2004年12月03日(金)
こんなにも眠れない12月2日の夜


先日、大脱走をかましたので、ぷよ2が夜勤の昨日、あたくしはほぼ強制的に
実家に帰された( ̄∇ ̄;)(ホラ・・・・言わんこっちゃない)
まぁ、コレでぷよ2が案ずるところなく仕事に集中できるのなら、それもいいか・・・・と
あたくしもぷち里帰りを拒否することなく、昨日は夕方から実家にいた。


実家にいるとそれこそ数多もの思い出の数々が犇いていて、どうしようもなくなることがあるんだけど
「どうしようもないことなんだな」と過ぎたこととして溜飲を下げると、
意外と何でもない感じだったりする。懐かしいけれど、それ以外の何でもない感覚。
時間は巻き戻せないし、それがこの次元では覆すことの出来ない1つのベクトルだから。
大きな力に逆らおうとすると、大きな歪みが生じるというもの。
「時間」に逆らおうなんて、江戸時代の町民がお上に楯突くのよりも恐ろしいことなのかもしれない。


テレビっ子のあたくしが、テレビのない部屋で一晩過ごすというのは、かなり苦痛なことではあった。

↑バカですか、自分( ̄∇ ̄;)


当然眠れるはずもなく、携帯用の安定剤で何とかその場凌ぎをしようにも、
安定するだけで「眠れる」わけではないので(爆)、そのまま夜通し起きていた。
ほぼ90分に1冊の割合で、昔、買い集めた文庫本を読み漁っていた。

1冊目。桜井亜美著「alone」。買って電車の中ででも読もうと思っていたのだろう、
そのまま放置していた本らしかった。明らかに初見のその作品には、あたくしの想像を掻き立てる
様々な色彩が、様々な表現をされていて、もう桜井亜美はお腹いっぱいだなぁ・・・・と思っていたのに
あっという間に読んでしまった。
丁度、今、15歳のあたくしが立たされているジレンマと、主人公のジレンマがシンクロする気がして
まぁ、決してライトではないんだけど、彼女の作品の中ではわりとライトな方だなと区分される
この作品にかなり没頭してしまった(苦笑)。
あたくしは、初期の頃の桜井亜美の作品をほぼ読破していたのだけど、
「14」を読んでからは、あまり手を出さなくなった。
表現はとても美しいとは思うのだけど、脳細胞がデジタル化していく気がして、
1回、拒否反応みたいなものが起きてからは、読んでなかったのだ。
そういうのがよみがえってこないということは、「安定」してるんだな・・・・(笑)。


2冊目。群ようこ著「無印結婚物語」。大ヒット作品、「無印良女」の後続シリーズ。
オムニバスなので、読みやすいし、堅苦しくなく話題が身近なので、コレもすぐ読めてしまう。
最初に読んだのは、学生時代だったと思う。
まだ20代前半の頃で、「結婚」の「け」の字すら自分の頭になかった時代に持っていた印象と、
まさか結婚してしまってからこの作品集を読み返すことになろうとは・・・・という
変な印象のギャップの中で、嗚呼・・・・人って環境1つで、読後感まで変わるもんなのね
と、妙に感心する(爆)。まぁ、これらシリーズは眉をひそめて読むものではなく、
ガハハハと大っぴらに笑いながら、漫画を読む感覚で読むオムニバスなので、
気はラク。ただ、自分が結婚を経験しただけで、学生の時に味わえなかった奇妙な「恐れ」だけが
読後感に残った・・・・とだけ書いておこう(笑)。


3冊目。内田春菊著「ファザー・ファッカー」。ま、コレも有名な著書だとは思う。
最初に読んだ時の印象が、結構頭に残っていて、主人公の少女が養父に侵される・・・・という
最悪なシーンのことばかりがこびりついていたんだけど、実はそうではなかった。
養父に受けた精神的な辱めや、実母の理不尽な言動や行動、その中で主人公とその妹が
どんな風に立ち回っていたか、その違い等々、大半はそんな内容だった。
はっきりいって、この小説の中に出てくる家庭は狂っているんだけど、主人公の少女は
ボーイフレンドの子供を妊娠しようが、中絶させられようが、変な親にあれこれ言われようが、
挙句、養父に暴力を振るわれたり凌辱されても、何でか冷静なのがすごくリアルだった。
その代わり、自尊心を傷つけられるような親の行動や言動に関しては、
あたくしもビックリするほどの執念深さで、詳細に渡って書き記してある。
あたくしは、それこそ少女時代に、妊娠・中絶・親からの凌辱というのはなかったけれど、
そりゃ、もう、この主人公の少女のように、自尊心を傷つけられると蛇のような執念深さを発揮し、
いつまでもそのことを覚えていて、復讐してやろう・・・・みたいな子供だったんだけど、
上には上がいるものだ(苦笑)。
この小説が、内田氏(女性だけど・・・・「女史」と書くと何か違う気がする)にとっての自分史なのか、
はたまたフィクションなのかと、作品が発表された当初、かなり話題になったりしたけれど、
フィクションでもノンフィクションでもどっちでもいい。
ただ、ああいう家庭が現存するのは確かなことで、ああいう少女が現存するのもまた確かなことなんだ。
環境の違いこそあれ、あたくしは大人の矛盾点を厳しく見つめている、この主人公の少女が
それこそ、少女時代だった頃の自分と酷く重なる気がして、絵空事や他人事として見る気にはなれない。
自分の親や家庭は、あぁではなかったものの、自分は多分、周囲から見ると
こんな少女だったのかもしれない・・・・そう思わされる作品なのだ。
あと、この作品を読んでいると、確かに嫌な気持ちもよみがえってくるんだけど、
「あぁ・・・・自分だけじゃないんだ。」という妙な安心感を得られる。
こういう感受性を持った少女が自分以外にもいるんだなぁ・・・・というただそれだけで、
不思議と、あたくしを束縛していた「孤独」がどっかにいってしまう気持ちになれるのだ。


次に、村上龍著の「全ての男は消耗品である」を手に取ろうとしてやめた。
この本は面白いのだけど、この続編がすごくつまらなかったので、それでやめたのと、
もう時計が、午前4時をさしているということ、更には右目の奥の方・・・・頭痛がどんどん酷くなって
これ以上読書するのが無理だと気付いたからだ。

嗚呼、せめて、飲みつけている頭痛薬もピルケースに入れておくんだったよ。
そんなことを思いつつ、安定剤ですっかり安定しているはずのあたくしは、
足取りがフラフラのまま階下に降りて、常備薬箱の中からバファリンを探し出し、
クッキーを1枚食べてから、それを流し込んで、眠れたら寝ようと思っていた。
30分ほど、のたうちまわっていたんだけど、結局眠れず、帰還していた山賊が丁度出掛ける時間になり、
階下がバタバタとし始めたので、ベッドから出て、山賊と一緒に食卓について、なめこ汁だけを相伴する。


その後はもう2階へ戻らず、サヨコ愛用のテンピュールの枕をほぼ独占状態で
彼女と2人で、ケーブルテレビの「遠山の金さん」なんかを見ているうちに、
グッスリと昼過ぎまで眠ってしまった( ̄∇ ̄;)


飛び起きた後はもう万事、連絡済で、あたくしが昨夜、ちっとも眠れなかったことは
サヨコからぷよ2にも伝えられた後で、過喚起もパニックも出ずに一晩過ごせたんならと
サヨコもあたくしが自発的に起きてくるまで放っておいてくれたようだった。
すぐに支度をして、銀行とコンビニで支払いがあったのでそれを済ませて、飛んで帰ってきたんだけど、
ぷよ2はあたくしが寝過ごしたことを特に責めるでもなく、普通に出迎えてくれた。

・・・・自分も夜勤で疲れてて、眠いだろうにな。

殊勝なダンナにあたくしはますます頭が上がらなくなる(苦笑)。
きっとうちらはこれからも、こんなふうにして、暮らしていくのかなぁ。
安定しないあたくしの体調と、マイペースな彼のやり方が混在して、それで調和が取れる
そんな生活になっていくのかなぁ・・・・ふと、昨夜読んだ「無印結婚物語」のことを思い出していた。


最近、書くことばかりに夢中で、ちっとも読書をしていなかった。
他の人の作品を読んでしまうと、自分の中で構築していた世界観に、少なからずとも影響が出てしまい、
どっかのアイドルじゃないけれど、盗作問題になってしまったら事だし(苦笑)
何よりも、トレースしたかのようなその世界観に自分が納得できるはずもなく、
書く気を失せさせる・・・・それが最近のあたくしにとっての「読書」だったりしたので、
1度読んだ作品をもう1回読み返す、そういう「読書」は柔らかくて気持ちがいい。
ま、おかげで眠るタイミングを逸し、こんな顛末になってしまったわけだけど( ̄∇ ̄;)

すっかり眠りこけていたあたくしを、誰も責めなかった。
昔、「眠れないよ・・・・どうしよう・・・・」と涙したこともあるので、眠っているのは健康の証とばかりに
サヨコぷよ2も安心してくれるのだ。
あたくしは申し訳なさでいっぱいだったのだけど、薬は最小限しか入っていなかったので、
起き抜けもいつもみたいに瞬発力に乏しいというわけでもなく、さっさと支度を整えて、
起きて1時間後には実家を後にした。

実は、今もまだ眠い。
ぷよ2は仮眠を取りにいっているけれど、一緒に寝てしまうと多分、
今夜も並々ならぬ眠剤のお世話にならないことには眠れなさそうなので、ちょっとだけ我慢している。


ターニングポイントだった12月2日の夜。
あたくしは普段の数百倍もの活字を読んで、今の自分がここにあるというのを確認できた。
その昔は、暇さえあれば本ばかり読んでいた。
興奮していたわけでもなく、沈静しきっていたわけでもなく、普通に本を読んで、
普通に過ごしたこの夜は、一旦は病に身を窶してしまった自分を少しでも軌道修正するのに
意義ある時間として、今後も残っていくんだろう。

↑18と30を一緒にしちゃいかんわな(爆)

でも、15に戻っていた瞬間が近かりし過去にあるあたくしには、いい参考書となったわけだ。
ここにはおちゃらけて書いたけれど、あたくしの奇行は傍目から見るとわりと深刻なもので(苦笑)、
ホントは今すぐにでも、オーアエのところに行くべきなんだろうけれど、
今の環境で十分に満たされて、足らないところを補填してくれる人たちに恵まれているので、
それもやめたのだ。

眠れない夜も、特に鼓動が早くなければ、何かに畏怖を感じることもないとわかった。
それがわかっただけでも、あたくしにとっては進歩なのだ。

 ※だから邪魔するなよ・・・・。邪魔したら、本当に許さないから。
 ※ここに於いての「邪魔」の意味がわからないと言うのなら、あたくしはペンで人を殺すという宣言を実行する。

あさみ


投票ボタンです。押すとアサミンジャーがはしゃぎます♪


あなたの毎日にずぅむいん・・・・

My追加




めーるはこちら♪

宿帖直通(BBS)