2006年11月01日(水) |
『父親たちの星条旗』 |
ウィスコンシン州で葬儀社を営むひとりの老人が、長い人生に別れを告げ、最期の時を迎えようとしている。彼の名前は、ジョン・“ドク”・ブラッドリー。 1945年、海軍の衛生兵として硫黄島の戦いに赴き、激戦を戦い、そこで撮られた1枚の写真によってアメリカ中から“英雄”と讃えられた男だ。 しかし彼は、その後の人生の中で硫黄島について家族にひと言も語ろうとせず、アメリカ中に知れ渡った写真についても、ひたすら沈黙を押し通した。 硫黄島で何があったのか。 父は何故沈黙を続けたのか。 父親の人生を知るために、彼の息子が硫黄島の真実をたどり始める。。。
「戦争映画」というより「戦争から帰還した人のその後映画」といった方がいいかもしれません。
戦争で死ぬより、生きて帰って来た方が良いに決まってる。 でも、帰還した人には、死ぬまで戦争は続くんだろうなぁと思いました。
フラッシュバック映像が多くて、最初は、いったい誰が誰だか(主人公3人はいったいどれ?)分からなくて少々混乱したけど、「戦争の悲惨さ」ではなく、「帰還兵の悲劇」という切り口で描かれているところに、うったえかけられるものがありました。 日本ではどうだったんだろうな…。 生きて帰って来た人はどんな思いで戦後をむかえ、今日を暮らしているんだろうか?
今年は戦後61年。 当時20歳の兵隊だった人も既に81歳です。 あと10年経ったら、戦地に赴いた人で健在の人は本当に少なくなってしまうでしょう。 こういった題材の映画もだんだん少なくなっていくのかな…。
印象的だったのが、劇中、何度か「戦友のために」というセリフが出てくるけど、「天皇陛下のために」戦っていた日本人との違いが決定的にあらわれている部分だと思いました。
『硫黄島からの手紙』と2部作ということで、イーストウッドがこの辺りをどう表現しているか興味深いです。
耐えず続く爆撃音。 大砲やピストルの撃ち合い。 戦闘シーンはすさまじかったです。 血ダーダー苦手な私は、ほとんど目をつぶっていたけど、一緒に見た相方と「砂埃とか砂利とか、チョット手についただけでも凄く不快じゃん?でも、戦地ではそんなもん本当にどうってことないわけでしょ?血が出てようが弾がささってようが、息があれば何とかなる…」と、溜息をつきながら話しました。
「殺さなければ殺される」…「殺されるから殺す」…戦争は、身体も心も狂わす化け物です。
主人公3人は、それぞれ個性を発揮していて好演だったと思います。 ライアン・フィリップは『クラッシュ』に続いて目立つ役を手にしてるねぇ。 個人的には『クラッシュ』の警官役の方が好きだったけど、今作も良かったと思う。 ってか、リネさんの情報で初めて知ったけど、彼、リースと離婚?! ビックリ〜。 これから更に良い方向に一皮向けそうなのは、リースじゃなくてライアンの予感がするんだけどな…。
1番目立つ役を演じたライアンが話題だけど、私としては“ビリー”こと、『リトルダンサー』のジェイミー・ベル君が見れて満足でした! 『キングコング』の時は、ちょっと長髪だったので、「あぁ、ビリーも変わってしまったわ…」なんて淋しく思ったけど、今作では、ビリー当時と同じ髪型をしていたせいか、あのまんま大きくなったって感じで嬉しかった。 セリフもけっこう多くて、しゃべり方も当時の面影があって、またまた『リトルダンサー』を見たくなりました。
ジェイミー君が演じるイギーは、『硫黄島からの手紙』の予告にも登場してました。
ほとんどの爆撃シーンや死体シーンを見れなった私は、イギーのシーンも見れなかったんだけど…彼の死がどんなんだったか安易に想像できて怖い…。
今、『硫黄島からの手紙』で渡辺謙さんが演じる栗林指揮官の本『散るぞ悲しき』を予約しているので、映画を見る前に順番がまわってきてほしいなぁと思います。
って事で、リネさん…こんなレポでいかがでしょう?(笑) ライアン・フィリップよりジェイミー君に注目していたので…すみません。 でも、ライアンは、海軍の制服(←この姿での登場シーンも多い)なかなか似合ってましたよ!
♪BGM〜『Voices』by:Keiko Lee
>>『フラガール』
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■感想予告■(映画見済・感想暫待) 『太陽』 『手紙』
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