2003年11月18日(火)
同じ板の上


CX系、超・人気月9ドラマに「ひとつ屋根の下」とかいうのがあったが。
今、稽古に通っていて、思うことがある。
20歳も離れた子供たちと、同じ板の上に立つんだなぁ・・・・ということ。


その昔、20歳年上の人たちと同じ板の上に立ったことはあったが、
自分より20歳も下の人たちと芝居をしたことがないということに、改めて気付かされる。


この間の稽古で、自主練で、別室稽古を川出ちゃんとやっていた。
川出ちゃんは皇帝の役。
1幕はともかく、2幕に差し掛かった箇所というのは、未だに稽古回数が少なくて、
互いに不安だったからなのだけど。

と、いうのも、アイコンタクトや微妙な間が要求される、少しコミカルなシーンでもあるので、
かなり本気で真剣にやらないと、観客を巻き込めない。
所謂、楽屋オチという、恐ろしい顛末が待っている。
これだけは避けたい。
コミカルなシーンや、ドタバタと称されるシーンは、稽古に非常に気を使う。
ひとつ間違うと、取り返しのつかないことになるからだ。

このシーンの稽古をしている間、最年少チームは控え室でも大暴れ。もう大変な騒ぎなのだ。
ただでさえアクティングエリアを確保するのが大変なのに、その部屋を子供らが走り回るのである。


ウ〜ン・・・・。
ここは、「大人」として、喝を入れるべきなんだろうか??
あたくしは考えたのだけど、9〜10歳の子供たちに、どこまで通じるのか試してみたくもあり・・・・。


「あのね、これからこのシーンの稽古をしなくちゃいけないの。
少し場所を空けて、静かにしててくれないかなぁ。」


「え〜〜〜〜っ!!??」

「うん、ここを練習しておかないとね、難しいんだよ。」

「見てるだけならいい??」

「あぁ、いいよ。見ててくれると嬉しいよ。」

「じゃあ、見てる〜〜〜!!」



子供たちにだって真剣に諭すと、通じるものなんだ。
でも、まぁ、やりとりが少しコミカルなので、稽古とはいえ要所でキャ〜ッ♪と、笑ってくれるのだけど。


「ねぇねぇ、もう1回やって〜!」

「あぁ、もう1回やるからね。だから、もう少し下がっててね。」



興奮すると、すぐにアクティングエリアに飛び込んでくるから、また一旦納めなければならない(苦笑)。
でも、こういう素直な反応というのは、役者冥利に尽きるのだ。
かといって、感受性豊かな彼女たちを水準にしているわけではない。
彼女たちの年代が喜んでも、万人に通用するとは限らない。

↑大人でも十分に楽しめるもんね!

このシーンを練習しながら、子供たちをあやし、
そして、やっと出来上がってきた歌曲のCDをかけて、一緒に歌の練習をする。


「ちゃんと歌わないと、お客さんに失礼だからね♪」

「わかってるよ〜♪」



そう応える彼女たちが、本当にわかっているかどうかはさておき、
最年少の子等をまとめだす、小学6年生くらいの子が現れだした。
あたくしらが口を出さなくとも、子供たちには子供たちの自覚があり、
「ちゃんとしなくちゃ!」と思っている子は、それを下の子たちに伝えようと努力している。
歳が近いせいもあり、そういう小さいお姉ちゃんたちの言うことを素直に聞く習慣がついてきたせいか
こっちも随分とラクになった。

ちょっと前までは、最低限のルール・・・・挨拶であるとか、移動の際に喋らないとか、
そういったことまで先生の注意を受けて、いちいち話が前に進まなかったのだ。

古橋パパも裏ワザを使い出した(笑)。
娘の香奈ちゃん(小4)にそっと耳打ちするように、最低限の礼儀であるとか、
そういったことを、こっそり言っているのである。
あたくしは見逃さない。


「他の子がどうでも、香奈は静かにしてなさい。」

「先生にはちゃんとご挨拶しなさい。」

「いけないことは、いけないとお友達にも言うようにしなさい。」



古橋パパのこういった裏ワザは、香奈ちゃんから他の小学4年生にも伝播しているようで、
そうすると5年生はもっとしっかりするようになり、
6年生は更に子供たちをまとめようと、リーダーシップを発揮するようになる。
「躾」の現場を垣間見た気がして、人間関係の縮図である、芝居の稽古場という場所で
とても興味深いものが見て取れるのだ。


同じ板の上に立つもの同士、頑張ろう。
最近は、そういった自覚が子供たちにも表われてきたかな・・・・そう思う。
最初のうちは、こっちの真剣な演技を笑ってみていた子達が、小返しが続くことで
だんだんこっちの「本気」が伝わっていくみたいで、他ごとをせず見入ることが増えた。


子供たちは大人の鏡だ。
大人が本気を出さないうちは、子供もふざけたまま。
大人が本当に真剣にやっていると、子供もそれについてくる。
同じ現場で同じ作業をする「同士」ともなると、上下関係などはない。
ただ、いいモノを創ろうね・・・・それを一所懸命に伝えることで、子供たちの心も動くのだなぁ・・・・
そんなことを思った。

↑腱鞘炎になりそうだ(爆)

距離を置いていたはずの子が、懐いてくれるのは嬉しいが、それに伴う苦痛がこんなものとは(爆)。
あたくしは、せりふ以外にもダンスや歌を覚えなくちゃならないのに(トホホ)・・・・。

あさみ


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