってくる情報が希薄すぎて、全く刺激的ではないのだけど、 前に掻き集めた情報がキャパシティオーバーを起こしている限り、 何か原動力となるきっかけさえあれば、動き出せそうな気はするんだが・・・・( ̄∇ ̄;) 人生、そうそう巧くは出来ていない(苦笑)。
あたくしにとっては縁遠いアイテムだったのよ。 2番目にきちんと重要視するのは靴。女性でもそう。 その昔、大手建設企業で働く、バリッバリのキャリアウーマンだった独身女性は 常に身奇麗にしていて、チョイスする洋服もセンスがよかったが、中でも一番目を引いたのは、 全てオーダーで作っているという「歩く」ための靴だった。 背の高い、とても見映えのする女性だったので、ハイヒールを履いているところは見たことがなかったが、 洋服よりも靴に散財し、きちんと自分の足を労わりながら、男性同様に仕事をしている彼女は、 確実に自立していて、確かにカッコよかった。 髪を下ろしているところもそういえば見たことがなかった。 いつも、これまたセンスのいいまとめ方で、バレッタやピンを駆使して、仕事終わりでもきちんとしていた。 そりゃ、疲れた表情を垣間見せることもあったけれど、それは結婚が出来ないとかそういう憂いではなくて 外面的には、本当にでかいプロジェクトを動かしている時だったりして、 男だろうが女だろうが、疲れの度合いは同等だろう。 概要を聞いたら、卒倒しそうなくらいにヒュージな規模のプロジェクトだったから。
こういう人は、きちんとひきだしにしまって、いつか「ここぞ!」という時に登場させよう。 そういう人に出会えたことは、やっぱりある種の「奇蹟」だから。
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