2008年12月12日(金) |
『百万円と苦虫女』+地方の映画館の現状(その3) |
短大を卒業後、フリーターをしている鈴子(蒼井優)は、バイト仲間からルームシェアを持ちかけられて実家を出る事にした。 しかしひょんな事から事件に巻き込まれ、警察沙汰に。 前科者になってしまった鈴子は、「百万円貯まったら出ていきます」と家族に宣言し、バイト掛け持ちで懸命に働く。 やがて実家を出た鈴子は、とある海辺の町にたどり着く。 海の家で働き始めるが、貯金が百万円貯まると、あっさり次の土地を目指して旅立ち、農家での収獲の仕事をして百万円貯めて、また次の街へ旅立ってて、ホームセンターのバイトを始める。 そこで、同じ歳の中島(森山未来)と知り合った。。。
蒼井優ちゃんのまた新たな魅力を見た作品でした。
劇中の鈴子は、どちらかというと冴えない女の子で(同級生からからかわれいじめられるシーンなどもあり)パッとしない21歳の若者なんだけど、モノトーンになりそうなロードムービーを、蒼井優がぐいぐい引っ張っていったような映画だった。
久し振りに見た森山未来くんも「あ〜、こうゆう若者いるかも」っていう普通の雰囲気を上手に演じていたし、桃畑のエピソードで登場する佐々木すみ江&ピエール瀧の2人も本当に自然な雰囲気が出ていたなぁ。 特に、佐々木すみ江さんの演技は光っていました。 それと、忘れちゃいけない、鈴子の弟役(←けっこう重要で目立つ役どころ)の斎藤隆成くんも好演でした。
ストーリーそのものは、そんなに面白みもないのに、↑上記、役者の好演&とにかく良いシーンが多くて、全体が合わさってステキな出来上がりになっている感じ。 海に山に、四季折々の風景も凄く良かったです。
鈴子のような、地に足をつけていない暮らしは、個人的にはあまり賛成できないし、どちらかというと批判的だけど、劇中、1度もそう感じなかったのが、この映画の不思議&魅力かもしれません。
あと、ラストシーンがすっごく良い!!! 悲恋モノを好む私としては、あのラストシーンはとっても好き。 余韻がステキですね。
タナダユキ監督、1975年生まれ…私と同じ歳なんてビックリ!
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いつも通っていた自主上映会の主宰者が今年2月に急逝し、ビックリ&ショックの半年後の9月、今度はナント…東映の映画館自体が閉館してしまいました。
自主上映会は、東映の通常の上映が終了した後(だいたい20:30頃から)場所を借りてやっていたのに、場所そのものが閉館なんて…。
「ここで見た映画はどれも本当に思い出深い良い作品ばかりだったなぁ」と、ショックの思いでいたところ、東映浜松の支配人だった榎本氏が中心になり、各方面から出資を募り、東映をリニューアルして新しい映画館がオープンしました!
今までの自主上映は、↑上記の通り、東映の上映が終わった後からだったので、毎回必ず夜遅くのスタートでしたが、これからは1日に数回の上映があって嬉しい。 こんなに盛りだくさんのラインナップで楽しみです。 ただ、どの作品も上映期間が2週間ほどと短いのがチョット残念だけど、いろいろチェックして、いっぱい見たいなぁと思っています。
微力ながら、私も年間サポーターに入会しました。
♪BGM♪〜『EXILE LOVE』by:EXILE
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■感想予告■(映画見済・感想暫待) 『かけひきは、恋のはじまり』
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