かつては売れっ子のカメラマンだった北見俊介。 しかし、今ではなぜか1枚の写真も撮る事ができず、ぐうたらな毎日を送っている。 妻のさくらはそんな俊介に文句を言いつつも世話を焼く。 しかしある日、女優志望の蘭子を家に連れ込んでいる俊介をさくらが目撃。 彼女は愛想を尽かし、旅行へと出てしまう。 その後しばらくは独身気分を満喫していた俊介だったが、なかなか家に帰ってこないさくらに苛立ちを覚え始めて。。。
私は子供の頃から、「絶対にパパみたいな人とは結婚しない!」と心に固く誓っていて、それを見事?実現させました。 私の固い誓いを知っている母は、「ママが反面教師になったからだよ」と言っていますが(笑)。
そんなうちの父親のような男性に煎じて飲ませたいような作品でした。
劇中の北見夫妻は、結婚10年。 私は結婚4年目ですが、長い付き合いの為、もう15年も一緒に居ます。 なので、北見夫妻の生活感というか雰囲気はけっこう興味深くて、 「まぁ、分からなくもないなぁ」と思いつつ見ていました。
タイトルから推測できる通り、さくらはもうこの世に存在しません。 回想シーンを織り交ぜながら、さくらの幽霊を相手に物語は進んでいきます。
「タイトルからいくと、これはいつかさくらは死んじゃうんだよなぁ…」と見ていたけど、途中、「あれ…?」と思ったのが、ホンのワンシーンだけ登場する井川遥と豊川悦司の場面。 井川遥が演じるブティックの経営者ゆりの元へ、北見がフラフラ遊びに行き、ゆりが眉をひそめて怪訝で悲しい表情をします。
このシーンを見て、「あ〜、もう既に存在していないんだ…これは」と、ピンときました。 ここでからくりに気付いた人は多いんじゃないかなぁ〜?
そして、キーパーソンとなるオカマの文太役の石橋蓮司。 見事な好演でしたねぇ〜。 豊川&薬師丸の好演ありきの作品だと思うけど、文太が居なかったらあり得ないストーリーだし、途中、イキナリ登場してから後半はほとんど出ずっぱりで、存在感が光ってました。 文太の切ない過去があるからこそ、北見も救われるんじゃないかな。
終盤の「ありがとう」と言いつつも、「なんで生きてるうちに言ってくれなかったの」というさくらのセリフ。 これは夫婦や恋人に限らず、人間関係全般において、相手を思いやったり労ったり感謝したりする気持ちは大事で、その思いを伝えることはもっと大事だと改めて感じたしだいです。
原作は、2002年に、池田成志&長野里美で舞台化された戯曲とのこと。 長野さんのさくらも見てみたいなぁ〜。
自分で言うのもなんですが…幸せなことに、うちの相方はとっても愛妻家の主人です。
♪BGM♪〜『A CHORUS LINE』サントラ
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■感想予告■(映画見済・感想暫待) 『のだめカンタービレ最終楽章』 『ジュリー&ジュリア』
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