16世紀のヴェニス。 ゲットーに隔離されたユダヤ人たちは、金貸し業を営み、キリスト教徒から蔑まれて暮らしていた。 ある日、若きバッサーニオ(ジョセフ・ファインズ)は、美しい遺産相続人のポーシャ(リン・コリンズ)に求婚するため、親友のアントーニオ(ジェレミー・アイアンズ)に借金を頼む。 全財産を船で輸送中のアントーニオは、ユダヤ人のシャイロック(アル・パチーノ)を紹介するが、シャイロックは、無利子で金を貸す代わりに、3ヶ月以内に返済できなければアントーニオの肉を1ポンドもらうと契約をかわす。。。
誰もが知っているシェイクスピアの代表作。
古典好きの私は、けっこう期待して見に行きました。 デキは期待どおり! 私はカナリ好きだなぁ。
「喜劇」より「悲劇」要素が強く感じられる演出内容になっているけど、アル・パチーノの演技は、悲劇に合っていました。 キリスト教徒への皮肉の部分よりも、哀れさや虚脱感が強く伝わってくるので、思わずシャイロックに肩入れして見てしまう。 風貌を含めて、私は自分のイメージどおりのシャイロックだったんだけど、シェイクスピアの精通している人から見ても、こうゆう風に感じる人はきっと多いんじゃないかしら?
アル・パチーノのシャイロックが強烈な存在感と、イメージぴったりだった為、最初は、アントーニオのジェレミー・アイアンズやバッサーニオのジョセフ・ファインズは、少々「あれ…こうゆう感じなんだ…」と思ってしまいますが、物語が進んでいくにつれて、とても良い感じになってきます。 俳優の好みは別として、キャスティングはマッチしていたと思う。
ただ、ポーシャのリン・コリンズが、私の描くポーシャ像と掛け離れていて、最初は、「えぇ〜、ポーシャってこうゆう娘じゃないと思うんだけどなぁ」と、ずっと思いながら見ていた。 もうチョット、子供っぽさというか娘っぽさというか、そうゆうのがあっても良かったんじゃないかな。
でも、裁判官に化けた時は凄く良かった〜。 そうゆう面では、前半の(自分が違和感を感じた)ポーシャ像も活きていると言えるのか?…な。 裁判官の変装をしただけで、あそこまで幼く見えるのギャップがビックリ! 裁判シーンは、そこだけナマの舞台を見ている感じに思えました。
ラストシーンも個人的にはとっても好きな演出。 アル・パチーノあっぱれです!
ヴェニスの街並みや衣装の雰囲気も良いし、シェイクスピア未読の人が見ても、分かりやすい内容になっていると思います。
自主上映会にて、今日から10日までの4日間限上映。 初日に張り切って行ってきました。 平日の夜だったけど、30人以上はいたかなぁ。 そこそこのお客さんの入りでした。
♪BGM〜『The Love Rocks』by:Dreams Come True
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■感想予告■(映画見済・感想暫待) 『ナルニア国物語』
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