2003年04月07日(月)
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簡単、楽勝・・・・でも奥が深いこの心理テスト |
心療内科や、精神神経科には、臨床心理専門の先生というものが、まぁ一人くらいはいるものだ。 ま、いなくても、専門医も臨床心理医みたいなものだから、 ひょっとしたら、こういう系の医療機関にかかったことのある人は、 何らかの形で、専門的な心理テストなるものを受けているかもしれない。
有名なのが、ロールシャッハテストと呼ばれる、所謂「投影法」のテスト。 インクをこぼした紙を半分に折って、左右対称の図形を10枚見せられ、 それぞれが何に見えるかというのを次々に答えていく。 「投影法」はこの他に、木の絵を描かされたり、 写真や特定の絵を見せられて、その感想を述べたりと色々あるのだけれど、 臨床医として経験を積まないと、その解析はなかなか難しいものである。
本日ここにご紹介するのは、極々簡単なテストなんだけど、 なかなか奥深く、でも解析は素人にも如何様にも可能なものなので、 興味を持った人は、挑戦してみるといいかもしれない。
後に、解析法を参考までに載せておくので、なるべくならばこれを読みながら 実践してみて、その後に、自己解析・・・・という方法がよろしいかと思われます。
では、始めましょう。 用意するのは、紙と鉛筆(ペン)。紙はノートくらいの大きさがあればいいでしょう。
時間は大体5〜10分くらい。
「私は・・・・・・・・。」で始まる短文を、思いつくだけ紙に書き続けてください。 1分間、止まってしまったら、そこでタイムオーバーとします。 目安は大体20個。 思いつきますか? まぁ、20個くらいでしたら、スラスラと書けると思うので、 何の気なしに、書いてみて下さい。 20個以上書けるのであれば、それはそれで結構。とにかく、1分以上考えても浮かばなくなるまで 10分くらい、続けてみてください。 例題は・・・・「私は女です。」「私は男です。」など、 よく履歴書に書くような簡単なことや自分の嗜好に及ぶこと、何でも結構です。
それでは、やってみてください。
・・・・・・・・。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
如何ですか? 20個くらいすぐでしたか? それとも、結構書けないものでしたか? まぁ、いずれにせよ、「20個」というのは1つの目安であって、 量ではなく、何が書いてあるかというのが大事で、そこから簡単に解析ができます。
それでは、簡単な解析をしてみましょう。 まず、極端に量の少ない場合。 自分の名前、年齢、性別、家族構成の他、あまり何も思いつかなくて、 5つ以下だった人は、少し内向的すぎて、言うなら、少々問題があるかもしれません。 自分のことを書けと言われて、自分を見失ってしまった典型的な例です。 自分の趣味や仕事、嗜好の向きなど、一度見つめてみると、新しい発見があるかもしれません。
では、極端に量の多い場合。 履歴書に書ききれないくらいに書いてしまった人は、自分と向き合っているいい傾向にありますが、 その内容如何によっては、自己中心的であったり、猪突猛進的であったりと 見做されてしまうかもしれません。 例えば、好きなものばかりを列挙した人は、陶酔傾向にあり、 逆に、嫌いなものばかりを列挙した人は、自虐的傾向にあると言え、 「●●が欲しい。」のように、欲求ばかりを連続して書いてしまった人は 向上心旺盛な反面、満たされない何かを常に抱えているといえます。 思い切り細かく、「今日の何時何分に●●をした。」などというような答えを幾つか書いた人は 几帳面で、自己管理がしっかり出来ているといえますが、裏を返せば、 神経質で、ピリピリしやすいともとれるのです。
10〜20個くらいの量で、自己紹介文としても丁度いい範囲の量が書ければ まぁ精神的にも安定していてOKということになるでしょう。 しかし、やっぱり内容如何によっては、被験者のタブーがそこに浮き彫りにされるのです。 例えば、家族のことには一切触れられてなかったり、例題として挙げられた 性別や年齢、名前などを書かずに、すぐに自分の内面に切り込んでいった人にも ある種、特別な傾向があるといえるのです。
ぷよ2にこのテストをしてみたところ、 彼は、自分の年齢、性別、名前、生年月日、家族構成などは一切書かず、 今ある自分の姿ばかりを書きました。 職業、趣味、煙草が好き、アルコールが好き、女好き(爆)などなど、 書かれた項目は、たった8個でしたが、肝心なことが一切書かれていませんでした。 要するに、過去を振り返ることをあまりしない性質なのです。 そして、将来の展望もあまりハッキリしていないというのがわかりました。 好き嫌いの括りでいくと、嫌いなものは一切書かれてなくて、陶酔型であるということも判明。 彼は、正に「今を生きる」派で、過去や未来にあまり囚われていないようでした。 これは大らかで目の前にあることをそのままに捉える素直さが認められる反面、 振り返ることをしないことから同じ過ちを繰り返しがちであったり、 将来をあまり考えないので、刹那的であるともとることができます。
被験者は自分の書かなかったことや、書きすぎたことをもう1度見直してみてください。 何に自分は偏っているのか。 そして、他人から何に触れられたくないのか、そこにハッキリ書かれているはずです。 素人の目から見ても、簡単に解析できるでしょう。
お酒の席で、ちょっとしたゲームとしてやってみるのもいいかもしれません。 案外、自分の知らない自分が見えてくると思います。 臨床では、ここから患者の環境や性質など、細かいところに切り込んでいくのですが、 ゲームとしてやってみるのは、笑って済ますことが出来るので、面白いと思います。
同じ結果でも、臨床医によって解析が違ってくるのと同じく、 同じ人の結果を違う人が見て、長所や短所、タブーなどを見抜くことができるので、 大人数で一斉にやってみて、占いみたいにそれぞれに解析しあっても面白いでしょう。 人によって見方が違うので、ある人には短所に見える項目でも、 別の人にとってはそれが長所に見える場合もあるので、自己完結で終わってもいいのですが 沢山の意見を聞いてみると、意外な所見が出てくることもあると思います。 どうしてこのことを書かなかったの? 何でこのことばかり書くの?と、 被験者本人に直接質問してみると、意外な一面が垣間見ることが出来るでしょう。
自己解析にあたっては、なるべく公正な分析をするのことも必要ですが、 意外な項目を落としていることがあるので、まずそこを見つめてみてください。 そして・・・・
引用は医療用のものですが、いくらか簡略化しています。 医療用のものは、もっと詳しい雛形があって、それは解析にも経験や知識が必要となってくるので このあたりが、楽しんでやるには丁度いいようです。 難しく考える必要はありませんが、今、紙に書かれた項目が、あなたを形成しているのです。
あなたは、現在進行派? それとも未来重視派? それとも過去こだわり派?(笑)
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