アルゼンチンの首都ブエノスアイレス。 マリア・デル・カルメン(マリア・オネット)は夫フアン(ガブリエル・ゴイティ)と2人の息子、長男イバン(フリアン・ドレゲール)、次男フアン・パブロ(フェリペ・ピリャヌバエ)の幸せを生きがいに家族を支えてきた専業主婦。 そんな彼女の人生を、50歳の誕生日にもらったプレゼントのジグソーパズルが一変させる。 それまで気付かなかったジグソーパズルの才能に目覚めてしまったのだ。 地元の売店で目にした“パズル大会のパ−トナ−募集”という広告に興味を惹かれた彼女は、家族に内緒で新しい世界に足を踏み入れる。 広告主は、パズル大会の常連という大富豪の独身紳士ロベルト(アルトゥーロ・ゴッツ)。 ジグソーパズルの常識にとらわれない彼女の才能に驚いたロベルトは、一緒に世界選手権を目指そうと誘う。 思い切って全国大会出場の意志を家族に打ち明けるマリア。 だが、夫には一笑に付され、自分の独立準備に夢中の息子たちからも相手にされない。 理解を得られないマリアは、ますますジグソーにのめり込んでいく。 そして訪れる全国大会。 パズルが開いてくれた広く新しい世界へ旅立つことができるのか。。。
珍しいアルゼンチン映画。
会員になっている小さな映画館の年間パスが明日で切れるので、ギリギリで1本見に行って来ました。
物語は、あるパーティのシーンから始まります。
主人公のマリアは、チキンを焼き、ローストビーフを作り、デコレーションケーキを焼き、サラミを切ってチーズを切って、シャンパンやワインを開けて、料理を運んで片付けて…。 もの凄い忙しさで家の中を動き回っています。
ゲストはみんなマリアをこきつかってあれを頼みこれを頼み…。 「うわぁ〜、大変」と思ったら、ナント!これはマリア自身の誕生日パーティだったのだ。
パーティ終盤、ロウソクの火を吹き消すマリアの表情が、諦めにも似たなんともいえない顔をしていて…それは決して、不幸な顔ではないんだけど、なんとなく物足りないような…そんな表情。
この嵐のようなパーティの片付け最中にジグソーパズルのプレゼントを発見して、そこからパズルにのめりこんでいく展開になっていきます。
日常生活(主婦業)しっかりこなしながら、趣味の世界に没頭していく様子が活き活きと描かれていて、マリアを応援したい気持ちになってきます。
家族(男3人)は、そんなマリアの思いなんて、これっぽっちも分かってくれないけど、「分かってくれなくても良い!でも理解して欲しい!」という気持ちが凄くよく表現されていて、演じるマリア・オネットの好演が光りました。
物語の軸となる「パズル」。 大会のシーンまであるのに、「パズル」そのものの魅力にあまり触れてなかったのがチョット残念だったかな。
でも、余分な音楽がなく、マリアがパズルのピースをはめこんでいく音を効果的に魅せていたのがとっても印象的でした。
当たり前だけど、パズルは指を使うので、手先を映すシーンも多く、マリアの手と、パズルピースの音が良かったなぁ。
大会のパートナーが男性ということで、チョットした色恋沙汰もあるけど、まぁ分からなくもないし、ラストのドイツ行きの決断も、この主人公ならこっちを選択するんだろうなぁという展開も理解できた。
自分だったら反対を選ぶけどネ。
88分とコンパクトにまとめられていて楽しく見れました。
明日、1月20日は私の誕生日。 自分の誕生日前日に見た、あの冒頭のシーンは、本当に強烈だったなぁ。
小さな映画館の会員。 また更新します。
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