2012年04月17日(火) |
『人生はビギナーズ』 |
38歳独身のアートディレクター、オリヴァー(ユアン・マクレガー)は、ある日突然、父・ハル(クリストファー・プラマー)から「私はゲイだ」とカミングアウトされる。 それは44年連れ添った母がこの世を去り、癌を宣告された父にとって、これからは本当の意味で人生を楽しみたいという告白であった。 元々は厳格で古いタイプの人間だったハルだが、そのカミングアウトをきっかけに若々しいファッションに身を包み、パーティやエクササイズに精を出し、若い恋人アンディ(ゴラン・ヴィシュニック)まで作って新たな人生を謳歌。 一方、オリヴァーの友達は仕事と犬。 父のカミングアウトに戸惑いを隠せない。 父と母の間に愛はあったのか? 2人の間に生れ育った自分は? そんな様々な過去に戸惑うオリヴァーとは裏腹に、父の生き方はとても潔かった。 父亡き後、ホームパーティでアナ(メラニー・ロラン)と出会う。 人と距離を置きながら生きてきたアナは、父を亡くしたオリヴァーの喪失感を優しく癒し、オリヴァーはアナの優しさに心を委ねていく。 まるで初恋の時のような強さでお互い惹かれ合っていく似た者同士の2人。幸せな日々が続いていたが、アナがオリヴァーの家で暮らし始めた頃から、何かが今まで通りにいかなくなり、またしてもオリヴァーは一人になることを選んでしまう。。。
まるで正反対の性格の父と息子。
陽と陰。 ポジティブとネガティブ。
人は誰も、この2つを持っていると思うし、今、前向きな気持ちでいても、5分後には後ろ向な気持ちになることもある。
ハルとオリヴァーのパートは、この対比が凄く良かった。
「頭では分かっていても行動が伴わない」とか「気持ちは分かるけどできない」とか、人間、生きていればこんなこと山ほど起こるし、大袈裟に言うと、人生はこの繰り返しかも。
ゆえに、劇中のオリヴァーを見ながら「うんうん、分かるよ…きっとそうだよね」…「父親はきっと幸せだったはず」とオリヴァーは感じているだろうなぁという思いを抱く。
思いも寄らない衝撃的な告白とか、人の死に直面しても、受け止める方はさほど大きく変わらず…大波がきてひいていく時間よりも、さざなみがきてひいていく時間の方が長いのかもしれないね。
そして、人の気持ちは波の大きさとはあんまり比例しない。
時々登場するオリヴァーのイラストも凄く印象的だったし、派手な演技はないけど、ユアンは好演だったなぁ。
恋人役のメラニー・ロランもキュートだったけど、アナの役柄が「女優」という設定で。 でも、女優のシーンはなくて。 根無し草のような設定がちょっと違和感があったなぁ。 もう少し、アナが魅力的なキャラクターだったら良かったのに。
『ER』のルカこと、ゴランが目立つ役で嬉しかった〜。
そして、『アーティスト』といい、今作といい、犬が芸達者でお利口さんでビックリ!
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■感想予告■(映画見済・感想暫待)
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