農家を営む79歳のチェ爺さんには、長い間一緒に働いてきた耕作用の牛がいる。 牛の寿命は15年程なのに、この牛は40年も生きている。 しかし最近はそれもだんだんと限界。 獣医は「そろそろ寿命だ」とチェ爺さんに告げる。 チェ爺さんはお婆さんと2人暮らしだが、農作業を休む事はない。 苦労は絶えず、お婆さんのグチも尽きない。 「牛を売って隠居したら」と子供たちは言うがお爺さんは答えない。 お爺さんは、このままの生活が一番なのだ。。。
田舎の景色と老夫婦の姿に、どことなく『おばあちゃんの家』を思い出させるような作品でした。
農作業も、今や機械を使用するのが当たり前の世の中だし、良い作物を作るための農薬も普通に使われています。
時代に逆行するように、チェ爺さん夫婦は、全て手作業(牛作業)で、農薬も使わないから、雑草もボーボー。 この草を刈るのも手作業。
雨の日も風の日も、暑い日も寒い日も…劇中に映る農作業の光景は、本当に「骨が折れる」ような仕事ばかりで、ご苦労様です。
ひと昔(ふた昔)前は、誰もがスタンダードでやっていたことが、時代と共に移り変わり、様々なモノに頼って生きていく中で、敢えて旧式を貫いているのは、とても不便なように見えるけど、本人からすると、それしか知らないわけで…。 周りが思うほど、「苦痛」には思っていないのかもしれませんね。
最近、“限界集落”なんて言葉が聞かれますが、「え?こんな辺鄙なところに?」と思っても、そこしか知らない人にとっては、それが当たり前なわけで…。
便利なモノや状況は、確かに暮らしやすいかもしれないけど、「便利」=「幸せ」とは限らない。
チェ爺さん夫婦を見て、そんなことを思いました。
78分という短い作品ですが、心に残る1本でした。
まさか、牛が死ぬシーンで涙が止まらなくなるとは思わなかった!
♪BGM♪〜『のだめカンタービレ最終楽章』サントラ
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■感想予告■(映画見済・感想暫待) 『のだめカンタービレ最終楽章 後編』 『ニューヨーク、アイラブユー』 『17歳の肖像』
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