| 2003年11月17日(月)
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Mr.Kenのお礼状 |
ここしばらく、何やら忙殺されたような毎日だったりして・・・・。 「書かねばならぬ!」みたいな切迫した状態みたいなものが続いたり、 精神的にはかなりの緊張状態にあったと思う。
でも、そのお陰か、微熱が少しずつ下がってきている。ハイなのに変わりはないが、 体温計のデジタルが37.0℃を切る日が、少しずつ増えてきている。 体力的には疲れているのだけど、そういうのを利用して、薬を少しずつ減らしてみたり、 あんまり無理しないように、自分のペースで眠ることを選択するようにもなった。 定時に起きて、お勤めに出る必要のないあたくしは、こうやって自分のリズムを大事にしてやるという 他の人にはできない民間療法も有効なのだ。 それを、お勤めに出ている人たちと同じような生活を「しなければならない」という強迫概念から、 飲まなくてもいい薬で日常生活を送ろうと躍起になっていた自分が愚かしく思えるようになった。
週に2回に増えたミュージカルの稽古が、昔のペースというのを掴みかけているというのもあるかも。 病状が悪化する前は、これが毎日だったのだ。 無論、3年のブランクとその間に落としてしまった体力、年齢という大きな壁、その他諸々 色々な事情は重なっているが、やっぱりあたくしの日常というのは、稽古場や板の上に起因するんだな・・・・ そんな簡単なからくりに気付けたのも、一枚の応募用紙がきっかけになってくれた、 そういうことだったんだ。 長いこと、空回りを続けてきたけれど、ここにきてようやくガチっとかみ合う歯車が 目の前に現れた気もしている。 忙しくて、少ししんどいのだけど、この程度ならきっとそのうち慣れる。 まだ、休んでいた身体が起き上がりきっていないだけ。 そういう「わりきり」を言い訳ではなくて、上手に使っていけたらと思う。 色々な人に、ご心配をかけてきたし、迷惑もかけてきた。 休んでいいよと言われていたのに、無理に動こうとしていたせいで、簡単な答えを手にする瞬間が かなり遅くなってしまったけれど、あたくしを取り巻く皆様には、色々な形で 感謝を表現していけたらと思っている。
そんな本日。無意味に沢山寝た(爆)。もう、ずっと寝ていた。 薬の力も借りず、一日中、布団の中にいた。うつが出始めたわけはない。 身体が薬以外のところで、睡眠を欲していたので、それに従っただけである。 お陰で、結構スッキリしているのだ、今日は。
そんな時に、すごくタイミングよくメールをくださる人がいるのだな、コレが。 フジテレビの占いをマジで信じたくなるくらい(本日、おひつじ座1位)(爆)。
和子さんから、ジャスミンパズル・プロジェクト完遂のご連絡だった。 実由ちゃんのパパ、Mr.Kenからのメールが届いたので、それを英文のままコピペしてくれていて、 英語は弱いのだけど、ニュアンスで彼の気持ちがとてもよく伝わってきたのは言うまでもない。
英語のメールを私信で頂くことはまずない。 テキスト翻訳を利用して、あたくし流に訳してみた。
Thank you so much for the wonderful gift for our daughter. We love it!
私たちの娘に素晴らしいプレゼントをしてくれて、本当にありがとう。とても気に入りました!
Your translation and poem is excellent. We were moved and delighted at such a precious gift.
あなた(和子さん)の翻訳された詩はとっても良くできてます。 私たちは、この貴重なプレゼントで、心動かされて喜びました。
My wife said you truly understand the deep meaning of Miyu's name and why she chose it.
妻は、あなた(和子さん)が実由の名の深い意味や命名理由について、本当に理解するといいました。 (「理解」というよりも、「同意」であるとか、「見抜かれたような驚き」であるとか・・・・かな?)
Please give our best regards and thanks to your friend. Your friend is very talented.
あなた(和子さん)のお友達(あたくしのコトね♪)にも感謝しているとよろしくお伝えください。 あなた(和子さん)のお友達は、とても才能がありますよ。 (て・・・・照れるぜ・・・・┐( ̄∇ ̄)┌オホホ)
We will always explain Miyu's name by the poem. I will take a digital photo and send it to my grandmother and mother.
私たちは、これからきっといつも「実由」という名のことを、あの詩(短歌)で説明するでしょう。 デジカメで写真を撮ったら、祖母と母にもその画像を送ろうと思います。
あたくしの不明瞭な脳みそではここらへんまで訳すのがやっとですが(苦笑) それでも、訳文をそのまま渡されるより、ニュアンスはバッチリ伝わってきて、 あたくしの喜びも倍増しました♪ あたくしの命名短歌も遂に国境を越えました!! とはいうものの、これには和子さんの英語力が不可欠だったわけで、 Mr.Kenにあの短歌のニュアンスをきちんと伝えてくださった、彼女には本当に感謝してます。
ちなみに、ジャスミン姫こと実由ちゃんに送った短歌は、こんな感じ。
真実と自由があふるるあなたの名 世をみゆる力はあなたの命
これに英語の訳詩を付けてくれた和子さんがすごいんだと思うの!!
See the faith and freedom in your name. See the universe by your eyes . That's what you are meant to be.
詩歌的ニュアンスでいくと・・・・
見よ その名にありし真実と自由を 見よ その目でこの世界の全てを あなたがそうして生きるよう 意味づけられたことなのだ
まぁ、あたくしの主観が入ると、このような訳文になるのだけど、 最初にきちんと「命」は「生命」という文字通りの意味ではなく 「天命」だとか、「神様から受けた命令」という意味なんだよ、と 和子さんに伝えておいたので、ものすごく良い英訳文になっていると思うのだ。 和子さん自身、3行目が「それがあなたの生きる道」「あなたがすべきこと」みたいな 雰囲気になってしまいました・・・・と仰っていたけれど、あたくしがいつも色紙に込める願いは 正に、「それ」なんだ。 どんな子にも、親御さんが巧く言葉で説明できないニュアンス的意味合いが込められた「名前」がある。 その説明を、あたくしが肩代わりしているだけの話で、 生まれてきた子達はみんな、ちゃんと生きる意味を持っているんだ・・・・という前提の下、 あたくしの歌は創られる。
今回の場合、Mr.Kenは日系2世で、その奥様は中国人。 実由ちゃんには既にお兄ちゃんがいるらしいのだけど、そのお兄ちゃんはトリリンガル。 日本語と英語と中国語が交錯する中で、彼女はどうやって自分で生きる道を探すのかな・・・・ そんなことを考えていた。 小さな三叉路は、やがてもっともっと細かく分かれていき、広い視野や考えも要求されるはずだ。 和子さんは、英訳詩を検閲してくれとあたくしに持ち込んできてくださった時に、 「world」と「universe」と「life」、どれが一番、意味合い的にしっくりくるだろう? と、相談してきてくれた。 要するに、短歌でいう「世」の訳をどうしたものか? ということなのだが。 あたくしは迷わず「universe」にしてください、と伝えた。 直訳すると、世界・・・・というよりも宇宙的な感じになるのだけれど、実由ちゃんの場合、 そのくらい広い視野で物事を捉えていくべき人なんじゃないかなぁと、あたくしは直感でそう思ったのだ。 今後、国籍はどの国のものを取得するのか、自分はどう歩んでいくのか、 そういった選択に、彼女は若くしてぶつかることだろう。 そんな時、今回送った日本語の短歌、自分に付けられたENGLISH NAME、 家庭で交わされる中国語の会話、まだまだ先になるけれど学校などの環境等々・・・・ 色々な選択肢の中から、自分を見出してほしいな・・・・そんなことを思うのである。 血は日本人と中国人のハーフだけれど、文化的にはもっと色々なものが彼女の中に入ってくるはずだ。 地球を見下ろすくらいのスタンスで、「生きる道」とやらを探っていってほしいと思う。
日本には日本だけの文化があり、それは着実に後世に伝えていくものだったり、変化を遂げて残ったり、 また消滅していくものもあるだろう。 純血種のあたくしですら、色々と迷い、悩む。 実由ちゃんはそんな中、更に沢山の選択肢がある。 迷える人がいたら、「あっちだよ」と指をさして教えてあげられるような、 優しい女性になってくれたら・・・・と祈りを込めて執筆した。 Mr.Kenのママやグランマの反応も楽しみなところ。 彼女たちは、それこそ、息子(孫)が日本語をきちんと理解できない環境で育てたわけだから、 短歌の色紙を喜んで受け止める「父親」になったことを、どう見てくれるのか、 そんなことも気になったりするのだ(苦笑)。
そして、この「プロジェクト」でコラボレイトした和子さんにも感謝しよう。 あたくしひとりの力では、どうにもできなかったことが沢山あるからだ。 いくら英語ができても、詩的表現となると、またセンスが要求されるのに、 あんなにも素晴らしい訳文を添えて、プレゼントとした彼女のスタンスは、 見習うべきところがある。
これからも、色々な人との交流の中で、「あたくしらしさ」を追求したい。 創造の世界は果てしない・・・・故に、ゴールなき戦いなのだけれど、 ひとつひとつの通過地点で得るものは、とても大きい気がする。
こうして、あたくしも徐々に救済され、やがては快方へと導かれれば、これほど喜ばしいことはない。 本の執筆、舞台への復帰、短歌の創作、あたくしは色々なことに手を出しすぎているかもしれないが、 どこかで、丁度いい大きさの歯車がきっと待っているはずだと信じて、 これからも、いい作品が輩出できるように、頑張っていきたい。
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