2006年06月07日(水) |
『ブロークバック・マウンテン』 |
1963年、ワイオミング州ブロークバック・マウンテン。 農場に季節労働者として雇われたイニス(ヒース・レンジャー)とジャック(ジェイク・ギレンホール)はともに20歳。 対照的な性格だったが、キャンプをしながらの羊の放牧管理という過酷な労働の中、いつしか精神的にも肉体的にも強い絆で結ばれていく。 やがて山を下りたふたりは、何の約束もないまま別れを迎える。 イニスは婚約者のアルマと結婚、一方のジャックは定職に就かずロデオ生活を送っていた。。。
まず最初に、羊の大群にビックリ仰天!
実際のロケはブロークバックの山ではなく、カナダだそうですが、大自然に信じられない羊の群の映像! 目を見張りました。 一度にあんな大群の羊を見たのも初めてだし、これからもなかなか見る機会はないだろうなぁ。 ストーリーに入る前に、この映像だけでもけっこう貴重でした。
そして内容的には、切ない…切ない話でした。
「結ばれない愛」「悲恋」モノが好みの私としては、これはグッときました。
「同性愛」というのがこの映画の最大のテーマになっていると思いますが、私は、「秘密の恋愛」というふうにとらえて見ました。
守るべきものがあり、それをどうしても壊せなくて、他のものは手に入れられないんだけど、狂いそうに気持ちが高ぶり、相手の全てを求めてしまう。 求め合って満たされても、その先は見ないように感情をコントロールし、思い出にしがみついていく。 相手への想いと、踏み出す想いは別物。 結ばれる幸福と、結ばれない不幸は紙一重。 愛した人と生活する人が異なることもある。
この辺が、非常によく表現されていて伝わってきました。
ただ、いつも御世話になっているケイケイさんもおっしゃってましたが、イニスとジャックが恋に落ちる過程が少々唐突すぎる。 2人の信頼度や、(恋愛感情だけでなく)人間同士の親密度をすっ飛ばしてイキナリ本題に入っているような気がして。 「恋心」って、ある意味、衝動的だろうけど、もうちょっと時間をかけた経過の描写があっても良かったんじゃないでしょうか。
ただでさえラブシーンを見るのが異常に苦手な私、、、イニスとジャックの最初のラブシーンがまさかあんなに強烈だと思わなかったので、正直、一瞬、吐き気がくるような感覚を起こしました…。 あと5秒長かったら「おえぇっ」となってたかもしれない…。 そのくらいカナリ嫌悪感があったんだけど、でも、物語の方が優っていたから、不思議とすぐに冷静さを保てれた。
そして、その後のイニスとアルマのラブシーンが、けっこう印象的でした。
(書いてて超恥ずかしいけど、文字にしないとレポにならないので、サラーっと書いちゃいますが…)「そのままして」って言うアルマに、イニスは電気を消してアルマを後ろ向きにさせると、アルマが「なんでいつも後ろなの?」って言いたげな表情をするんです。 そのアルマの表情はホンの1,2秒で、すぐカットが変わっちゃうんだけど、彼女の何ともいえない表情が忘れられない。 ミシェル・ウィリアムズ上手い! 肉体的には繋がっているのに、真の心では繋がりきれない行動が見事に表現されていたシーンだと思いました。
どんな映画でも、ラブシーン(もちろん男×女の)見るのが凄い嫌で、異常に苦手な私が、こんな超リアルなシーンが印象深かった事が自分で驚き。。。
ラストは、イニスにとって自分の愛の証である2人(娘とジャック)が、彼の住居の中で唯一と言ってもいいような「入れ物=クローゼット」の中で同居(?)して、カギをかけたり開けたり…イニスの感情のままに思えました。
ラストは、ジャックは殺されたということですよね…?
「生きていればどうにか(どうにでも)なること」と、「例え地球がひっくりかえってもどうにもらならいようなこと」ってあるから、イニスにとってもジャックにとっても、どちらが良かったとは簡単に言いきれないけど…。
主役の2人は、文字通りの熱演だったけど、双方の奥さん役のミシェル・ウィリアムズ&アン・ハサウェイがお見事でした。 彼女達の演技が印象深かった人はきっと多いんじゃないかなぁ〜。
ミシェル演じるアルマの方が「不幸」ポイント高いから、感情移入する人が多いかもしれないけど、最後の最後まで「知ってて知らないふり」していたアン演じるラリーンの方が私は好みでした。
しっかしこれは、じりじりと尾を引く作品だなぁ…。
世間的には、既に話題も鎮まってきた作品だろうけど、うちの方では自主上映にて、6月3日〜9日まで限定上映。
この映画を2回見に行ったというリネさんに途中でメールしちゃったけど、ナゼか、オバサン客が多かった…不思議。 オバ客大盛況で、全体的には50人ぐらいはいたかなぁ〜、なかなかの大入りでした。
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今日、何年越しの夢が叶いました。 毎年この時季になると、友達に「蛍見に連れてって」とお願いし続けて数年…やっと見れた!
本物の蛍をナマで見たのは生まれて初めて。 「幻想的」という言葉がピッタリな情景でした。 多分、一生忘れない景色。
♪BGM〜『Nat King Cole At The Moveis』
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■感想予告■(映画見済・感想暫待) 『初恋』
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