2009年03月20日(金) |
『我が教え子、ヒトラー』 |
1944年12月。 連合軍の進攻によりナチス・ドイツは劣勢に陥っていた。 そんな中、宣伝大臣ゲッペルスは、新年に行われるヒトラーの演説を成功させ、国民の戦意を高揚させようと試みる。 しかしヒトラーは心身共に衰弱し、自信喪失状態していた。 そこでゲッペルスは、かつてヒトラーにスピーチ指導をしていたユダヤ人俳優グリュンバウムを収容所から呼び寄せる。 戸惑う彼だったが、収容所の解放を交換条件に出され、引き受けることになる。 敵を教える苦悩、そして本番の日のスピーチへ。。。
『善き人のためのソナタ』のウルリッヒ・ミューエの遺作で、自主上映劇場で見てきました。
2007年の7月、私が『善き人のためのソナタ』を見た3日後にウルリッヒ・ミューエが亡くなっていた事を知ってショックだったけど、今回、本当に最後の最後の遺作を見れて良かったです。
この映画はフィクションだけど、パンフレットによると、ヒトラーに発声指導していたボイストレーナーは実在したとの事。 そう言われれば「なるほど、それは当然かなぁ」とも思う。
(相方に「今日、↑こうゆう映画を見てきた」と話をしたら、彼は「小泉さん(←元首相の)にも、そうゆう人がいたんじゃないかなぁと思うよ」と言っていて、これまた「なるほど」と思った)
私が1番最近見た「ヒトラー」モノは、2005年8月の『ヒトラー最後の12日間』。 そして、ウルリッヒの前作は『善き人のためのソナタ』。 どちらも暗いストーリーだったけど、今作は、「ヒトラー」「ナチス」モノだけど、ピリピリしたストーリーではなく、どちらかとうと少しコメディ的要素が入ったストーリーで、この手の題材をこうゆう感じに描くのも新鮮だった。
劣勢になったドイツ軍の状況にも関わらず、ストーリーの中のヒトラーは、総統とか威厳とか、そうゆう雰囲気は全くなくて、繊細で間抜けな人物に近い感じで描かれていて、人間味溢れる人物になっています。 そんな人間味溢れるヒトラーに朝から晩まで振り回されるのがグリュンバウム教授で、その様子は「プッ」とか「クスッ」と笑えるシーンが多く、ブラック・コメディなんだけど、それ故に、ラストの悲劇が「あぁぁ…」と余計に悲しく印象に残りました。
あと、エンドロールでドイツの老若男女に「ヒトラーって?」と尋ねるシーンが流れて、これがとっても興味深い回答で印象的だったなぁ。
少し前、イギリスのヘンリー王子が、ナチスの格好をして仮装パーティー(?)に出たとかなんとかで批判があったけど、ドイツ人でさえも、もうヒトラーを知らない世代がいるんだなぁ…これはけっこう衝撃的でした。
♪BGM♪〜『コーラスライン』サウンドトラック
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