2003年01月25日(土)
発注来る


あたくしがインターネットデビューを果たしたのとほぼ同時期にデビューした
チャット仲間のあんこちゃん(♂)。
最近、その出会ったチャットには、2人ともあんまり顔を出していないのだけど、
闇オフとか、個人的なお電話とかでお付き合いは続いている。


あたくしのPCを修理してくれた、あすか君もここのチャットで出会って
それ以来のお付き合いだ。
その他にも、沢山のお友達が出来た。
精神的に参っている時に励ましてくれる友達も出来たし、
あすか君みたいにPCの助言をしてくれる友達も出来たし、
どこか遠くに遠征に出かける時に、宿として自宅を提供してくれるような友達も出来たし、
挙句には、某嬢のように我が家に美味しいものを届けてくれるような友達まで出来た。


あんこちゃんから電話がかかってくるのは何年かぶりであった。
どうしているのか気にはなっていたものの、彼は奥さんも子供もある身なので
なるべくこちらからは連絡をとらないようにはしていた。
あらぬ誤解を招いては、不本意というもの。
ただのお友達なのに、すごく仲のいい大事な人なのに、
そういう人を傷つけるのは、どういう形であれ、許されたことではない。
あたくしが結婚していて、家族ぐるみの付き合いというのであれば話は別だけど
そういうわけでもないし、ちょっと人には言えない「前科」みたいなものもあるので
とりあえず、「便りのないのが達者の知らせ」とばかりに
お互いを気遣ったりもしていた。




そんなあんこちゃん。
あたくしHPを見て、「面白いことを始めたんやな。」と言った。
例の色紙サービスのことである。
そうだ。
あんこちゃんのとこには、3年前女の子が生まれてたんだ。
聞けば、その下に更に男の子も生まれたらしく、彼の家庭はとても賑やかなようだ。


あたくしは彼のその言葉を聞いて、是非、プレゼントしなければ・・・・と
妙な使命感に駆られた。





が。
あんこちゃんは、ちょっと声のトーンを落として、
ついこの間3歳になったばかりの愛娘のことを話しだした。


1歳過ぎくらいから、様子がおかしいとは思っていたのだが、
つい最近になって、正式に障害児として診断がおりたのだという。
自閉症。
という病気。
あたくしも、この病気については先天的なものであることや、
症状が個々によって全く違うということくらいしか知らなくて、
一瞬、言葉を失った。


ただ、世間で誤解されている「ひきこもりがちになる」であるとかいう
間違った認識をあたくしは持っていなかったので、
その事実は「・・・・そうだったのね。」と受け止めるだけであったが。
大学で、自閉症児に対する演劇教育というのを少しだけかじったりもしたので
「自閉症」そのものが、それほど悲観的な病気ではないと思ってはいたけれど
やっぱり、親という立場からしてみれば、
いかなる障害でもその真実を知った瞬間の衝撃ははかりしれないだろうなぁ・・・・
と思って、かける言葉がうまく見つからなかった。


イタリアなんかではすごく研究が進んでいて、
自閉症児にもとても行き届いた教育を施しているようだけれど、
日本は本当にこういう部分で後進国だということは否めない。
同じことを及第点以上に出来ないと、落ちこぼれ扱いされたり、
隔離教室に移されたりと、実際の教育現場でやっていることは本当にえげつない。
先進国イタリアでは、決してこのようなことはしない。
1つの個性として、全てを認め、同じ教室に入れて、同じ授業を受けさせる。
癇癪を起こしたり、無反応であったりしても、近くの席の子たちが
責任を持ってその子のフォローに回るというのが当たり前になっていて、
それで、自分の時間を侵食されたといって訴えたり、嫌がったりはしない。
周囲の子供たちにも、隔離だの差別だの、そういう時限の低いことを
親も教師も最初から教えたりしないのである。


「あなたは歌が上手よね。でも、算数がちょっと苦手。
 あの子は算数がとても得意。でも運動が苦手。
 彼はちょっと癇癪を起こすけれど、言われたことは絶対に守るいい子だし
 彼女は口を利くのが苦手なようだけど、絵はとても上手。」



こういうふうに、個人個人の個性を集団生活が始まる頃から認めるところから
教育が始まっていくので、自閉症児だからといって隔たりを作ることなく
ゆっくりと1人1人に合ったスピードで、得意な方向性や分野を見出す方法が通用する。




最近では、日本でも「ドルフィン・セラピー」に頼って、症状を緩和させようと
わざわざ渡米して、子供たちに色々と経験させる親たちも増えているけれど、
それだって、経済的に負担がかかるので、どの家庭でも手軽に行える方法ではない。


結局は、親がとにかくその子の症状を個性として受け容れてやるところから始まって、
就学年齢に達する頃には、
再び、日本の教育機関の辛辣な現状を目の当たりにさせられて
頭を抱えなくてはならなくなる・・・・というのが現実である。



如何せん、精神的疾病に対して理解の少ない日本。
昔はもっと酷かった。
だけど、今はインターネットがあるおかげで、自閉症児を抱えた親たちが
お互いに情報を提供するなどしあって、支えあったりできるようだ。
すぐ近所に同じ悩みを持つ人がいる場合ならともかく、
このような場合、排他される可能性も否めない中で、
インターネットというツールを上手に活用して、負担を軽減させようと
頑張っている親御さんたちは、本当にすごいなと思うし、
PCを有意義に使っているなぁ・・・・と感心する。
インターネットがあるおかげで、多分、随分救われているだろうし、
自分の子供に対する愛情や愛着も深くなっているのではないかと察することができる。


この小さな動きからでもいい。
日本がもっと生きやすい国になってくれれば・・・・とあたくしは願う。





あんこちゃんからの発注には快く応えるつもりだ。
値段も、むこうが決めてくれればいい。
ただ、この国のややこしい理念で邪魔されている中、
あたくしが、誤解なく素直に応援する気持ちでいることを知ってほしい。
そんな気持ちの方が強かった。
今までに詠んだ歌と、特別に差をつけるつもりもない。
生まれてきたこと・・・・ただそれを本人も親も、絶対に悔やんでほしくないのだ。


歌はすぐに出来上がった。
試作品を送るようで申し訳ないのだが、今までのよりも少し小洒落たことを試したい。
その色紙を喜んでくれれば、あたくしはそれほど嬉しいことはない。

↑彼は、そう語っていた。

そうかもしれない。
これからも頑張って、明るい家庭を築いていってほしいな・・・・♪

あさみ


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