山師の岸克彦(役所広司)は、早朝から仲間と山林に入り、木々を伐採して生計を立てていた。 妻に先立たれ、今は息子の浩一(高良健吾)と2人暮らし。 定職に就かずにふらふらしている浩一に、克彦は憤りを覚えていた。 ある朝、田舎道を行く克彦は、車が溝にはまって立ち往生している2人を発見する。 ゾンビ映画の撮影にやってきた映画監督の田辺幸一(小栗旬)と鳥居(古舘寛治)だった。 なりゆきから、2人を撮影現場まで案内することになった克彦は、そのままゾンビのメイクでエキストラ出演する羽目になる。 現場では、大勢のスタッフやキャストから質問攻めにあい、頭が混乱して昏倒してしまう幸一。 父親が買ってきたビデオカメラをきっかけに、映画を撮り始めるようになったことを語る。 しかし、実家の旅館を継がなかったことで、父親は後悔しているだろうと。 克彦は“後悔なんかしてねえよ。自分の買ってきたカメラが息子の人生を変えたんだ。嬉しくてしょうがねえだろうよ。”と幸一を諭すのだった。 やがて克彦は積極的に撮影を手伝うようになり、撮影隊と村人たちとの間に、少しずつ一体感が生まれてゆく。。。
役所さんの「木こり」っぷりにあっぱれでした!!!
冒頭から、克彦の仕事のシーンが続きますが、チェーンソーで木を切り、木によじ登って枝を伐採する様子は、林業に携わる人の「1日密着」みたいな感じで、山の自然に役所さんの自然な演技。 自然+自然! すぐひきこまれました。
対する小栗くんは、顔をあげてしゃべるシーンより、俯いて「すみません」と謝っているシーンの方が多いんじゃないかな? 自信がなく、自分の意見がなく、オロオロ、おどおど…。
最初は、もの凄く頼りない青年監督なんだけど、終盤、山崎努さん演じるベテラン大御所俳優に何カットも撮り直しを要求する場面では、克彦と出会って、少しずつ自分の道を進んでいく積極性が表現されていて良かった。
山崎さんは、このシーンがメインのシーンで、出番は少ないんだけど、とーっても良い味出していました。
助監督役の古舘寛治さんや、カメラマン役の嶋田久作さんも良かったなぁ。
あと、劇中のゾンビ映画の主演2人、平田満さん&臼田あさ美ちゃんも。 (あの映画はB級どころかC級?D級???)
私自身も田舎住まいなので(この映画のような山間地ではないけど)都会のキラキラしたようなものに興味をそそられる気持ちはよく分かる。
林業を営む克彦は、普段(林業仲間は居るとはいえ)人間相手に仕事をしていません。
「人」と触れ合って様々なものを発見したり、自分の考え方が変わったり…影響を受けることって、人間、いくつになっても起こりうるんだなぁと思いました。
あと、我が家の朝ごはんはパンなので、「たまには御飯もいいのかなぁ」なんて思った食事シーンでした。
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