2010年01月07日(木) |
『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』 |
ニート生活を送ってきた26歳のマ男(小池徹平)は、母親を事故で亡くしたことで一念発起して情報処理の資格を取得する。 しかし、ことごとく就職試験に落ち続け、最終的にパスしたのが、ある小さなIT企業だった。 そこで働くメンバーは、責任感ゼロのリーダー、お調子者のリーダーの腰巾着、挙動不審なPCオタクなど、超クセ者揃い。 おまけに初出社日から毎日サービス残業をさせられ、徹夜の連続という、ありえない仕事場だった。。。
劇中のインターネットのシーンを見ながら、「なんとな〜く、『電車男』みたいだなぁ」と思っていたら、これもネットから生まれた作品だったのですねぇ。
つい2ヶ月前…11月…私の身近に起きた出来事。 4月に入社したばかりの同じチームの新入社員が辞めました。
4月にチームに配属になって以降、上司や育成トレーナー役の同僚はもちろん、私を含めた他のメンバー、社内全体の先輩や上司、はたまた(新入社員の)各種研修を全面的にバックアップしてきた会社全体組織。
あらゆる研修体制やフォローを受けて、「さぁ、これからやっと戦力として!」という時に…去っていきました。 もう、みんな呆然唖然。 私が仕事を始めた年、成績不振(+やる気なさ)で、2年目の子が半分クビになった事はあったけど、たった半年で自ら辞めるなんて…ビックリ。
よく、「イマドキの若者はすぐ会社辞める」とか「ゆとり世代はすぐに会社に来なくなっちゃう」とか聞くけど、「おいおい、自分の周りに出たよ!」って感じで(笑)。 チームの皆、最初に「辞めたい」と聞いた時の第一声は全員が「はぁ?」でした。
私の勤務する業界の営業マンは過酷です。 売ってるモノの金額自体がハンパない高額商品だし、世間がお休みの(土)(日)はもちろん、GW、お盆やお正月も働く世界。
ただ、人の人生において大きな出来事の1つであろう「マイホーム」を叶えるお手伝いができるし、自分が関わった仕事が“家”という形になって残る。 御施主さんに喜んでいただけると、本当に嬉しいし大きなやりがいもある。 営業職という以上、成績次第でキャリアアップや収入アップもちゃんと評価される仕事です。
その反面、やはり「予算」…いわゆる「ノルマ」ってやつですが、これも相当に厳しくて、「営業マンは本当に大変だなぁ」と日々思います。 もちろん、これは住宅に限らず、何を売るにしても大変な事は重々承知ですが。
辞めていった彼は、最初から「住宅業界1本」に絞って就職活動をしたそうで、いわば「希望の職種」に就けたわけです。 当然、正社員。
でも、当初の希望や理想「お客さんの夢を叶える」「お客さんのために」と、実際の現場や現状が彼の中では違ったらしく…。 「辞めたい」と…。
もう、「はぁ?」って感じでしょ?(笑)
「営業のプレッシャーがあるのか?」「人間関係で悩んでいるのか?」「大学まで出させてもらって就職して親に申し訳ないと思わないのか?」「まだ何も頑張ってないのに情けないと思わないか?」「たった半年で辞めた人間を次の会社の人がどう思うか?」…etc…。
もうね、いろいろ歩み寄る上司達も途中から「こっちが辞めたくなる」って、匙を投げたみたい。
劇中の小池徹平くんを見ながら、「(まだあれから2ヶ月しか経ってないけど)あ〜、彼は実家に帰って何してるのかな〜」なんて、ふと思ったりしました。
人間、生きていく上で、自分の100%希望レールを歩めるなんて事は、ほぼ100%ないと思ってます。
学校だって会社だってご近所だって趣味のサークルやクラブ活動だって、どの場面でも絶対に嫌な人はいるし、嫌なことはある。
あと、私が常々思っているのが、例え自分が夢描いていた事が叶ったとしても、その人生が100%幸せとは限らないということ。
いつだってどんな時だって、辛いことも泣きたいこともあるもん。 それが人生さ。
小池徹平くん演じるマ男のセリフで、「もう僕には後がない」と涙を流すシーンがあるけど、凄く共感できたなぁ。 誰だって、「こんな会社辞めてやるー!」って飛び出したい事もありつつ、しがみつくしかない事もあるんだよね。 実際、世の中には劇中の会社のような過酷業務をしている人も多いだろうし、誰もがみーんな、多かれ少なかれ「うぅ…仕事辞めたい」ってぼやく時もある。
それが「労働」だと思う。
登場人物のキャラクターが濃くて、少々(かなり)オーバーなシーンもあるけど、社会人なら誰もが「あるある…」って経験している場面も多いんじゃないかな?きっと。
濃い登場人物の中で、爽やかな田辺誠一氏が清涼剤みたいでした。
♪BGM♪〜『A CHORUS LINE』サントラ
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