2005年06月05日(日)
|
重い「こんだら」て何よっ!? |
小さい頃。 普通の言葉はちゃんと理解できるようになっても、 歌の一節というのは、メロディーラインや、曲の中で言葉が小節をまたぐことによって、 本来の意味とはかけ離れたとんでもないものを頭の中に想像するなんてことが稀にある(笑)。
「俺さぁ、小さい頃ずっと『巨人の星』の歌の最初の部分の『おもっい〜ぃこんだぁ〜ら』って 『重いこんだら』だと思っとったんやてな〜(笑)。しかも、かなり後まで(爆)。」
「あれ? 『巨人の星』ってさぁ、歌詞がちゃんと画面に出てたよね? それなのに??」
「歌なんてまず耳から入ってくるもんじゃん♪」
「んで、その『こんだら』って何よ?」
「ほれ、グランドの地ならしする時のローラー。」
「ぎゃははははははは _(__)/彡☆ばんばん! 野球部って、あれ使う?? あたし、テニス部が使ってるとこしか見たことないんですけど(笑)。」
「星一徹なら何でもやらせるかなとか思い・・・・(笑)」
「しかも、その該当部分のバック画像って、確か親子でうさぎ跳びをしてたような・・・・(* ̄m ̄) ププッ」
「しょうがねぇじゃん。歌が重そうだったんやし。」
どんな理由やねん( ̄∇ ̄;)と思いつつ、彼が後年までしばらく、地ならし用のローラーのことを 「こんだら」と思いこんでいたこの事実、随分昔に明かされた恥ずかしい勘違いネタなんですが 誰にだって1つや2つ、こういう思い違いというものはあるもので(笑)。 ここに来る人で、未だに同じ思い込みをしている人はまずいないと思いますが、一応。 あれは「重い『こんだら』」ではなく「思い込んだら」。 文脈を考えられる年になれば、誰でもひっそりと軌道修正しますが、まさか自分の夫が その軌道修正をしばらくできていなかったとは(爆)・・・・最初に聞いた時は、腹がよじれました。 血の汗流し、涙を拭かずに語ったぷよ2、コレからもどんと行け(爆)。
さて、話の枕はこのくらいにして。 あたくしが書きたかったのは、飛雄馬が「こんだら」を引いた後の話(笑)。 試練の道を行くが男の・・・・という部分はあえて「女」に変換し、ど根性!! こっちの話です(笑)。 サナエからダブル激励が来たという話は数日前にも書きましたが、 更にもういっちょ、今度はPCにもガッツリと長文のメールが届いていたわけで。
彼女は、あたくしの歴史のほぼ半分をきちんと知っている親友だけど、互いに15歳(中学生)までに 与えられた試練のことはほとんど知らない。 いや、聞くには聞いていたし、こっちも言うには言っていたんだけど、 互いに「こりゃ、根掘り葉掘り聞く話でもなかろう」と、その試練もまだ癒えぬ傷というのもあり、 当時はそっとしておいたのだ。
サナエは、普通よりも心臓が弱くて、夏のプールの授業はほぼ見学。 高校に入ってからも、ある頻度できちんと病院にも行ってたみたいだった。 中学の頃、バスケ部にいたけれど、ガッツリとした選手ではなかったみたいだし、 運動部にいたわりにはほっそりとしていた。 で、しばらくしてから心臓の話を聞いたんだけど、激しい演劇部の活動の中でも特に支障を来していなく、 普通に皆と同じようなメニューでも大丈夫そうだったので、あんまり深くは追及しなかったのだ。 今日届いたメールの中には、そのことを「試練」と銘打って、 当時はわからなかった自分への試練の意味が、この年になってだんだんわかりかけてきた・・・・ なんてことが書いてあった。 彼女にとっては1つの行動が死の琴線に触れたり、きちんと節制しなければ、結婚は愚か妊娠や出産にも 影響を及ぼすとあって、15の体と心で、その重い「試練」に不安と恐怖を感じていたのかも。
「私のひ弱な心臓が一生懸命働いてくれている間は、笑ったり泣いたり、悲しんだりできるのだとね。」
ターニングポイントからおよそ同じだけ生きてやっと、彼女は神から与えられた試練を こんなふうに解釈できるようになったと、メールの中で言っていた。 彼女はつい最近まで、馬車馬のように働いていたけれど、そっちの影響が俄かに心配になるんですが。
お願いだから、あたくしよりせめて10ヶ月は長生きしてほしい。 先に死んでほしくない人。 だって、アンタ、あたくしよりも10ヶ月遅く生まれてるんだから、あたくしより先に死んだら 許さないんだから( ̄^ ̄)←身勝手の極み(笑)
そんなあたくしにも、やっぱり15の時にターニングポイントがあったりして、 彼女の言葉を借りるならば、神が「生きている限り十分にそれをいとおしみなさい」というメッセージを 与えていてくれるのかもしれないなぁ・・・・ということで。 全く同じことを女王にも言われて、あは♪ この2人、引き合わせたら ちょっと面白いことになるかもなぁ・・・・なんて、勝手に妄想を膨らませていたりも(爆)。
丁度、トモくん一家を訪ねた時に、高校受験の時の話になって、 試練の時と受験が重なって、あたくしはスパートをかけるのにどうしても無理が生じてしまったのよ、 なんていう話をしてきたところだった。 トモくんは、丁度その試練の時を知っているので、どうしてあたくしがスパートをかけられなかったか、 何がパワーダウンの原因だったかを、言わずにして既に理解していてくれるようだった。 実際、当時の担任に、第一志望の高校はこのままだとちょっと難しいかもしれないぞ・・・・と言われ、 普通はそこで奮起して、よっしゃ!最後の最後で頑張りとおして見せたるわい!!みたいな 火事場の馬鹿力が出るものなんだけど、あたくしにはこの時、もう何も残っていなくて、 現状維持すら難しい状況だった。 皆がスパートをかける中、現状維持がやっと・・・・ひょっとしたら落ちていくかも・・・・なんていうのは 受験生としては致命的。 あたくしはとうとう、最初に出していた県立から願書を移してもらい、今や母校となったあの高校を 受験するに至ったというわけ。 卒業式3日前くらいまでごちゃごちゃと揉めていて、幽霊みたいに「学校」という場所に 憑依していなくてはならなかったあたくしは、「競争」とか「比較」とかにもうウンザリ。 逃げるようにして、高校に行った。
けれど、その先で、やっぱり運命に翻弄されたひとりの少女に出会ったのだ。 サナエに会うことなく、今日までを生きてきたとしたなら、どんな人生だっただろう・・・・ と、少々感慨深くもなる。 優等生をやめるタイミングも見つけられなかったかもしれないし、 あんなアホみたいに学費の高い大学を目指すことなんか、考えもしなかっただろうし。 新しい恋に必死になれなかったかもしれないし、思い詰めるほどに大好きなものも出来なかったかも。
あたくしはサナエのように、死の恐怖に晒されたことはないんだけど、 彼女は「生きる」ことにとても敏感でいたんだなぁと、今更ながらに思い知らされる。 あたくしを襲う「試練」とかいうヤツは、言うならそんなに深刻ではない。 自分の一挙手一投足が即「死」に繋がるような、恐ろしい状況下に置かれたこともない。 自分の「芯」さえ曲らなければ、とにかく何が起ころうが、最悪死ぬようなことはない。 だから。 だから、サナエが言わんとしていることが身に沁みてよくわかる。
「あぁアタシも何歳まで子供生めるだろう。。。自分の体がもつだろう?」
「どんな事があっても美しい女性でありなさいね。。。。あってくださいね。」
「すごく幸せだった頃のこと思い出して、すこし感傷的になってしまうのです。 若さも、美しさも幸福も手に余るくらい持っていた頃のこと。 今は、手の中に入るくらいの幸福で十分幸せ。と思えるくらい大人になったのだけれど。」
こういうことを言ってしまえる彼女に、あたくしはどんなふうにして振舞うのが善処とされるのか、 ハッキリとした答えは出てこないんだ、正直。 こういうふうに自分のことも噛み締めて、他人のことも思いやれる彼女の人生も、 自分のものと同じくらいに、いとおしくてたまらない気持ちになる。 ただひとつ、何となくだけどわかっているのは、あたくし自身が幸せそうに笑っていることが必須条件、 本当に幸せだと思っていることも絶対条件。
でもね、サナエ。 アンタが自分の知人たちに「月」や「太陽」や「植物」に擬えられて、それを不本意と思う気持ちに反して、 あたくしは、アンタのことを「月」とも「太陽」とも「植物」とも思ったことはないんだよ。 たまに、「火星人」なんじゃないかと思うことはバリッバリにあるけどさぁ(笑)。 物凄く人間臭くて、参っちゃうんだ。 アンタみたいな人間がいるから、「月」も「太陽」も「植物」も存在できるんじゃないかって たまに思うわけさ・・・・。 笑ったり、泣いたり、悲しんだり・・・・って当たり前のように日常に存在するけれど、 アンタは、それを与えられたものとして、きちんと慈しんでいるから、 どっぷり疲れて眠りこけても「明日」がきちんとやってくる。命が続く。 そういうアンタの存在が、あたくしそのものを立てていてくれるってこと、 どうか忘れないで。
おんな2人。 「思い込んだら 試練の道を行く ど根性」が「ウリ」のおんな2人(笑)。 決して、「重い『こんだら』」をひっぱりまわすだけが、根性の証というのとは違うぜ(爆)。
|