夫と娘とパリで暮らすアメリカ人女性記者ジュリア(クリスティン・スコット・トーマス)は、待望の妊娠をはたすが、報告した夫から返って来たのは、思いもよらぬ反対だった。 そんな人生の岐路に立った彼女は、ある取材で衝撃的な事実に出会う。 夫の祖父母から譲り受けて住んでいるアパートは、かつて1942年のパリのユダヤ人迫害事件でアウシュビッツに送られたユダヤ人家族が住んでいたというのだ。 さらに、その一家の長女で10歳の少女サラ(メリュジーヌ・マヤンス)が収容所から逃亡したことを知る。 一斉検挙の朝、サラは弟を納戸に隠して鍵をかけた。 すぐに戻れると信じて。 2人は今も生きているのか?事件を紐解き、サラの足跡を辿る中、次々と明かされてゆく秘密。そこに隠された事実がジュリアを揺さぶり、人生さえも変えていく。。。
ジュリアとサラのパートを上手に組み合わせて物語が進んでいきます。
“ミステリー”と言うにはちょっと大袈裟かもしれないけど、アパートの部屋の謎解き。 「弟はどうなったんだろう?」ということが判明するまでは、ぐいぐい引き込まれました。
残虐シーンを最小限に抑えながらも、悲惨さは十分に伝わってきたし、収容所の看守・匿った夫婦・電車の駅員さん…サラが所々で出会ってきたオトナ達の気持ちや行動の葛藤も凄く上手に表現されていました。
ユダヤ人の迫害に限らずだけど、取り締まる側が全員、冷酷なロボット人間とは限らないし、その方法に疑問を持っている人も当然いるはず。
看守と駅員さんのシーンは、ホンの短い場面だったけど、印象に残っています。
スクリーンを見ながら、観客はみんな「どうか幸せに育って欲しい」とサラを見ていると思うけど、10歳にしてあんな過酷な目にあったら、やっぱり、なかなか難しいのかもね…。
成長してアメリカに渡ったサラは出産した子供に、すぐキリスト教の洗礼を受けさせる。
自分の意志や気持ちに反しようと、アイデンティティを消し去ろうと、信仰心どうなろうと、根っこの部分は結局そこなんだなぁ。
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