2004年12月10日(金)
すごい男


ここには、本当のことしか書くつもりはないんですけど、
この日の出来事は、秘密にしておいた方がいいんじゃないかなぁ・・・・と、23歳の時よりかは
ちったぁ「わきまえる」ってことが何たるかっていうのを知ったあたくし(爆)。


いや、この日は、劇団鳥獣戯画というところが主宰の「3人でシェイクスピア」を堪能し、
その後、加藤さんと、赤星さんと3人で深夜・・・・時間的には早朝まで飲んでいたんですが
そこで吐露された、本音の部分であるとか、確たる野望については伏せておこう・・・・
そう心に決めたんです。


2人の男・・・・いや「漢」が真剣に惹かれあっている様は、どんな超大作のドラマよりも見応えがあったし
この2人の「漢」が作る芝居なら、たとえどんな内容であれ、参加しないと一生後悔するような、
そんな感じ。


加藤さんが、もう1人の「漢」が合流する前にあたくしにこんなことを言ってくれた。


「俺はね、夕雅の芝居が好きなんだよ。爽やかなんだ。
舞台の上を、風がサァーっと抜けていくように動ける人間はそんなにいない。」


「爽やかですかぁっ?? ・・・・未だ、そんなことを言われたことがないのですよ?」

「いや、あぁいうのをそう言うんだ。だから、お前のことは次の芝居にも絶対に使いたいし、
東京へも連れて行くつもりでいるんだ。」



・・・・・・・・。
みそじになっちゃって、人妻になっちゃって(爆)、それでも尚、その「爽やかさ」を求められたら
どうしようっ!!??みたいな勢いでしたが、でもまぁ、いいや。
多分、あたくしはあの時(忘八の稽古中)、必死だったからそういう結果が出たのであって、
次に何かのご縁で御一緒させてもらう時に、この「爽やかさ」がなくなっていても、
別の武器や良さが「板の上」で発揮されれば、「漢」たちを納得させることが出来るかもしれない。

ひやぁぁぁ〜〜〜〜〜っっ・・・・それ以前に、何もかもが一旦淘汰されたあたくしなんて、
武器も何も、「丸腰」に近い状態ですけど、それならば「爽やかさ」の追究の方がまだラクか?
と、ついつい逃げ道を探るあたくしってバカですわ、ホント。


加藤さんは、脚本家でもあるのだけれど、そんな彼にあたくしってば
数年前、自作品を持ち込んでいるんですよね・・・・それをきちんと覚えててくださって、
あたくしってばどのシリーズの『雑』を持ち込んだか、すっかり忘れてたのですが、
それについてもこんな感想を賜り・・・・。


「文章が綺麗だ。流れるような感じで、それでも要所要所がきちんと抑えてある。
お前は、文才もあったんだな。台本は書けるのか?」


「それが、戯曲の方はサッパリでして・・・・。何度か挑戦してはいるんですが、挫折の繰り返しです。」

「俺は好きだなぁ。お前の作ってくるものは。素直なんだよ。」



褒められているのか何なのか、よくわからない状態なんだけれども、
少なくとも、今日、お誘いを頂いた時点で、あたくしに対する悪意や敵意はないんだということを悟る。
「好きだ」と言われて、悪い気はしない。
役者だってモノカキだって、褒められればどんどん輩出しちゃうものだし。

ただ、あたくしは、一旦、何もかもがゼロになった状態、もう1回1から構築しないとダメだから、
板の上にのる時は、それ相応の「覚悟」と「素直さ」がないと、2度目の淘汰が己を襲うんだろう。。。
そのくらいのことは容易に察しがついた。


やがて赤星さんがやってきて、こんなふうに3人の舞台人が集まれば、
侃々諤々と、芝居談義に花が咲くのは極々自然な流れで、流儀も違えば思想も違う、
でもそんな中で引き合ったり、突っぱねたりと、人間関係の奥深さまで垣間見ることが出来るので
殊、「人」が好きでないとやっていられない。
あたくしは、この2人の「漢」にとても興味があるので、自分のことはほとんど話さずに、
2人のやりとりを聞いていた。
(そのやりとりはトップシークレット♪)
(方や大俳優、方や大演出家なので、そういう談義もここに載せると問題が発生しちゃうから♪)


最初はダンディに現れ、そして、がっしりとした「THE 男」として酒を飲み始め、
大体頃合が、「THE ハイテンション」になった時分を見計らって、あたくしは
予てからのお願いを遂行することにした。


「赤星さん、お願いがあるんですけどっ!」

「おぉ、何だ?」

「頭、触らせてください!! もう、是非!!!」

「いいぞぉ〜〜〜っっ!! 思いっきり触ってけ!!」

「やった〜〜〜〜っ!!(●⌒∇⌒●)」

「違う違う、ココ、ココ♪ ここんとこ触っててみな。
俺のパワーを送ってやるから♪」


「(*≧m≦)プーッ♪ ス、スゴ・・・・血流がどくどくいってるのがわかるわ・・・・。」

「夕雅ちゃん、そして言ってくれ、『赤星、頑張れ〜っ!』って。」



そんなん、言われなくったって、いつでも心の中で思ってるって!!
でもこの日は、彼の頭にも触らせてもらえたことだし、リップサービスと景気付けということで、
ちゃんと口に出して、そう言った。


この1人の「漢」は、時間をかけてだんだんと、「少年」に戻っていった。
あたくしはこんな多弁な彼を見たことがないし、前に一緒にお芝居をしたときの打ち上げでは、
少なくとも、もっと言葉少なで、じっくりと一晩中飲んでいるイメージが強かっただけに、
彼が少年のように瞳をキラキラさせながら、熱く語ること全てが、現実の世界でも起こりうるという
そういう物語があたくしをワクワクさせてくれた。


ただ、一つ明らかになったというか、あたくしが新たに知った事実の中には、
彼もまた、1回どころか何度もの淘汰を経て、今ここに在るということだった。


頭の中で様々なことを考える。
普通じゃ到底、理解されそうにもないレベルにまでその思考は及ぶ・・・・なんてことも言っていた。
嗚呼・・・・まるで、落ちていく最中のあたくしみたいじゃないか、そう思う。おこがましすぎるけれど。
あたくしは、自分の口からは何も言わなかった。
どうして、こんなに痩せてしまったのかの理由も、東京を離れてしまった本当の理由も。
ただ、2人の「漢」があんまりにも色々な話を次々にしてくださるので、
少しだけ健やかになれた気がしたから、言う必要などないな・・・・そう思った。

↑コレは、モノカキ的視点


そういえば、「3人でシェイクスピア」の中で、進行上、「女役」をやる人というのが
必要になってくるわけだけど、
3人のうち、1人は女性だった・・・・にも拘らず、女役のほとんどを赤星さんがやっていたところに、
この芝居の面白味は凝縮されてるんだろうなぁ・・・・。
もっと狭い小屋で見たかっただけに、非常に惜しい。この日の小屋は少々広すぎた。
ギュッと身を乗り出して、30〜60人くらいが熱気につつまれながら
彼らの表現を見ている・・・・そういう状況を見ている自分・・・・というのが好きなのかもしれない。
あたくしは(苦笑)。
この日、2人の「漢」に押されまくって、ちょっと思考が贅沢になったかもしれない。


そして実は、この日の朝、もう風邪がとんでもない域にまで達し、それでも何としてでも、
この2人の「漢」に会うために、あたくしは午前診療ギリギリで内科医に駆け込み、
いつもの点滴とは別で、筋肉注射まで打たれる始末。
「漢」たちの前で平静を装うことが出来たあたくしは、大女優なのだ(爆笑)。
(まぁ、方や酔っ払い、方や素面なので、相当のハンデ戦だけど(爆笑))

あさみ


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