2004年02月02日(月)
【番外編】 余韻に浸るアサミンジャー


昨日の続きを、昨日の枠に書こうと思ったのですが、これは多分次の周期の準備なんでしょうなぁ。
少し熱が高めになってきて、今日もお昼近くまで眠ってしまっていた。
週末は大概熱が低くなっていて、それを1週間くらい持続することができていたのだけど、
やっぱり月例行事には勝てそうにもなく、上がってしまった体温を再び持て余しております。
2日くらい前から、ロキソニンを復活させたせいで、思いっきし爆睡をしてしまい、
今日も、日永一日このまま過ごすことになりそうなので、とりあえず、昨日書ききれなかった分を
今日の日記として書いておこうと思います。


【PMSについての見解】

トモコさんとヒトミ先生と一緒にヤニ休憩をしている時に、ふと、あたくしが思い出したかのように、

「ひょっとしたら、本番の日に一発目が来るかもしれないんですよね・・・・」

と零したら、激しく同情票が集まった。
何もかもが終わってしまってから、いざ本番!! というのが一番望ましい・・・・というのが
我々の共通見解で、やっぱり、同じ女性はそれぞれに月例行事に対して色々な症状を持っていることに
気付かされた。

「あたしはねぇ、食うか、飲むかのどっちかなの。」

「私は下腹が張るんですよ。食欲は確かに出るかもねぇ。」

「あたしのは致命的なんですよ・・・・。」

「何? そんな酷いの??」

「いや、来ちゃえば何てことないんですけど、来るまでが悲惨で・・・・舌や頬の内側が腫れぼったくなって
せりふ噛んだり、声が出にくくなっちゃうんです・・・・」


「( ̄□ ̄;)!! そ・・・・それは致命的だねぇ!」

「来たら来たで鬱陶しいけど、確かにこういうのって全部解消しちゃうんだよね。」

「そうなんですよ。確かに怠くなったりはするんですけど、
嘘みたいにサーって症状は消えるから、できれば前倒しで来てほしいんですよ。」


「私は、次の日程はどうだったかなぁ・・・・もうあんま、いらんかなって思ってるから
忘れちゃってるわ(爆)」


「あはははは♪ あたしも〜♪」

「( ̄∇ ̄;)・・・・お2人とも、そんな枯れた話にしないで!!
もっと、潤いある話にしましょうよ!!」



そもそも女性の月例行事たるや、「子供を産むため」に存在するようなもので、
子供は必要ない、もしくは産むつもりはない・・・・とハッキリとした自分の主張がある人からしてみれば
未だ続く、毎月の恒例行事はかなり邪魔らしい。
トモコさんもヒトミ先生も、あたくしよりうんと年上で、
それぞれの安定した生活スタイルを持った上で、「子供はいらない」という人たちなので、
あたくしのように、結婚もまだで、でも体内のメンテナンスはきちんとして、
いずれ授かったら産もうとしている人間とは少しスタンスが違うのだけど、
それでも、身体が健康な故にきちんと毎月、来るものとして受け止めているのだから、
それだけでも偉いな・・・・と思う。
もう、自分の生きる道筋が確立された、大人の女性の意見なので、彼女はこうで、彼女はこうなんだな
というふうに受け止めることもできる。で、自分はまたちょっとスタンスが違うな・・・・とも。


そんな話をして、自分の身体のことを今一度見つめ直すことも出来る中、
高校生の朱乃ちゃんと楽屋で2人きりになった時に、こんな質問をされた。

「あのぉ・・・・日野さん。ちょっと変な質問なんですけど、いいですか?」

「(笑)何でもどうぞ♪」
 ←色んな質問には慣れている(=相当なことでも答えられる(爆))

「あのぉ・・・・私、すごくおりものが多くて・・・・。生理と勘違いするくらいに多いんですけど。」

「あら・・・・それは大変ね。で、今そうなの?」

「あぁ・・・・はい。丁度、昨日くらいから。」

「生理の周期はどのくらい? ちゃんとつけてる?」

「あ・・・・つけてません(苦笑)。だけど、大体毎月16日に来て、それから1週間くらい続くんで。」

「あらぁ♪ すごく安定しててわかりやすいからいいじゃないの。」

「それでですね、丁度生理が終わって、1週間くらいすると、急におりものが多くなるんです。」

「ふむふむ・・・・ちょっと待ってね。」



あたくしは手帳を取り出して、今日の日付と大体生理があったと思われる日程、そして、
次に来るであろう、日程を照らし合わせて計算してみた。


「あのね、朱乃ちゃん・・・・多分、すごく周期が安定してるから、
そのおりものは、排卵日の印っていう可能性があるかもよ。」


「え!? 排卵日ですか??」

「あのね、生理が終わってから1週間・・・・っていう目処じゃなくて、次の生理が始まる2週間前くらいが丁度
排卵日に当たる日なのね。で、今カレンダーを見てみると、丁度その2週間前に
昨日今日あたりが合致するから、多分そうだと思うよ。」


「あぁ♪ 所謂、『危険日』ってヤツですか!」

「ま・・・・まぁ、そうとも言うけど( ̄∇ ̄;)
子宮も卵巣も元気に動いている証拠だと思うから、そんなに心配はいらないと思うよ。
もし、痒みとかかぶれとかが酷いようだったら、恥ずかしくても婦人科に行って
きちんと診てもらう方がいいし、専用シート使ったり、薬局で今は市販されてるお薬とかもあるから
そういうのを利用してみるのもいいしね。
とにかく、前の生理じゃなくて次の生理を基準に考えた方がいいからね。
お医者さんに一度相談してみたら?」


「はい♪ ありがとうございました♪」



男性にはわからないかもしれないが、例えば、こうして日程が決まっている舞台みたいなものに
臨むにあたって、殊、女性は、月例行事やそれに纏わる色々な症状に対して敏感になる。
あたくしのように、PMSの症状が緩和されないうちにゲネプロや本番が来たらどうしよう・・・・とか
緩和されたはいいけれど、2日で5ステ(ゲネも含む)という過酷なタイムスケジュールの中で、
持ち堪えることができるだろうか・・・・とか、
それこそ、トイレに行くタイミングや、衣裳を汚したりしないかとか、
本当に神経が過敏になってくるのだ。
楽屋で素っ裸になるのも辞さない人種ではあるけれど、やっぱり月例行事中は、
あれこれと付属品が身体についていたりするので、あまり人前にさらすものでもなく、
楽屋を共有しているもの同士、不愉快な思いをさせてはいけないな・・・・と気も使わねばならない。

んでも、互いに体調のことを相談しあえるというのはいいことだと思う。
特に、今回の演出家は男性だし、不調を訴えても理解を得られないことが多い。
ヒトミ先生に少しでも話を通しておくだけでもかなり状況は緩和されると思った。
朱乃ちゃんだって、少しは肩の荷が降りたんじゃなかろうか?
そんな朱乃ちゃん・・・・只今、胃腸風邪で悶絶中( ̄∇ ̄;)
食うものも食えず、よく踊ったり歌ったりできるよな・・・・それだけでも感心するよ。




【子供たち・・・・それぞれの日常生活】

これまでのお昼休みといえば、おチビたちはただ単に、ワーワーキャーキャーはしゃいでいるだけだったが
小学6年〜中学2年にあからさまな変化が見られるようになった。

・・・・休憩時間に勉強しているのである( ̄∇ ̄;)

確かに・・・・。ここ最近、学校等が休みなのをいいことに、その休みという休み全てが
稽古時間に当てられて、彼女たちは週末にドバッと出される宿題に
ついていけないのが現状なのかもしれない。
あっちでは漢字ドリル(超・懐かしい(笑))、こっちでは計算ドリル、
向こうでは英語のテキスト、はたまた5教科総まとめの問題集等々、
少ない空き時間に、必死に取り組んでいる様子が甲斐甲斐しい。
まぁ、本当はこういう空き時間には歌や踊りのおさらい、せりふの返しなどを
きちんとやっておくのがいいんだけど、昨日の日記にも書いたとおり、
彼女たちは、完全に変身を果たした。
頑張って踊っているし、頑張って歌っているし、段取りも全て頭に入って、
舞台稽古の板の上でも、きちんとそれを実行していて、マエストロの評判も頗る良好なのだ。
まぁ、やることを全てやった上で、空き時間まで管理されていてはたまらないだろうと思い、
それらは全て見逃し、応援してあげることにした(笑)。
ここに来てる子達は、多分、学校でもきちんとしてる子なのかもしれない。
学校という枠の中でも、上手に集団生活を送ることができ、
この芝居の稽古場の中でも新しい友達を作ったり、そういうことが器用にできる子が多そうだ。
だから、1人が勉強を始めると、いい意味で影響されて、皆が静かに作業に没頭している。

そんな中、あたくしはあちこちへとひっぱりまわされ、即席家庭教師に( ̄∇ ̄;)

頼む・・・・宿題くらいは自分の力のみでやってくれ。
っつうか、最近の小学6年の理科のテキストを見て、あたくし、卒倒しそうになった。
原子?? 分子?? え???? それって、あたくし中学でやったような。
つか、あまりに理数に興味がなかったから、小学校でやったということすら忘れてんのか?
いや・・・・多分、昔の教科書と今の教科書の内容は、あまりに違うから、
きっと、算数で素因数分解をやるのと一緒で、前倒しのセクションがいくつかあるんだろう。
・・・・うぅ、そう信じたい( ̄∇ ̄;)
理数の問題を解いている子にはなるべく近寄らないようにしていた、アサミンジャーなのであった(爆)。




【家庭と外での同時教育】

言わずもがな、侍従長こと古橋パパのことなんだけど。
娘のカナちゃんが、それこそ舞台稽古の時に、誰よりも大きな声で頑張って歌っているのを見て、
あたくしは素直に感心した。
袖では、お父さんの侍従長が、優しく、厳しく見守っている。


「カナちゃん、大きな声で頑張ってますよね♪ お家でも一緒に稽古なさってるんですか?」

「えぇ、家でもね『他の子が小さな声でも、カナだけはきちんと大きな声で歌いなさい』って
言ってはいるんですけどね(笑)。」


「でも、そのせいでか、同じ年頃の子達が、上の子達よりも頑張ってますよ!
すごいことですよ♪ パパの助言がちゃんと実になってる♪」


「子供たちがしっかりやってるのを見ると、我々も刺激されますねぇ。」

「本当にそうですね。ある意味で、カナちゃんが羨ましいですよ(笑)。
お家でもお父さんにそうやって見てもらって、復習できるんだから。」


「(笑)まぁ、こんなチャンスは滅多にないですからね。私もかなり勉強になりますよ。」

「あたしは今回、チケットを捌くのに父親にはかなり協力してもらいましたけど(笑)。」

「あぁ、そうなの?」

「岐阜で商売をやってるんで、そっちの方面で売り込みをかけてくれたお陰で、40〜50枚捌けましたよ。」

「日野さんのお父さんって、幾つくらいなの?」

「昭和22年生まれですよ。」

「若いんやねぇ!! 私と1回りしか違わんのか。私も亥年生まれでね。」

「あら、でも、父が26の時の子ですから、特別若いってわけでも(笑)」

「あぁ、そうかぁ・・・・うちがまだ小学4年と1年の子がおるもんで、錯覚してまった(笑)」

「(笑)すぐにこのサイズになりますよ〜」
 (あたくしのサイズ(爆))


古橋家では、それこそ家族一丸でこのミュージカルに挑んでいるに違いない。
小学1年の下の子は、まだ参加できる年齢でないため、たまに稽古場をお母さんと一緒に訪れて
少しだけ見学して帰っていく程度だけど、きっと、お姉ちゃんであるカナちゃんと、
お父さんが同じ舞台に立つのを羨ましい思いで見てるんじゃないかなぁ。
それにカナちゃんは、小学4年にしてはミニサイズで、役柄も仔リス。
すごく可愛いんだけど、大きな声を張り上げて、歌を歌っているのを見ると、
きっと家でも古橋パパが、「ちゃんとやりなさいね」と言い続けているのかもしれない。

現場では最年少でも、お家ではお姉ちゃんだから、元々しっかりしてるのかなぁ、とも思った。
まぁ、古橋パパもそのへんについては身内のことだし、多くは語らないものの、
語らずにしても、お家でどんな風に子供たちと接しているのか、そういうのが見えてくる。

古橋パパはそれこそ稽古場でも最年長なので、みんなの「パパ」だったりするんだけど、
最年長だから・・・・という理由だけではなく、根本、真面目でしっかりした人だとあたくしは思っている。

前の週にやったことをきちんとおさらいして、次の稽古に臨んでらっしゃるし、
何にせよ、週に1、2回しかない稽古にも休まずしっかり出席し、
言われたことは全てメモしていて、現場の雰囲気全てを大まかにでも把握しているのは
実は彼だったりする。そのキメ細やかさは、演出家を遥かに凌駕する。
(演出家よりも出席率良かったもの(苦笑))
子供チームの様子は、我々大人チームにはなかなか伝わってこないけれど、
彼はお家に帰ってからの会話で、カナちゃんから情報を収集できるわけだし、
講師陣の先生に言われたことなどに対しても、かなり忠実なので、
どこかに矛盾点があっても、すぐにそれを指摘できるだけの能力があって、
皆それをわかって、一目置いて、尊敬している部分はかなり前からあった。

まぁ、ごく最近になって、彼のメーターもちょこっと上がり気味ではあったけれども、
彼だって人間だ。全てを完璧にこなす、サイボーグではない。
だけど、彼のメーターが上がったのにもそれなりの理由があって、
彼に落ち度があった・・・・というわけではなかったので、味方は増えても敵が増えるようなことはなかった。

・・・・人徳、というのはこういうのを言うのかもしれないなぁ。

あたくしは、ちょっぴりお茶目な部分を見せつつも、いつも真摯に舞台に取り組んでいる彼を
色々な意味で尊敬している。
そりゃ、プロの人たちには技術の問題やセンスの問題で敵わないところも多々あろうけれど、
そういうことじゃなくて、『人間性』の問題。
古橋パパのように社会の中で揉まれて、きちんとした自分のステイタスや居場所を
自覚できていて、それを別の場所でも上手に発揮できる人というのは、才能がある人なんだ。


当初、このミュージカルに参加された理由に、

「これからだんだんと子供たちと一緒に何かをするという機会も少なくなってくるでしょうから、
いい記念だと思って、思い切って参加してみました。」


と言っておられた。
察するに、現場だけでなく、お家に帰ってからも話題に事欠くことなく、楽しい話が娘とできる上、
ご挨拶や稽古に臨む態度であるとか、先生に言われたことはきちんとやりなさいだとか、
そういった基本中の基本を、同じ現場に立って、そして自らもそれを遂行することによって、
すごく説得力のある「教育」ができてるんじゃないかなぁ・・・・とあたくしは
いつもこの親子のことをずっと観察している。
娘のカナちゃんにしたって、お父さんが演出家の先生に言われたことをきちんと遂行している姿を
その目でちゃんと見ることで、口先だけではない本当のことを知ることが出来ていると思う。


プロの人たちばかりが集まる現場、
アマチュアだけど芝居経験者や好きでやっている人たちばかりが集まる現場とは
また少し違ったニュアンスで、あたくしも彼らから学ぶべき点はとても多い。
これから新しい生活をしてみよう・・・・という岐路に立っているあたくしにとっては、
とてもいいお手本であり、「リハビリ」と銘打ってはいるけれど、ある意味では「社会勉強」だ。
「家庭」というひとつの集団において、今までは「子」の役割だったけれど、
これからは「親」になっていく可能性だってある。
自分の親以外の「親」の態度を間近で見ることのできるこの現場は、レッスン料無料の
素晴らしい勉強の場所でもあったりする。
女官長は、侍従長に、色んな意味を込めて感謝してますよ〜!!

↑今週は何かと忙しい(笑)

木曜に明り合わせがあるんだけど、それが済んだらすぐに土曜日が来て、ゲネプロ。
翌日の日曜は、朝っぱらから小屋に入って、いよいよ本番を迎える。
早いもんだなぁ・・・・あのオーディションを受けて、もう半年が経つんだ。

あさみ


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